あ!落ちた!!!                   HP入り口へ

安全最優先に設計をすること・・・ あまりにも当たり前で、それでいて身に付かない

工場では、ちょっとした不注意や操作ミスなどが大きな事故の要因となる

その要因の一つに、設計の熟慮不足がある  今回は、落下した事故にまつわるはなし

心したい 安全を優先させられないなら その機械を生まないことだ

 

           バランサーのはなし

 

その1   上下送りするユニットがある。それを、油圧シリンダーで支えている。駆動は効率の良いボールネジ。

クランプ装置は安全サイドに働く皿ばねタイプ。モーターもスプリングクローズドのブレーキ付きにした。電源OFF時、非常停止時は油圧ユニットの電源をタイムラグを持たせて切るようにした。

 安全には気を使ったはずだったが、あるとき、そのユニットが落下した。

停電だった。

瞬時で電源もすべて落ちたため、クランプやブレーキが利くまでのわずかな時間ではあるが落下した。

一部損傷したが人身事故には至らなかったのが幸いだった。

☆☆☆☆☆☆ 

その2 上下に移動するユニットがある。それを、油圧シリンダーで支えている。駆動は効率の良いボールネジ。

そう、前回お話した機構と同じものだ。

トラブルを経験したから、油圧回路にパイロットチェックバルブを入れた。もう、万全だ。

でも、気持ちが悪いから、ユニットの下にカバーをして、人が入れないようにしておいた。


納入してから、10年以上の時ガ流れた。そんなある日、突然お客さんから電話がかかってきた。

落ちた。。

下のカバーはつぶれたらしい。そんな馬鹿な。。原因を聞いたが、すぐ飛んで来い。自分で調べろ、とお怒りの様子。

サービスと連絡をして現場に急行した。

落ちた原因は、ホースのトラブルだった。それも口金のところから破裂していた。

ホースが破裂しては、インターロックも何も効くはずが無い。ホースの劣化が招いたトラブル。可動ホースだから、劣化だけだったか、いろいろ原因も調べた。口金のところのかしめが弱かったか、曲率が小さすぎたか。どこかにこすっていなかったか。古くなったホースを調べてもはっきりしなかった。寿命だったのだろうか。

取り扱い説明書には、交換の機関が明記されていたため、有償で交換し、事なきを得た。念のために入れたカバーが機械のダメージも人への危険からも救ってくれた。

「落ちるはずが無い」 という感覚は、さらに無くなった。危ないことは、いつかは起きる。

何が起きようが、少なくとも人身事故にならないよう、屋上屋を重ねても安全に気を使うようになった。

 

☆☆☆☆☆☆
 その3 上下に移動するユニ
ットがある。それを、滑車とチェインを使って反対側に鋳物のオモリをつけてバランサーとしている。これらを支持している本体のことを、コラムと呼んでいる。

前回お話した機械の油圧シリンダーがオモリになったものだ。こちらの構造の方が確実で、一般的に使っていた。

鋳物のオモリと移動ユニットの重量はほぼ同じで、若干の違いがあっても、各部の摩擦こじれ力やモーターのブレーキ力で十分であり、さらに、オモリの方を重くしてコラム内に設置しているため、万一でも安全である。

ある日、お客さんから電話がかかってきた。

落ちた。。   

チェインが切れて、移動ユニットはブレーキのため残ったが、鋳物のバランサーはコラムの中に落ちた。コラムを取り付けているベース本体が割れた。

落ちた原因は、チェインのピンの破断だった。

調べてみると、無事だった他のピンも磨り減ってやせているのが認められた。

安全に関わるところは、安全率を十分とって設計する。これは常識であり、計算書を見直したが問題は無かった。

間欠給油でチェインが曲げられるスプロケットのところに潤滑をしていて、潤滑油量などのインターロックもとってあった。 

ピン部が滑りのため、少しずつ磨耗していったのだろう。また、長年の使用の過程でピン周りに汚れが認められ、潤滑油が十分に行き渡っていなかったことも原因のひとつと思われる。

チェインのピン部をすべりから転がりタイプに変更し、潤滑方法も改善した。

機械が納入される環境によっては、こうした汚れによる被害は十分考えられる。環境に対する配慮不足がもたらした事故であり、特に、高所で普段保守点検が行き届かない部位には十分設計的な配慮をすべきであった。

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         工場で経験したヒヤリ事故のはなし

      

 

    ☆☆☆☆☆☆

その1 旋盤の近くを歩いていた時の話。

ば〜ん と 突然大きな音がして、目の前をなにやら物体が飛んでいった。スローモーションのような瞬間だった。

やがて、柱の向こう側でドスンと落ちる音がした。 状況が飲み込めないまま、しばらくはボーっと突っ立っていた。

やがて、目の前の旋盤のカバーが無残な状態になっているのがわかった。

先ほど飛んでいったのは、チャックだった。回転中に割れて片割れが飛んでいったものだ。

もう少し早く歩いていて前にいたら、私は今こうしてこの世にいなかったと思う。背筋がぞっとした。チャックの締め付け不良か、、回転数が異常だったか、原因は聞いていない。

それにしても、旋盤のフロントカバーが破れるとは・・・・・

回転するところにカバーをするのは、設計者でなくても常識である。しかし、気持ちのどこかにカバーさえしていれば、という安易さが無いだろうか。

安全にかかわるところは、その役目を十分に 果たしてくれるかどうか、ちゃんと考えて設計しなければならない。

危険は油断の隣に居る。  工場での安全は、絶対に確保されなければならない。

そのー2 近くで眺めた 長尺軸が落ちる瞬間

クレーンで、長尺の軸を運搬していた。3000mmほどだろうか。
安全通路で、指示により、進行路から退避して見上げている。 たまたま 私は中二階にいた。

それは、クレーン走行を一旦止めた瞬間に起きた。軸は少し前後に揺ら揺ら動いている。クレーンのインチング操作をして、その揺れをとめようとしていた。

どういうわけか、軸がゆっくりと吊り具から外れていく。 やがて、

落ちた。

スローモーションの世界だった。 無論、誰にも止められるわけではなく、人の安全を図って、周りに注意を喚起する指令が飛んだ。

幸い、人身には影響が無かった。

後日、さらなる安全通則の徹底の指示があり、朝礼で安全作業の確認がなされた。

日頃、慣れている作業に潜むちょっとしたミスだったのだろう。しかし、それが大きな事故の原因となる。

落ちるなんて、夢にも思わないで眺めていた自分を戒めた。

 その3 加工中にワークがチャックから外れた

大型の特殊専用機が完成した。高さは3000mmほどで、φ1500ほどのリングが回転しながらワークを削る。
 検査も順調に進み、テスト加工も終了した。 

専用機なので、社内でのお披露目に再度テスト加工を実施することになった。
めったにないチャンスである。みな興味津々で集まってきた。加工点は見上げるほど高い。そこに丸材のワークをチャックで加え、お披露目に入った。

バイトを入れて、しばらくしたときに、トラブルが発生した。

鈍い音がして、ワークがチャック の爪の中で遊びだした。 とっさに非常停止ボタンを押したが、大径のリングは簡単に止まらない。

 スローモーションの世界だった。

ゆっくりと爪を外れたワークは、回転しながら機械のベッドの上に斜めに、


   落ちた。

見学者達は、誰もが身動きできなかった。 遠巻きに見ていたため、今回も人身事故に至ることはなかった。

イナーシャの持つ恐ろしさ。削りには、そのエネルギーは頼もしい限りで、少々のことではびくともしない。しかし、トラブルが発生すると誰にも止められない。

ベッドの傷は、幸い修復できて、機械は出荷できた。

大きな機械になると、機械回りに柵が張り巡らされ、さらに中に入れないよう、安全スイッチを設けることもある。
かえって不便ではないかとも思うが、予期しない事故を考えると、便利さよりも安全さが大切である。

 

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