韓国・朝鮮-01






韓国・朝鮮-01


韓国・朝鮮は地図の上では日本の隣国ですが、未だに近くて遠い国という印象を持っています。この魅力ある国に関して地球の反対側で考えた事を綴って行きます。


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01・総論 (99年08月28日)
02・金正日 総書記 (2000年 6月15日)
03・歴史 (99年08月23日)
04・日韓関係 (2002年01月01日)
05・朝鮮戦争(2002年 4月08日)
06・統一韓国 (2002年 4月08日)
07・李氏朝鮮 (2003年12月10日)
08・李氏朝鮮末期 (2003年12月12日)
09・韓国の歴史観 (2003年12月15日)
10・朝鮮に関する書籍 (2002年10月02日)
11・朝鮮がテロ国家と自ら認める (2002年10月10日)
12・プラスマイナス・マイナス・プラス(2002年12月13日)
13・朝鮮を巡る一年(2002年12月30日)
14・朝鮮を巡る一年 - その2 (2003年12月18日)
15・万景峰号(2003年 6月11日)
16・韓国の性 (2002年 6月23日)


01・総論 (99年08月28日)
韓国・朝鮮は日本の隣国、顔をみただけではほとんど区別がつかないし、習慣などはかなり似ている点もあります。日本に住んでいるいた頃、そう高校生時代に、日本ではこの隣国の情報が余りに少ない事に気が付き、疑問に感じると共に関心を抱くようになりました。それ以来この隣国に関して注目し、日本に居る時には出版された書籍が出ると必ずといって良いほど購入するようになり、今では200冊近くになっています。(パラグアイ日系人では多分一番多い事でしょう)歴史書籍、戦争(朝鮮戦争)、生活体験記、旅行記、料理の本と内容は様々ですが、色々な側面からこの国を見ておりますと、なかなか面白いものです。最近では趣味の覧に「韓国・朝鮮」と書くほどの凝り様です。そう南米が本業とすれば韓国・朝鮮が副業と言った感じしょうか。実はその昔はむしろ中国に関心があり、中国に憧れを抱いておりましたが、中国関係の歴史などの本等を読んでいますと段々と中間に位置するこの半島に関心が移って来ました。歴史・文化・料理、何を取っても面白いものです。

また現在は不幸な事に現在でも南北に分かれており、冷戦終結後の現在に至るまで分断国家になり、対峙しているというのも関心を誘います。南北それぞれの主張は未だに平行線のまま、双方とも究極の国家の目標として「南北統一」を掲げていますが、現実にはなかなか難しい問題が多いように思います。一度戦火を交えた双方の不信感はなかなか拭い切れないでしょう。停戦はしていますが、あくまで停戦で戦いは現在も続行中なのです。最近では北の不審船とか拉致などが日本のマスコミで取り上げられるようになっていますが、朝鮮・韓国ウォッチングを続けている者にとっては何を今更と思っています。また色々な朝鮮訪問紀が出ていますが、中には日本の常識から抜け切らずに「アレー」と思う事もしばしばです。最近もとある週刊誌で少女が「飼っている犬を食べた」と書き、北の食料事情がここまで悪化しているという書き方をしていましたが、朝鮮では「犬はご馳走で食用」、日本で豚を飼っているのと全く同じ感覚だと思うのです。

当地に来た当時は、南米に来て韓国は遠く離れたと思っていましたが、実際には同じ街の住人として韓国人と接する機会が多くなり、また好んで韓式料理を食べ、韓国食品店に足を運ぶので接点は増えるばかりです。一番強く感じたのは日本で接触していた韓国の方達は在日韓国人、2・3世の人が中心でアイデンティティーは韓国なのでしょうが、日本の文化・習慣にかなり深く入り、実際には韓国系日本人?という感じになっていると思います。当地の2・3世が日系パラグアイ人となり、考え方、仕草などが日本に住んでいる人と異なるとよく似ています。それに対して当地で出会う韓国人は当たり前ですが韓国の韓国人、ごく普通の人達です。在日の方々は常に日本と韓国、その両国を意識して生活をされていると思いますが、当地の韓国の人達は普段の生活の中では特に日本人を意識する事無く韓国で生活をされて来ている訳ですから違うのは当然ですね。正直に感じるのは日本人と違うがやはりよく似ているという事でしょう。これでは外国人から見ると区別がつかないでしょうね。1世はまだ仕草・服装などである程度は判りますが、2・3世になり、スペイン語で話をしていると全く区別が付きません。日本でも日韓新時代と言います、この魅力溢れる隣国をもっと知る必要があるように思います。双方で何か思い込みみたいなものが先行して、実態と懸け離れた韓国像、日本像になってしまっているように思うのです。



02・金正日 総書記 (2000年 6月15日)
この3日間、何時もにも増してNHKを見てしまった。金大中大統領が北を訪問するというニュースを聞いて、「本当に平壌に着くまでは信じられない」と思っていました。直前になって一日延期されて、「ああ、これで今回も中止かな」と思ったのは作者ばかりではないでしょう。そしてその夜、NHKを見ていたら突然平壌空港が出て来て、金大中大統領が着いたという、これは世紀の見物と画面を見つめてしまった。そして皆が驚いたであろう、金正日総書記が登場し、二人がにこやかに握手するではないか、今までの朝鮮半島の常識が一気に覆った瞬間であった。

金総書記というのは謎の人物で、色々な本が日本で出版されてはいますが、実像はよく判らず、憶測ばかりが先行してしまっていた。なにしろ発言で今まで収録されているのは「解放軍に栄光あれ」の一言だけ、影武者も多く居るなどと噂され表に出ない、いや出れないのはないか?という意見もあった。それが今回は韓国へ中継されている中でかなりの長時間話しをした。韓国側のプレスでどよめきが起きたのも当然だと思います。金大中大統領に向って話しをしているが、心中は韓国そして世界へ向けて話しをしたのであろう。そして皆が驚いた。「賢い」と。今まで多くの朝鮮本が日本で出版されて来たが、金総書記に対してはほとんど実像と離れていたと結論するしか無い中,テレビディレクターのテリー伊藤さんが書いた「大笑い北朝鮮」に出て来る金総書記が一番的を得ていたように思う。この本の中で「天才的演出家」と彼をまず表して、「自分に一番影響を与えたのは金正日だ」と書いている。今回のテレビを見てそれがよく理解出来た。実に巧みな演出であったと思います。

最後に二人で昼を食べて空港に行き、別れの挨拶を交わしている姿はどう見ても親友、友好国の関係を示しているとしか思えませんでした。そしてその模様を朝鮮放送はテレビで国民に伝えた。南の市民が驚いたいた以上に北の市民が驚いたのではないだろうか?鉄道が連結される、離散家族が会うなどという事が本当に実現したらもしかしたら本当にゆるやかな連邦になって統一へ向うのでは?と思わせる程でした。それにしても韓国民もよくこの前の大統領選挙でこの金大中大統領を選択したものだと思います。確固たる信念を貫く政治家だと思います。

どちらかと言いますと強行路線であった朝鮮、今後は大きく方向転換して中国に習った改革開放路線を歩むのでしょうか?何故ここへ来て金総書記が方針を変えて韓国に歩み寄ったのでしょう。答えはこれから出て来るでしょう。色々な約束が実施され、金総書記がソウルを訪問するとなれば本物と言えるでしょう。これからしばらくは朝鮮情勢から目が離せません。



3・歴史 (99年08月23日)
朝鮮の歴史を振り返ってみますと、明治維新の頃には500年近く続いていた李王朝の中央集権はしっかりしており、鎖国状態を堅持して治世を行っていました。この朝鮮に対して日本は自身の開国の際に受けた不平等条約の経験を十分に生かして朝鮮との間に次々に不平等条約を締結、朝鮮国を大韓帝国とし、宗主国としての清国の地位を剥奪にかかり、ついには朝鮮の利権を巡り日清戦争となり、日本が勝利して朝鮮は日本の属国の道を歩みます。今度は朝鮮王朝はロシアを頼りにし日本とロシアが対立し日露戦争となります。この戦争に勝利した日本、朝鮮は日本と共に歩む道しか残されていませんでした。

1,910年には外務省はわざわざ「併合」という単語を作ってまで朝鮮を我が物とし、1,945年終戦で日本の植民地支配は終息を迎えたが、米国の認識不足から分断、その後朝鮮戦争で南北は国土を往復する消耗戦を体験、停戦し現在に至っている。歴史を振り返ると何ともすさまじいものです。明治維新から日清・日露そして日韓併合まで、西郷隆盛の征韓論から始まり、日本の近代化の歴史は朝鮮進出の歴史であるとも言えます。

朝鮮半島の歴史を知る上で参考となる図書を幾つか挙げます。これらを読むと朝鮮半島が今日まで辿って来た苦難の道、そして日本が深くかかわって来た事を知る事が出来ます。

倭乱・上下(講談社:辛奉承)
秀吉の朝鮮侵略を読み易い物語として書かれている。
ソウル城下に漢江は流れる(平凡社:林錘国)
李王朝時代の風俗史、庶民の行き方を中心として説明している。写真や挿絵もふんだんにある。
アリラン峠の旅人たち(平凡社:安宇植)
これも李朝時代の庶民の行き方を中心としている本。10の説話になっている。
江戸時代の朝鮮通信史(講談社:李進熙)
江戸時代日朝は友好関係にあり、朝鮮から江戸まで12回に渡り使節が来た。
韓国(読売新聞社:片野次雄)
朝鮮の歴史の中の有名な話しを判り易い読み物にしている。
李朝滅亡(新潮社:片野次雄)
明治維新、日本が朝鮮に野望を持ち、500年続いた李朝を骨抜きにし、ついには併合する過程を克明に描いている。併合後の三一運動にも解説している
韓国現代史(至誠堂新書:林建彦)
日本の敗戦による開放から以降、朝鮮戦争を挟んでの歴史。
朝鮮戦争1,2,3(文春文庫:児島襄)
朝鮮戦争を描いた本は数多くあるが、物語になっており一番判り易い。
朝鮮人民軍の南進と敗退(コリア評論社:朱栄福)
朝鮮戦争を北の将校として戦った人の克明な記録。朝鮮建国から戦争に至る経緯がよく理解出来る。南側に攻め込む際の記録は実にリアル。



04・日韓関係 (2002年01月01日)
2002年はワールドカップ日韓大会という事で世界的な大イベントを日韓で共同開催します。表面的にはこれを機会に両国の友好親善を唱えていますが、本音は日韓ともこの大会を自国の単独開催で行った方がベターと考えていたように思います。名称から全てに「韓国」を優先しなければならない、日本での表記まで「韓日」にしなければならない、等と言うのは日本側の不満を助長しているように思います。韓国としては日本と比較して世界的には知名度が低く、この大会を通じて自国の売り出しに必死になっている様子が分かるように思います。

日韓の歴史は隣国であり、当然長く深いものですが、国境という概念がまだ確立していなかった時代には多くの人達が往来していたと思います。両国が別の道を歩んでからも友好の時代が長かったように思います。しかしながら近年に入り征韓論辺りから急速におかしくなり、1910年の日韓併合等、この100年は不幸な出来事が多かったように思います。戦後の日韓関係は冷戦という環境の中、ギクシャクとした関係ではありましたが、米軍の傘の下という共通の居場所で過ごして来ました。それでも両国国民の間ではまだまだお互いに抜きがたい不信感が存在しているように思います。

今、冷戦が終了し新たな世界の枠組みの中でいよいよ両国が本当に協力して行かなければならない時代が到来しているように感じます。世界では現在急速に経済圏なる囲い込みの現象が起きており、EU(欧州連合)、NAFTA(北米:カナダ・メキシコ・米国)、ASEAN(東南アジア)等の経済圏が出来つつあります。この中で日本はどこと組むか?となりますが、どのような大きさの経済圏を想定するにしても「韓国」と組まないという選択肢は在り得ないと思います。それほど両国の地理的な位置は近いと思います。実際にも製鉄の分野等で次第に協力関係が生まれています。

韓国とどのように仲良くして行くのか、もっと友好理解を深めて行けるのか、色々な問題はあると思いますが、一つの考え方として、両国間で常に問題になっている「竹島」を分割してみてはどうでしょうか?竹島の帰属問題では両国の主張が平行線をたどっており、解決の糸口はありません。韓国では領有権を主張して島を要塞化しているという話も聞きますが、これは到底日本側の理解を得られるものではないと思います。この際、この島を両国で2分して国境を作ってみてはどうかという「案」です。無人島に近い島での非常に短い国境となりますが、日韓はこれにより距離が「ゼロ」になり、国民の意識にも大きな変化が生まれると思います。日本は島国であり外国の事を「海外」と称していますが、世界の中でこのような表記をしているのは日本だけであるように感じます。このような意識を変え、隣国である韓国をもっと強く意識して行けば両国の関係は変化して行くと思います。

この世界的な経済不況の中、嫌でも何でも最後にはお互いがパートナーとなり、協力して行くしか選択肢が無いように思います。朝鮮を含めた韓国の人口は約7千万人、日本と併せれば約2億人となり、世界の経済圏と伍して戦えるように思います。真の日韓友好の時代の到来が待たれます。



05・朝鮮戦争(2002年 4月08日)
金大中大統領の平壌訪問から始まった南北和解へ向けての一時の興奮から醒めてみて、改めて朝鮮情勢を眺めてみますと、再び冷戦時代のような 対立した状態に戻ってしまったように感じます。朝鮮政府は外貨獲得の手段として依然として武器のテロ国家への武器輸出を続けており、その為に米国・ブッシュ大統領からイラク、イランと共に「世界の3悪」と名指しをされて一気に緊張が高まっています。

また、日本との関係も昨年末に起きた不審船事件、そして拉致疑惑が確たる実行犯による証言が出て 来て朝鮮へ連れ去られた道筋が明白となり、朝鮮は「人攫い国家」である事が示され、和解への道筋は かなり遠のいたという気がします。そして来月末から日韓共同開催となるサッカー・ワールドカップに 対してテロ活動を行うのではないかと危惧されており、一時の金正日総書記の韓国訪問などというのは 夢となってしまっています。最近ではワールドカップ期間中の飛行機へのテロを警戒する米国政府の呼 びかけがあり、緊張は高まるばかりです。

南北朝鮮のお互いへの不信感はなかなか完全に解けるまでには至りませんが、これには民族を二分して戦った「朝鮮 戦争」が未だに影響していると考えております。朝鮮半島が日本の敗戦により開放された時点で、米国 がこの地の地政的な重要性を正確に理解していない為に、北半分へのソビエトの進出をむざむざと許し てしまった事が事の発端であり、米国は当時、東アジアに関してはそれまでの敵であった日本の占領そ して共産勢力が強くなっていた中国大陸にかなりの労力を割いてしまい、半島まで考えが至らなかった 事が原因であると思います。あの時に米国には、やるべき事、片付ける難問が多過ぎた事が朝鮮半島の不幸を招いた大きな要因であると思うのです。

そして、情報力と圧倒的な実力を誇る米国が第二次世界大戦終了を前にして東アジアに関して明確なビ ジョンを持ち合わせていなかった事には少々驚きます。日本が日清・日露そして日中戦争と他国との戦争を起こしてまで何故あれほどまでに中国東北部、旧満州の領有にこだわったのか、そしてその利権を守る為に泥沼の戦争に突入し結果的には国を滅ぼしたのか、冷静に検討、分析すれば対朝鮮半島に対する戦 略そして戦後処理も違ったものになったのではないでしょうか。どうも米国というのは情報収集力は一流でも想像力、特に他国の思考を推測する能力に欠けているように思います、これは現在に至るまで特徴なのでしょう。

朝鮮戦争は50年6月に勃発しました。長い間、南北双方で相手側を非難し、相手側が攻めて来て仕方 がなく応戦したと言い張っていました。そして、今でも北側はこの戦争を「民族解放戦争」と位置付けており、韓国側が北進して来たとしていますが、現在では北側が用意周到準備をして南へ侵攻した事が明白になっています。金日成がスターリンから南進の了解を取り付けて、攻撃の際には軍事顧問団の派遣等、ソビエトの支援を受けていた事は今では歴史的な事実として知られている事です。日曜日の夜明けに不意打 ちをし、想像力に欠ける米軍そしてその傘下にあってまだまだ脆弱な韓国軍は敵の正確な動きを掴めぬまま敗退し、あっという間に首都ソウルを占領されてしまいます。(米国は予測していて、わざとやらせたという指摘もありますが・・)韓国軍は南に向けて逃走するのでのですが、 その際にどうも北側は首都のソウルさえ占領すれば戦争は終わると思っていたようなのです。一つには 北側では南半分でも共産軍が来れば民衆は「開放」されて、人民の決起により一気に革命が進行すると 思っていたのと、首都さえ占拠すれば後は政府は瓦解すると思っていたようなのです。ソウル占領から機敏に動けばその後の状況はず随分と違っていたでしょうが、韓国側に建て直しの時間を与えてしまいました。

確かに最近のアフガニスタン・タリバン政権の例を見ても分かりますように歴史的にみますと、首都が陥落すると政権は崩壊状態となり、たちまちにして戦争は終結に向かい、後は掃討戦という様相になる ことが多く、北側がそのように考えたとしても無理も無い事でしょう。ただ朝鮮戦争の場合には、様子は大分異なり、韓国軍は釜山を中心に橋頭堡を築き徹底抗戦する事になりました。これは、冷戦の時代、 内戦状態の中国でも共産軍が優勢であり、これ以上共産側の勢力が強くなると日本を含めた東アジア全体が共産化する可能性があると見た米国が支援した事が大きかったのは言うまでもありません。また北側が期待していた民衆による決起も起きなかった。北側は自分たちが来れば南部で共産軍への支援、協力が起きると本気で考えていたようなのです。

日本に居たマッカーサーは事の重大さを軍人として的確に把握してあの有名な「仁川上陸作戦」を敢行します。北側が南進を開始して僅か3ヶ月後の事です。今度は一気に米国軍を中心とする国連軍が北進し、朝鮮北部 の辺境にまで共産軍を追い詰めます。そして中国の参戦、49年に成立した共産中国がこの戦争に参加、 戦争は実際には中国軍と米国軍の戦いという第三段階になります。得意の人海戦術で北側が圧倒的に有利となり、国連軍を押し返し、再度ソウルは北側の手に落ちてしまいます。この際にマッカーサーはトルーマン大統領に原爆の使用を示唆して解任されてしまいます。米軍が本腰を入れて立ち向かい再度押 し返す第四段階、両軍の備えは万全で膠着状態となり停戦となり、4年間の戦闘は停戦となります。こ の際に韓国はこの停戦を受け入れずその為、停戦は北は中国・朝鮮そして南は国連が停戦にサインし、 以降現在に至っているわけです。数年前に板門店まで行きましたが、確かに南側には韓国の旗ではなく「国連旗」が掲揚 されていました。

米国ニューヨーク市行われた全米日系人大会に出席して、初めて知ったのですが、この戦争には多くの米国日系人が参戦しています。ある一人の年配の参加者が「自分は朝鮮戦争に参戦した」というのです。 お話を伺うと、当時はまだ第二次大戦の直後でほとんどの朝鮮軍の兵士は日本語を理解したので諜報活動 ならびに通訳などに従事したというのです。また多くの日系人がこの戦争で亡くなった事を知りました。 日本民族もこの戦争で多くの犠牲者を出していたのです。

この民族を分けて戦う戦争で何が結果として生まれたのかと言いますと、まず経済的には日本の経済復興に大きく寄与した事が挙げられると思います。戦後不況に喘いでいた日本はこの戦争特需で一気に経済成長を遂げます。これに対して韓国が漢江の奇跡と呼ばれる経済復興を遂げるまでにはまだまだ時間がかかりました。 もう一つの敗戦国ドイツが分断国家となり、東アジアでは旧占領地域が分断国家となりそのお陰で日本が経済大国への道が開けたという訳です。

この戦争は53年に停戦になったままです。両軍の対峙は現在まで絶えることなく続いています。この 戦争は決して終結したわけではありません。いつまた停戦が反故となり、熱い戦争になるのか分からな い状態が続いているというのが本当の姿のようです。実際に韓国を訪問して驚くのがソウルから停戦ラ インまでの近さです。ソウルの中心部から100キロもありません、また韓国の若者には未だに徴兵制 度があり、多くの若者は前線で緊張した時を過ごします。北との対峙が生活の一部となっている状態が 続いている訳です。50年前の旧式な装備でも共産軍は数日でソウルを占拠しましたが、現代、100 キロ足らずの距離というのは本当に小さいものであると思います。数年前に北の高官が「ソウルを火の 海にする」という発言がありましたが、これを単なる脅しとか絵空事とは言えない現実があるように思 います。



06・統一韓国 (2002年 4月08日)
どの歴史を見ていても大体50年経過すると、過去の「歴史」になりそのや戦争の呪縛 から開放されるように思います。冷戦も第二次世界大戦終結から約50年で消えましたし、日本で長らく使われていた「戦後 」という「年号」も敗戦から50年経過してからはほとんど使われなくなったように思います。そして朝鮮戦争停戦からそろそろ50年が経過しようとしています。南北に分断されて停戦となってから来年で50年になります。そろそろこのような不自然な状態も終わりを迎える事になると思います。南北がどのような形でも統一した国家となるのはもう近い事のように想像しています。現在の南北の状態から推測しますと韓国主導の統一となる公算が強いと思いますが人口7千万のITで武装した、戦争の心配をしなくても良い先進国 が登場した際には世界に与えるインパクトは大きい事でしょう。

その中で統一が実現して一番困るのは中国ではないかと 想像しています。中国は広大な面積を有し、多くの国家と国境を接していますが、所謂近代的な資本主義の国はありません。 (自国内に香港という特殊地域を抱えていますが)もし韓国が北を併呑する形で統一が実現しますと、先進的・資本主義国・韓国が隣国になってしまいます。その豊かさ、自由さ、そして民主主主義を直接自国民が見てしまう事は共産党一党独裁政権にとっては決してプラスにはならないと考えるでしょう。また隣接する中国東北部には多くの朝鮮族の人々が住んでいます。彼らが統一韓国との大合同を唱える事になる事を一番恐れいていると思います。

どのような形でこの戦争状態が終結するのか色々と想像しています。2年前には南北首脳会談が実現し、 もしかしたら平和的な解決が為されるのではと世界が期待した時期がありました。それには余りにも現在の南北の体制、状態が違い過ぎるように思います。経済的にも軍事的な面でもますます差は拡がるばかりで、北が劣勢となっている現在、常識的に考えて、北が望むような北主導の赤化統一はまず可能性 が無い様に思います。また、韓国はドイツ統一の際に統一のコストが如何に高いものにつくのか見てし まいました。あの時以降、韓国政府は現実主義となり、統一よりも北の経済開放発展、平和共存を望むようになっていま す。朝鮮・韓国の統一は思想面、経済面、インフラ面どの点を見ても実際にはドイツ統一よりも遥かに困難な作業となるでしょう。

個人的には韓国が目指しているような「太陽政策」による段階的な統一というシナリオは余り可能性が高くないと思ってい ます。一番大きい可能性は何か偶発的なきっかけで事態が急に進む、冷戦終結の時のように、時々当事者が理解しているよりも歴史のテンポが早く進む時がありますが、南北統一も何かのきっかけであっという間 に実現してしまうような予想をしています。もしかして韓国政府や日本政府がまだ何も準備していない内に朝鮮政府が事実上崩壊してしまうというような事が起きるのではないでしょうか?その時、新潟から旅立った 多くの朝鮮帰国者は日本への帰国を望む事でしょうし、当然の事ですが、日本は日本人妻とその家族は 受け入れなければならないでしょう。また新天地を求めて南米移住を望む人も出て来るかも知れません。後始末には多 大な費用と時間と労力が必要になると思います。突然「その時」がやって来ても対応に困らない様に日本は民間ベースの交流も含め、色々なシナリオに関して韓国側と打ち合わせ、リハーサルを行っておく 必要がある時期に差しかかかって来たように思います。

朝鮮戦争が完全に終了した時、すなわち統一韓国が登場した時に東アジアはどのようになるのでしょう?現在の韓国と比較して面積で2.5倍、人口7千万の国家が出現する事になり、西ドイツの1/4の東ドイツを合併して誕生した統一ドイツ以上に大きなインパクトがあるように思います。現在、韓国は日本と比較しますと人口で1/3、面積で1/4と劣勢は否めませんが、統一韓国となりますと人口・面積共6〜7割となり、地政的な条件はむしろ恵まれており、日本など先進国に十分に対抗可能な国家となると思います。

韓国が日本に併合されたのが1910年、近代に入って初めて統一韓国が出現するとなりますと東アジアの状況も一変するのではないでしょうか?まず注目するのは中国東北部(旧満州地域)が韓国の経済圏になる可能があるということです。統一韓国、そしてその首都のソウルは東アジアでは東京、大阪に匹敵する近代的な巨大経済都市であり、人口も1千万を超えています。現在中国東北部は従来型の重長大産業の不振で上海・広東等の江南部と比較してかなり経済的に遅れをとっています。ただし石炭・鉄鉱石等の原料、広い土地、経験豊かな労働者が等産業のベースは十分に備わっています。この両地域が結び付く可能が高いと思います。東北地方最大の都市であり、北京から割合と近い瀋陽からですらソウルは北京よりも近く、500キロ余りの距離しかありません。高速道路が両都市と結ぶと一体化して巨大経済圏が出現するという訳です。朝鮮半島と中国東北部が一つの経済圏として機能するようになると日本そして上海・香港に匹敵する東アジアの大経済圏が出現する可能性があると思います。これこそが日本が戦前目指していた姿なのかも知れません。中国が韓国を恐れなくなり、中国東北地方と韓国が国境を接した方が経済的なメリットが大きいと判断した時、事態は急変するのかも知れません。



07・李氏朝鮮 (2003年12月10日)
「朝鮮王朝実録」によれば、太祖・李成桂は使いを明に送って国号として「朝鮮」と「和寧」という二つのうちのどちらかを採択することを請い、「朝鮮」を選んでもらったのだそうです。もし明が「和寧」を選択したら日本では現在、自国を「和」と称していますが、それはあり得なかったでしょう。元を宗主国としていた高麗を倒し、明が宗主国として朝鮮王が統治する李氏朝鮮が成立したのが14世紀、そして清の宗主権を消す為に日本が大韓帝国と変えさせ、日本に併合されたのが20世紀、実に長命の王朝で500年以上続いていた事になります。日本の時代で言いますと室町・戦国・安土桃山・江戸・明治にあたります。

この李氏朝鮮の全盛期は1万ウォン札に描かれている4代目・世宗大王の時代でしょう。国が出来て社会が安定し、偉大なる王の出現で活力に満ち溢れていた時代のようです。この時代、現在の韓国語の文字であるハングルを制定し、法律を整備し、外敵を追い払い、高麗期に世界で最初に発明された金属印刷を実用化し、天文学を研究して農業の振興に役に立てるなど科学面でも非常に高いレベルに達していた。そして文化面でも歴史書の編集などを手掛けており、まさにスーパーマンの活躍です。この頃が李氏朝鮮の全盛期であったようで、この当時、多分世界でも最も進んだ国であったと思います。欧州ではまだ東ローマ帝国が存続しており、コンスタンチノープルが攻略されオスマントルコに滅ばされたのは世宗の死後の事です。世宗が非常に立派であり確固たる礎を築いた訳ですが、その後は淡々と時が流れて行き、再び活力溢れる時代は到来しませんでした。

時代は下り、日本の江戸期には武人が政治の実権を握り、各地方毎に国家であり、その国家中で一番力がある者が将軍家として全国を支配してはいましたが、全国に多く居る殿様の束ね役という色彩が強かった訳で、国家の最高権威はあくまで天皇家にありました。朝鮮の場合には最高権威は宗主国である中華王朝である明と清であり、中華王朝から朝鮮の当地を委嘱される形式を取っていた訳です。国家の体制は徹底した中央集権でした。近代に入りこの差が日本との差にそのまま繋がったように思います。将軍家は単に束ね役を天皇から認められているだけであり、弱れば取って代わろうとする勢力が起きる。それぞれの藩は武人が取り仕切っている、即ち本質は軍事国家である訳で最初から壊れ易い体制であったように思います。このような状況の中でよく260年もこの体制を保てたものだと感心します。朝鮮の場合には中央集権国家であり、日本と比較して人口は少なく17世紀には500万、18世紀には700万の人口しかなかったとそうで、現在のパラグアイ並みの人口という事になります。江戸期の日本がコンスタントに3千万の人口があったのと比較しますと1/6〜1/4しか無かった訳です。儒教が徹底しており、身分差別は非常に強く、奴婢は一生奴婢、身分の変更はありませんでした。この意識は今でも強いようで、「匠」を尊重する日本とは大きな違いがあります。

中央集権は壊れ難いという長所はありますが、保守的で結果的に国は滅んでしまいました。日本は江戸末から明治初頭にかけて欧米から不平等条約を押し付けられて苦労して来ましたが、そのノーハウを増長して朝鮮に対して利用しました。相手の無知を最大限に利用して条約を次々に締結して最終的には「併合」とういう語句まで新たに作り朝鮮を植民地にする事に成功しました。

また、朝鮮の歴史に関する書物を読んでいて不思議に思い、錯覚するのは秀吉が攻めた相手、そして明治日本が狙った相手も同じ李氏朝鮮という事です。両方の歴史書を平行して読んでいますと混同してしまう事もありますし、時代が300年以上も違うという事を忘れてしまう事もあります。挿絵等を見ていましても両時代の服装、社会のあり方もそれほど大きな隔たりは無いように見えます。明治維新以降、第二次世界対戦が終結するまでの日本は帝国日本でした。国の目的は国土の拡大と他国の併呑そして植民地化にありました。これは日本のせいでは無く、当時の世界の大国が全てこのような国であり、直ぐにそしてより徹底して日本は真似た訳です。明治維新から第二次世界対戦が終結まで77年間ありますが、前半の日露戦争までは日本の国家目標は「朝鮮」でした。「朝鮮を我が物にする、その為にはどうするか」という議論であり、その是非を問うものではありませんでした。日清・日露の両戦争も本質は朝鮮の争奪戦であり、その勝利により日本の朝鮮に対する利権は確定し、国家目標は達成されたのでした。1910年に日韓併合を実現しますと帝国日本は中国そして他のアジアにターゲットを変え、奈落の底に沈んで行くのですが、思いの他上手く獲得した朝鮮に対する成功体験で図に乗り国家が変質してしまったのでしょう。

主権を失った李氏はその後も日本の皇族として存続しました。皇太子は日本の皇族と結婚し、徳恵王女は対馬の宗家と婚姻し、李家の日本化が図られました。この方達は決して昔の人では無く、皇太子妃・李方子様そして徳恵王女も平成の世まで居た方です。李王朝というのは決して昔の話では無いという事です。また現在の北半分を支配している朝鮮は500年の李氏朝鮮時代、35年の日本支配、そして現在の金王朝と全く近代化の恩恵に浴していない事になります。今でも人権無視の政治がまかり通っていますが、国民の国家であった事は一度も無く、「人権」という概念を一度も経験していない訳で無理からぬ事なのかも知れません。これからは李氏朝鮮500年間の社会のあり方について勉強してみたいものです。



08・李氏朝鮮末期 (2003年12月12日)
李氏朝鮮にとって徳川家は憎き秀吉を打倒した政権であり、秀吉の朝鮮出兵にも家康は兵を送らなかった事もあり、比較的良好な関係でした。徳川政権を倒して薩長中心の明治政府が誕生して事情は一変します。明治政権は欧米に倣い帝国主義の思想の国家作りを進め、富国強兵に努めました。政権の中枢に居た薩摩・長州等の西国大名は地政的にみても常に朝鮮半島を意識して来たでしょうし、長い鎖国時代の中でも大陸に目を向けていたものと思います。

李氏朝鮮末期には日本などの資本が我が物顔で入って来ます。同時に近代化の波が押し寄せて来てソウルなどは街の様子が一変します。ソウル市街の中心の通りである錘路の19世紀末と併合直前の写真が並べてあるのを見ましたが、余りの違いに驚きました。前者では道の両側には藁葺き小屋が立ち並び、道路は狭く畝っていました。僅か20年後の写真を見ますと道は広く真っ直ぐに延び舗装が成されて路面電車が走り、道の両側には瓦葺のしっかりした建物が並んでいるのです。日本人がソウルの街を変え、産業を興したのは事実でしょう、しかし朝鮮の人達の為に変えたのでは無く、自分たちの利益の為であったのは間違いが無いと思います。

李氏朝鮮末期には日本はかなり無茶な事をやりました。王妃を宮中で殺害するという行為、清の宗主権を除外する為に国号を朝鮮国から大韓帝国に変更する事などが実施されました。当然民衆の反発は強く、南部では東学の思想を持つ集団が政府に反乱する事態となりました。東学内部で武力の行使の是非を巡る争いがあり、その分力が削がれてしまい、結果的にはより深く日本に侵食される事態を招いてしまったのですが、東学内部で意見統一がもっと早い時点で出来ていればもう少し事態は違ったものになった可能性もあると思います。ただ東学の思想での農民一揆というのでは革命までは至らず、どのような形でも李氏朝鮮政府に鎮圧されてしまったと思います。この東学の乱を契機に日本と清が出兵し、朝鮮を舞台に戦争を行ったのが日清戦争です。東学の人達は外国勢力を排除する為に立ち上がったのに結果的には反対になってしまい、さぞかし無念であった事でしょう。

李氏朝鮮末期のこの時代から現在まで僅か100年です。500年の安定した王朝が崩壊の危機を迎えて以来の歴史はすさまじいものです。これを自国の歴史として学ぶ韓国の学生の意識が反日に向かい、そして世界に向けて少々強がりを言ってみたくなる心境はよく理解出来ます。韓国現代史を読みますと、僅か100年間にこれ程の事が起き、変化するものなのかと驚きます。



09・韓国の歴史観 (2003年12月15日)
人類は現在に至るまで実際には共通の歴史を共有しているはずですが、実際には歴史というのは世界それぞれの国でかなり異なるものになっています。韓国から見る韓国史というのはどのようなものになるのか想像してみることにします。今から600年ほど前くらいまでは世界は中世にあったと言えます。日本ですと鎌倉時代、中国は元・モンゴル帝国、そして欧州にはまだ東ローマ帝国が在った時代、韓国は高麗の時代でした。そこから欧州ではオスマントルコが勃興し、ベネチアが栄え、そしてルネッサンスへと歴史が動いて行き、近代ヨーロッパに時代は次第に動いて行きます。日本は室町時代、戦国時代、安土桃山時代、江戸時代となり、明治維新を経て帝国日本となります。室町から明治の終わりまでの実に長い時間、朝鮮半島はひたすら李氏朝鮮の時代でした。この時代を簡単に記すると「李成桂が高麗に代わる国を興し、4代目の世宗の時に最盛期を迎え、秀吉が攻めて来て国土が疲弊し、その後は政治は派閥の争いに明け暮れ、そうこうしている内に薩長政府の日本が侵略をして来て、李氏朝鮮の時代は終わり日本に併合されてしまった。」となると思います。

長い李氏朝鮮の時代を簡単に要約すると(1)李成桂がクーデターを起こし朝鮮とし、首都を今のソウルにした。(2)四代・世宗の時代、ハングルの創作、金属活字の実用化、天文・気象の研究など文化が栄え、最盛期を迎えた。(3)秀吉が攻めて来て国土が蹂躙されたが李舜臣等の活躍で敵を殲滅した。(4)荒廃した国土を復興した後は権力争いが絶えなかった(5)日本が侵略して併合されてしまい、李氏朝鮮の時代が終わった。くらいになってしまうでしょう。李氏朝鮮の500年間で事件は秀吉の侵略と明治日本の侵略、多分この二つの事件は強烈な印象として残るでしょう。

日本に併合されてから日本の敗戦までの35年間は日本の理不尽な政策と勇敢な韓国人の抵抗という形で描かれる事になると思います。梨花女子の女子学生が勇敢に反日に立ち上がり官憲に捕まり拘束され獄死した・・というような話が数多く語られる事でしょう。日本資本が入って以来ソウルの街は急速にその姿を変え近代化に向かって行くのですが、日本の占領化での近代化は韓国の人にとっては余り気分の良いものではないでしょう。明治維新以降、日本が自力で近代化に向けて進み、清そしてロシアとの戦争に勝利したというような栄光の時代とは全く対照的な道を歩んで来たわけです。

憎き日本が戦争に負けて引き上げた時、要するに日本の敗戦については「光復日」として朝鮮の開放の時であったと捉えるでしょう。欧州では敗戦によりドイツが東西に分割されます。アジアでは敗戦国の日本ではなく朝鮮が南北に分割されます。この差はいったい何だろうと思う事でしょう。そして南北が戦争を起こし、戦線が国土全体を数回往復する形で移動し、全土が焦土となり、多数の犠牲者が出、国土の分断は決定的なものになります。この戦争で日本は特需で大いに稼ぎ、経済大国への道を歩み始めます。悪い日本が分断の罰を受けず、代わりに自分たちがその身代わりになり、米ソの代理戦争で朝鮮半島は血を流し、日本は大いに潤った・・ このように書きますと中世から近代にかけて、1・秀吉の侵略、2・明治日本の侵略と併合、3・日帝時代の理不尽な押し付けと国民の抵抗、4日本の敗戦と南北分断、そして戦争それによる日本の経済繁栄----韓国の歴史はそのまま対日本関係史になってしまいます。

歴史的事実とは言え余りにも自国は不運、いつも日本だけが良い思いをしていると腹も立つでしょう。そしてこの歴史の結果、現在の分断国家という厳しい現実がある訳です。韓国の人達は「何故韓国はこのような民族分断という状況になってしまったのか?」という視点で歴史を学ぶと思います。李氏朝鮮末期と日本の敗戦、この2回の飛躍の大きなチャンスを逃してしまった韓国、「もう次のチャンスは失敗はしないぞ」とも思っている事でしょう。また、徳川家と李氏朝鮮は概して友好関係にありましたが、3代家光の頃までは日本側は朝鮮の警戒を少しでも和らげようと相手に相当配慮しています。しかし秀吉侵略の300年後に再度の侵略があり、やはり日本は油断がならないと思っている事でしょう。それからまだ100年も経過しておりません、「またやって来るのではないか?」と警戒心を持つのは当たり前の事なのかも知れません。



10・朝鮮に関する書籍 (2002年10月02日)
拉致問題から急に朝鮮の実態が日本でクローズアップされていますが、朝鮮の実態に関する書籍は数多く出ております。朝鮮について色々と書かれている書籍を眺めていますと、実態が見えて来るように感じます。当方が持っている蔵書に関しては以下の通りです。最近は多くの本が出版されていますが、内容的には希薄になって来ている印象があります。余り注目されていなかった時代にはインパクトが大きい本が多かったように感じます。

楽園の夢破れて(関貴星・全貌社・62)(復刻版:亜紀・97)
朝鮮神話がまだ声高らかに語られていた時代、朝鮮を訪問した著者がその虚像を克明に記した。60年代は北の方が経済的に良かった・・という話を聞きますが、現在と同様困窮した様子が描かれています。
朝鮮民主主義人民共和国の神話と現実(玉城素・コリア評論社・78)
当時の朝鮮の困難な実情を資料を用いて説明している。
北朝鮮王朝成立秘史・金日成伝(林穏・自由社・82)
金成柱が金日成としてソ連の後押しで朝鮮の首領となる歴史を克明に説明している。朝鮮成立時の歴史に関しての必読の書。
甘やかされた朝鮮(三一書房・和田洋一)
朝鮮の甘えの構図、日朝もたれあいの構図
凍土の共和国(金元祚・亜紀・84)
北朝鮮旅行記。朝鮮の実態が淡々と語られている。
金日成の野望(上中下)(サンケイ・柴田穂・84)

サンケイ新聞のソウル特派員であった方の力作。上巻(南進への構図)では日本が基地として利用され工作員の活動、拉致に関して詳細に説明している。中巻(粛清の歴史)金日成がロシアから派遣される形で権力を握り、その後対抗する人達を粛清して行った過程を克明に説明している。下巻(望郷の日本人妻)6千人もの日本人が配偶者として北送され、望郷の想いを綴っている。
金日成評伝(許東粲・亜紀・85)
虚構と実像。少年時代の話。
謎の北朝鮮(カッパ・柴田穂・86)
人民の塗炭の苦しみを分かりやすく説明している。人民分類表などの説明の非常に適切。
北朝鮮の悲劇 (泰流社・木屋隆安・86)
金王朝の実態に迫る。地獄の市民生活の説明など
悪の謀略学(カッパ・柴田穂・87)
朝鮮半島情勢を中心に解説。
悪夢の北朝鮮(カッパ・金萬鉄・87年)
ズダン号という船に乗って日本に逃れ、韓国に亡命した家族の手記、朝鮮の一般市民の厳しい生活の実態が記されている。日本に到着した時には大きな話題となった。
超軍事国家(塚本勝一・亜紀・88)
朝鮮戦争、その後の人民軍について
朝鮮・38線の北 (教育社・久保田博二・88)
非常に綺麗な写真集。マスゲーム、市民生活、地下鉄など。
闇からの谺(池田書店・崔銀姫・申相玉・88)
韓国の有名女優と映画監督夫妻が朝鮮に拉致され、そして脱出に成功した、その間の手記。映画好きの金正日と行動を共にする機会が多く、金正日のパーティーの様子などが克明に描かれている。
新北朝鮮の悲劇 (泰流社・木屋隆安・88)
続編、ソウルオリンピックへのテロ警告。
どん底の共和国・北朝鮮不作の構造(李佑泓・亜紀・89)

朝鮮の農業が硬直したシステムで不作に陥っている様子を克明に説明している。
暗愚の共和国・北朝鮮工業の奇怪(李佑泓・亜紀・90)
朝鮮の工業が硬直したシステムで全く機能していない様子を克明に説明している。
破壊工作(JIG・野田峯雄・90)
大韓航空機爆破事件について
北朝鮮・その衝撃の実像(講談社・黄民基・91)

韓国で発売され、大反響があった書の翻訳。克明な説明がある。本の最後に朝鮮の身分制度である52の成分についての説明もある。
いま女として(上下)(文藝春秋・金賢姫・91)
女性工作員として有名な金賢姫の回想録
裏切られた楽土(張明秀・講談社・91)
祖国訪問記。地上の楽園の実態に迫る
北朝鮮大動乱(講談社・黄民基・91)
上の続編。朝鮮が大崩壊に向かっている兆候を克明に説明している。
崩壊する北朝鮮(佐藤勝巳・ネスコ・91)

北送事業に直接携わった著者は自責の念で書いた本。朝鮮の実態、友党・社会党、そして自民党の責任に迫る。
平壌25時(徳間・高英煥・92年)

エリート外交官であった高氏は疑いを持たれ、韓国に亡命した。金正日・朝鮮政府そして外交部(外務省)の実態を詳しく説明している。
38度線突破(宝島社・張明秀・92)
初めて北から逃げた在日の記録、帰国者の内実がよく分かる。
金日成その衝撃の実態(講談社・黄民基・92)
金日成の粛清と権力基盤について鋭い分析が為されている。
金日成調書(光文社・黄民基・92)
金日成についての徹底分析。どのような人物か理解出来る。
朝鮮観光案内(朝鮮新報社・92)
外見内容は普通の観光ガイドブック。各地の克明な地図や写真がふんだんにあり、朝鮮ウォッチャーには魅力の一冊。
私が見た金王朝(アレクダンソル・ジェービン・文藝春秋・92)
ソ連の特派員による報告。
退屈な迷宮(新潮社・関川夏央・92)
市民立場で朝鮮を訪問、異常な国に普通の人々が暮らしていると語っている。
北朝鮮・社会主義と伝統の共鳴(東京大学出版・鐸木昌之・92)
難しい内容の意味不明の書。
大笑い北朝鮮(伊藤輝夫・コスモ・93)

ビュジュアルかつ鋭い視点での訪問記
北朝鮮崩壊(上下)(鄭乙炳・文芸春秋・93)
韓国からの視点で描かれた近未来小説。楽しめるが北の実情に関しては認識不足。
北朝鮮「恨」の核戦略(佐藤勝巳・光文社・93)
現代コリア研究所の所長が記した朝鮮の核開発に対する危惧
北朝鮮(玉城素・サイマル・93)
朝鮮の窮状をレポート
朝鮮戦争 金日成とマッカーサーの陰謀(萩原遼・文藝春秋・93)
米国で資料を徹底的に洗い出し、朝鮮戦争の真実に迫る
金日成・断末魔のシナリオ(ごま書房・北韓問題研究所・94)
恐怖政治、飢餓、賄賂の実態
北朝鮮世紀末読本(小学館・94)

整理されたデータが魅力。写真などもふんだんにある、金日成の若い時の写真は必見。
北朝鮮の性(鄭成山・ラインブックス・94)

閉ざされた社会での鬱積した欲望、幹部横暴の実態など
金正日入門(池田菊敏・東洋経済・94)
夢想国家の危険な指導者として警告している。
金正日の核と軍隊(李忠国・講談社・94)
作者は一線の軍人、朝鮮軍の実態に迫る。核開発・化学兵器開発に詳しい。軍事関係の書物
金王朝の極秘軍事機密(徳間・林永宣・94)
将校による軍事情報、核開発について
北朝鮮脱出(上:地獄の政治収容所・下:氷上の逃走)(姜 哲煥・安赫・文芸春秋・94)
政治収容所に入所していた方達の手記。それまで謎とされていた収容所の実態が赤裸々に語られている。
北朝鮮よ、銃殺した兄を返せ(ザ・マサダ・朴春仙・94)
大物スパイと同居した作者、その実態が赤裸々に語られている。
北朝鮮の正体(ザ・マサダ・落合信彦・94)
評論家の立場で客観的に朝鮮の危険を見極めている。
金正日のすべて(毎日新聞・94)
金日成死後の展望。
北朝鮮の本当の姿がわかる(こう書房・大澤文護・94)
項目毎に分かりやすく説明している朝鮮入門書
反抗する北朝鮮(恵谷治・徳間・95)
兵器・ミサイル開発の実態に迫る
戦争になれば飢えは終わる(三五館・李讃三・95)
韓国人記者による朝鮮潜入記
北朝鮮収容所半島(李英和・小学館・95)
朝鮮の人権問題に迫る。
亡命高官の見た金正日(徳間・高英煥・95年)
金正日の傍で働いていた高官から見ての金正日
北朝鮮の最高機密(文芸春秋・康明道・95)
特権階級に属していた筆者の手記。偽ドル工場、東京破壊などが詳しく説明されている
北朝鮮・秘密集会の夜(李英和・クレスト・95)
元総連活動家の在日大学講師が朝鮮に留学、一年間の滞在中に恐怖と飢餓の共和国の実態に触れ、反政府集会に参加する。帰国してからは人権NGO・レンクで活動を続けている。
北朝鮮・亡命者・50人の証言(朝日新聞・95)
韓国に亡命した50人にインタービューを行った。朝鮮に置ける立場により様々な意見が出ていて面白い。
北朝鮮大崩壊(別冊宝島・95)
収容所の様子、飢餓の様子、神政政治崩壊を予測する。
朝鮮総聯の研究(別冊宝島・95)
疑惑の組織の実態に迫る。日本を基地に朝鮮が行って来た実態の解説
北朝鮮はどう変わるか(ベストブック・張君三・96)
法律面から見た朝鮮。朝鮮の憲法に関して分析を行っている。
北朝鮮絶望収容所(完全統制区域の阿鼻地獄)(安明哲・KKベストセラーズ・97)
非人間的な処刑の様子、完全統制区域の様子が克明に記録されている
私は金正日の「踊り子」だった(徳間・申英姫・97)
喜び組の女性の手記。金正日・高官のパーティーの様子など
北朝鮮・闇からの生還(光文社・西村秀樹・97)
富士山丸スパイ事件の真相に迫る
いい加減にしろ北朝鮮(NON・豊田有恒・97)
北朝鮮の虚像、日本のジャーナリズムの歪曲に迫るよくまとめてあり、分かり易い
金正日・生贄の女(上・下)ラインブックス・金列林・98)
セックスの生贄となった女性の手記。
北朝鮮深層分析(KKベストセラーズ・武貞秀士・98)
朝鮮半島を取り巻く情勢を分析している。
北朝鮮・血と嘘と断末魔(KKベストセラーズ・朴甲東・98)
在日、元朝鮮政府高官による警告の書
北朝鮮(岩波・和田春樹・98)
軍事面から朝鮮建国以来の歴史。まとめの書、特に目新しい話題は無い。
北朝鮮に消えた友と私の物語(萩原遼・文芸春秋・98
赤旗特派員の平壌での体験、友との交流。分かり易く読み易い。
北朝鮮ツアー報告 (小学館・宮塚利雄・98)
旅行記、お札や金バッジなどが写真入りで説明されている。
北朝鮮にスマッシュ (メディアファクトリー・神山典士・98)
朝鮮5泊6日体験記
金正日への宣戦布告(黄長Y・文芸春秋・99)
当時話題となった亡命政府高官による手記。自己の正当化に終始している。
謎の独裁者・金正日(佐々木淳・文芸春秋・98)
軍事面からの脅威を解説。数字などを挙げて上手に説明している。
金正日大図鑑(恵谷治・小学館・2000)
続編、テロ・工作船などが分かり易く図解されている。
北朝鮮・地獄からのレポート(河出・趙甲済・2001)
朝鮮民衆の生活実態に迫る

マスメディアは最近になって降って沸いたように競って朝鮮のテロ工作、工作船、拉致、などの破壊行為を取り上げており、急にこの問題が生じたような印象を多くの国民に与えていますが、実態を説明する書籍は数多く出ており、かなり詳細に知る事は可能でした。赤で示した本は特に内容が充実している本で朝鮮の内情に関して書かれている。62年に関貴星さんが書かれた本を読みますと当時でも既に現在とそれほど大きな違いは無い事が理解出来ます。

最近の本が少ないのは日本から持ち込むのが大変であることと、インターネットの普及でかなりの情報を閲覧する事が出来るようになったからです。



11・朝鮮がテロ国家と自ら認める (2002年10月10日)
小泉首相が朝鮮を訪問し、拉致問題に関して朝鮮側が日本人を拉致した事実を認めた事に驚きました。朝鮮は今まで明々白々な証拠があっても拉致の事実を認めず、韓国のでっち上げ等と言って来たのですが、ここに来て一転してその事実を認めてしまいました。日本のマスコミは「拉致」自体に関心が行っていますが、むしろ自らテロ行為を行って来た事を認めた事が大きかったように思います。かなり詳細な事まで金正日が決めている朝鮮、工作船で日本人を拉致するというプロジェクトが一部の軍人の単独の行動とは思えません。日本の代議士の「秘書がやり、当方は知りませんでした」というのと全く同じでしょう。

工作船が朝鮮のものと日本政府の大臣が公式発表しても朝鮮側は黙ったままです。今までですとでっち上げ等となじるのが普通なのですが、否定していません。一度公式にテロ行為を認めてしまいますと他はしませんでしたとは言えない状況になるのでしょう。

これからどのように動いて行くのか、また先が見えなくなってしまいました。日本・朝鮮の間では拉致問題をきちっと説明すれば国民は納得し、国交正常化に進み、資金を出せるという話があるのでしょうね。金正日は取引で自分の方は果たしたので後は相手側が果たす番と思っているでしょう。交渉している相手も自分の側と似ていると思い込む事が多いのですが、金正日は首相が世論を黙らす事が出来ない状況を驚いて見ているのかも知れませんね。

今回の要因を考えてみますと
(1)朝鮮は急いでいる、日本は急いでいない。外交面ではいつも強硬な朝鮮ですが、今回の日朝国交交渉に関しては朝鮮側は早く資金が欲しいのに対して日本は急ぐ必要は無い。
(2)最近の為替を闇に併せて引き下げ、それに伴い給与を引き上げたが、経済は混乱し強烈なインフレを引き起こしている。政府を支えている核心層からも不満が出ている。
(3)中国は資本主義の国・韓国と直接国境を接する事を嫌い、緩衝地帯となっている朝鮮を支える必要があったが、このところの中国の経済成長で自信を持ち始めており、その必要性が薄らいでいる。経済的にも朝鮮が重荷になり始めている。
(4)日本に居る在日朝鮮人の方からの送金、総連、そして朝銀からの資金が非常に重要であったが、組織力が低下し、また朝銀が破綻統合に追い込まれている現実から、かなりそのバイプが細っている。
などが考えられると思います。



12・プラスマイナス・マイナス・プラス(2002年12月13日)
在日コリアンの方達と我々在外日系人は「プラス・マイナス」と「マイナス・プラス」の関係であり、似ている存在であると思います。日本に定住している外国人と外国に定住している日本人・日系人という意味ですが、在日コリアンは普段は日本社会の中で普通の市民として暮らしていますが、「韓国・朝鮮」を背負って生きている。在外の我々日系人はこちらの国の社会の一員として暮らしていますが、「日本」を背負っている。どちらも「半日本人」という存在であると言えます。大阪市の住民の50人に一人がコリアンなのだそうですが、ほとんど外に出ている感じはありません。コリアンという事を示す事によるデメリットが日本社会では大きい事に拠るのでしょう。我々日系人は外見が異なりますので目立つ存在ではあります。その点は異なります。

この日系人が日本に行きますとコリアンの人達に近い存在になります。南米に居ますと、2、3世でも現地社会では「日本人」と言われますが日本では「南米の人」と見られます。行動様式、生活習慣が異なるので日本社会の中では「外国人」とされるでしょう。普通の日本人に取りどちらがより「日本人」なのか?判断は難しいように感じます。もし日本に住んでいるコリアンが当地に移住する事になった場合にはどのようになるのでしょう?帰化している場合には国籍は日本ですから日本人?要するに日系人になるのでしょうか?

「プラス・マイナス」と「マイナス・プラス」という関係、今までほとんど交流が無かったのですが、この二つのカテゴリーの人々が意見交換し、協力して行けば面白いかも知れませんね。



13・朝鮮を巡る一年(2002年12月30日)
今年、特に後半は朝鮮を巡りニュースが飛び交い、大きな話題となりました。朝鮮に関して毎月数冊の新刊が発行されており、拉致そして核の話題は毎日テレビで取り上げてられていました。日朝国交交渉が始まり金大中の太陽政策もあり、このまま平和和解、経済開放と日韓米の思惑通りの方向に進み始めましましたが、不審船そして拉致問題が大きく取り上げられるようになり一気に緊張し、朝鮮は核開発の方向に向かいました。93年・94年の緊張時には当時のクリントン大統領は朝鮮攻撃を真剣に検討し、朝鮮側も臨戦態勢であったと伝えられています。今回の緊張はそれ以上のものであり、朝鮮国内も戦争に向けての準備が進んでいると想像します。

第三次世界大戦の危機という意見もありますが、確かに第二次世界大戦の当時と似ている面はあると思います。ドイツ・日本という主役がイラク・朝鮮になり、役者はちょっと小ぶりですが世界を相手に向かって行くという姿は似ているように思います。世界が朝鮮とイラクと2面対応になっていますが、当然の事ですが両国はお互いに同盟国的な心情がある事でしょう。米国のイラクと朝鮮に対する対応が異なっています。

まず欧米諸国にとり、イラクはヨーロッパを中心とする自分達の文化圏内部の出来事で身近な問題であり、これに対して朝鮮問題は異文化・異民族の問題という心情があると思います。第二次世界大戦の時には双方勢力はある程度拮抗しており、戦争は世界にあらゆる面で大きな影響を与えていますが、現在は役者が小さい事もあり、世界は限定的な戦争を予想し、ほとんどの人には緊迫感も差し迫った感覚は無いと思います。しかしながら兵器の進歩を考えますと、一つ間違えますと被害は第二次世界大戦並になってしまうように思います。深刻なのは戦闘員ばかりでは無く一般人、それも遠隔地の人達が一瞬にして巻き込まれる可能性があるという事です。

もう一つ大きな事は米国に取りイラクは国内に反政府勢力があり、攻撃し易いし被害も限定的に押さえ込めるという自信があると思いますが、50年近くも軍事的な対峙をしている朝鮮半島、現在も停戦状況という非常に不安定な現状であり、手続きとして宣戦布告では無く単なる停戦破棄で戦闘が再開される訳で、一旦戦闘が始まると米国軍そして韓国側の被害は想像を超えるものになると思います。停戦ラインから僅か50キロしか離れていないソウルに対して北領内からロケット弾等で攻撃を受けると防ぎようが無いと思います。勿論日本も日本海側の原子力発電所等が狙われる事でしょう。ロケット弾の他、特攻攻撃を仕掛けて来るかも知れません。今回日本に戻って来た拉致被害者が原発の近くに住んでいるというのは偶然とは思えません。両方の地域で戦闘のシミュレーションを行った上でイラクには強い態度で、朝鮮には対話でという事になったものと想像します。

朝鮮の強い姿勢を見ていると、この点を相手に見透かされているように感じます。「やれるものならやってみろ」という居直りに近い対応になっているように見えます。相手は攻撃する事は出来ないと見ているのでしょう。来年の朝鮮半島に対するシナリオを幾つか書きますと:

1・シナリオ・1:融和:日朝国交正常化交渉も妥協点が見出され、朝鮮に対して日本から援助が行われ、また朝鮮は一部経済開放を行い、韓国との鉄道連結の効果から鉄道等の輸送が改善され、同時に韓国から送電が実施され、急速に経済が回復し、緊張が緩和される。南北間で戦争終結の話し合いが開催される。

2・シナリオ・2:膠着:朝鮮側も取り巻く側も大きな変化は無く、日朝交渉も暗礁に乗り上げる。韓国の新政権も融和政策を唱えるが実効無く終わる。朝鮮経済は打開の糸口を失い、国内での緊張は高まる。

3・シナリオ・3:悪化:米国を中心として朝鮮包囲網が強化され、食料などの援助や万景峰号の新潟寄港を禁止し双方の応酬が激しくなり緊張が高まる。有事を想定したシミュレーションが繰り返され、日本・韓国等でも緊張が次第に大きくなる。

4・シナリオ・4:有事:どのような形かで大きく朝鮮半島情勢が動く。これには色々なサブのシナリオが考えられると思います。最悪のシナリオはソウル、日本が攻撃され、泥沼の戦闘に陥る。米国が限定的な核施設への爆撃を行う事から戦闘が開始され南側主導の戦いとなる。朝鮮国内で反政府勢力が行動を起こす。金書記に対してクーデターが起きるなどなど。


この4つのシナリオの可能性は1:融和:05%、2:膠着:30%、3:悪化:55% 4:有事:10%と見ております。日米韓が一番望んでいる1:融和のシナリオはなかなか難しいものと思います。



14・朝鮮を巡る一年 - その2 (2003年12月18日)
上の文章を書いて一年が経過しました。結果としては、2と3の間、2のシナリオに近いものでした。米国と朝鮮で非難の応酬が行われていますが、イラク問題を優先する米国としては中国の意向もあり、どうしても少しづつ譲る形になっています。6者会談なるものもなかなか開催する事が出来ない状況にあります。他の参加している国々が核の問題だけを取り上げている中で日本は世論に圧される形で拉致の解決を議題に上げようとしていますが、なかなか関係国の理解を得るには至っておらず、まともに議題にも上げられずむなしく時が経過しています。

イラクの問題に隠れ、一年間ほとんど膠着状態にあることで昨年と比較しますと朝鮮が話題に上がる事は少なかったように思います。万景峰号の寄港の際に話題になった程度でした。朝鮮との関係はこの一年安定していた訳でも改善に向かっている訳でもありません、双方の主張が単に平行線を辿っているだけで何も進展しなかっただけです。実態はKEDO工事の停止など悪化しており、また北との融和を推進している韓国大統領が汚職の責任を追求されており、これから年明け以降、韓国の政局が流動化する可能性があります。

さて、来年の予想ですが、金正日総書記の夫人がかなり重い病気になり、主導権争いが水面下で始まっているようです。大方の予想は膠着状態が続くというものでしょう。6者協議で米国が思い切って譲歩するか否かが一つの鍵でしょう。朝鮮自体の状況より米国で大統領選挙があり、イラクの復興がどのような形で進んでいくのか、韓国の大統領は改めて国民の信任を得る事が出来るのかなど、外的な要因が不確定なだけに予想が立て難い一面もあります。



15・万景峰号(2003年 6月11日)

万景峰号は朝鮮東部の元山を母港にして長期間、現在は2代目で新潟との間を往復しています。朝鮮訪問手記などにはしばしば登場しており、朝鮮ウォッチャーにとってはお馴染みの船です。これが最近注目を集めています。貨客船として朝鮮にとり非常に重要な船で様々なものを運んでいます。今までは朝鮮に対しての遠慮から形ばかりの検査で物品が運ばれていましたが、ここに来て色々な事実が公表され、世論も注目するようになっています。朝鮮関係の書籍ではかなり以前からこのような事は指摘されていたのですが、何故かマスコミは全く取り上げずにいました。しかしながら平壌宣言から事態は一変し、拉致が疑惑から国家ぐるみの事実と分かるに及び、日本の世論は急速に変化しました。新潟寄港に反対する声が高まり、ついには朝鮮は万景峰号の出港を見合わせ、緊張が高まっています。上に昨年末に今年の予測シナリオを4つ上げておりますが、そのシナリオ3にこの船の寄港を禁止して緊張が高まる事をメインシナリオとして書いておりますが、朝鮮にとりそれほどにこの船の持つ意味は大きいと思います。

この万景峰号、初代であったか現在の2代目であったかは忘れましたが、建造中に金成日の一声で急に船の高さを高くする事になった経緯があります、威信を持つためであったと思いますが、設計計算を無視して計画よりも船の高さを高くした為に安定性が悪くなり転覆の危険が指摘されていました。日本の船と比較しますと特に取り立てて大きな船ではありませんが、在日の方達が寄贈したもので、朝鮮の船の中では一番の豪華船舶なのです。

これだけ有名になり注目を集めている万景峰号です、朝鮮はこれを利用してはどうでしょうか?なにしろ東京にある海の博物館、工作船を展示すると平日でも人が押し寄せていると言います。新潟に寄港した時に入場料を取り見学させるのです。金親子の写真の前で記念撮影をして朝鮮のお土産を売るようにすれば人が押し寄せて来るのではないでしょうか?



16・韓国の性 (2002年 6月23日)
韓国の思想の根底には儒教の教えがあるので、倫理観は非常に厳しいという印象を持っていました。不倫などすると直ぐに牢獄に直行、社会的にも制裁を受けて大きなダメージを受けるものと思っていました。これも少しづつは変化しているようで、最近では人気女優が自分の性体験を赤裸々に告白した本を出すなど、以前の韓国では全く考えられない感覚が出ているように思えます。今まで韓国を見いていて、形の上での民主主義は出来上がり機能し、また自由も表面的にはあるように見えていましたが、思想面でのフレキシビリティーはまだまだという印象がありました。これらの変化を見ていますと見方を変えなければならないように思います。

また、ニューハーフのタレントが登場したという事にも注目しています。ハ・リスさんと言い写真を見る限り、これは一般女性の中でも一流?の美貌なのでは?と思います。以前の韓国であれば、男尊女卑の思想も強く、男子に生まれて来て性転換する等、社会の恥のように考えていたように見えますが、多様な人生を認める社会の厚みが出て来ている変化と思います。しかしながら、一方では男性社会の思想は非常に根強いように思います。女性が男性と別姓なのは女性は人間の数に入らなかったなごりとも聞いています。女性が実業家、政治家等、社会の前面に出て来る例はまだまだ少ないように見えます。このハリスさんもテレビで両親に盛んに親不孝を謝り、また父親は息子であることを強調していたそうです。まだまだ非常に特殊な例なのかも知れません。

それにしてもこのニューハーフの方は美人ですね。一つだけ気になるのは確か韓国は男子は国民皆兵ですね、この方も法律上は男性ですから他の男性と兵隊に行く事になるのでしょうか?若い男子だけの世界にこの方が一人加わって果たしてどうなるのか?という心配はあります。???

(記事より)今やテレビと新聞に連日報道されて爆発的な人気を抱いている俳優がいる。トレスゼンド(transgender)新人俳優ハ・リス(26)。「真っ赤な嘘」というコピーの某化粧品広告に出演して注目され始めたハ・リスは、最近、映画「ノランモリ(イェロー・ヘア)2」にも出演した。ホームページを開設一週間ぶりにおおよそ4万名あまりのネチズンたちが通って行くくらいで爆発的な反応を得ている。97年東京ヘア専門デザイナー学院を通って98年初日本で性転換手術を受けた。最近あるアンケート調査で「ハ・リスを女と見なすべきか、男と見なすべきか」という質問に対して回答者の50%以上が「女と見なすべきだ」と答えたことと共に、韓国社会の価値観が急激に変わっていることを端的に表している。去る日、日本を訪問したハ・リスは日本の有名プロダクションと今年、二枚のアルバムを両国で共同に売り出す事について契約を結んだ。日本留学経歴のため日本語もうまくて、もう日本の全国規模日刊紙とインタビューを通じてかなり知名度が高いと評判だ。

「ハリスをおさえろ!」<スポーツソウル>
放送関係者の間でトランスジェンダーハリス(23)の人気が沸騰している。プログラムのジャンルを問わず、ハリスを出演させるために争奪戦が行われている。 ハリスが出演依頼を受けたプログラムだけでも少なく見積もっても40を越える。朝の情報番組から芸能、娯楽、教養までジャンルの区別もなくハリスにラブコールを送っている。そのため同じ放送社の中でも、ハリスの渉外をめぐって熾烈な競争をしているほど。このようにハリスが出演渉外で1位に浮び上がったのは彼のずば抜けたスター性のためだ。ハリスが出演したプログラムは全てものすごい視聴率を上げた。視聴率競争に悩まされる放送社としてはハリスより良い出演者はいないという。今月19日の深夜の時間帯にはKBS-2TV「ソ・セウォンショー」とSBS-TV「二人の男ショー」にハリスが同時に出演するということまであった。 出演依頼がこのように降り注ぐや、ハリス側は初めてのレコードが発売される来月25日の前までは放送への出演を全面的に中断するという態度を見せた。あまり頻繁に放送に出るとその内、視聴者が嫌気を感じるのではないかという判断からだ。 ハリスは「しばらくの間、7月に公開される「イエローヘアー2」とデビューアルバムの準備だけに力を注ぐ。」としながら、「トークショーなどの放送に積極的に出演したのはニューハーフに対する排他的な見解が肯定的に変わればよいという願いからであった。」と話した。



(写真:ハ・リスさん-01:男性です)




(写真:ハリスさん-02:男性です)

経歴を見ていますと日本に留学していたようで、日本語も堪能なハ・リスさん、日本進出も計画されているようで、将来は日本でも人気を集めるのでしょうか?今後の活動が楽しみですね。

韓国の性転換タレント、ハリスさん戸籍上も女性に(2002年12月13日・朝日)
性転換手術をした「女優」として韓国で活躍するタレント、ハリス(本名・李慶曄)さん(27)が戸籍上も男性から女性に変更することを求めた訴えに対し、仁川地裁は13日、全面的に認める決定をした。本名も女性名の「李慶恩」に改名することを認めた。 同地裁は「性染色体上は男性だが、兵役の際の身体検査で不適格判定を受けるなど身体的には女性として見るのが妥当」とした。また、「人間の尊厳と価値、幸福を追求する権利など憲法理念に照らし、申請を受け入れる」とも述べた。 ハリスさんは昨年、歌や出演した映画がヒットし、日本にも進出した。日本での留学経験もあり、性転換手術も日本で受けたとされる。

この決定はやはり兵役との関係があるように思います。これで男性として兵役をする必要は無く、心配がなくなりました。


レディーに関して(2005年 5月 6日)
最近デビューしたグループで「レディー」なるものがあります。インターネットで聞いたのですが、歌も上手でごく普通のアイドルグループですが、皆さん元男性なのだそうです。何でも十数倍の倍率を突破された皆さんなのだそうです。これだけのレベルのグループを組める、それも高倍率という事は同じくらいの人達がたくさん居るという事になります。韓国の人達の意識にも大きな変化が出て来ている事は間違いないでしょう。



(写真:レディー:男性です

トランスジェンダー グループ レディー4人体制での活動を始める(韓国音楽情報
トランスジェンダー グループ レディーが9日、昼にミュージックビデオ撮影現場でベールに包まれていたが、初めて4人体制での活動を始めた事を明らかにした。所属社 ロッジエンターテイメントは、音楽で勝負する グループとなること ため、歌唱力に優れたジユンアを追加することを明らかにした。
ジユンアは 所属社からソロでデビューさせること ため秘密に トレーニングさせた人物であったが、レディー 活動に力を加えるために 合流を決めたと報じた。 勿論、他のメンバーたちの セクシーさとジユンアの可愛いことは知られており、所属社はかなり悩んだ末の事だと言う。 そして、 一ヶ月間にわたる録音作業を通じて、結果は大満足だったと言う。




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