『雷電伝説』

(MD版:91,7,6,マイクロネット)
(SFC版:91,11,29,東映動画)




という訳で、以下の文章ではMD版を『雷電』、スーファミ版を『らいでん』と表記する事にしておきます。

深い意味は大ありです。




〜1〜


ゲームセンターで定番となっているSTGゲームといえば、彩京さんの『ストライカーズ』シリーズ、もしくはセイブ開発の『雷電』シリーズのどれか、となる筈です。

この解り易さを特徴とした2系統の作品が未だに定番として生き残っている事態については、嬉しい反面寂しい気もしますが、それはそれでよしとしておかねばSTGの絶滅を黙認してしまう格好になるので仕方ありませんね。

スーツ姿の駄目リーマンでも暇潰し出来るようなゲームを残しておかねばならない、それは全てのゲーセン店主のお情けでありましょうか。

営業サボってゲーセン入り、格闘ゲームにゃついてけない、かといってスーツで踊る訳にもいかない、プライズ・メダルじゃ寂しすぎる、じゃあ、多分3面程度なら進めるであろうSTGゲームでもやりますか。


ちうか、働いて下さい。



そのようなニーズも決して少なくはないであろう作品のひとつに『雷電』がございます。

このシリーズ、ショット+ボムという東亜プランの完成型『究極タイガー』を踏襲、純粋たる「避け・撃ち・破壊」だけをプレイヤーに要求、無駄な物は最近まで一切がっさい排除してきた男らしい縦スクロールSTGなのであります。

(最新作では自機を今までの憂さを晴らすかの如くに大量の機体から選択できるようになるという変化が起きました)

難しい事は何ひとつございません。

敵の攻撃を避けて破壊。

それだけです。

パワーアップだって、同じ色の奴を何度か取り続けていけば良いだけです。

最初は貧弱極まり無かった自機がみるみる内に強力となり、ザコや中型機を虫ケラをほふるように殺戮していくのを見るにつけて、人間最初の我慢が肝心なのだねと下っぱリーマン胸きゅんです。


普通、例えば彩京さんのストライカーズとかになれば、新作を発表する度に新たな試みが為されていくものなのですが、この雷電シリーズは見た目こそ年々派手になっていくものの基本部分は全く変化せず、いくら画面が綺麗になろうともいっつもやるこたぁいっしょ、と素晴らしい水戸黄門っぷりでして、このへんの頑固親父テイストが良い大人のニーズに見事に応えているというのは穿ち過ぎでしょうか。


とにかく、雷電シリーズのポイントはただひとつ。

単純明快な方法論と、それに容易に付随する破壊の快感。

そう、STGに求められてしかるべき根っこが、厳然としてこのシリーズには盛り込まれている訳ですね。

だから、今でもしぶとく生き残っているのです。


「またこんなんかよ、しつけぇなセイブ開発、でも…ちょっくらやってみっか。」


そう思わせること、とても大事で難しい事だと思います。




〜2〜


さて、記念すべき初代『雷電』は、セイブ開発制作・テクモ販売という訳の解らない出自を以って、90年にアーケードに登場しました。

もう10才になってしまうんですね。

前述したように東亜プランの『究極タイガー』そっくりの仕様とプレイ感、おまけに高難易度もそっくりで、こりゃどう見ても究極タイガー戦闘機バージョンだなぁ、と少なくとも金丸はそう受け止めましたが。


でも、この『雷電』には何かしら光るものがあったのです。

東亜にあって、ないものが。

『鮫!鮫!鮫!』にあって、ないものが、でも可です。


それは妖精さんの存在であったのか、優秀なホーミングミサイルの気持ち良さであったのか、破壊時の破片飛び散りの豪快さであったのか、何故宇宙に行かねばならないのか解らなかった不思議であったのか、徹夜明けにやると眠くなる不思議なSTGだったからなのか、はたまた単に牛がいたからなのか、今考えると曖昧な答えしか用意できませんね。


とにかく、ゲーセンに行くと1日1回程度はコインを投入してみようかという気にさせる不思議なゲームだったのです。

難易度はかなり高くなるのですが、基本が解り易く単純なだけにクリアも何時かは出来るんじゃないか?、そう思わせる雰囲気があった事も否めません。

覚える要素もあるにはあるが、かといって覚えていなければ即死にという短絡さとは無縁のゲーム展開、それも『R−TYPE2』疲れしていたゲーマーにとっては、一服の清涼剤だったのかも知れません。


このゲームに対して初代以外真面目に立ち向かっていない金丸ですが、それでも見かければついコイン投入してしまうのです。

それは何故か。

「もしかしたら俺でもイケるかも。」

ライデン、と聞いただけで、そう思ってしまう自分がいるからですね。

勿論、そんなに世の中甘いもんじゃなく、せいぜい3面程度でぼ〜ん、アレ?俺ってばこの程度だったっけ?と正気に返るのが落ちなのですけどね、それでも見かける度にプレイしてしまいます。

不思議な魅力を持ったシリーズです。

シンプル・イズ・ベスト、と簡単な断定をしてしまうのをためらわれる、そんな思い入れを持っています。




〜3〜


当然ですが、90年代初頭におけるアーケードでの人気作品という事で、様々なコンシューマ機への移植がなされました。

90年代初頭といえば、任天堂スーパーファミコン、セガメガドライブ、NECPCエンジンの三国時代でありました(始まったばかりの頃)。

そしてこの『雷電』も、その醜い闘いに巻き込まれてしまったのです。

雷電の生みの親、セイブ開発は心中でこう思っていました。

「かかわりたくねぇ。」


本当にそう思っていたかは疑問ですが、実際にセイブ開発レーベルでこの3機種にソフト供給がなされた事実は無く、全てライセンスを貸すにとどめておいたに過ぎません。

スーファミ版は東映動画、メガドラ版はマイクロネット、そしてエンジン版はあのハドソンが担当というてんでバラバラの面子によって、家庭用ゲーム機にライデンが落とされてしまったのです。


(余談ですが、セイブ開発が家庭用に本腰を入れ始めたのは、なんとプレステ登場以後のことになります。雷電1・2カップリングの『雷電プロジェクト』、新作である『雷電DX』、そして恐らくは『雷電ファイターズジェット』も落としてくれるのでしょう。金丸は少し前まで、STGならサターンでやらんかいとむかついていた覚えがあります。今はPS持ってるから別に良いですけど)


さて、この足並みのまるで揃わないメーカー共が送り込んできた雷電、一体どういう結果をもたらしたのでしょうか。




〜4〜


まずは、エンジン版とメガドラ版から参りましょう。

と、言いましても、金丸は現在メガドラ版しか持っておらず、エンジン版は遥か昔にプレイした記憶があるのみです。

その記憶を頼りにするのは余りにも危なっかしいので、エンジン版については「多分、この3つで比べれば最も絵は綺麗だったような気がする」とコメントするに止めておきます。

嘘は書きたくないですし。



で、さっそくメガドラ版です。

マイクロネットという会社、サターン市場においては脱衣麻雀ゲームを乱発してセガ人の憎悪を一身に受けていたメーカーですね。

この会社も汚れる前は、雷電移植などという至極真っ当な生き方をしていたのだなぁ、と思うと、人が汚れるのにゃ10年かからねぇって本当だなおい、と涙が出てきます。


それはそうと、このメガドラ版においては、タイトルがスーファミ版と同様に『雷電伝説』となっております。

多分、深い意味はありません。

もしかすると、エンジン版だけはセイブ開発自身が関わったので純粋に『雷電』、それ以外の2つは関わってないから少し別物だよと言いたげな『雷電伝説』なのかも知れませんが、10年前の事情など知った事ではないので単なる妄想です。


すぐ脇道に反れますが、話をメガドラ版に戻します。


先に結論を申しますと、解ってる方が移植作業してくれたという出来栄えです。

何がライデンをライデンたらしめているか、それをちゃんと解って移植してくれています。


『雷電伝説』は、初代『雷電』をモチーフとした移植物です。

まず画面は、ちと圧縮したような塩梅で、テレビ画面の3分の2程を使って軽く左右にスクロール、そうやって立て画面でのゲームを上手にテレビ画面に持ってきてますね。

これは、セガ製の東亜シューなどでも取られていた方法で、縦置きモニター対応など夢のような話であった時代の苦肉の策なんです。

ゲーム性を忠実に移植しようと頑張れば、何かを犠牲にするしかない、じゃあ少しキャラを小さくしましょうか、という方法です。

この『雷電伝説』でも取られたその方針は、少なくとも失敗はしておりません。

むしろ、雷電を違和感無くプレイできるという結果を生み、迫力不足は否めないものの、良い選択だったと拍手しても支障はありません。


次にキャラパターン等ですが、もう仕方のない事だと思いますが、非常に地味です。

特に売りの一つであった破片飛び散りですが、皆無といって良いです。

ボムも寂しく、2種類程度のグラフィックが書き替えられるだけ。

でも、このへんは見逃してあげたい部分です。


という訳で、迫力などは確実にダウンサイジングされてしまってるんですが、何故かそれをさっぴいてもちゃんと『雷電』になっているんですから驚きもひとしお。

その理由を考えてみましょう。


まず思い当たるのは、効果音がきちんとしていること。

BGMは流石にわびしいんですが、それでも効果音だけは頑張っていますね。

破壊音が無闇に派手です。

ま、それだけなんですけど。


次に、きちんと敵パターンが練られてあること。

純然たるサイズの画面構成では無いこのメガドラ版ですが、それでも緊張感のある闘いが出来るのは敵パターンの再構成の上手さにあるのでしょう。

雷電の難しさといえば、切り返し時の側面からの自機狙い弾ですが、それが絶妙に再現されている点が大きいと思います。

かといって理不尽な方向から撃たれる事はまずない。

弾速も縦横で調整してありますからね。

このあたりの配慮、そこにこそ『雷電』っぽさが再現されてある妙があり、プレイ感の為に色々犠牲を払った甲斐があったのだなと嬉しくなりますね。


難易度調整にちゃんと意味があるってのもポイントでしょうか。



こう述べて参りましたように、メガドラの機能を出来る限り引き出して、なるべくライデンっぽさを提供しようという志が高く評価できるんです。

もちろんその結果として、STGゲームとしても長い時間楽しめるソフトとなっています。

やはり業務用と比べては寂しいものですけど、それなりに遊べて攻略もやりがいがある、優秀なソフトだと言って良いと感じます。


そうですね、移植物としての点数を付けるならば80点、家庭用ソフトとして点数付けるなら90点(モードの少なさがネック)。

全体と致しましては、実に遊べる良質ソフトであります。


ありがとう、マイクロネット。




〜5〜


そしてスーファミ版のお話です。

東映動画とかいう糞アニメ会社が何をトチ狂ったのか、ライデンの商標を借りて志もプライドもサービス精神も人間らしさもまるっきり皆無な産業廃棄物を作りやがりました。


とにかく、ひでぇもんです。


何も考えないで作ったとしか思えない画面構成は、テレビフル画面を使用したことによって側面攻撃が避けようの無い必殺技へと進化。

ファンの多いホーミングミサイルなどは、性能も最悪、グラフィックに至ってはもう実際に見て呆れてもらうしか無いまでの貧弱さ。

笑えるのが画面上部で自機のショットが消えてしまうという馬鹿っぷりで、じゃあスクロールをもう少し調節すりゃあ良いものを、律儀にスクロールはする、でも上までショットは絵面では届かない、もう何が何だか解りません。

敵グラフィック等もしょぼいなんてものじゃ済まされず、ミサイル命中時の衝突効果すら無し、勿論効果音もこじんまりとして壮快感まるで無し。

ボムグラフィックは、たった1つの爆発絵がブレるだけ、呆れてものも言えません。

ボス面ではちょっと弾が多くなるとすぐに処理落ちしやがる、しかも接近連射すれば2秒で倒せるボスまでいやがる。

メガドラ版ですら頑張って収録してたボスまでもが、無惨に削除されてやがる。

BGMだってどうっしょも無いくらいヘボいです。

やられたら何とその場で復活、ほぼ永遠にコンティニューできる事もあり、ほぼ全てのプレイヤーが最初のプレイでエンディングまで到達してしまう事でしょう。


最後になりますが、まず自機の動きからしてカクカクしてぎこちないんです。



こんなもんです。

制作は東映動画とかいう糞アニメ会社です。

ちなみに定価は8700円。

こんなもんに8700円も出してしまって、もしその人が雷電ファンだったりしたならば、トラウマとなってしまう程の糞です。

メガドラ版が無ければ諦めもつこうかってもんですが、スペックの劣るメガドラがあそこまで頑張っていて、任天堂スーパーファミコンを使ったコレがこのザマじゃあ、もう言い訳はききません。

どっしょもないです。

恥を知れ、位の言葉しか出てきません。


エンディングのスタッフロールにて、プログラマーらしき人間の名前が3、4人ほど確認でき、総勢10名にも満たないスタッフ数なので、いっそ全部メモしてココで公開してやろうか、とも考えましたが、その手間すらもったいないんで止めます。

ほんと、恥を知らない人間こそが恥である、とは良く言ったものです。

久々に心から侮蔑できる作品に出会いました。

このような人間らしい感情が全く感じられないモノには、愛を以って接する必要は全くありません。

これ作った人間は、頭悪い。

真面目に仕事しない人間が一番嫌いです、金丸。




〜6〜


と、いう訳で、今家庭でむしょーにライデンがやりてぇ、と仰る方にはプレステ版をお勧めします。

それでも、ROMでSTGやりてぇ、と仰る方にはメガドライブ版を強くお勧めします。


決して、スーファミ版には手を出さないようにお願いします。

「STG氷河期」の枠組みを欲しいままにしたスーパーファミコン、その中でも最低最悪の出来を誇るこの「東映動画」の『雷電伝説』。


ここまでけなすのは、久々ですね、ほんと。


開発者、死ね。




(00,11,4)







戻ります。




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