『ハームフルパーク』


(97,2,14,スカイ・シンク・システム)



聖バレンタインの夜、ピュア・シューティングを貴女に(寝言)。


この世に何本流通しているのか数えるのが恐いシリーズ第1弾としてのコレだったりします。

が、実は特定層にとっては当然のように所有しているであろう奇妙な履歴を持っている気がするんですよね。

それが幸せだったのかどうかは別として。


〜1〜

スカイ・シンク・システム。

今回のお題『ハームフルパーク』を生み出したメーカーさんですが、勿論現在ゲーム業界からは撤退しております。

知っている人は知っている、『くるりんPA!』というタイトルに記憶がある方もおられる事でしょう。

前例の無い価格設定で再登場した廉価版も少しは話題になりましたね。

このスカイ・シンク・システムさんがゲーム業界に出現した頃の事を思い出してみると、現在における新手メーカーの登場とは全く様子が異なっております。

最近の事例としては、色々世間のしがらみに揉まれて止むを得ず合併・吸収・買収の結果名称が変更してしまっていたり、そればっかです。

が、スーファミ期よりサターン・プレステ戦争期付近での新参者は、まぁバブルでしたから。

微妙に畑違いだけどちょっと金儲けしてみっか、そんな感じでゲーム業界に参入してきたであろうメーカーさんが目立ったのですね。

その殆どは淘汰された、いやそれ以上に「あんま儲からねぇじゃねぇか」と悟って賢く撤退、まぁゲームに関わる人間ってのは作る側も流す側も遊ぶ側も一様に頭がおかしいですから、常識ある社会に居た人々なら逃げて当然です。

あのエコールの偉いさんもこういう意味の事言っておりましたよね、「普通にCADとか作っていれば食べていける」と。

結局、ハード商売に関してはスケールや意味が違うとして、ゲームソフトに限って言えば、これは商品になり辛いもんなのでしょう。

ソフトそれ自体よりその周辺、グッズや攻略本の方がよっぽどノーマルな商品として扱い易く、ソフトそのものは技術品と芸術品の中間にある、本当属性が良く解らないものであり、良いモノ作ればそれで儲かるという訳でも無い。

だから、良い物作って売ってひと儲けしよう、その手の考えでは確実に失敗する。

変な話ですけど本当っぽいです。


そんな訳で、シカイ・シンク・システムさんも「こりゃ儲からねぇぜ」と判断して速攻撤退した感じです。

現在は何をやってるのかしら?と探してみましたら、社名を変更してイイそりゅーちょんとか教育そふととか全然遠くの世界で頑張っている模様、会社履歴にはゲームのゲの字も出てこない有様、結構忘れたい過去として封印している様相。

元々カーナビ開発してた会社さんみたいですからね、全然正しいアテテュードだと思いますよ。


〜2〜

『ハームフルパーク』は、何故かオリジナル横シューの目立つPSで発売された正統派横スクロールSTGです。

本人の言葉を借りれば、「横スクロールコミカルシューティングゲーム」、又は「ハイ・ブロウ・ギャグ&ピュア・シューティング」となります。

…前者はまぁコミカルが引っかかりますけど意味は通りますよね。

問題は後者、無理矢理訳せば「大爆笑かくじつギャグと純STG」になるんでしょうか。


それはひとまずおいといて、早速基本仕様解説に移りましょう。

4種のショットをそれぞれアイテムで強化して攻めます。

ショットは任意にボタンで変更可能で、4種それぞれに特徴がありますから紹介しておきましょう。

まずはよくあるノーマルショット、4ウェイにまでパワーアップします。

続いてこれまたよくあるレーザー、前方しかカバーしませんがパワーアップによりレーザーの本数が増えます。

スプレッド系の放物線を描くパイ爆弾もあります、連射が利かないので使い方にはコツがあります。

最後にホーミング、普通の性能ですがパワーアップすると雑魚は貫通、最も役に立つ武器かもです。

加えてボムも使用可能で、道中にてアイテム回収により複数ストックできます。

使用時に選択しているショットによりボム性能は変わるので、場面に合わせた使い方が大事になりますね、防御型・攻撃型と系統はしっかり決まってますんで。

このようにショット・ボム・ウェポン選択の3ボタンで進んでいく、言ってみれば普通の武器選択型横STG、それが『ハームフルパーク』となります。

複雑な仕様は何1つ存在しない、このへんが「ピュア」なのではと考えられます。

道中があって、最後にはボスがいて、倒せばステージクリアで次行ってみよう、幕間にへっぽこなビジュアルデモ(声優熱演・詳細後述)が入る、普通の横シューですね。


稼ぎ要素もあるにはあります、そこそこ面白いので説明しておきますです。

雑魚撃破の連鎖による倍率稼ぎ、そして連続ジュエル回収、この2点が稼ぎの全てを担います。

前者は、スプレッドやレーザーで連爆して雑魚の得点倍率を上げる、パターンにより武器を変更して狙っていく類の遊びでして、似た前例があるにはあるので解り易く狙い易いシンプルなものです。

後者はもう誰でも知っている、『ツインビー』の頃から不変の稼ぎ、画面外へ逃げていく得点アイテムの重ね取りです。

この2種類の稼ぎが基本、シンプルなだけに面白い出来になっておりますよ。


以上、『ハームフルパーク』の基本仕様で御座いました。

ちなみにオプションでEXITに合わせR1R2L1L2R1L2○でデバッグモード、いらないですけど。

ご静聴ありがとお御座いました。


〜3〜

今回はサクサク話が進みますね、毎回こういう感じだったら理想的なのに。

んじゃ、ここではこの『ハームフルパーク』に関する雑音というか、灰汁をすくってみたいというか、少しは面白い話もしないとねといった危機感より。


冒頭に、販売本数が相当少ないソフトであるにも関わらず特定層は必ず所有している筈、そう言ってみました。

その理由はですね、このゲームは何というかアニメ風の設定・物語・デモが「ピュア・シューティング」以外の部分を任されている類でもありまして。

良くありましたよね、サターン・プレステ期に流行ったゲームプラスの何か、アニメ風味だったり映画風味だったりと、容量の大きさがゲームと全く関係無い部分に貢献していた、そんな時期の真っ只中に存在していた『ハームフルパーク』さん。

声優さんの起用や脚本某や作監某が無意味にパッケージ化されていた懐かしい忘れたい暗黒の時代。

ぐだぐだ言ってないで正体を明かせば、この『ハームフルパーク』さんがゲーム本編より売りにしていた部分、それは2人の声優さんであったのです。

ヒロインが2P分で2名存在しますが、菅原祥子様と菊池志穂様、この両名様の起用こそが、ゲーム発売前に大々的に取り上げられた地獄のような話。

有名ゲーム販売店でサイン会が開催されたり、声優さん寄りのプレゼント企画が発せられたりと、それはもう何のゲームだ?NECいんちゃん?PC−FXか?と見紛うまでの極端な祭であったようです。

ですから、声優ファン、中でも出演していた両名のファン層は、声優関連グッズとして、STG中でも知名度の不自由な当作品を当然知っているという結論となる次第です。

繰り返しますがゲーム本編は普通の出来の横シュー、それだからこそ余計に「有名声優起用!」のインパクトに勝てない勝負だったのではと思われますね。


ついでに言及しておきますが、『ハームフルパーク』に関するコメントとして最も良く聞くのが、「PS版東鳩のお嬢様は魔女みたいなの」です。

ギャルゲー収録のミニゲームとしては信じられない完成度の高さを誇った『お嬢様は魔女』、あれのボリュームを増やしたという言い分が最も説得力があるのですね。

このレッテルは失礼ではないのか?と個人的には思いますけど、強ち間違った言い分では無いのが不敏な感じです。

普通の出来の横シューである、この評価は良い方にも悪い方にも作用する、遊べない事は無いけど…というどっち付かずの判定を下されてしまうといった意味では、知名度が不自由でマイナーな存在に終わってしまっているってのも仕方の無い話でありましてー。

その上、本当に弾数少ないですからねこのソフト、出会ったら即確保の気合いで挑んだ方が良いかもですよ、少しでも興味のある方は。


〜4〜

そんなこんながありまして。

『ハームフルパーク』さんの実態、これに関してはもう実際に触って頂くしか無いんですけど。

過去作のどれに似てる?な話は酷ですから避けたい感じですし。

いやそこまで言うほど元ネタが一目瞭然ではないです、あからさまではない。

パステルカラー調、派手な絵面で変わったボスや雑魚や背景に彩られている系統、つまりは『パロディウスだ!』の仲間である事は確かです。

ゲーム性は「地形に当たっても死なない」事により『マジカルチェイス』に酷似していると感じる方が多いでしょうね。

まぁ『お嬢様は魔女』の話を持ち出した時点で明白だったのでしょうが、宇宙でシリアスに戦闘という規定路線とは別の方向に向かった場合、どうしてもこっち系に傾いてしまうのは仕方の無い事だと思います。


一応デモや物語も用意されてるんで、軽く紹介しておきますか。

あるところに博士がいて女性博士に恋、フラれて逆ギレ、その女性博士の為に作った超巨大遊園地「ハートフルパーク」を改造して「ハームフルパーク」にして人質取って八つ当たり、それを「何とかする」為に女性博士はメカ作って娘2人を乗り込ませ突撃させる、確かこんなお話でした。

より詳しくは取説前半10ページ近くが設定解説になっている始末、実際にその目で確かめてみて下さい。

声優さんが活躍されている部分に関しては…すいませんノーコメントで良いですか?


さ、それではサクサク話終わりそうなんで締めに入りましょう。

この『ハームフルパーク』、しつこく普通だ普通だと繰り返しましたが、是非この普通という形容を良い意味で捕らえて頂きたいと強く願います。

PSオリジナルSTG作品の中において、縦は断然『ザナックNEO』が凄いとして、横に関してはコレが筆頭かと。

一応『グラディウス外伝』がありますけど、これは業務用の続編に近い立位置だと勝手に決めつけてみます。

完全オリジナル作として『ハームフルパーク』が、『キュイーン』『ガイアシード』『通天閣』『フィロソマ』等と比べたら出来がずば抜けている、何か比べる態度自体が間違っているような気もしますけど。

普通に遊べる、稼ぎも熱い、少々演出面に空回り(さむさ)を感じるがプレイ意欲を損ねるほどでもない、とても良い意味での普通ですよ。

その象徴として、家庭用版『セクシーパロディウス』のスペシャルステージを思い出させてくれる「スコアアタック」モードがあり、このモードにおけるパターン作成に要求される緻密さは業務用作に負けないレベルのものです。

地形に当たっても死なないという特徴を生かした上でのステージ構成は絶妙で、このモードを経験していると『RTYPEデルタ』のプレイ&稼ぎが児戯に類すると断言できるでしょう。

更に更に、『グロブダー』風の4人対戦可能な『タンクバトル』、レースゲーム風のタイムアタックが熱い『スカイサーキット』、まんまエアホッケーの『パンチボール』という3種類のミニゲームも収録されている、どうですかお客さん。

家庭用STGとしておまけ要素も忘れず盛り込み、オプション回りも過不足無し、その上で遊べて稼ぎも面白い、これでやっと「普通」なんだよと言いたい気分でもあったから、今回『ハームフルパーク』さんを取り上げてみた次第です。

本当見かけたら即確保、そりゃ人によって合う合わないの意見異なるでしょうが、定価以上で買わない限り「損した」とは思わない筈ですよ。


このゲームソフトに足りなかったのは、大手メーカーのブランドだけ、つくづくそう思いますね。

昔の話を引合に出して申し訳ありませんが『アインハンダー』、あれはあれで武器入手等の面白さが十分存在するので良いモノではあります、が、やはりスクゥエアの看板無ければあそこまで一定そこそこの流通を達成出来なかったと思うのです。

普通に良く出来ていた作品であったとしても、生まれ育ちにより作品自体が陽の目を見る機会を逸する事がしばしばあると、とりあえず今回はそういったお話でした。

惜しいですねぇ『ハームフルパーク』、言うまでもなく絶版なので入手は難しいような気がしますが、あるトコにはあると信じて是非遊んでみて下さい。


既に伝説化しちゃってる感じのPCエンジン用又はゲームボーイ用『マジカルチェイス』、アレがどんなもんだったのか追体験してみたい方には特にお勧めですよ、大体こんな感じだから。


(04,3,3)






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