日本絵葉書会 会報第9号掲載 平成16年4月

朝 鮮 の 闘 牛

金 丸 靖 孝

  日本の闘牛はご存知のように、スペインやメキシコのものと違って、牛と牛とが戦う牛相撲であるが、このスタイルの
闘牛は日本だけではなく韓国やジャワ島、スイスなどでも 行われている。中でも韓国のものは日本と最も形式が近い。
  韓国の闘牛といえば清道が有名で、これまでは年1回の闘牛祭りで日本との交流戦が行われたりしていたが、今年
2004年の3月からは規模を大きくし、施設を整えて、公営 ギャンブルとして毎週土日に開催されている。
今回絵葉書を取り上げた晋州でも小規模な がら今なお闘牛が開催され続けているようである。
  日本支配下時代には多数の民衆が一箇所に集まることは治安維持上問題があるとして、 闘牛は禁止されていたと
の記述もあるが、この絵葉書はまさしくその日本支配下時代の大 正末期頃のものである。
  終戦直後の沖縄でも米軍により、同様の規制がひかれていたことから、韓国においても 日本軍から何らかの闘牛
禁止令が出されていたことは事実であろうが、名物として堂々と 絵葉書化されているところからして、禁止令に実効性
があったかどうかは疑わしく、少な くともまだ平穏だったこの時期には闘牛は行われていたのではないかと考えている。
  日本の闘牛も戦前の開催状況についての記録は乏しく、その歴史的研究は十分に進んで いないが、今後は朝鮮の
闘牛との文化的・歴史的な関連についても資料を収集して、考察 していきたい。


「(朝鮮晋州)晋州名物旧盆ニ催スル闘牛」