キリギリス
(螽斯)

バッタ目 キリギリス科
体長:40mm前後
見られる時期:7〜9月

※音量をアップすると鳴き声が聞こえます!
 観音崎公園・花の広場の草むらで,三週間ほど前からキリギリスが鳴き始めた。 ♪ギーッチョン ギーッチョン♪ 一時期,ほとんど姿を消していたキリギリスだが,ようやく,懐かしい鳴き声が戻ってきたようだ。 
2008.8.5

  2004.8.13

  2005.7.13
 子どもの頃,夏に下町の細い路地裏を通ると, ♪ギーッチョン ギーッチョン♪ キリギリスの鳴き声が,あちこちから聞こえてきたものだ。家々の軒先には,ガラス製の風鈴がついた釣り忍と並んで,キリギリスが入った虫籠が吊され。輪切りにされた餌のキュウリが入れられていた。風鈴とキリギリス,それは暑さを忘れさせてくれる,真夏の風物詩だった。
 
 イソップ寓話「アリとキリギリス」では,働き者・勤勉家のアリに対して,キリギリスは怠け者・享楽家の象徴的存在として描かれ,人間で言えば“小原庄助さん”のような扱いをされている。

 アリは真夏の暑い昼の間,せっせと働き続けるが,キリギリスは朝早くから日がな一日鳴き続け,日が傾くと鳴き止んでしまう。そして,晴れた日ほど良く鳴き,曇りや雨の日はほとんど鳴かない。“昼間は,額に汗して働くことを美徳とする。”そんな思想は洋の東西を問わずあるようだ。
 花の広場の中央部や,花壇の周辺には草むらが点在するが,三年前と今年を比べると,その様相が大きく異なることに気づく。神奈川県が「指定管理者制度」を導入して,公園管理者が交代した三年前,数を増しつつあったキリギリス等の虫たちが激減したことがあった。

 原因は過度な除草にあった。新規業者が張り切って,花の広場の隅々まで除草した結果,観音崎にゴルフ場が出現?と見紛うばかりに美しくなった。現実にゴルフのアプローチの練習をする人まで現れたのには驚かされた。その一方,虫たちは行き場を失いその数を減らしてしまった。
  

2006.6.30
  

2006.6.30
  
 過度な除草について指摘を受けた公園管理者は,その後工夫を重ね,現在のような除草方法を採るようになった。一見したところ,刈り忘れか,虎刈りのように見える草むらも,虫たちにとっては快適な場所だ。 ♪ギーッチョン ギーッチョン♪ キリギリス達の鳴き声も,心なしか嬉しそうに聞こえてくる。
  
  
余     談
  
 キリギリスの鳴き声を録音しながら,いろいろな雑音が気になった。ウグイス,セミ,カラス,トビ等の鳴き声,人の話し声,飛行機,自動車等々。根気強くそれらの雑音をカットしながら録音したが,どうしてもカットできない鳴き声が残った。ウグイスとニイニイゼミの鳴き声だった。

 ウグイスもニイニイゼミもキリギリスに近い場所で鳴いている。その上,キリギリスに張り合うかのように,絶え間なく鳴き続けている。カットすることをあきらめ,その鳴き声を聞きながら妙なことに気づいた。俳句の季語でウグイスは春,セミは夏,キリギリスは秋の筈。春・夏・秋の季語が合唱していることになる。一茶だったら,この情景をなんと詠むだろう?

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