アメフラシ
(雨降らし・雨虎)


アメフラシ科  体長:約30cm

 早春のある晴れた日,中潮で潮の引いている観音崎の磯へ出かけて見ると,磯には大小のアメフラシがゴロゴロしていた。写真のアメフラシは産卵前と思われ,体が大きくまるまると太っていかにも美味しそうだ。

 このアメフラシが食べられるかどうかは良く話題に上るが,答は条件付のYes!である。しかしながら,体の一部に毒があるとのことで,それがどこか判らぬためまだ私も食したことはない。

 今頃磯には数え切れないほどのアメフラシがいるのに,誰も採らず,食べたという話も聞かないところを見るとあまり美味しいものではなさそうだ。

 ところが,これを食べる習慣が島根県のどこかにあると聞いて,アメフラシをインターネットで検索してみると,なんと120,000件(2002年3月現在)ものアメフラシに関する情報があり,その中から食に関するものを拾い読みしたところ,隠岐の話がなかなか興味深かったので有毒性に関する部分をご紹介したい。

アメフラシの有毒性について
原稿作成:隠岐・松浜旅館 斉藤一志氏注)
 一般的に隠岐以外の地域ではこのアメフラシを食用に用いることはありません。ムツゴロウこと畑正憲氏が以前「アメフラシの卵は美味である」と言う事を伝えたようですが、その意見に対し「アメフラシを食べるのは危険である」と言う反対意見が飛び出したことがあります。

 危険であると指摘した背景には、本来アメフラシは上でも述べてあるように、海草類を好んで食べるのですが、もし紅藻類などで有毒な成分を持っている海藻を食べていたらアメフラシの体内にもそれが溜まっていて、場合によっては人体に悪影響を及ぼすことが予想されます。

 そう言った有毒な海草が繁殖する海域で捕獲されたアメフラシは食用に用いないことをお願いいたします。なお、現在までの隠岐において、アメフラシの有毒性が確認された記録はありません。

 (後日談)隠岐ではどのようにしてアメフラシを食べるのか?2002年3月時点では「ベコの木の芽あえ」という料理が写真付きで紹介されていたが,現在では,残念ながらリンク切れになっている。

 当時の「ベコの木の芽あえ」紹介文:ウミウシの仲間のアメフラシはバイ貝やカタツムリの仲間。見た目と違いとても美味しい。ベコはワカメなどの海藻を食べているため磯の香りを濃縮した味。醤油,酒………以下略

 最近,隠岐・松浜旅館についてじゃらんnetで調べたところ,宿の紹介文中に「…アメフラシやイカの卵などの珍味もあります。」とあった。どうやら,アメフラシ料理は健在らしい。一度味わってみたいものだが,隠岐は横須賀から少々遠すぎる。(2008.11.27)

 料理自慢の宿。若旦那の歴史講座が好評!エコツアーの手配も可。
 西郷港から徒歩10分で観光にも仕事にも便利な料理自慢の宿。隠岐の歴史文化にも詳しい若旦那の語り部もあり。イカの陶板焼きや鮑の貝焼きなどの人気料理の他、アメフラシやイカの卵などの珍味もあります。

by:kamosuzu
 
 下の写真がアメフラシの卵塊ウミソウメンで,この色と形状を見ると私がウミラーメンと呼びたい気持ちもご理解いただけると思う。その昔はラーメンがなかったのでソウメンと名付けられたのだろう。
 
 ある日,海辺に落ちていたアイスクリームの容器にウミソウメンを入れてみた。いかにも美味しそうだが,実は私はこれを口に含んで噛んでみたことがある。ところが,噛んだ途端に口の中一杯に苦い刺激を感じたため,すぐに吐き出し海水でウガイした。幸い命に別状なかったが,食べることはお薦めできない。
    
 上の写真を撮ろうと一人悦に入っていると,突然バタバタという音が私の頭をかすめ,ビックリして見上げると一羽のトビが飛び去り,ウミソウメンと容器がひっくり返されていた。

 ものは試し,ウミソウメンと容器をもとの状態に戻し,少し離れて上空を見ると二羽のトビが旋回しながら様子を窺っていた。やがて一羽が急降下してきたため,カメラのピントを容器に合わせ夢中でシャッターを押した。その結果が下の写真。

 幸いウミソウメンは無事だったが,さすがのトビも食べ物と勘違いしたようだ。観音崎一帯には無数のトビが生息している。弁当を広げ油断していると,唐揚げ等をさらわれることがしばしばあるので,くれぐれも頭上にご注意いただきたい。

  
そこで一句!   ウミソウメン  さすがのトビも  見間違え     十茶  
                       (ソウメンと見たか ラーメンと見たか)
 
 

余   談
 
 アメフラシの英名Sea hareは「海のウサギ」という意味で,頭部の二本の突起をウサギの耳に見立てたようだ。中国名も海兎という。
 
アメフラシはウミウシの一種です。
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