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由布岳・鶴見岳 '96 3/31 '97 5/23

由布岳南登山口から見る由布岳・鶴見岳

由布岳南登山口から見る由布岳・鶴見岳

 久住方面からやまなみハイウェイを走ってくると、やがて湯布院の街の背後にそびえる由布岳が見えてくる。由布岳(1583m)は、いつか山ごと崩れてしまうのではないかと心配になるくらいに急峻な円錐形をしている。その山頂部には、2つのピークつまり「耳」があり、双耳峰として有名である。対照的に、隣にある鶴見岳(1374m)は丸っこい山々の連なりで、標高も由布岳よりも低い。見た目では由布岳の方がはるかに活火山らしいのだが、活火山として指定を受けているのは鶴見岳の方である。鶴見岳は昔から噴気が活発で何回かの小爆発も記録している。一方、由布岳の方は噴火の記録もなければ、噴気もない。

 麓には九州を代表する温泉地である湯布院と別府を抱え、どちらの火山も我々に豊富な湯の恵みを与えてくれる。ある地元の人からは、大量の温泉の噴出によって火山の熱が放出されるために、大きな噴火が起こらないのではないかという話を聞いた。それが本当ならば、なんて人間にやさしい活火山なんだろう。

 
【登山】 

[由布岳]

 登山としては鶴見岳よりも由布岳の方が面白い。いくつかの登山道があるが、恐らく最も一般的なのが由布岳南登山口からの道だろう。登山口には少々汚い休憩舎とトイレ、公衆電話がある。そこそこ広い駐車スペースもあって、休日にはマイカー登山者の車でいっぱいになる。道はしばらく広々とした放牧地の中を歩き、その後、森の中へと続く。森の中を山腹を巻くように進み、次第に視界が開けてくると「合野越」に着く。そこからは、急な山腹をジグザグにひたすら登るのだが、高い木がないので目の前は常に開けている。彼方には、久重の火山群やテーブル状の玖珠の山々が望める。

 

障子ヶ戸

障子ヶ戸

 ひとしきり登ると、双耳の間になる「マタエ」にたどり着く。左へ行くと西峰、右へ行くと東峰なのだが、だれしも登るのは東峰。西峰に行くには難所と言われる「障子ヶ戸」を越えなければならない。鎖も備わっておりさほど危険ではないが、恐い人は東峰だけで我慢。山頂の眺めはどちらのピークも良好で、玖珠、久重、祖母の山々が眺望できる。ここからは鶴見岳の北にある伽藍岳の山腹の噴気も良く見える。山頂部にはいくつかの火口が口を開けている。御鉢めぐりもできるらしいが、ヤブが多く上級者向けだそうだ。

[鶴見岳]

 鶴見岳にも登山道があるにはあるが、山頂からの眺望を楽しむだけならほとんどの人がロープウェイを利用するだろう。山頂は確かに景色は良いのだが、電波塔やらレストランがあり、揚げ句の果てにスピーカーから音楽が流れる始末で、どうも落ち着かない。山頂では、なぜか七福神巡りもできる。でも、このロープウェイによって多くの人が、冬には霧氷を、5月下旬から6月にかけては山頂に咲き乱れるミヤマキリシマを手軽に楽しむことができるのだ。

 山腹の自然を楽しむのだったら、歩いて登るのも良い。南側の国道沿いにある旗の台、あるいは鳥居が登山口となる。急坂を登って行くと鶴見権現に着く。立派な杉の大木が立ち並ぶ参道、その静寂の中をしばし登る。急な参道の階段を上がりきるとと、鶴見権現下社に着く。地元の方の話によると、鶴見権現は「頭の良くなる神様」だそうで、お祈りの時に年の数だけ和太鼓を叩く。そこから、しばらくは杉の植林の中を進み、しだいに傾斜が急になって、道はつづら折りを始める。あとはひたすら登るだけだが、途中カエデなどの緑が美しく、山頂に近づいてくるとミヤマキリシマもちらほら現われる。


【温泉】

塚原温泉

塚原温泉
 周辺には温泉はいくらでもある。その中で、伽藍岳の山腹にある秘湯の味わい豊かな温泉・塚原温泉を訪ねてみた。県道から山側にわかれると、道はすぐに変質した石のダートに変わる。しばらく登り、駐車スペースがあるところで道は分岐する。右は塚原鉱山に行く道、左は塚原温泉に続く道。何回かのタイトカーブを過ぎて、急坂を登ると、塚原温泉に着く。

 カッコウやホトトギスの鳴く静かな谷に宿がある。入浴のみ(400円)。木造の大きな浴槽に、酸性の強い、熱めの湯が注がれている。湯の出口にはカップがおかれており、新鮮な温泉を飲んでみると、鉄の入ったオレンジジュースといった感じの、体に効きそうな味がする。


【豆情報】

・由布岳周辺のおすすめ野宿ポイントは、由布岳南登山口。国道沿いで多少、うるさいが、晴れば気持ちの良い高原の朝を迎えられる。僕は計2泊お世話になった。水はトイレに手洗い用として雨水を溜めたものがあるが、わずかなものなので他の登山者のためにも、また自分のおなかのためにも飲用不可だろう。

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