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鳴子・鬼首'97 8/13

鳴子カルデラ外輪山と鳴子温泉

鳴子カルデラ外輪山と鳴子温泉

 鳴子といえば、「温泉」と「こけし」である。「登頂」目的でここを訪れるのは僕くらいのものだ。鳴子火山の最高峰は尾ヶ岳で470m。ふもとからの比高にすると340mしかない。その姿は、屹立とした活火山というよりも裏山くらいにしか見えない。

北麓のJR鳴子駅を中心として温泉街がさかえている。人や車がいりみだれる細い道が街をめぐる。頭上には、旅館やみやげ物店の看板がにぎやかだ。古くから栄えた温泉らしい街並である。街の奥には温泉神社があった。

温泉神社

 この温泉神社は延喜式神明帳にもその名を記された由緒正しき神社だそうだ。案内板には神社と鳴子火山との関係が記されていた。「837年、鳥谷ヶ森がにわかに鳴動すること数日、ついに爆発し熱湯を噴出、河となって流れた。里人は驚いて朝廷に報告し、朝廷によって温泉の神が祭られた。」(続日本後記)里人は、噴き出した湯のことを鳴声(なきご)と呼んだ。これが鳴子(なるこ)の起こりであるという。

 それ以後、噴火などの記録はない。気象庁は837年の記録を?つきであるが噴火と認めて鳴子火山を活火山としているようだ。


【潟沼】

 山頂カルデラの潟沼畔までは温泉街からバイクで登ること10分で行くことができた。沼を囲んでいくつかの溶岩ドームがあるが、いずれにも登山道はついていないようだ。直径400m程の沼を一周する遊歩道をのんびりと散策する。

潟沼

潟沼

 天気がとても良く、潟沼の湖水の澄んだ青白さがとても映えていた。湖畔には、「湖水の酸性度は日本一」と大きく歌う案内板が立っている。酸性度を示すpH は1.7で、湖水は強酸になる。湖底から絶えまなくガスが噴出していることを水面を揺らすアブクが物語る。沼に棲む生き物は皆無に等しいのだが、唯一、湖岸で生きているのがユスリカのボウフラ。酸の湖の中でも赤いボウフラたちはたくましくダンスを踊る。


【鬼首】

 鳴子のすぐ北にある荒雄岳周辺は一大地熱地帯で、高温の温泉や噴気帯が多く存在する。噴気帯の一つ片山地獄には地熱発電所も稼動している。
 荒雄岳西麓にある吹上温泉には間欠泉があるというので訪れてみた。でも見学料400円だという。それをためらってそばにあった地獄谷と呼ばれる沢に入ったところ、そこにはとても興奮する場所があった。

地獄谷・間欠泉

地獄谷・間欠泉

 沢に沿って遊歩道が敷かれている。コポコポ音を立てる温泉の湧きだし口が遊歩道のすぐ脇にいくつかある。それぞれナントカ地獄と名前がついているのだが、どれもいまいち迫力に欠ける。道は結構長く続き、やがて堰堤が立ちはだかる。こんなもんかと思って来た道を引き返していたところ、行きに見たときは何でもなかった対岸の岩間から温泉が噴き出しているではないか。なるほどここも間欠泉かと思い、待つこと10分。すると自分のすぐ脇の岩間からも温泉が噴き出し始めた。数分で噴出は終わり沢はふたたび静寂に包まれる。さらに待つこと20分。今度は自分の脇からも対岸からも、なんでもなかった森の中からも温泉が噴き出し、付近はしばらくえらい騒ぎになった。僕は大興奮。一緒に待っていた観光客の方々もこの自然のエンターテイメントに大いに感動していた。


【豆情報】

・周辺、温泉には事欠かず。マニア向けとして荒雄岳山中の荒湯地獄(右)。噴気帯に掘られた穴がそのまま浴槽(写真手前)となる。当然無料。湯は相当熱い。僕は手をつけただけだった。人はめったに来ない。

・鬼首地熱発電所には地熱発電のPR館が設置されている。入場無料。

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