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磐梯山 '97 8/9

裏磐梯・中瀬沼から

 
 磐梯山は生々しく山の内部をさらけ出している。破局的噴火は1888年というほんの100年前に起こった。水蒸気爆発に引き続く山体崩壊。成層火山でたびたび起こり、人間社会にも大打撃を与える噴火だ。体積にして1.5km3もの大量の土砂が麓の集落を襲い、死者461名に及んだ。噴火直後の壮絶な様子は当時まだわずかしかなかったカメラによって記録された。その貴重な写真は、噴火100年を記念して裏磐梯に建設された磐梯山噴火記念館に展示されている。

 悲劇の他に噴火は湖沼群を裏磐梯に残した。そして100年経ち、湖とその周辺はキャンプ・釣り・バ−ドウォッチング・サイクリング・クロスカントリ−と挙げきれないほど多様な野外活動を楽しめるアウトドアの聖地へと変わる。夏真っ直中の裏磐梯は首都圏ナンバ−のRVが盛んに行き交う。檜原湖、小野川湖、秋元湖という3つの湖の周りには地図に載っているだけで11ものキャンプ場がある。それらはほとんどすべてがオ−トキャンパ−相手で、長距離原チャリライダ−向けの値段で営業するものは見当たらない。


【登山】

 磐梯山と猫魔岳の鞍部になる八方台からのル−トを選んだ。この山を活火山として堪能するには、爆裂火口内部を歩く五色沼から銅沼を経るル−トが一番だろう。しかしそのル−トは爆裂火口の火口壁部分の崩落が激しく、残念なことに通行止めになっていた。八方台にある駐車場にはすでに車がびっしり止まっている。ナンバ−を見ると大阪から岩手まで広範囲からの登山客だ。これも百名山ブランドのなせる技。

 はじめは、ブナの明るい森を登る。道端には様々なキノコが顔だしていて、この森の豊かさをささやかに語りかける。しばらくして硫黄のほのかな香が漂い出すと、そこは中の湯。山奥の秘湯として期待していたのだが、残念ながら休業だった。ブナの森にわずかに混ざっていたダケカンバが増えてきたなと思う頃、登山道は息の切れる急登になった。道は途中何ヶ所かで爆裂火口の縁に出る。張られたロ−プの向こうには1888年噴火がつくり出した壮大な景色が広がっていた。

 道は徐々に傾斜を緩める。いつのまにか周りの樹木の丈も低くなった。弘法清水へのショ−トカットを分け、わずかでお花畑に着く。のどかな草原を行くと突然、景色は一変し、足もすくむ絶壁にたどり着く。ここは馬蹄形といわれる爆裂火口の蹄の丁度先端。右を見ればのどかなお花畑、一転して左には磐梯山のはらわたが露呈する絶壁と対照的な景観を眺めながら急登に疲れた足を休める。少し登ると弘法清水がある。岩間から冷たい清水が湧いている。そのまわりには売店が建ち、飲物から土産物までが売られている。ここから山頂まではあと300mを一気に登る。

 山頂は360度の大展望。南から那須の山々、日光の山々、西には朝日連峰、北に目を移してゆくと遠くにかすむ飯豊の山も見える。東には安達太良山や柔らかい山容の吾妻連峰がくっきり望める。


【豆情報】

・周辺で比較的安価なキャンプ場は、檜原湖の最奥・早稲沢集落にある早稲沢キャンプ場か。一泊800円。広々とした湖畔のサイト。車両乗り入れ可。集落内に商店、温泉有り。


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takeshin@hkg.odn.ne.jpまで

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