切れた弦




「ただいま、ルー。」
と、狩に出ていたナナリーが帰ってきた。手には狩り道具である弓矢と捕れたての獲物が抱えられている。
「遅くなってごめんね?すぐに夕ご飯作るから♪」
腕まくりをしながらベッドに横たわっているルーに話しかけた。
「そういや今日さ・・・ルー?」
いつもならとうに起きているはずだ。しかし返事はない
「ルー?寝てるのかい?」
首を傾げながらベッドに近づく。−返事はない
「ルー・・・」


分っていた・・・頭のどこか片隅で・・・唯、認めたく無かった・・・
二度と目を覚まさないこと・・・。

二度と「お姉ちゃん」と呼んでくれないこと・・・。

二度と笑うことはないということ・・・。


この村に来た時からそのことを覚悟していたはずなのに・・・。
現実はこんなにも辛く、こんなにも悲しい・・・。
手から弓が滑り落ち、音を立てて壊れた。
それと同時に自分の中で何かが崩れ落ちた。
止めどなく涙が頬をつたる。
明かりのないこの部屋の中、唯、泣き声だけが響き渡った・・・。




この家は一人には広すぎる・・・。