鳥海山
 …東北の山…
  〜ちょうかいさん〜
(2236m)



鉾立登山口〜御浜〜七五三掛〜鳥海山

   
平成21年7月12日(日) 
天気 曇り 
単独
      

昨夜のうちに道の駅「鳥海」に着き、ここで仮眠を取った。
道の駅「鳥海」の食堂は営業を夕方の6時に終えていたが、近くに二軒のコンビニもあって食事に困ることはない。この場所から鳥海山の登山口である鉾立(ほこだて)は車で40分のところだ。

鉾立の駐車場にバスで来ていた多人数のグループは10分ほど前に出発したようだが、他のハイカーは今の早い時間ではまだぽつりぽつり。
車外から唸るような風の音が聞こえて不安だが、今日は果たして登って行けるのだろうか。

駐車場にはすでにたくさんの車が止まっていたが、おそらく昨日からの小屋泊まりを含めての車も混じっているようだ。鉾立登山口を出発したのが5時きっかり。
ちなみに鉾立は鳥海山の五合目に当たる。登山口の案内図に鳥の海・御浜(おはま)七合目4km、そこから山頂までさらに4kmと記されていた。

コンクリート階段を登って行き、間もなく左側の開けたところに差し掛かったら、その場所が鉾立展望台。正面に深い奈曽(なそ)渓谷を隔てて稲倉岳が悠揚迫らぬ山容を構え、右側では屏風のように切り立った断崖から糸のように細い滝が流れ落ちているのを眺めることができ、ここで一度立ち止まったら最後、ダイナミックな景観を抱いている鳥海山にいっぺんに魅了される。

  
〔鉾立登山口〕                            〔白糸ノ滝〕

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30分ほど経っても石畳の緩やかな登山道が延び、その間に考えごとをしていたらさっき出発した多人数のグループに追い付いた。
道を空けてもらって先へと急ぎ、いつの間にかガスも晴れて山頂方面だけを残してすっきり周りを眺めることができた。

しかし、いくばくもなく日が陰ったように感じたら、又ガスが流れ出して視界一面が真っ白になった。歩き出して1時間以上経っても相変わらず整備された登山道が延びていたが、一度50mほどの長さの雪渓を越える。

その後も同様の登山道を歩いたら、もうじき賽ノ河原に着く。
冷たい沢が流れているので暑ければ手を洗い、あるいは顔や首筋の汗を拭いたりするのに適当なところだが、今日は大勢のハイカーで賑わっているのを尻目にしてその場を足早に立ち去った。

  
 〔雪渓を渡る〕                         〔賽の河原〕

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チシマザサの中に入ったら短いながら急な登りを迎えることになり、雪渓を越えてからは台地のような広がりに出て、やはり石畳の登山道を登って行く。
周辺はイワイチョウ、チングルマなどの咲くお花畑であり、じきに御浜神社に着く。

前半のコンクリート歩道、後半の雪渓を除いた石畳などの整備された登山道は、結局ここまで延びていたことになる。
御浜神社で少し休憩を取ることにして建物の裏側に廻ったら猛烈な強風に襲われた。
思いがけない風の強襲であり、ここまでは山懐に抱かれながら歩いていたので風を感じなかったようだ。

  
〔整備された登山道〕                         〔御浜神社〕

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〔ニッコウキスゲはこれから〕
南側から吹いて来る強風をまともに身体で受けとめ、御浜神社からはガスの中に向っての尾根歩きだ。

先に向かっているハイカーが一人、二人とガスの中に吸い込まれるように消えて行き、心細さに悄然と後を追って歩くこの辺りは鳥海山でも屈指のお花畑とのこと。

ニッコウキスゲ、コバイケイソウが咲いているのがガスの中でも分り、また石畳の登山道が復活したら下り坂を迎える。

尾根の両脇一面にハクサンイチゲが咲いているところであり、終期に至ったチングルマが同時に咲いていたことを想像すれば天国のような花園だ。

登り返しの途中で尾根を右側に廻り込んだ先が七五三掛(シメカケ)の小広場であり、ここで今日初めてギザギザした鳥海山の新山を眺めることができた。




〔七五三掛というところ〕


〔千蛇谷コースと外輪山コースの分岐〕
もっとも鳥海山はもっと手前でも眺めることができるらしいが、今日はガスのために見通しの悪い天気である。

一息を入れて尾根を少し登ったら外輪山コースと千蛇谷(せんじゃだに)コースの分岐に出合う。

後ろにいた地元のハイカーは外輪山コースが山頂に若干近いとのことだが、多くのハイカーは千蛇谷を目指して行くとのこと。

さらに花も千蛇谷コースの方が多そうだ。

ハシゴを降りて尚も下って行けば100mほどの横幅の雪渓が火口内壁に横たわっており、ここをロープに沿って向こう側に行く。

この先の登山道ではイワベンケイ、ヨツバシオガマの花が終始足元を飾り、イワベンケイだけが特に目に付くように感じたら急登は正念場を迎える。

上でもう一度雪渓を横切って溶岩帯のところを登って行けば小屋の建つ頂上御室だ。


〔奥まで雪渓を詰めるハイカーも多い〕

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新山(しんざん)は岩稜を越して登って行くことになるが、ペンキ印を忠実に守って歩けば30分までもかからないはず。
展望は日本海側の一部の海岸線を追うことができただけでも今日の天気ではめっけものであり、風が強いので5分ほどで山頂を切り上げた。

登って来る間は下山道を外輪山コースに決め込んでいたが、登りと同じコースにしたのは、雪渓をもう一度歩きたかったことだ。
登って来る間はできるだけ雪渓歩きを省いたが、ハイカーの中には雪渓を全部通して登って来ており、最後の急坂さえもアイゼンを装着していないように遠目に見えた。

この急坂をアイゼンも付けずに下るのは勇気のいることであり、歩けそうなところで着地して広い雪渓を我が物顔にして下る。
下るに従ってガスの晴れ間が長くなり、御浜神社まで来て突然にガスが晴れて眼下に鳥海湖が広がり、感極まって何度もカメラのシャッターを押し続けた。

アングルを変えて写真を撮りたかったが、鳥海湖がいつガスの中に没するか、とそのことに気をとられて移動できなかった。
撮った写真は案の定、気にいらないものばかりだったが、行程の残りの方は急ぎ足で一時間ほど歩いて鉾立登山口に着く。

  
〔新山に登るハイカー〕                        〔山頂は狭い〕


 〔ハクサンイチゲ、チングルマが咲く〕

 〔ガスの晴れ間に鳥海湖が覗いた〕
 
--コースタイム--
 鉾立登山口 5:00 賽ノ河原 6:10 御浜神社 6:40〜6:55 
 七五三掛 7:50 鳥海山 9:30〜9:35 頂上御室 9:55〜10:00
 七五三掛 10:50 御浜神社 11:00 鉾立登山口 12:45

                                 −実動時間− 7時間20分
--参考地図・図書--
 「山と高原地図  鳥海山・月山  昭文社」