丹沢主脈縦走 
…丹沢の山…
( 蛭ガ岳 1673m)
  


大倉バス停〜塔ノ岳〜蛭ヶ岳〜焼山登山口

   
平成18年1月8日(日)〜9日(月) 
天気 8日 晴れ    9日 曇り後晴れ
  好山好山旅会 7名
       
      

一日目は好天の中をみやま山荘まで歩く

3連休の中日のせいとは思えないが、大倉行きのバスに乗っている登山者は思いのほか少ない。 2日続いて穏やかな晴天に恵まれているせいもあり、恐らく3連休の初日をねらって山に向かったようだ。

大倉バス停から山に向かっている車道を歩き、ほどなく杉林の中の車1台通れるほどのコンクリート敷の道に変わる。 すぐ山道になり、2軒の休業中の茶屋の前を過ぎる頃には、道は窪地になって急になる。

周囲は杉林に囲まれ、やがてその道も二手に分かれているが、標識を見ればどちらを向かっても塔ノ岳に導かれるようだ。 右側の道に足を移し、ジクザクに歩いて、所々で南東側の樹林の開けた所から相模湾も見えてきた。

海面の上に浮かんでいる雲は重々しいが、雲の隙間から光の帯が矢のように海面を射してそこだけを金色に染めた。 海と地の縁は茫漠しているが、白っぽく見える街並みに照らしてどうにか海岸線を辿ることができた。

尾根に立っている標識は雑事場と示し、さっき二手に分かれたもう一方の道に合流する。 道を尾根に移して緩やかに伸びているが、見晴茶屋を過ぎた辺りから真っ直ぐな登りになって大倉尾根の一端をかいま見せていた。

木段から先に雑木のなだらかな尾根が行く手に見え、木々の葉の美しい春、秋の季節になれば、この尾根道もなかなか捨てたものではないようだ。

     
〔雑木林の道〕                          〔大倉尾根の登り

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堀山の家を過ぎると、開いた口をふさがらないほどの階段状の急登が一本調子に続く。 じっくり腹を据え、一歩一歩ペースを守ってゆっくり登れば1時間ほどで花立山荘に着く。 時計の針はちょうど12時を指し、とん汁を注文して昼食を食べてから小屋を出発した。

アイゼンを装着するように、との小屋のご主人の忠告はさすがに時宜をえたもので、間もなく細尾根になって、その効果たるやてきめんである。 フカフカした雪ではアイゼンにくい込んでいるという感触はないが、ところどころで陽射しをはじいている雪面は凍っており、足運びの不意の狂いで滑らすのは目にみえている。

金冷ノ頭で丁字路になっており、左側に見える山上の木々の間の一本の筋は鍋割山に伸びている。
塔ノ岳に向かう道は右側であり、ここから山頂までほぼ階段といってよい。

塔ノ岳は広々とした山頂であり、展望もすみずみまで見渡せることができ、しばらく茫然と立ち尽くして時の経過を忘れたほどだ。 丹沢山は、山頂に建っている尊仏山荘の脇を通って行く。

振り返りざまに見た塔ノ岳は、陽が雲に隠れては時おり黒くしており、この時間では大空のところどころに青空が覗くだけになった。 丹沢山に向かう尾根の起伏はおおらかであり、笹原に浮かんでいる登山道に促されるままに先へと進んだ。

この辺りに騒々しい賑わいはなく、すれ違った登山者も塔ノ岳から空身でひょいと足を伸ばした様子だ。 丹沢山に展望がないと聞いているが、樹木の払われた所に富士山が窮屈そうにおさまっていた。 丹沢山では雪が一段と多くなっており、東側の端の窪んだ位置に宿泊先のみやま山荘が建っていた。


 
〔大山〕                                〔みやま山荘〕


 
二日目は昨日とは打って変わった悪天候、したがって展望はゼロ

みやま山荘を朝7時に出発した。 小屋の外に出ても風が吹いていたことに気が付かなかったが、尾根通しに立ったら首筋を刺してくる風の冷たさにひるみ、天気予報と違った今日の天気をうらめしく思った。

昨日の富士山は雲がまつわりついても一時たりとも見えなくなることはなかったが、今日はどこにあるのか見当が付かないほどガスが一面を覆っていた。 景色の望めない今は、ただただ胸のふさがれる冬景色を前にして進んで行くだけだ。

木々の幹の黒さだけが唯一、色の呈をなしており、他は鉛色の空と白い雪が渾然一体の視界だ。 ピークをひとつ越したら次のピークに向けて下り、鞍部から途方もなく上がっているピークが棚沢ノ頭である。

途中に休憩舎もあって風を避けることができたが、この場でいつまでも突っ立っていればますます寒くなるばかりだ。 奮い立つように出発し、不動ノ峰を過ぎて10分も歩けば棚沢ノ頭に着く。
 
 
   〔棚沢ノ頭に向かって〕                       〔棚沢ノ頭付近〕  

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笹原の中にガスに煙って見える木立の佇まいには詩情を覚えるが、鬼ガ岩を前にしたらそんな悠長な気分は吹き飛ぶ。 いつもの通りに歩けばどうということもないが、今日のような天気では恐怖感が先走る。

蛭ガ岳はガスに隠れており、山の陰を次から次に追って大きな建物の陰が見えた所が蛭ガ岳の山頂である。 蛭ガ岳山荘でしばらく休憩をし、後は一目散に山を下って行く。 

斜面の雪に土色した登山道が伸びているが、急坂だった道も木道を過ぎた頃から緩やかに下って行く。  思いのほか登り返しもあったが、間もなく地蔵平に着き、木々は常緑樹に変る。

  
〔鬼ガ岩を過ぎた所〕                         〔蛭ガ岳の登り〕

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この頃には青空も覗かしてきたが、広がっていくような気配はなく、道志の山もすっぽり雲に隠れていた。姫次(ひめつぐ)から先は、東海自然歩道の名称の通り、その名にふさわしい道がなだらかに続く。 黍殻山(きびがらやま)を右側に巻いて雑木林に変わる頃には足元に木々の陰をはっきり落として陽射しも差してきた。

樹林の中の小さなアップダウンを繰り返し、杉林の先に白い空だけが見えているピークが焼山(やけやま)である。 山頂には鉄製の展望台が立っており、奥多摩や高尾山の眺めがよいそうである。

焼山からの下り坂は急であり、林相を植林から雑木林に変えて沢音が聞こえてきたら緩やかな道になって林道に出る。 ここから三ヶ木行きのバスが走っている国道に出るには20分ほど歩く。



  〔姫次というところ〕
--コースタイム--
 (一日目)  1月8日(日)
 大倉バス停 8:45  雑事場 9:35〜9:40   堀山の家 10:55〜11:05   
 花立山荘 12:00〜12:55  金冷ノ頭 13:10  塔ノ岳 13:30〜13:50
 竜ヶ馬場 14:40  丹沢山 15:10
        −実動時間−  4時間55分
 (二日目)  1月9日(月)
 みやま山荘 7:00  不動ノ峰 7:50  棚沢ノ頭 8:00   
 蛭ガ岳 8:50〜9:15  地蔵平 10:15  姫次 10:40〜10:55
 焼山 12:20〜12:55  焼山登山口 14:30
                                 −実動時間−  6時間15分
--参考地図・図書--
 「昭文社 5万 丹沢」