扇山 
…高尾・陣馬の山…
〜おうぎやま〜
(1137m)
  


淺川公民館〜曽倉山〜扇山〜鳥沢駅

   
 
平成18年1月27日(金) 
天気 晴れ   単独
      
       
      

行きつ戻りつして、やっとの思いで登山口を探しあてたのは、タクシーから降りてから45分も経った後のことである。 今日は出だしからしくじった。

4分間の乗り換え時間があった八王子駅で高尾駅行きの電車に乗り遅れ、又、高尾駅から発車する小淵沢行きの電車に接続しているバスを猿橋駅で乗りそこねた。 行き先を変えようと思ったが、代わりの山など咄嗟に思いつかない。

3000円のタクシー代を支払って淺川公民館バス停の少し先で降りた。 この道をそのまま真っ直ぐ向かえば終点の淺川であり、左に折れている車道は薄暗い山の中に伸びている。

淺川に向かう車道から離れて、右手に確かに3メートルほどの道があり、これはガイドブックの通りと進んでみるが、民家に通じていた道であり、犬にけたたましく吠えられて引き返した。

  
〔車道の左側に立っている〕                    〔墓地を背にして振り返る

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この道は沢に並行して走っており、タクシーの運ちゃんの余計なひと言にも惑わされた。 子供の頃、沢伝いに歩いて扇山に登った、と言う。 ガイドブックに書いてある「私道宮ノ越下667番地」の記載のある目印を見つけ出すのが先決と、車道の両側に視線をなめるように這わせたら、何のことはない、淺川に向かってさらに進めば左側の道路の縁に見た。

記載通りの3メートルの道が反対側にあり、つのらせていた、いらだちも霧散霧消した。 この登山口が見つけられなかったら、終点の淺川まで歩くつもりだった。 墓地を右に見て山に入り、植林の中をジクザクに登った。

今日、登りに歩くコースは、淺川峠から扇山に向かっている北面の稜線伝いのなかばにある山、曽倉山(そくらやま)を西尾根から辿る。 

  
〔踏跡はないが山道は窪んでいる〕                   〔すっきりした樹林〕

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社殿に心ばかりの賽銭を投じ、右手に伸びている尾根に向かった。 踏跡は見あたらないものの、道とおぼしき所は、地形が窪んでいるので不安なく歩ける。 陽の方向に向かって尾根道を進み、標高も上げてきているぶん、雪も目立ってきた。

雪の降った先週来、ここに登山者が立ち入っている様子はないようだ。 竹が樹林の中に混じってくると、周りがヤブぽっくなって、わずらわしくなってくる。 身体にからんでくる潅木の細枝を手で払いながらしばらく歩き、やがて尾根らしい雰囲気がただよって木々の間の見通しも良くなる。

左手に集落がさほど低くない位置に見え、気負いこんでいる冒険心に冷や水をあびせた。 尾根が広がった先で木の枝に塗ってあるペンキ印を始めてみた。 見落としているのかも知れないが、テープ類はまったく見ていない。

南北に連なる前方の尾根は権現山と扇山を結んでおり、そこに一文字に向かっているという格好だ。
 
   
   〔石標を点々と見る〕                       〔曽倉山に展望はない〕  

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道のはっきりしている所をしばらく歩いてきたが、しかし、このまま進むと杉林の中を下って行くようにも思え、そのうえ油断していた隙に尾根が高くなっていることに気が付いた。

尾根に戻って標石を点々と見るとは、ガイドブックの通りであり、淺川峠からの道に合わさる頃には扇山と百蔵山の鞍部の間に富士山が木々越しに見えてきた。

淺川峠からの道に合わさった所で赤いテープを見て、先を3、4分も歩くと曽倉山(そくらやま)である。 木の幹に黄色いテープが巻いてあり、マジックペンで山名を記してあった。 多くのハイカーが通うこの登山道も、雪が溶けてはっきりしていなかった。

ゆるやかな登り下りを繰り返している間は快調なペースだが、扇山直下からの登りは生半可ではない。 北面のために雪が多く、吹き溜まりに足を取られてスピードが乗らない。 窪んでいる山道は雪に隠れ、地肌の見えている所を目指して進んだ。

   
標高を上げると〕                                〔扇山〕

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木立が目の前からなくなって、空が視界いっぱいに入ったら扇山の山頂である。 白っぽい空に渾然になっている富士山に、はなから見向きもせず、まだしも青空に浮かんで美しい線を描いている大菩薩嶺ばかりを眺めた。

山頂は日溜まりの場所であり、木立の群がる所には積雪も見られるが、陽射しが注ぐ山頂の真ん中は泥んこになっており、そこに背を向けるようにして昼食を済ました。 百蔵山の方向に5分も歩けば大久保のコルであり、尾根伝いにあった雪もここからぷつりとなくなって、眼下に見えている街並みを目指して下った。

雑木林の気持ちの良い下りからすぐ植林になるが、ツツジ群生地に行く道を左に分けた所で木立が途切れ、富士山を正面から見ることができる。 樹林の中の道を45分も歩けば車道に出る。

長い車道歩きの間に、向かい側の山々が大きく迫ってくるのが気になり、さっそく地図を広げて斜め向かいに見えている山が倉岳山であることが分かり、視界に入っているもっとも左側の山が矢平山であり、倉岳山の隣の高いピークが高畑山、そして山の陰になって見えたり見えなかったりしている右側の奥の山が、九鬼山であることも分かった。


鳥沢駅の方向を示す標識を見落とし、20分も余計に歩いたのは、目の前の山ばかりに気を取られていたせいだ。
--コースタイム--
 淺川公民館 9:30  曽倉山 11:20  扇山 12:05〜12:45   
 大久保のコル 12:50  車道出合 13:35〜13:40 
 鳥沢駅 14:40
                                 −実動時間−  4時間25分
--参考地図・図書--
 「昭文社 5万 高尾・陣馬」  「新ハイキング社 静かなる尾根歩き」 
 「地形図 2.5万 大月 上野原」