お坊山 
 …大菩薩嶺の山…
  〜おぼうやま〜
  (1430m)



甲斐大和駅〜北尾根〜米沢山〜お坊山

   
平成19年12月2日(日) 
天気  晴れ 
単独

      



〔米沢山北尾根の入口〕
甲斐大和駅から甲州街道に出て左側に向かい、20分も歩かずに道の駅「甲斐大和」に着く。

裏側の林道棚小屋線の文字を見とどけて10分歩いた所が米沢山北尾根の登山口だ。

送電鉄塔207号に至る、との標示があり、雑木林の中のはっきりした道はすぐ左右に分けた。

ガイドブックでは左右どちらに向かってもよいとのことだ。テープの下がっている左側の尾根に向かい、窪地に道筋を求めて上に向かった。

道は有っても無きがごとしに見えるが、落葉に埋まっているだけのようだ。

ジクザク道に交差してその道に移し変え、杉林を越して雑木林に変わったら道形が追えなくなり、その後はもっぱら歩きやすい所を選んで尾根上から離れないことに気にかけた。

背後のもっとも遠くで山腹を裂いている林道は源次郎岳の方向のようだ。




〔落葉に埋もれて道形などない〕


〔送電鉄塔の下〕
ひと息入れては背後の山を振り返って高さを募らせていることを感じ、やがて黄色いテープを続けざまに二箇所見た所で踏んでいるべき道に出合い、さらにもうひとつの黄色いテープで太陽の下に笹子雁ヶ腹摺山、米沢山が樹林越しに見えた。

周囲は雑木林に包まれ、朝の澄明な日差しが通って木立の陰を目先に落としていた。

この辺りから尾根らしい輪郭になり、5分も歩けば送電鉄塔に到着する。


真っ先に南アルプスの白雪を抱いた白根三山が見えてくるが、どこに移動しても木の枝が視線に入ってくるのがわずらわしい。

右側に雑木林、左側にヒノキ林に分けた尾根を通り過ぎ、やがて1211mのピークに向かって急な登りが始まる。

真っ直ぐ立っているのも困難な急坂であり、木の幹に手を伸ばして身体を支えながら前進した。


〔山中、唯一の目印だったような〕
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〔北尾根から米沢山に出た〕

ガサガサした物音が突然頭上から聞こえて視線を上に向けたら熊が一頭飛び出し、目の前を横切って谷に駆け去った。

カモシカに遭遇してお互いに視線を向き合うのは楽しいひと時であるが、熊に出合うことだけは願い下げである。

1211m点と記した木片の見えるピークから鞍部に向かって下り、登り返しは岩まじりの細尾根である。



山上に削られたような足跡が残っており、踏跡を追ってもう一つの大きなピークを挟んで登り返せば米沢山に着く。

笹子雁ヶ腹摺山は目線の下に、反対側の西峰、東峰の二つの峰を合わせ持つお坊山の頂稜も共に山容を現し、富士山も大きく広がって見えているが、空が白く霞んで写真に写りそうもなかった。

様変わりした明るい尾根に気持ちがはじけ、ここはともかくお坊山に向かっていったん下る。


〔笹子雁ヶ腹摺山〕


〔お坊山に向かうおり〕
コブを連ねてひとつふたつと越え、やがて林床の笹原の切れた辺りから長い登りの続くコブの先に再びお坊山を見ることができ、ここから鞍部に向かって登り返せばお坊山である。

登り返しの中間の場所で木立から解放されていっきに展望が開け、甲州街道を眼下に、山麓に白く光っている東山梨変電所、太陽の光を浴びた黒々した山々の連なりに御坂黒岳、本社ヶ丸、三ッ峠山、その上に富士山がそれらを束ねるかのように凝然と立っていた。



背後に見えている八ヶ岳はボーと霞み、奥秩父の峰々の一部始終は通りすがりの登山者に教えてもらったばかりだ。

お坊山には4人の仲間内の登山者ばかりで気分的に手狭であり、ひと通り揃って見える南アルプスの峰々を視線に納めてから足早に大鹿峠の分岐まで下った。

ここのベンチも4人のグループに占められて昼食の機会を逸し、大鹿峠に向かう先に美しい木立を連ねているのをじっと浸れない思いでこの場を去った。


〔八ヶ岳方面〕
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〔昼食を取った場所〕
東峰も一投足に着き、新しい道標の立つ小広い場所も6、7人の登山者で賑わっていた。

登山者の声が届かなくなった通りがけの場所にもベンチが置かれ、ここで腰を降ろして昼食にした。

樹林越しに筋雲がたなびいている青い空、颯爽と見える滝子山、静寂の包んでいる山中、柔らかい日差しのあふれている風景の中に身をまかせるままにした。


大鹿峠右回りコースの分岐に東南尾根の標示があったと思うが、この領域を歩くのは始めてである。

最初は折り返しの長い登山道に導かれるままにして効率の悪いことに気づき、その後は登山道に目もくれずに尾根上をひたすら進んだ。

棚洞山では大きなお坊山を振り返って名残を惜しみ、下った先で合わさった登山道はすぐ先でやはりあらぬ方向に行き、ここもとことん無視して尾根を歩いた。



〔ここで先行者を越した〕


〔新緑の頃に歩きたいものだ〕
登山道が尾根に乗った先で入道山に着き、送電鉄塔を経てから間もなく御坊山と記してある白い看板を見て急坂を下った。

いよいよ落下地点が間近になったようであり、傾斜の度合もきつくなってまめにジクザクに切るようになった。

そのまま勢いに乗って中央高速道を真正面にしたが、ふいに道がなくなっていることに気付き、はっきりした道まで登り返した。



左側の下にある細道まで1分もかからない場所に立って道がふさがれている状況であるが、何度か行きつ戻りつつして無事山中から降り立った。

次も同じようにこなせられるかどうか心もとないばかりか、最悪の場合藪をかき分けることも観念しなければならないようだ。

中央高速道のガード下で出会ったご夫婦は不経済な巻き道をずっと歩き、思惑違いに大鹿川沿いまで下ってしまったと言っていた。



〔ここから急坂が始まったと思う〕
--コースタイム--
 甲斐大和駅 8:45 道の駅「甲斐大和」 9:00 207号の目印 9:10〜9:15 
 送電鉄塔 10:10〜10:20 1211m点 10:40 米沢山 11:15〜11:20
 お坊山 12:05〜12:10 昼食をとったベンチ 12:30〜13:00  
 棚洞山 13:20 入道山 13:40 送電鉄塔 14:00 下山口 14:35
 笹子駅 15:05
                              −行動時間− 4時間55分
--参考地図・図書--
 「山と高原地図 5万 大菩薩嶺」 「地形図 2.5万 笹子」
 「静かなる尾根歩き 新ハイキング社」