未丈ガ岳  
…上信越の山…

 みじょうがたけ
 (1553m)   



登山口〜三ツ又口〜未丈が岳

   
平成20年10月5日(日)
天気  薄曇 
  メンバー 12人
      

未丈ガ岳の登山道はシルバーラインのトンネルの中にある泣沢避難所のシャッターを開けたところから始まる。 車十数台は止められる広場からススキの中に道が付いている。

数年前に登った時も同じような光景だったが、気持ちが鬱然としているのは今日の天気がはっきりしないという予報からだ。
昨夜遅くには雨が降っていたようであり、濡れた樹木からしずくが垂れて地面で音を立てていた。

登山道は平地から下り坂に変わり、一本目、二本目と沢を越えていく。 高みに上がって沢の右岸を行ったが、この辺りではヤマハッカが咲いていているのが目に付く。

登山道はまた下り坂を迎えて沢を越す気配を示し、直下は鎖での下降だ。 大筋で二本目に当たるこの沢は増水時には登山靴を脱いで渡ることになる。

沢を越えて直下からの登高も鎖が不可欠であり、ここで左岸の高みに移ってもう一度、今度は網状の鉄製の橋で沢を越す。 すぐ先に未丈が岳の道標が立っていたが、この辺りがエアリアマップに記す三ッ又口のようだ。

     〔沢を越す〕                            〔三ッ又口〕

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尾根には一投足のうちに立つことができ、後は踏跡の示すままに尾根を詰めて行くだけになる。

岩がちの一つ目のコブは右側に巻いて歩いたが、このような巻き道は些少の例に過ぎなく、ほとんどが尾根上を歩く。 始めのうちはスラブ状に禿げ上がっている尾根もあったが、それも短い間隔で数箇所くらいはあったようだ。

尾根に立って最初に目に付いた山は、やっぱり荒沢岳だったようであり、間もなく越後駒ヶ岳、中ノ岳も引き続き見えてくる。 曇り空のわりにその方面は遠望もきいていたが、それにも関わらず、近辺の山では谷間から霧のような雲を立ち昇らせていた。

                           〔荒沢岳のようだ〕                     〔駒ガ岳、中ノ岳が霞んでいる〕           

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さっきからツツジなどの潅木の茂っていた尾根に変化をもたらしたのがマツであり、点景になって飾っている様子は、どこかしら気ままな風情だ。
遠くの未丈が岳もすでに捉えており、その方向からもれてきた太陽の薄日で越後駒ヶ岳が赤みを帯びてきた。 中途半端な赤みだったが、青空だったらもっと赤く染まって大きく見えるはずだ。

やがて展望の開ける974m点に着き、足元では三角点の標石が埋まっていた。 登り尽くめに終始していた登山道に一区切りの役割を担って気分を一新する場所でもあり、ここで下り坂を迎える。
下りきった鞍部がガイドブックに記すところの松ノ木ダオであるが、標示しているものは特に見当たらなかったようだ。

  
〔974m点〕                          〔下り坂に向かう〕
 
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ここまで楽をして歩いていた分、跳ね返りといっていい急登はあえぎながら登ることになる。
周囲も潅木から深々したブナ林の装いに一変し、登山道から仰ぎ見る空も鬱蒼とした葉から透かして覗くだけだ。

ブナの葉全体は黄緑を呈して僅かに色づいているが、本格的な黄葉はこれからである。
1204mと記している標石を越したら、間もなく山肌一面は潅木に入れ替わる。
同じように未丈が岳の山頂を目指している左側の尾根の斜面には潅木が真っ赤に色づき、むしろその方面に気を奪われての登りが続く。

未丈が岳の主要な骨格は南北に連なる尾根のようであるが、西面を出している山肌は今が紅葉の真っ盛りであり、青空から日差しが照りつけていたら歓声はもっと上がるはずだ。

  
  〔ブナ林を登る〕                     〔再び潅木の尾根〕

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未丈が岳は登山口を出発してから4時間30分後に着き、山頂には山名を記した標識が一本立っていた。 長い時間をかけて山頂に立った喜びを倍加するのは、チシマザサの上から一部覗かせている草原だ。

チシマザサの藪の中を潜り出れば、黄金色に輝いている草紅葉が目の前でいっきに広がる。
街の中で旧知の人に突然に出会った一瞬と似ている。
まずは驚いて棒立ちになり、喜びのあまりに草原に駆け寄るはずだ。
その後、胸をいっぱいに広げてありったけの空気を吸い、興奮がおさまってから草原にぺたりと座り込んでゆっくり昼食を取ることになる。

癪の種は前方に霞みがちに並んでいる山の一つさえ言い当てることができないことであるが、只見川を挟んで会津朝日岳とは差しで向かいあっていたようだ。 

下山は往路を忠実に戻るだけになり、思いのほかに下る時間が早かったのは急坂が少ないことによる。

  

 〔登山道からの風景・クリックすると拡大します
--コースタイム--
 泣沢避難所 5:20 974m点 7:35〜7:45 未丈が岳 9:45〜10:25 
 974m点 11:55  泣沢避難所 13:15

                           実働時間 7時間05分
--参考地図・図書--
 「山と高原地図 越後三山 昭文社」