三ッ峠山 
 …富士山周辺の山…
  〜みつとうげやま〜
  (1785m)



北口登山道〜三ッ峠山〜表登山道


   
平成19年7月22日(日) 
天気 曇り 
単独

      


都留駅前から出る宝鉱山(たからこうざん)行きのバスは他に乗客がいなかった。街の中を抜け、山間に入って人家が絶えると間もなく宝鉱山バス停に着き、時計の針は8時35分を指していた。

三ッ峠山登山口まで35分と書いてある文字を視線にとどめ、先に続いている車道を進んだ。すぐ右側に登山道と書いた新しいプレートを見たが、行き先は記していなかった。その道を気にしつつ車道を歩いて、かいごや橋を過ぎるとダートの道になる。

          〔北口登山口〕                             〔造作の無い道〕       

登山口には25分後に着き、まずは水を口に含んでから出発した。自然に踏まれてなじんだ道が樹林の中に伸び、一つ目の細い沢をひとまたぎで越え、二つ目の沢は、「河を渡る」という表札のようなものがあって懇切すぎるほどだ。

三つ目の沢を越えると、苔むした巨岩が目に付きだし、左右から沢音が樹林の中に響いていた。やがて右側の沢に向かう通りがかりに「水受の石」があり、岩の上面は水が溜まるようにうがってあった。

滝の始まりと書いた場所ではザックからザイルを取り出している三人の男女に出会い、登山口に止めてあった車で来たようだ。

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〔始めの頃、標識が目に付く〕
沢ぎわに近づくと、ただちに涼気がおそって身体にまとわり付いていた湿気をいっぺんにぬぐい去った。

ひと息して左側の山の急斜面をジクザクに登り、急登の一段落した場所で立ちどまると、左側の谷間の上部にガスがこもっているのが見え、下方からせり出した緑がかる岩肌のせめぎあいは深山幽谷さながらである。

高みから沢に再度近づく頃に初滝が木々の間に見られ、先ほどの三人組は滝を前にして検分中である。
しばらく様子見と決め込んだが、いつまでも行動を起こさぬことにしびれを切らしてこの場を後にした。

すぐ先で鉄製のハシゴを登り、右側にトラバースして初滝を足下にし、二段重ねになっている初滝の上段に水平になる所まで登ってから沢を横切った。

さらに急登を這い登って大滝も目にすることができるが、木々の葉が茂っているうえに、濃霧ではあからさまには見えることはなかった。

七福の滝の名称をかかげている名札も続けざまに現われて登山道から左側に道を分けており、そこからほんの少し下れば奥行きのある滝を右前方に見られる。

沢辺の陽の当たる場所ではシモツケがピンクに染まり、長穂状のクガイソウは紫色が濃くなっていた。



〔ハシゴを上って右側に移動〕
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〔滝 四態〕


長い帯状の白竜の滝をしめくくりに滝見物を終えた後も、山腹をからめた急登がいやおうなしに続き、次第に樹林の中は大木が目立ってくる。沢音を背にして、やがて遠のいた頃から稜線のピークにまっしぐらに向かったようである。

しめった空気がつつんで、ふさがれているように感じる樹林の中にレンゲショウマの青い蕾が目に付くようになれば、そろそろ三ツ峠北口登山道と記した古びた標識に出合うはずだ。
    
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〔御巣鷹山〕

脇に頂上近道と書いた目印も備え、前方から木立をすり抜けてくる光りが濃くなった頃に稜線に出る。

真っ白いガスで照り返している稜線は目を開けられないほどまぶしく輝き、出たなり胸を広げて思いっきり深呼吸した。

後を振り返ると、御巣鷹山に立つアンテナ群の先にぽっかり穴が開いたように青空が広がった。

ガスは今切れたばかりだったが、その後山の中に入っている間に、青空は戻ることはなかった。

登山道の脇に咲いていたシモツケ、クガイソウ、カイフウロ、ヒオウギアヤメ、オウバギボウシなどの濃密な茂みは真夏の風景だった。

すぐ樹林の中に入り、道を二手に分けた場所で左側に進んでアンテナの立つ数箇所の建物を通過すると木段が見える。

そこから左側にわずかに登れば三ッ峠山である。大きな富士山に真向かいになる山頂であるが、ガスは一瞬たりとも晴れることはなかった。




〔登山道の脇はお花畑〕
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 〔登山道に咲いていた花〕
 
 
 

昼食を終えてから四季楽園まで下り、玄関先から達磨石、三ツ峠駅を目指して階段、木段とつないで降りる。途中で道が二手に分かれたが、いずれも先で合わさる。

屏風岩の下でクライマーの登攀ぶりを眺め、その後樹林の中に入って、一字一石供養塔で左側に見える広めの道に進んだ。よく見ると尾根通しにも道が伸びて一瞬ためらったが、広い道のぬかるんだ場所に踏跡がはっきり残っていた。表登山道の標識は登り優先に立てられているようである。

ザレ場を二箇所過ぎた場所に標識が立ち、達磨石、三ツ峠駅に向かっていることを確認できた。後は一本道であり、道々に見られる修験道の名残を留めているポイントを幾つか見て車道に出た。三ツ峠駅の行き先を表わす目印は見当たらなかったと思うが、道なりに歩けば着くであろう。

  
--コースタイム--
 宝鉱山バス停 8:35 北口登山口 9:00〜9:05
 水受の石 9:30 初滝 10:05〜10:20 七福の滝 10:40〜10:50
 白竜の滝 11:20  北口登山道の標識 12:20 稜線に出る 12:30〜12:35
 三ッ峠山 12:50〜13:15 四季楽園 13:30 一字一石供養塔 13:50 
 八十八大師 14:00 股のぞき 14:35 林道に出る 14:55 三つ峠駅 15:50
                               −実動時間− 6時間15分       
--参考地図・図書--

 「山と高原地図 5万 富士山」