カタログで見るDR-BIGの歴史
DR-BIGの初期型から、最終型までをスズキ二輪車総合カタログから抜粋しました。
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1988年式 J型 SR41A-100001〜 SR41B-100001〜
DR-BIGシリーズの最初期型です。
排気量750cc(727cc)で乾燥重量179kg、燃料タンクは左右分割式で29リットル、
リヤブレーキはドラムです。マフラーは積載時の干渉を考慮し、右側一本ミドル出しです。
デコンプは手動で、クラッチレバーの上についています。始動時にはクラッチとデコンプの両方のレバーを握らないとセルが回らないようになっています。
シートはボルトで固定され、シート下にスペースはありません。その代わり、リヤフェンダー後部に工具入れがついています。
初期型のみ、エンジン、スイングアームがフレーム同色に塗られています。(色目は少々違いますが)
総合カタログには載っていませんが、同じデザインで赤色モデルもありました。
1989年式 K型 SR41A-107725〜 SR41B-101751〜
DR-BIG2代目は、リヤブレーキがディスクになり、コントロール性が向上しましたが、車重は182kgに増えました。
ステムベアリングがボールベアリングからテーパーローラベアリングに変更され、耐久性があがっています。
エンジンとスイングアームの塗装は廃止されましたが、ツートンカラーのシートやタンクデカールなどでよりスタイリッシュになりました。
フレームが白になりましたが、勢いあまってステップまで白色に塗装されています。初代と同じく、同じデザインで赤色モデルもありました。
このカタログの写真、フロントブレーキのホースがすごいところをとおっています。
1990年式 L型 SR42A-100001〜 SR42B-100001〜 JS1SR42A L2100001〜
幻のDR800S、L型です。基本的なディメンションは初代と同じまま、エンジンのストロークを6ミリ伸ばし、排気量を779ccまであげました。
エンジンとしてはもう限界です。量産車としては世界最大排気量の単気筒エンジンです。乾燥重量は185kgに増えました。
翌年にフルモデルチェンジをしてしまうため、この型の生産はわずかしかありません。しかも後期型はかなり重いので、この型がDR-BIGシリーズ最強であると思われます。
ちなみに、総合カタログ上では90年式以降は車名がDR-BIGからDR800Sに変わっています。つまり750以外のDRはBIGを名乗ってはいけないのです(ウソ)。
1991年式 M型 SR43A-100001〜 SR43B-100001〜 JS1SR43A M2100001〜
91年に最初で最後のフルモデルチェンジをしました。エンジンはL型と同じで、燃料タンクが1つになり24リットルに縮小、プラスチックのカウルで覆われています。
メーターはハンドルマウントからフレームマウントになり、マフラーは2本出しのアップタイプになりました。
チョークはワイヤーがハンドルまで伸び、手元で操作できるようになりました。デコンプも電磁ソレノイドを使った自動式になり、始動時の利便性が向上しています。
全体的な質感が上がり、スタイリングがロードバイクに近づきました。車重は194kgになり、豪華な外装もあって
気軽にオフロードを走るのはちょっと気が引けます。
1992年式 N型 SR43A-103328〜 SR43B-100877〜 JS1SR43A N2100001〜
後期型の2代目です。基本的に前年と変更はありません。
サービスマニュアルでは、バランサチェーンの調整方法が変更になりました。DR-BIGシリーズのエンジンは、カムを駆動するのに、
クランクからいったんバランサチェーンでリヤバランサを駆動し、その同軸のスプロケでカムチェーンを駆動するといった2段重ねになっています。
不思議なのはカムチェーンはオートテンショナでメンテの必要がないのですが、バランサチェーンはマグネトカバーを外し、定期的(6000kmごと)に張りなおしが必要なのです。
ほっておくと、エンジンからガラガラ音がするため、かなりイヤーなかんじになります。
1993年式 P型 SR43A-106493〜 SR43B-101721〜
93年のモデルチェンジでは、人気のなかった(と思われる)赤がなくなり、黒が追加されました。まるでカラスです。
写真でもなんとかわかりますが、このモデルからスロットルケーブルが2本のタイプに変更されました。たしかにこれだけのパワーがあるエンジンだと、
何らかの原因でスロットルが戻らなかったら、かなり怖いことになります。
ところで91のフルモデルチェンジから、シートがキーによって外れるようになり、リヤキャリアの下に物入れができました。といっても、ほとんど何も入りませんが。
1994年式 R型 SR43A-108024〜 SR43B-103043〜
94年式から、燃料タンクの下側に補強の棒が入りました。振動によりタンクが破損してしまうトラブルがあったようです。
また、ドライブチェーンが520から525サイズにアップしました。ピッチはそのままで、幅が広いタイプです。これにより耐久性が向上しました。
1日で500キロくらい連続で走ると、チェーンが熱を持ってきてだんだん伸びてきます。またフィーリングも悪化してきます。夜走り終わってバイクを止め、
伸びちゃったなあと思いチェーンを張りなおすのですが、翌朝には冷えて縮み、張りすぎになっていたということがありました。
1995年式 S型 SR43A-108822〜 SR43B-104153〜 JS1SR43A000500001〜
特に何もないです。グラフィックが変更になっています。
前年の94年からフレームがガンメタに塗装されています。パーツカタログを見ていると、94年から変更になっている部品が多いので、
94年以前と以降でモデルの区切りとしてよさそうです。
個人的には、この95年の青は一番かっこ悪いと思います(所有されている方、ごめんなさい)。一番かっこいいと思うのは、89年の青か、96年の黒かな。
1996年式 T型 SR43A-109204〜 SR43B-104745〜 JS1SR43A000500112〜
96年には、キャブにスロットルポジションセンサが追加されました。操縦性の向上と、排ガス規制の関係がありそうです。
フロントブレーキキャリパーが、異径2ポッドから同径2ポッドに変更になっています。変更の理由はわかりませんが、シリーズを通してフロントブレーキのフィーリングは良くなかったようです。
また、青が廃止になり、DR-BIGシリーズ唯一の緑がありました。このカタログのほかではWeb上でも見たことがありません。
1997年式 V型
スペックの変更はありません。翌年は同じカラーで継続していることを考えると、事実上の最終型になると思われます。
余談ですが、前年の96年の総合カタログではDR650SEのフルモデルチェンジがあり、なんとオフロード車部門のトップの場所を奪われています。
97年には再びDR800Sがトップを取り戻しましたが、なんとも複雑な気分です。
1998年式 W(?)型
スペック、カラーリングの変更はありません。前年に作られた車両の在庫分なのかもしれません。資料がなく、詳細がわかりません。
情報がありましたら、教えてください。
このモデルで、DR-BIGシリーズは生産を終了しました。量産では世界最大の単気筒エンジンをもつ巨大なオフロードバイクは、時代に取り残され、走る場所を失い、もう復活することはありませんでした。
1993年 総合カタログから
このようなフラットなダートが一番楽しいですね。いちどちょいガレのところを走ったけど、暴れるハンドルを抑えるのに精一杯でなんにも面白くなかったです。
装備重量で200kgを超えるバイクをダートで乗ろうと思えば、それなりの腕が必要になるということです。それでもアフリカツインやスーパーテネレに比べれば、まだ敷居は低いのでしょうね。