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パネラー (施工者) 井口精人、野月武夫、後関和之 ディレクター (建築家) 江口征男 (弁護士)河合敏男 コンダクター (建築家) 河野 進 日時 1999年6月09日(水)18:00〜20:00(前半 講演、後半 Q & A) 会場 弁護士会館 10階 1003号室(千代田区霞ヶ関1-1-3) 主催 99建築問題研究会 ・ 幹事 / 稲垣隆一(弁護士)、米田耕司(建築家)、増沢幸尋(建築家) ● 99建築問題研究会/幹事/稲垣隆一/あいさつ 6:00 ・『99建築問題研究会』の趣意と今回のセミナーにいたる経過説明。 ・セミナーのタイトルに「悪い」と呼び名をつけた意味について解説。 (問題点を把握しやすくするため) ・悪者退治、欠陥住宅の結果処理に限界を感じている。 ・なぜ欠陥住宅が生じるかを実践的に捉えて、欠陥住宅の問題をとりあげていく。 ・消費者が○、施工者が×という図式では必ずしもないとも思う。 ・あえて「良い」とは表示していないが、良い施工者から見た、悪い消費者、悪い設計者という観点で、 今回のセミナーはとらえている。 ・消費者、施工者、設計者の各々の意見の集約に意味がある。 ・さらに、消費者が勉強、消費者が賢くなる方法の研究も必要。消費者、施工者、設計者という「トライアングル」 幹事/米田耕司/補足説明 ・建築主、設計者、施工者の関係、建築は一品生産というもの、住宅メーカー大量販売の特長について。 ・欠陥住宅問題は阪神大震災以後にクローズアップ。最近の欠陥の傾向。 ・「住宅の品質確保促進等に関する法律」は住宅の最低基準値の確保を目的にしていて、 良い住宅を保証するものではない。 ・「トラブルマップ」の説明(作る家、買う家) 幹事/増沢幸尋/補足説明とパネラー等の紹介 ・パネラー(講演者)ディレクター(演出家)コンダクター(指揮者)の意味、役目。 ・各氏のプロフィール、特長について紹介。 ●コンダクター/河野進の問題提起 6:30 ・阪神大震災がおきて、建築は結構もろいものという認識、欠陥建築はバブル時期に急増。 ・コストの崩壊、環境問題、消費者側の代弁をする弁護士、攻撃型の弁護士。 ・それだけでは解決しない問題点。. マ ディレクターの方々の意見を、初めにうかがいます。 ディレクター/江口征男 ・パネラーの方々は良い施工者だから、悪い建築主とはつきあっていないのでは。 ・設計者に対する意見等があれば、大いに受け止めていくつもりです。 ・欠陥住宅は、病気に例えれば、大半が治療できない状態、予防こそ大切だと思います。 ディレクター/河合敏男 ・ 5年前から、「欠陥住宅を正す会」をやっています。 ・その中では、阪神大震災後に、相談件数は急増しています。 ・相談内容は構造の欠陥が多い.。 ・施工技術の低下の問題.。 ・今回のセミナーの「施工者が語る」意味が把握しきれないが、被害者の代理という立場で参加。 ●コンダクター/河野進 6:50 ・それでは、パネラーの方々から今回のテーマにそって、お話し願います。 パネラー/井口精人 ・建築主との対応、100%の「信頼関係」が大切。 ・住宅は大きな買い物、設計者がいないとトラブルの発生が多い。 ・設計者の役目は、問題点の取りまとめ役としても有効です。 ・工事途中の「変更」は施工側としては、きつい。 ・設計者を先生と呼ぶ風習については、疑問があります。住宅を作る共同技術者のはず。 ・設計者は建築主に対して、説得する能力が大切。 ・工事中の変更が一番、困る、家を建てる側の身になって欲しい。 パネラー/野月武夫 ・暴力団への対応の役目が、施工者側に回ってくることがあるので困る。 ・建築主が悪くなる原因の一つには、設計者が悪いことがある。 ・有名な設計者の中にも、「困った設計者」がいる、図面の少ない設計者、施工者まかせの設計者。 ・設計図が少ないために、施工図や設備図の対応に苦労する。 パネラー/後関和之 ・住宅作り専門の会社です。リフォームの数も多い。 ・悪い建築主というより、「かわいそうな、お客」が多い。 ・問題が起こって、他の施工者の工事を引き継ぐ事もあります。 ・建築主は、もう少し時間をかけて、勉強すべきではないでしょうか。 ・建築主は良い設計者と良い施工者を「探す努力」をしない。 ・自分達がどんな家をつくりたいかをわからない建築主は困ります。 ・例えば、3人の居住者の意見がバラバラでは、うまくはいきません。 ・良い建築主とは、「家族の生活観」があり、施工者と一緒に作っていく考えを持っている人。 ・住宅工事は、なかなか理想の100点にはならない、「70点ぐらい」です。 ・設計者は施工者の敵ではないが、設計図が少ないのは困る。 ・住宅の工事入札を勧める設計者には疑問があります。 ・工事入札は、良い施工者を探す方法ではないと思う。 ・予算に合わない設計図を作ってしまう設計者がいる。 ・誰の家だかわからない設計者もいます。 ・木造を知らない設計者が多い。 ・お医者さんのように「専門別制度」にしたらどうでしょうか。 ●コンダクター/河野進 ・パネラーの中に裁判、訴訟にあった方はいますか? パネラー/野月武夫 ・設計者と施工者が共同して、最終金の未払い問題に至った例があります。 (住宅規模のものではありません。) ●コンダクター/河野進 ・パネラーの方々から、「コストの問題、マネージメントの問題」が多く出てきています。 ・その点に関連して、ディレクターの意見は、いかがでしょうか。 ディレクター/江口征男 ・変更は問題を生じやすい、設計者としても留意したいところ。 ・施工者が設計ミスを設計者から押し付けられる問題、これは設計者自身の問題意識。 ・設計者の勉強不足の問題はもう少し詳しく知りたい。 ・工事入札の問題、なかなか特命見積り方式(施工者選定方式)はとりづらい。 ディレクター/河合敏男 ・信頼関係の件、昔の棟梁はそうだったのでしょうが、現代は情報選択の時代、施工者選定の情報は? ・確かに追加変更によるトラブルは多いように思う。 ・扱いにくい建築主が多いのかもしれないが、それ以上の「プロ意識」が欲しいと思う。 ●コンダクター/河野進 ・建築問題、訴訟の調停に係わっていて、何を頼んだのか、何を請け負ったのか、不明な問題が多い。 ・「契約書、契約約款(条件)」の不備が多い。 ・図面と内訳書の重要性を知っている人が少ない、「図面と内訳書」が最も重要。 ・信頼というあやふやな言葉では、なかなか解決できない。 ・かわいそうな建築主、不勉強な建築主、建築主の甘さと言ってもなかなか方向が見えない。 ・そのような視点をふまえて、今度は「適正な価格」について、意見をうかがいます。 パネラー/井口精人 ・安いにこしたことはないのですが、やはり適正な価格はあると思う。 ・適正な価格を下回る安い全体工事は、安い材料等を使わざるをえない。 ・左官工事などでは、工程を略することなど、考えられる。 ・ハウスメーカーでは効率優先で、現場を一人で15件くらい見ている話を聞く、ゆきとどかない。 ・設計者からも、安く安くとしぼられると、やりにくい工事となる。 パネラー/野月武夫 ・適正価格については、一応施工者が提出した見積りが適正であると考えている。 ・今は、価格破壊で、施工者側は日常、相当安い工事費で苦労している。 ・今は、安く請け負わざるをえない施工者に、便乗している建築主、設計者という状態。 ・今の経済状態は、数社見積りをとった場合、一番高い施工者が適正と言っても過言ではない。 パネラー/後関和之 ・適正価格というより、「良い施工者をどのようにみつけるか」を考えるべき。 ・施工会社の実際の工事現場を見て判断する方法もあります。 ・10年前の仕事を見せてもらって、そこに住んでいる人の意見、会社としての実績を判断。 ・地元の不動産会社などの評判を、聞いてみると解ります。 ●コンダクター/河野進 7:45 ・会場からの質問を受けます。 質問01(小野田さん) ・第3者設計監理について。 ・設計入札に反対している設計者が工事入札をやる疑問。 回答、江口征男 ・第3者設計監理の問題点などを説明。 ・設計入札と工事入札の差について解説。 質問02(伊津野さん?) ・半値、8がけとよく言われます、「適正価格」についてもう少し詳しく。 回答、野月武夫 ・最近の本当の適正価格は、入札の最高価格と言ってもいいでしょう、そのぐらい価格破壊状態です。 ・今、安い工事は危ないと思ってもよいのでは。 質問03(武井さん) ・第3者監理といっても、住宅の「監理」だけをやってくれる建築士がいるのですか? 回答、江口征男 ・設計図面と、見積り内訳書があれば、監理する建築士はいます。 回答、河野進 ・別な問題ですが、確認申請をとっても、完了検査を受ける割合は10〜20%です。 ・申請書の工事監理者の記入だけでなく、しっかりと監理することは重要です。 質問者04(大宮さん、施工者) ・設計施工50%、設計施工分離50%で仕事をやっています。 ・競争入札は見積りの正確さを出す点からも、必要性があると思いますが? 回答、河野進 ・工事入札問題と適正価格の点についても、研究する余地がたくさんあると思います。 ●コンダクター/河野進 8:10 ・時間も限られてきたので、パネラー、ディレクターから、今日のセミナーの感想をいただきます。 パネラー/井口精人 ・建築や住宅は「形のないものを買う方式」で、普通の商品とは違うものです。 ・設計料をおしまず、良い設計事務所に完全に近い設計図を依頼することが、トラブルの発生を防ぎ、 長い目で見るとトクをすると思う。 パネラー/野月武夫 ・賢い建築主になるための第一歩は、「設計者の選定」にかかっている。 ・設計者の選定に比べると、施工者の選定の方がやさしいと思う。 パネラー/後関和之 ・住宅は作ったら、ずっと住み続けなければならないものです。 ・作っていて感じるのは、「喜んでもらえる建築主」は、良い建築主だと思う。 ・そして、施工者が気持ち良く施工できる家は、良い家だと思う。 ディレクター/河合敏男 ・今日のセミナーを通じて、「無知な消費者」にならないための勉強の仕方を、是非教えて欲しい。 ・価格破壊の最近の状況、安い=もうかった、という認識を考え直す必要があると思いました。 ディレクター/江口征男 ・セミナーの内容から、悪い建築主より、悪い設計者の話題が多かったように感じられました。 ・消費者は有名、無名にかかわらず、設計者と面談して、相談に良くのってくれるかを、判断基準にしたら良いと思います。 ●コンダクター/河野進 8:25 ・今日のセミナーは多種、多様な問題提起になったように思います。 ・最後に、代表幹事の稲垣隆一氏に、次回の案内も含めて意見をお願いします。 幹事/稲垣隆一 ・今日は、建築主と施工者の「信頼」という関係をどうつかむかに始まり、いろいろな問題提起がなされました。 ・「施工者から見た、悪い建築主、悪い設計者」のタイトルの周辺にある様々な問題点。 ・それは社会あるいは、システムの問題までに影響を与えています。 ・そのプロセスのオープン化の問題もあります。 ・この研究セミナーの目的としている「問題提起から方法への研究」を課題に、次回のセミナーにつなげていこうと 考えています。 --以上-- |
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