電圧ってなんだ(電圧の定義)

 

 電圧って何も気にせずに使っているけど、「電圧ってなに?」って聞かれちゃうとちゃんと説明できない自分に気がつきました。復習したので忘れないように書いておきたいと思います。

 電気を水に例えた説明を見かけることがあります。電圧が高いのは、水に例えるとタンクが高い所にあることだ…みたいな説明です。多くの場合それ以上の論理的な説明がなく、とても感覚的な話で終わってしまいます。今回はここを出発点に掘り下げていきます。

◆水の例え話を広げる

 物理の時間を思い出してください。高い所にある水は位置エネルギーをもつのでした。1リットル(=1kg)の水を地上高1mに運ぶためには、仕事=質量×重力加速度×高さ ですから、1×9.8×1=9.8(J=ジュール)の仕事をしなくてはなりません。地上高1mにある1リットルの水は9.8(J)の位置エネルギーを持っているのです。

 ウィキペディアによると、位置エネルギーとは物体が「ある位置」にあることで物体にたくわえられるエネルギーのこと。云々・・・と書かれています。そして忘れてはいけないことは、水には重力が働いている事実です。

 重力に逆らって仕事をした結果、エネルギーをたくわえられることができたのです。

◆電気の世界には電場がある

 ここで、水から電気に話を移したいと思います。水に働く力は重力でした。電気の世界にはそれにあたる力としてクーロン力があります。静電気を帯びた物が引き寄せあったり反発したりする現象は広く知られています。電気(これからは電荷と呼びます)にはプラスとマイナスの極性があり、異なる極性の電荷は引き合い、同じ極性の電荷は反発します。このとき電荷に働いている力がクーロン力なのです。そしてクーロン力が働いている場を電場と呼びます。

 水の話と似ていると思いませんか?(重力には極性がありませんけど…)

 電場に逆らって電荷を移動すると位置エネルギーを蓄えることができるのです。電圧とは水でいうところの高さ、つまり、現在おかれている電場に逆らって移動した距離のことなのです。

◆仕事を糸口に探っていく

 ちょっと力学の話に戻って、仕事の定義を復習したいと思います。仕事=力×距離 でした。電圧が距離を表すということは、この式から出発できるわけです。

 r(m)離れた2つの電荷(q1、q2)に働く力の定義(クーロンの法則)を紹介します。Fは力で単位はN(ニュートン)です。電荷の単位はC(クーロン)です。kは定数になります。

 この式の意味は、2つの電荷に働く力は距離の二乗に逆比例し電荷の強さに比例するということ。上の式では q1 と q2 の2つの電荷を表しますが、以下のように変形し後半の項を電場 E と定義すると、電場と電荷の関係式を作ることができます。

 仕事=力×距離 を思い出して、上の式と仕事の関係を整理します。

 力に距離 d をかけて仕事の式を作ります。すると、電場における距離を意味する Ed が現れるではありませんか、これが電圧(=電位差)なのです。さらに、変形すると電圧とは電荷あたりの仕事量であることもわかります。


Latest update at 2008/9/5