SONYのラジオ ICF-SW1S修理

 SONYのラジオICF-SW1(故障品)を知り合いから預かりました。メーカー修理に出したけど、保守部品が無いので修理不能で戻ってきたものです。不良箇所はコンデンサとの事です。このラジオは専用のキャリングケースにワイドレンジの外部アンテナとアンテナコントローラがセットになっておりポケットサイズのラジオにしては高級感があります。

◆現象の確認

 早速電源を入れてみるとボリュームに関係なく「ぶっぶっぶっぶっ・・・」と鳴り続けます。受信周波数を変更するとチューニングランプが変化します。RF、IF、PLLは動作している様です。AM、FMを変更しても現象が変わらないので、検波復調回路も動作していると思われます。こうなると間違いなくAFに問題があるようです。

◆情報収集

 メーカー修理できない機種だったら、もしかして同じ故障を克服した先人がいるかもしれないと思いインターネットを検索すると出てきました。(↓参考にさせて頂いたホームページです)

■SONYソニーBCLラジオICF-SW1Sのこだわり〜トラウマ〜 -- 知的電子実験

この症状はAFのケミコン不良が原因の故障らしいです。しかし、回路図などの詳しい情報は見つかりませんでした。

◆分解開始

 回路に関する情報が無い以上、分解してそれっぽいケミコンをチェックするしか手はありません。まず、裏ふたのネジ2本とボリュームを取り外します。ボリュームの下のテープをはがしその下のネジも外します。作業しやすいようにロッドアンテナも外しました。裏ふたは爪がかんでいるので割らないように慎重に開けます。

裏ふたを取り外したところ

 この面にはAF回路のケミコンが見当たりません。更に掘り進めます。電池ボックスのネジを2本外し表のカバーを取り外します。スイッチ基板とコントロール基板の2階建てが出てきました。ここまでくると、スピーカーやアースラインの半田を外さないと分解が進みません。外した配線をメモしながら更に分解します。

スイッチ基板を外したところ

 スイッチ基板の下にコントロール基板があり、コントロール基板を外すとアナログ関連の基板の表側?が出てきました。4Vのチップケミコンが6個あります。さて、どれがかしら?

◆ケミコンのチェック

 とりあえず外しやすそうな220μFを外して容量を測ってみることにしました。正常でした、では次に100μF、これも正常です。それにしても、狭いスペースでのチップケミコンの取り外しと再取り付けは大変です。(汗;;)2丁拳銃ならぬ2丁半田で作業を進めますが、2つ調べたところでめげたので、別の手を考えることにしました。

 仮に容量抜けが原因だとしたら、正常なコンデンサを並列につなげば機能回復するはずです。この方法で残りを調べて原因のコンデンサを発見しました。下図の赤矢印とお隣の100μFに外部コンデンサを並列接続した場合、症状の解消が確認されました。100μFは既に計測済みで正常なことが分かっています。余談ですが、100μFを取り外した状態で電源を入れると、「ぶぶぶぶ・・・」音がもの凄い勢いになりました。症状がひどい場合は両方のコンデンサを疑った方が良さそうです。

赤矢印が不良ケミコン、黄色矢印が追加したケミコン

◆部品調達

 不良ケミコンは交換したいところですが、この部品だけ容量の印刷が読めないので値が分かりません。周囲の部品と比較すると、4V47μF程度だと思われます。改めて先人のホームページを見るとその修理明細に4V33μFと書かれているのを発見し容量は判明しました。しかし、この位置に収まる代替部品の在庫がありません。インターネットで部品屋を探してもこんなに小さいサイズを小売しているところが見つかりませんでした。

◆中古部品の再利用へ

 新品部品への交換は諦めることにし、我が家のガラクタ箱にあるジャンク基板を検索してみると、パソコンの内臓モデム基板に16V100μFのチップケミコンを発見しました。しかし、オリジナル部品よりもサイズが大きいので交換は無理です。不良部品の取り外しも大変なので、リード線を付け絶縁テープで包みボリュームの裏側のスペースに収めて修理完了としました。見た目はともかく機能的には問題ありません。

◆再組み立てエージングへ

 分解作業の記憶とメモを頼りに元の状態に組み立て直します。裏ふたのネジのピッチが異なっていることなど細かな部分に注意してネジを締めていきます。

 電源を入れるとちゃんと放送が聞こえるようになりました。しばらくエージングして問題無いようでしたら退院させることにします。

追伸:

こんな趣味をやっていると、有志によるインターネットの技術レポートを見つけると有り難味を感じてやみません。微力ながら自分も貢献しようと思いこのページを書きました。

知的電子実験のページありがとう!ココのコンテンツもとても楽しいです。^_^/

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Latest update at 2006/4/18