


1.チベットへの入境ルート:
(1)空路;
・最も一般的なルートは成都〜ラサへの国内線で、便数も多く毎日運行されている。
・その他、北京、西安、西寧、広州、重慶、昆明、香格里拉などからの国内線が利用可能だが、いずれも週・2〜4便程度で、毎日飛んでいる訳ではない。
・国際線はネパール・カトマンズ〜ラサ便がある。
・いずれも、個人で航空券のみを購入することはできず、あくまで旅行会社を通じて「入域許可証」(TTBパーミット)とセットで購入する必要がある。
・形式的にはグループ・ツアーに参加するというスタイルになる。このため、以前は最低催行人数があったり、往復航空券を買わされたりしたが、現在は1人でもOKだし、片道でも購入できる。
・費用は、6月15日から航空運賃が改訂されたので、成都〜ラサの場合、約200元ほど値上がりして2000元前後になったようだ。(片道運賃+パーミット+空港への見送り)
・通常、現地で旅行会社に申し込んでから2〜3日手配待ちとなるが、予め日本からEメールまたはFAXで成都の旅行会社(四川省中国旅行社)に申し込んでおけば、希望の日に待たずに乗れる。
・今回、私は香格里拉〜ラサを利用した。(木・日曜の週2便)費用は、2550元だった。(片道運賃+パーミット+空港への見送り)
・下は昆明の旅行会社が航空券と一緒にくれた「旅行団名単」(Travel Group List)というA4サイズの手書き書類である。「入域許可証」なるものは結局は貰えず、この書類と片道航空券だけしかくれなかった。なお、申し込んだ日の夕方には航空券が入手できた。
航空券の運賃欄には「1380元」と記載してあった。従って、逆算すれば、パーミット取得と旅行社のマージン合計で実に1100元以上も取られていることになる訳だ。
(因みに、香格里拉の旅行会社で聞いてみると料金は2450元ということだった)
旅行会社は昆明市内の茶花賓館にある「雲南省海外旅遊総公司西蔵旅遊局」を訪ねたが、実際にあったのは右の名刺の「Mr.Chen’s Tour」だった。なお、香格里拉では「Tibet Tourism Bureau」という旅行社の人が空港まで連れて行ってくれた。
(2)陸路:
・現在、個人旅行者が定期バスを使って合法的にチベットへの入境が認められているのは「コルムド〜ラサ」間だけが唯一のルート。
(ラサに行くまでの各都市での途中下車も許されていない)
・この場合にも、バスの乗車券のみを個人で購入することはできず、特定の旅行会社(CITS)に申し込んだ上で、パーミットとセットでしか切符が買えないことになっている。
・費用は1700元。(片道運賃+パーミット+ラサ市内観光)
・コルムドルート以外には、次のような入境ルートがあるが、いずれも旅行会社で車をチャーターしたツアー参加の形式以外は基本的に認められていない。
@ネパール国境にあるダムからのルート;中尼公路を経由して拉孜、日喀則、ラサへ
A雲南省の香格里拉ないしは徳欽からのルート;芒康(マルカム)を経由してラサへ
B四川省の理塘からのルート;芒康(マルカム)を経由してラサへ
C四川省の徳格(デルゲ)からのルート;昌都(チャムド)を経由してラサへ
D新疆・ウイグル自治区のカシュガルからのルート;葉城〜阿里(アリ)を経由してラサへ
・A〜Dのルートは、いずれもチベット自治区手前の都市までは定期バスで行くことが出来るが、その先はバスの切符が個人では買えない。また、例え切符がうまく入手できたとしても、入域許可証を所持していないので、公安に見つかれば罰金を取られた上、自治区外に連れ戻されることになる。
・例えばAの香格里拉から陸路で合法的に入域するケースの費用だが、旅行会社で聞いてみると、ランドクルーザーのチャーター料金は何と「24000元/台」とべら棒な値段だった。(仮に3人でシェアーできたとしても8000元/人)
2.不法入境について
上記の通り、合法的にチベットに入域するためには、パーミットの取得も含めて余りにもコストが高くつくことから、多くのバックパッカー達は、予め罰金を覚悟の上で、「非合法」による陸路での入境を実行している。
そこで、以下に「不法入境」について少し触れておきたいと思う。(実際にうまく入境できた人や、公安当局に捕まった人から直接聞いた話、及び、ラサのレストランに置いてあった「情報ノート」などに基づく情報として)
(1)コルムドからの闇バス
・個人旅行者がバスを使ってラサまで合法的に行くためには、中国国際旅行社(CITS)を通じて乗車券(パーミットとセット)を購入する必要がある。ただし、費用は既に記した通り1700元とられる。(ラサ市内観光付きということだが、そんなものは数十元相当に過ぎない)
・それを見越して、コルムド駅前には、いわゆる「闇バス」が待機していて、旅行者とみると客引きがすぐに声を掛けてくる。現在の闇バスの相場は400〜600元。(交渉次第)。合法乗車に比べると、料金は1/3〜1/4と格段に安く、パーミットの不要な中国人と一緒に、席が満員になり次第出発する。
・正規、闇バスとも「寝台バス」だが、必ずしも正規の方が良いバスとは限らない。
・ラサまで行く途中に数個所の検問所があり、ここを上手く通過出来ればよし、もし出来なければ、罰金(500元)を取られた上、コルムドまで連れ戻されてしまう。(罰金は交渉の余地あり)
・上手く通過できるかどうかは正に「運次第」であるが、中国人に成り済ましたり、毛布を被って寝たふりをしたり、検問所の手前から歩かせられたり...と結構苦労するらしい。しかしながら、実際の成功率はかなり高いようである。(捕まる人も沢山いるが)
・なお、闇バス以外に、闇のタクシーやランドクルーザーもある。相場は1台2500〜3000元くらい。3〜4人の同乗者がうまく集められれば、バスと大差ない料金で、より快適にラサまで行けるかもしれない。
(2)雲南からのヒッチハイク
・以下は、実際に雲南省・徳欽からラサまで来た人のケースをご紹介する。
徳欽(デジン) トラック・9h 芒康(マルカム) トラック・8h 邦達(パムダ)
寝台バス・10h 波密(ポミ) ランクル・6h 八一(パーイー) マイクロバス・6h 拉薩
*徳欽から拉薩まで3泊4日、交通費合計が600元。
・特に公安が厳しくて要注意なのが芒康と八一の2つの町。
・徳欽からうまくバスに乗れた場合、芒康で公安に捕まる可能性が非常に高いらしい。
・実際に、ラサで一緒だったある青年などは、芒康の宿にチェックインして数十分後には公安がやって来て、300元の罰金を取られた挙句、四川省側の町まで追い返されたという。(明らかに宿の密告と思われる。彼はやむを得ず、成都〜コルムド経由、闇バスでラサ入りしたとのこと)
・このルートでラサに来た人には何人か会ったが、木材トラックに乗って夜通し走り、かなり疲労困憊していた若者や、中には途中の八一まで行く中国製のジープに運良く便乗できた人などもいた。
・いずれにせよ、公安(&密告)を常に気にしながら行動することになり、ゆっくり景色を見ながらの快適な旅とは程遠そうな感じではある。
<公安対策グッズ>
最後に、ラサのあるレストランの「情報ノート」に書いてあった「公安対策グッズ」なるものについて、実際に実行していた人の話を交えてご紹介させていただく。
@おもちゃの携帯電話:
近くに公安がいたら、「ウェイ!オーオー、トイトイ」などと中国人が喋るまねを、わざと大きな声でする。ラサの露店で5元で売っていた。実際に着信音も出る。
A荷物袋:
現地の人が実際に使っている荷物袋(赤と青のチェック模様で8元)を購入し、明らかに旅行者だと分かってしまうバックパックを隠す。
B中国の新聞:
中国語新聞(1元)を買い、待合室や食堂などで読んでいるふりをする。
C現地の人と同じ服装:
目立つ服を着たり、明らかに現地の人と違う格好をしない。出来れば中古品を誰かから譲ってもらうか、店で購入する。(10元程度)
3.チベットからの出境について
(1)空路:
・チベット入境に際しては、高いパーミット代とセットで航空券を買わされたが、ラサから他地域に出る時には何の規制も無いので、自分の好きな目的地までの正規航空券だけを購入し、直接その空港に飛ぶことができる。
・例えば、現在、ラサ〜成都の航空運賃は1500元。(6月15日以前の旧料金は1270元で、往路はパーミット込みで1800元)
・ネパールのカトマンズへの国際線も同様に個人ベースで航空券を購入し自由に出国できる。
(2)陸路:
・陸路の場合も、入境時と違って、ラサから中国各地の都市へ簡単に行くことができる。
・ラサ・バスターミナル(拉薩汽車站)から各都市へ現在運行されている直通寝台バス(料金)は次の通り:(ただし、時として運行中止になったり、出発時刻の変更などがよくあるので要注意)
コルムド(210元)、西寧(340元)、蘭州(380元)、西安(480元)成都(500元)、
重慶(560元)など。