||三余||七都市物語:データ

七都市物語 関連商品紹介

原作
・田中芳樹『七都市物語』早川書房、1990(ハヤカワ文庫)

関連書籍
・早川書房編集部、らいとすたっふ編『田中芳樹読本』早川書房、1994
・田中芳樹原案、小川 一水、森福 都、横山 信義、羅門 祐人著『七都市物語シェアードワールズ:特別書下しアンソロジー』徳間書店、2005(トクマノベルス)

アニメ
「七都市物語(1)北極海戦線・前篇」 ソニーミュージックエンタテインメント、1994
・「七都市物語(2)北極海戦線・後篇」 ソニーミュージックエンタテインメント、1994
・「七都市物語 〜北極海戦線〜」 ソニーピクチャーズ、2002

音楽(アニメサントラ)
「七都市物語 オリジナルサウンドトラック」SONY RECORDS、1994

Anthology

七都市物語シェアードワールズ

収録作品
小川 一水「ジブラルタル攻防戦」
森福 都「シーオブクレバネス号遭難秘話」
横山 信義「オーシャンゴースト」
羅門 祐人「もしも歴史に…」

『クラン』や『野望円舞曲』が丸投げされたと聞いた時、私は何とも思わなかった。
そもそもその作品を知らなかったから。

『灼熱の竜騎兵』がシェアードワールズ化されたと聞いた時、私は何とも思わなかった。
かなり興味の薄い作品だったから。

『自転地球儀』が丸投げされたと聞いた時、私はなんとも思わなかった。
もう田中芳樹には幻滅していたから。

『七都市物語』がシェアードワールズ化されたと聞いて、私は怒ろうとした。
私は七都市のファンだったからだ。
だが全てが遅すぎた。
今朝ノベルスがやって来て、私を脱力させていった。

読んだこともない「茶色の朝」風に始めてみた。
立ち寄った本屋で偶然見かけたのが運の尽き。ノベルスコーナーの前さえ通らなければおそらく手に取ることもなかったであろう『七都市物語シェアードワールズ』。

表紙を見た瞬間は「新装版の魔の手がここにも?」と驚いたが、シェアーズワールズと知って更に驚いた。

動揺しつつ、好奇心に負けてつい少しだけ読んでしまった。プリンス・ハラルドの話だけ。
自分もお粗末ながら二次創作をやっている身として、とても人の事を言えた義理じゃないが、一言だけ言いたい。相手を不快にさせることなくコミュニケーションを取れるクルガンなんて、既にクルガンじゃない。誰あれ。あんなに積極的で社交的でシュタミッツの媒介を必要としない人間なら、別にクルガンの名前を騙らなくてもいいだろうに。それだけを言いたい(同じ事を鏡の中の自分にも)。

さて、試みとしては面白いと思った。『七都市物語』は極めて制限された設定の世界観を持つ。今回の競作に参加した作家たちは、その設定の盲点を如何に突くか、ということに挑戦したようである(ようである、なんて曖昧な言い方なのはまともに読んでいないから)。原作のパスティーシュが読みたければ、梶尾真治でも呼んでこなければ難しいだろう。

そこで改めて浮かぶのが「なぜ今更?」という疑問である。
『タイタニア』などと違い、区切りの良いところで終わっているため、大多数の読者が続編など綺麗さっぱり諦めているはずの作品である。つまり興味を引かなくてはならない理由がない。しかも刊行以来全く装いが変わらないという田中作品にしては希有な、完全に過去の作品だった。それをなぜ今更引っ張り出して来るのか。考えてもさっぱり分からない。出版社の意向なのか、原作者の意向なのか。どちらでもいいが、見込んだ儲け出るのか、これ。

先に私は「動揺しつつ」と書いた。動揺したのは、今回のシェアードワールズ化は、『七都市』も他の作家に丸投げされる前触れなのではないかと恐れたからである。そうなったら泣く。この作品だけはそっとしておいて欲しかった。かつて田中芳樹のファンだった私にとって『七都市』は、思い出を壊される心配の無い、続編の出る心配の全く無い安全地帯だったのだ。

もし丸投げされるとして、少しでも救いがあるとすれば、今の原作者に書かれるよりはマシだという事だろうか。

OVA

オリジナルアニメ

DVDジャケット

原作第一話の「北極海戦線」をアニメ化したもの。1994年に前・後篇という形で二本のビデオが発売されたが、2002年にDVD化された際に、一本にまとめられた。

58分 カラー
監督 : 神戸 守
総監督 : 永丘 昭典
原作 : 田中 芳樹
脚本 : 野辺 朋史
キャラクター原案 : 小林 智美
美術監督 : 河野 次郎
音楽 : 佐藤 博
キャラクターデザイン : 松田 勝巳
音響監督 : 山田 悦司
作画監督 : 松田 勝巳
制作 : アニメイトフィルム、スタジオジュニオ
製作 : ソニー・ミュージックエンタテインメント 、アミューズビデオ、ムービック
CV
山寺 宏一 (アルマリック・アスヴァール)
大塚 明夫 (ケネス・ギルフォード)
堀川 亮 (リュウ・ウェイ)
矢尾 一樹 (チャールズ・コリン・モーブリッジ・ジュニア)
置鮎 龍太郎 (ニコラス・ブルーム)
久川 綾 (マリーン)
井上 喜久子 (チェンバレン)

未見なので内容については言及しない。目につく原作との相違点は、女性のオリジナルキャラが登場することか(どの程度の出番かは知らない)。

Sound Truck

サントラ

「七都市物語 オリジナルサウンドトラック」
ソニーミュージックエンタテインメント 1994/04
アーティスト:CAN-Dee、 演奏:池 頼広、今 剛
CDジャケット
  1. ビッグ・フォール・ダウン
  2. プロローグ
  3. “ギルフォード”テーマ
  4. アンビシャス・エナジー
  5. “A.A.”テーマ
  6. ファイアー & アッシュ
  7. エンブレイス
  8. フリクション
  9. “マリーン”テーマ
  10. プログレッション
  11. タクティクス
  12. ファイト・バック
  13. ウォー・ビート
  14. オリンポス・システム
  15. エンドレス・エンカウンター(ベース:池頼広)
  16. オーディナリー(ボーカル:Candee/ 作詞:川村真澄/ 作曲、編曲:佐藤博/ ギター:今剛/ コーラス:藤井美保)

前出のOVAに先がけて発売されたサントラ集。こちらは今のところ再販されていない。

関連リンク: 『田中芳樹読本』について
関連リンク: 七都市物語の全話あらすじ


入口
Appearance 30/06/2005. Written by 駱駝クラ 【三余】