このページにはヨーロッパ、その他(アメリカ以外)のラジオを載せています

4. ITTのTouring International 104A
・西ドイツのITT Schaub-Lorenzで作られたトランジスタラジオ:Touring International 104Aです。このラジオは1974年前後に製造されていたラジオです。使用されているトランジスタは15石ですが、その他に7W出力オーディオアンプICやトランジスタ・アレイIC(トランジスタ5石に相当)なども使用されています。Internationalと謳っているだけあって電灯線で使用する場合には100Vから240Vまで使用可能、乾電池で動作させる場合には単1乾電池8本で、また、外部電源(12V)でも動作します。受信バンドは長波1バンド、中波、短波4バンド、FM1バンドの合計7バンドです。プリセットも3局可能です(FM2局と長波・中波・短波の内から1局)。



・後ろから見たところです。大きくTOURING internationalと刻印されています。


・スライドドアが2個付いており、右側のドアをスライドさせるとプリセットつまみが現れます。2つのグリーンのつまみはFM用、真ん中のブルーのつまみはLW/MW/SWのうちからどれかひとつのバンドの1局をプリセットできます。左側のドアをスライドさせるとジャック類が現れます。



・セット底面、電池蓋をはずしたところです。乾電池は単1を8個使用します。乾電池を含めるとラジオトータルの重さは4kgを少し超えます。結構重たいラジオですね。



・中身をケースから引き出したところです。リア側に付いている3本のビスをはずすとケースからそっくり引き出すことができます。本体の上部に1列に並んでいるのはプッシュスイッチ群です。一番右側のオレンジ色の表示があるスイッチは電源スイッチです。その左隣はライトスイッチで、乾電池や外部電源で動作させているときにこのスイッチを押すとダイアルスケールがきれいに光ります。電灯線で動作させているときには常にダイアル照明は点灯しています。ひとつ置いた左隣は外部入力に切り替えるためのスイッチ、その隣はL(長波)、その隣はMW、、、、という具合になっており、UとかかれているのはFMです。その隣の2個の緑のスイッチがリアパネルについているFMのプリセットつまみで設定したFM局を選ぶスイッチです。一番左側の青色(写真のものは少しはげていますが)はリアパネルのLW/MW/SWプリセットつまみで設定した局を選択するスイッチです。手前に見える3個の銀色のつまみはスライド式になっており、一番左がボリューム、真ん中が低音、右側が高音のトーンコントロールです。



・引き出した本体を正面から見たところです。2Wayスピーカーからは良い音が出ます。右下に電源トランスが見えます。



・裏側から見たところです。大きな1枚の基板に部品が取り付けられています。この基板は両面スルーホール基板です。



・リアカバーの左側のスライドドアを開けたときに現れる端子です。左端にあるのは電源入力コネクタ、中央上の丸いDIN端子は外部への入出力端子、右側の端子は外部スピーカー端子、下方にある端子は外部電源(12V)入力端子です。



・電源入力コネクタは3ピンになっており、100V系で使用するときには上と中央の2ピンを使い、200V系の電源で使うときには中央と下側のピンを使います。



・基板の表面です。左端の上部と下部にバリコンがあり、LW/MW/SWの選局をします。全く同じものが2個付いていて、片方は通常選局用、もう一方はプリセット用です。ずいぶん贅沢ですね。アルミ製の縦に長いシールドケースが3個ありますが、一番左側はFMのフロントエンドのモジュールです。なお、FMはバリキャップによるチューニングです。真ん中のシールドケースはFMの復調回路ブロックが入っています。右側のシールドケースはAMの検波ブロックです。モジュール化しているため部品点数は少なく見えます。



・スピーカーは楕円形のものと円形のツイーターが付いています。ヨーロッパのラジオは楕円形のスピーカーを用いたものが結構ありますが、みな良い音を出していますね。



3. Dansetteのラジオ:RT-111
・英国ロンドンのDansette Product Ltdで作られた6石トランジスタラジオ:RT111です。このラジオは1960年11月製のスタンプが押してありますが1959年から生産は始まっているようです。9Vの乾電池で動作します。MWとLWの2バンドラジオです。左上に白く見えるのが電源スイッチ兼ボリュームです。右上にあるのがバンド切り替えです。選局つまみは減速機構が付いており、透明リングを回すとその下の針が回転するようになっています。周波数が高いところでも減速機構が付いているおかげで選局しやすいです。



・後ろから見たところです。ケースは人工皮革のようなシートが全体に張られており、触った感触もよいです。真ん中より少し左上に見える端子は外部アンテナの端子です。




・内部の様子です。右側の基板が低周波アンプ部分、左側が高周波〜検波部分です。スピーカーにはELACと書かれたシールが貼付されていますが、ドイツのスピーカーで有名なELACとは別会社でしょうか??



・リアカバーです。リアカバーを含め、全体がプラスチックのような樹脂(プラスチックよりは硬そう)でできています。23.NOV 60というスタンプが押されているので、製造年月日でしょう。




2. HMVのラジオ:tropicana
・オーストラリアで作られたHMVのTropicanaです。フロントはダイカスト製でずっしり重く、そこに小型ながらパワーの出るスピーカーがしっかりと固定されています。大音量で鳴らしてもビビらないのはさすがです。1967年製です。この後、1968年にTropicana mk2が発売されています。15Vの乾電池で動作します。



・後ろから見たところです。ケースは人工皮革のようなシートが全体に張られており、触った感触もよいです。写真からは見えませんが、サイドにイヤフォンジャックがあります。




・リアカバーをはずしたところです。よくみると、出力トランスや段間トランスがありません。OTLアンプになっています。スピーカはインピーダンスが47Ωと書かれています。ちょっと特殊ですね。



・反対方向から見たところです。ダイカストパネルに基板やスピーカーがしっかり固定されているのがわかります。15Vのバッテリーが入手できないため3.7Vのリチウムイオンバッテリーを4個直列に接続して鳴らしています。非常にクリアーな音が出ます。野外で大音量で鳴らすと国産のトランジスタラジオで右に出るものはそう多くはないでしょう。


・リアカバーの内側に貼付してある回路図です。






1. HACKERのラジオ:SOVEREIGN 2 RP25Aです
・英国のハッカーラジオ( HACKER RADIO LTD )製のLW/MW/FM 3バンドラジオです。1960年代後期から1970年代初めにかけて製造されました。17トランジスタ、6ダイオード使用の高性能ラジオです。9Vバッテリー(PP9)を2個直列で使用します。8x5吋の楕円形スピーカーからは大きくてとても良い音が出ます。



・左側の大きなつまみが電源兼ボリュームコントロール、右端の大きなつまみが選局つまみです。下部の小さなつまみはBASS(左側)とTREBLE(右側)のつまみ、中央にある4個のプッシュスイッチは左側からLW(長波)、MW(中波)、VHF(FM)、FMの局間ミューティングの各ボタンです。また、ライン入力ジャック(最下段の一番左)、ライン出力ジャック(左から2番目)や外部アンテナ端子(最下段右から2番目)やイヤホンジャック(一番右端)も備えています。携帯音楽プレーヤーからの音を入力し、スピーカーから大きな音で楽しむことが出来ます。




・底部には回転座が付いており、ラジオをテーブルの上に置いた時、方向を容易に変えることができます。



・裏蓋を開けたところです。筐体は木製で、表面に人工皮革が張られています。バリコンはLW/MW用とFM用に独立しており、選局つまみと連動するようになっています。上部の右側がLW/MWのブロック、左側がFMブロックです。筐体下部(スピーカーの下方)に見えている小さな基板がオーディオアンプ基板です。OTLアンプになっています。



・シャーシーを取り出したところです。オーディオアンプ基板やスピーカーとはコネクタで接続されているため、半田ごてを使う必要はありません。バーアンテナが非常に長いです。長波を高感度で受信するにはこのような長さが必要なのでしょう。MWも高感度です。私の常用機であるICF-6800と比較したところ、本機のほうがはるかに性能がよく、聞きやすい音でした。弱電界の放送局受信時もICF-6800に比べノイズの質が上品で、耳障りな音がしません。こういったところは日本製のラジオも考慮すべきでしょう。



・シャーシーを取り出した後の筐体内部です。楕円形のスピーカーとアンプ基板が付いたままです。アンプ基板の両サイドに9Vの角型乾電池を1個ずつ設置するようになっています。



・外部入力ジャックが接触不良になり、プラグを抜いてもラジオ側に切り替わらなくなったため、修理することになりました。写真は取り出したジャックです。内部で接触不良を起こしています。



・ジャックをさらに分解し、接点を清掃、接触圧を少し強くし再度組み立て、修理完了です。また良い音でラジオが鳴るようになりました。


メールはjnkei@yahoo.co.jpへ

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