バナー


移動用アンテナ製作中


目次
1、竹光釣竿八木アンテナ 2、6m 7エレ八木アンテナ 
3、15m 4el釣竿八木アンテナ 4、トラップDP  
5、一般的なトラップコイルを使ったトライバンダー 
6、受信専用シールドループ 7、お手軽マルチバンドアンテナ

8、1.9Mミニループアンテナ


其の一 竹光釣竿八木アンテナ

一番上のアンテナを改造釣竿を移動用アンテナに使う方がかなり多くなり私も愛用していますが、以前2エレ八木を釣竿で作りエレメントのIV線を竿にテープやバンドを使って固定する作業があまりに面倒でどうにかしようと思っていました。数年前CQ誌に釣竿を使ったバーチカルアンテナの製作記事があり釣竿を「竹光化」するというアイデアがとても印象に残っていて、そのアイデアを使わせてもらうことにしました。

振り出し竿はテーパー状になっていて太い竿の中に少し細い竿が納まっています。全ての竿の表面にアルミ箔を接着して普通の竿のように振り出せば、テーパー状のアルミパイプのような感じになると想像できます。もちろん継ぎ目の部分はアルミ箔を覆い被せないと導通が不十分になるので工夫します。

今回は14MHzの2エレ八木を作る予定です。時間があればHB9CVに改造できるように反射器と輻射器のタイプにしました。ブーム長を変えなくてもエレメントを縮めたりひげを付けると18Mや10Mでもなんとか使えそうです。導波器を使うとうまくいかないと思います。




なるべく薄くきれいに・・・今回の2エレはシュミレーションソフトを使い給電部はバランを介して直接接続するようにしました。普通地上高が低くなると放射抵抗が低くなり、パラスチィックエレメントを増やしてもZは下がりますが、今回は波長の1/4<h<1/2の高さを採用する事によってラジエーターの放射抵抗を上げます。そこに反射器を付ける事によってZを50Ωに近づけることが出来ます。もちろん地上高が高いほどゲインや輻射角の特性は向上しますがこのアンテナは設置時間の短縮を目的としているので性能は妥協しました。
とりあえずアルミ箔と接着剤を買ってきました。接着剤は広い面に塗るので刷毛の付いた物を使います。アルミ箔は想像以上に扱いづらくカッターで切ろうものなら途中で破れ、密着させようと手で擦りすぎるとしわが出来たり終いには千切れてしまいました・・・細い竿ほど工作が難しいです。先端の竿は職人でないと無理(できるかな?)みたいなので諦め、そこだけ線を使うことにします。







疲れた・・・ クロスマウント部分

半日ほどアルミ箔と格闘してやっと4本の釣竿にアルミコーティングを施しました。おおざっぱに仕上げてしまったので見た目が悪くなりました、HI ! それから竿2本を繋げる塩ビパイプにも同様に加工しました。

あとは昨年作ったブームとバランに接続して調整ということになります。結果は如何に?

その後竿を出し入れさせていたら、わずかなバリが接続部に引っかかり破れてしまいました。接合部を外して接着してもクリアランスが少ないので前面アルミ箔を施すと全長がかなり短くなります。急いで組み立てできないと意味が無いのでアルミ箔を使う事をあきらめ、銅箔テープに変更します。コストがかなり高くなりますが銅のほうが導電性が良いので全面コーティングしなくてもアルミよりもパフォーマンスが良いだろうと思います。

プロ御用達? ダイ*−製

高周波シールド用とあるが、高周波導通用でもいいでしょう。100円ショップにも置いてました!


其の二 6m 7エレ八木アンテナ

7.5Mは長いですね今まで移動用に4エレHB9CVを使っていましたがグランドウェーブQSOなどの時は力不足をいつも感じていました。6mマンの標準は6エレ八木以上だと思っていましたのでブーム長1λ〜2λで実現可能なアンテナを設計しました。シュミレーションはMMANAでなるべく入力抵抗が低くなく、Fゲイン重視でFB比はメーカー製ANT並みにしました。どちらかといえばワイドスペースです。MMANAでマッチング回路をそのまま入力してもうまく動作確認できなかったのでZ25〜30Ω jx0Ωを目安にしました。6エレ、7エレ、8エレと数パターンシュミレートしましたが、あまりエレメントを増やしても劇的に性能が良くなるわけでないのが分かりました。次に資材調達、一番悩んだのがブームに使う長いパイプでした。アルミだと結構値が張るんですよね!(40φで@4000/m位) あと径の種類が多く出回って無いので中子やスエージングにするのに苦労します。専門店や通販で買う手もありますが、今回もまた(ANT)ジャンクのアルミパイプをハムショップから分けて頂きました!!7MのR-DP1.5エレ分で34mmφ7.5Mのブームを作れました。という事で、7エレワイドか8エレナローになる訳ですが迷わず7エレに決定しました。






直角にまげて・・・ 板に穴を開けて・・・
ブラケットの出来上がり! FORCE12のパクリ?
給電部&Uバラン 半田付けしました。S幅は5cm
Tマッチを装着 FD-DPで実験

エレメントは手持ちの10mmφアルミパイプを使用します。エレメントブラケットは移動運用に特化した機構を自作する事にしました(皆さんのアイデアを少しずつ頂きました) 見ての通りの機構です。一度留めたら簡単にエレメント間隔の調整は出来ないので水平・垂直は慎重に測りました。その代わりエレメント脱着は工具を使わずワンタッチです!

アンテナの外形はできましたが、マッチングが取れていないので市内の高台に調整に出かけました。一応チェックしたつもりがマストクランプを忘れてしまい、ゴムバンドでマストにくくり付けました・・・最初はフォールデットDPで実測、VSWRが1.6でした。/岩手県局が出ていたのでお声掛けして59を頂き一安心。。。次にTマッチに替え計測、VSWRがいきなり1.3!でした。給電部からおよそ40cmでしたが、もう少し近い所に最良点がありそうでした(Zが下がりすぎていないという事) 福島ビーコンもはっきり聞こえていましたが、30度ほど振ると全く聞こえずいい感じです。子供との散歩を兼ねてましたので、簡単な調整のみで終了しました。

其の三 15m 4el釣竿八木アンテナ

レフレクタークランプ其の一で失敗した教訓を生かし、銅箔テープを使った釣竿八木アンテナを作ってみました。基本的な構造は其の一と同じですが材質がAlよりも丈夫で導電性に優れているので釣竿を全面コーティングせずジョイント部のクリアランスに余裕を持たせるようにしました。使用したテープは竿部は幅15mm、エレメントクランプ部は幅20mmです。設計はまたMMANAを使いました。最近HFバンドの移動用八木でRA-D1の間隔を狭くしてD1の長さを通常より短くする手法が紹介されていますが、私は一般的なエレメント間隔と適切なエレメント長で50Ω給電と高ゲインの確保を狙ってみました。ブーム長は817.7cmでRE-RA 0.18λ、RA-D1 0.169λ、D1-D2 0.22λにしました。このブームも6m八木と同じ日に頂いた物で、54mm-50mmとこのアンテナで使うにはもったいない丈夫な物を奢ってみました!エレメントクランプはアルミのLアングルとUボルト、接続部はVP30で作ってみました。2Tのアングルですが竿が軽いのでたぶん問題ないでしょう?一応振れ止めにタッピングビスで留めています。








エレメントクランプ 給電部
給電部+バラン 塩ビ部との接合部
エレメント エレメントは切り貼りして調整できます(要ハンダ)
エレメント-塩ビ部の接続はビニールテープを塩ビの内径にあわせて巻きました(PPでリングを作ろうかと思ったが思いのほか大変だったのでやめました HI !) 各接合部は大きい竿の内側にテープを折り返して貼り付け、小さい竿のテープに接合&固定されるようにしました。これで工具を使わず組み立て作業ができます(マストクランプだけは使うが・・・)

まだ全てのパーツを組み上げていませんが、FDコンテストで調整、比較をしてみたいと思っています。






















FDで4ELE YAGIデビューFD行ってきました!移動地は男鹿市寒風山です。生憎の風雨で日頃メンテナンスしてないポールがフルアップしてくれず、完全に調整は出来ませんでした。バンドトップに共振点がありリアクタンスも若干あるのでVSWRが1.5ほどでした。PHONEではアンテナチューナーを使ってQRVしました。ピンが出ていない状態でリング固定したので、少し強い風が吹くとアンテナが回って福島宮城方面で止まる状態・・・何度も南西や南に向けましたがすぐ戻されました HI! そのおかげか7エリア〜1エリアは良く聞こえていました。その方向で8のスキャッターも確認できましたのでビームとしての機能はあることが確認できました(調整完了すればいいアンテナになると思う)











最初にマストにブームを固定 ブームを横から見る
ブームに釣竿を挿し込む 8本挿して完了
エレメントが長ければ剥ぎ取る 雨でビニールテープ取れちゃいました・・・
さて、振り出しエレメントと塩ビパイプジョイナーの使い勝手は想像通り良かったです。一応酸化対策にテナコートを塗布しましたが、接合部に導通グリース処理は今回施しませんでした。心配していた接触不良は無かったですが、忘れる前に塗っておいた方が良いでしょうね。設営場所やQRV周波数によってこのアンテナの設置高が変わることを考えると何らかのマッチング回路は必要かなと思いました。仮に竿を絶縁体とみなせば同じ竿上にCやLを貼り付けられそうですね?


其の四 トラップDP 予告編

ハムの集いで、OVCさんからトラップコイルを見たいとリクエストがあったので同軸トラップの写真を紹介します。
8J7RDF/阿仁町運用では1.9/3.5M&7/14M INV-Vで使用しました。

1.9/3.5M DP 3.5Mトラップ
横から見た感じ 上から24/3.5/14Mトラップ
3.5Mでコイル幅およそ70mm、ボビン幅90mm、60mmφ

トラップDP 本編

10MHzのトラップを作りましたので、この製作工程を紹介します。CQ出版コンパクト・アンテナブックP169の記事でこのコイルは知っていましたが、詳細について触れていなかったので作れませんでした。WのオリジナルなのでYAHOO USAを検索するとFBな設計支援ソフトを見つけました"COAXIAL TRAP DESIGN de VE6YP, Tony Field"http://www.qsl.net/yc0hle/coaxtrap.zipここからファイルをダウンロードしました。説明文はもちろんENGですがシンプルな構成なのですぐ使えると思います。設計する前に調べておく事は、使用する同軸ケーブルのデータ(仕上がり外径、静電容量)、ボビンの外径です。一般的に3D2Vは0.55cm,100pF/m 5D2Vは0.75cm,100pF/m 3C2Vは0.58cm,67pF/m 5C2Vは0.75cm,67pF/m RG58/Uは0.5cm,94pF/mです。私は軽量化と耐久性を考え3D2Vと雨どい管60φを使用しました。移動用だと1.5DQEVもいいかも?

*JN7GLCさんから5CFVで製作されたとのレポートがありました。
 実測で静電容量は50pF/mだったそうです。ありがとうございました(2009/12/17更新)
ちなみにJIS規格表をみますと
仕上がり外径は3CFVは0.54cm、5CFV/5CFBは0.75cm、静電容量はいずれも56pF/mとなっていますが、各メーカーでばらつきがありますので実測されるかカットアンドトライで挑戦されてください。




起動したらFrequencyに作りたい阻止周波数、Form Diameterにボビンの外径、CoaxDiameterに同軸の仕上がり寸法、Capacitanceに同軸の静電容量を入力します。注意する事はスタート設定はBritish (inch) UnitsとなっているのでMetric (cm)をクリックしておくと馴染みやすいと思います。左上4項目を書き終えたらEnterキーを押してください。すると、黄色い項目にそのトラップコイルの計算結果が現れたと思います。左上からTurnsコイルの巻き数、Coil Lengthコイルの直径、Coax Length同軸の長さ(これに内部配線の分を足して用意します)、End Sensitivityコアに巻いた同軸を仕上げの微調整をするために1cm(inch)ばらした時に変化する周波数(KHZ)、Turn Sensitivityコアの直径1cm(inch)あたりに変化する周波数(KHZ)、Length/Diameterコイルの直径と外径の比率で、0.45の時最適値になります。1を超えるとストレーキャパシタンスやインダクタンスの影響を受けやすくなり誤差が生じるとhelpのnoteに書かれています。大体2%短くすれば良いとありますが、私の感覚では1以下でも周波数が低く共振するみたいです。これは測定誤差もあるので各自でカットアンドトライして下さい。noteには同軸の選定や構造、測定方法についても述べていますのでよく読まれると間違いが少なくてよいと思います。

さて、設計が終了したらそれに従って製作します。先ず雨どい管をコイル全長+ボルト取付け用スペースと遊び(片側2〜3cm)で2本分切断します。金のこを使うとバリが気になるので面取りをした方が安全できれいに仕上がります。次にボルトと同軸を通す穴を開けます。ボルト穴2つと同軸穴1つは同一線上に配置され、コイル半径が中心に来るようにします。コイルとボルト穴は1cm程度のクリアランスがあれば良いと思います。ボビン端とボルト穴は1cm以上あると十分な引っ張り強度を保てますがM5かM6が適当です。あまり細いと裂ける可能性があります。同軸のもう1つの穴はコイル巻き数と直径を参考に空けます。同軸が穴に対して斜めに進入するので同軸径より1〜2mm程度大きくします。

ボビンを切り出す ボビンに穴を開ける

次に同軸線をコイル長+6〜12cmに2本切ります。両端の3〜6cmは内部配線に利用します。なお配線はIV線で代用しても結構です。一度加工せずにボビンに通して巻き数と十分な余りがあるか確認します。ボビンの内側から外皮をカットするマークを付け、取り外します。そして両端の配線加工をします。写真のようにカットしますが安全にはくれぐれも気を配って作業しましょう。カッターの刃は新品を使うと簡単に銅編線を切断できます。外皮は反らせながら軽く押し当てると切れます。銅編み線は刺さると痛いので皮膚に直角に当らないように慎重に手早くまとめます。

同軸を切る 先端部を切り分ける
終端処理の様子

で、加工した同軸をボビンに巻き一方の編線をもう一方の芯線に借り留めします。その状態でディップメーターやアナライザーを使って共振周波数を計測します。私はRF-1アナライザーを使いました。テストリードを使い1ターンコイルを作り、Zレンジで希望周波数付近でインピーダンスが一番上昇する点を探します。この計測器だとかなり密結合させないといけませんが数十Ωが数百Ωに急峻に変化するので容易に判断できました。

仮組みする 仮組みしたトラップ
アナライザーに1ターンコイルをつける 計測中、Zが上昇する

この状態だとリード線が長いので低めの周波数に共振しています。数十KHzの誤差は許容範囲でよいと思いますが、かけ離れて低い周波数に共振しているようであればEnd Sensitivityなどを参考にトリミングします。穴が届かなければ新たに空けましょう。納得のいく数値(あくまで本人次第)になりましたら、内部配線の加工をします。編線と芯線にハンダメッキをします。次に内部で接続する編&芯線をだぶつかないように編側をカットしてからハンダ付けします。残りの芯線と編線に圧着端子を付けます。編線が届かない時はIV線などで延長します。ボルト穴に内側からワッシャーと共に圧着端子を通し外からスプリングワッシャーをかましてナットで留めます。固定されたらホットボンドなどで補強&防水加工します。コイルの補強には見栄えが良いようにボビンと同じ色のビニールテープを巻きました。写真のコイルは最終的に10.07MHzになりましたが、50KHz程度の誤差は問題ないでしょう(多分?)エレメントは圧着端子を使いボルトに直付けですがサガ電子のAW2.8はグラスファイバーの芯があるので問題ありません。ボルトの反対側に穴を開ければビニール線などでも圧着部に負担が少なく使えると思います。ちなみに1つの重量はおよそ100gでした。

ハンダ付けする 内部配線する
ホットボンド 補強&防水加工
仕上げ 10Mトラップで100gでした



マルチバンドDP実験
3.5M〜28Mトラップコイル


2バンドDPは上手くいったので、今度はマルチバンドで製作したいと思いました。10M移動では各ハイバンドにQSYすることも多いので、上手くいけばバンド切り替えの手間が省けてFBです!

先ずは各バンドのコイルを作ります。波長が短くなると同軸は短くてすみますが、調整がクリチカルになります。各コイルが予定値に共振したのを確認して上のバンドからエレメントを接続していきます。

一回目の野外調整では28Mと24M、21Mと18Mの近接するバンドのコイル間のエレメントがあまりにも短くコイル同士がつながった状態になりました。コイルとエレメントをつなぐためのボルトまでの配線が長いため影響を受けたものと思われます。2バンドを1つのボビンに巻いて作れば配線の短縮だけでなく全体の軽量化にもつながると考え次回の実験に向け試作しました。はたして怪我の功名となるのか?

10M〜28M 6バンドDP 全長6.8M!


2回目の実験を雄物川河口で行いました。あいにくの曇り空で時折雨も降って来ましたが、心配していた濡れによる同調周波数の変化はみられませんでした。コイルの2バンド化は上手くいきましたが、ハイバンドではコイルの短縮率が高いせいか実用帯域が狭く、特に21Mと14Mは不満足な値(30KHz VSWR<2)でした。CW移動や国内PH移動などと専用に使う分にはこれでもいいのですが・・・あと、無線機のファイナル周りが貧弱なせいでしょうか?28Mと24Mはアナライザーでは良好に同調してVSWRが落ちているのに、電波を発射するとSWRが高くプロテクターが働きました。28-24Mのアイソレーションが不足しているかもしれません(固定機100Wでの室内実験では問題なく電波が出た) ハイバンドでこのコイルを使う場合、あまり欲張らず近接しない3バンド以下で使うのがいいのかもしれません。

各バンドトラップコイル 21M/18Mコイル
28M/24Mコイル


次の実験では違った手法でトラップを作りハイバンドでの特性を改善したいと思っています。



其の五 一般的なトラップコイルを使ったトライバンダー

同軸コイルを用いたトラップコイルはマルチバンドで設計すると思いのほか実用帯域が狭いので比較のため他に2種類のコイルを作ってみました。ひとつは同軸コイルで片一方の芯線が短絡したタイプ、もうひとつは皆さんよくご存知の普通のコイルにコンデンサーを並列接続したコイルです。

最初の同軸コイル(1)と片側の芯線が短絡したコイル(2)との違いは何であろうか?1は編線コイルを電流が通過し芯線を再び通過するが、2は編線を通電した後芯線にも電流が流れるが片側が短絡しているため同軸の誘電体から電荷のみ生じる(コンデンサーの役目を負う)。1も2つのコイルの間の誘電体間のストレーキャパシティーがコンデンサーの役目を担っているので、単純に考えると1の方がコイルのインダクタンスが多く短縮効果が高いので2の方がコイルが少ない分下の周波数の帯域が広いのかな?と思っていました。実際作ってみて実験したら、意外にも1の方が帯域が広いのが判りました(一組しか作らなかったので信罵性には欠けるが)LやC、Xをシュミレーションすると1と2はほぼ同じ値になるのもわかりました。1のコイルは2つあるが(編線+リード線)−(芯線で誘起した逆電流)でコイルが形成されLが小さくなったようです。2は編線とリード線がLになります。

 

同軸コイルを使うと共振周波数でLとCの比率はどうしてもCの方がかなり大きくなります。コイルの短縮率を低くするのには都合がよいのですが、阻止周波数における延長コンデンサーの影響が強く出ます。静電容量の小さい物を使うと改善されますがコイル長が長くなってしまうので実用的ではありません。一般的なトラップコイルだとLとCの比は自在に変えられるのでなるべく短縮を抑えて1次、2次共振点での使用帯域特性の良い比率をシュミレーションしてみました。雨どいパイプを(61φとして)利用しての比率なので巻き数に端数が付かないというのが制限点にあることをお断りしておきます。大体L:Cが1:4〜1:7が良いみたいで、雨どいパイプに2muビニール線を5回密巻(2.176μH)して、14.53pFの同軸を並列接続して測定しました。実際はリード線があるのでCが小さくなります。


 

室内架設実験(2階屋内床面から1.8M高水平張り)では28MHZ帯でVSWR1:2が800KHz幅ありました。21M帯は室内では周りの影響が大きく計測できませんでした。ただfの移動に対してZの変化が急峻でないことから野外実験に期待感はありました。
WARC BAND INV-V

 

最近休みになると必ず天気が悪い!テストするのに最悪ですが、12/13は天気が回復傾向にあると予報されていたので雄物川河川敷に行ってきました。最初は14/21/28MHz INV-Vを組み立てました。28M帯は29FMまではカバーできませんでしたが1M近くチューナー無しで使える感じでした。21M帯は400KHzほど、14M帯は300KHzほどの実用帯域(寒くて詳細を記録していない!)を確保できました。WARC3バンドは全域カバーできています。途中雨が降り寒さで中断して出来上がったのが日暮れ間近、撤収前に10MでQSOしましたが問題なく動作していました。



コイルの値:28.3MHz L=2.176μH(5回巻き) C=14.535pF X=386.927Ω
        21.15MHz L=3.731μH(7回巻き) C=15.178pF X=495.797Ω




コイルの値:24.9MHz L=2.924μH(6回巻き) C=13.972pF X=457.463Ω
         18.1MHz L=4.586μH(8回巻き) C=16.823pF X=522.1Ω

参考文献:CQ誌1989 7月号251P〜254P「10/18/24MHz3バンドダイポールの製作」 文 JA6HW 角居 洋司 



其の六 受信専用シールドループ

シールドループ


2003年シーズンはJCG(JAPAN COAST GUARD)受信のページに紹介したスモールループを使い1.9Mや3.5Mでも効果を発揮しました。夏のVHFシーズンに6Mアンテナと取り替えてタワーから降ろしていましたが、本格的なローバンドシーズンに入りLWでは都市ノイズが多く聞きづらい時が増えましたので再びスモールループの御世話になろうかと思いました。

前回は1辺1.44Mのダイヤ型2回巻きで小さなピックアップループを使ったトランスフォーマー型ループでした。直下プリを使わなくても国内局は快適に受信できましたが、シーズン終盤からローカルBC局の相互変調、混変調、近隣のノイズが発生して受信できない周波数が増えました。ピックアップにシールドループを採用していないことと、ノイズ源に近い所で大きいループを使ったためだろうと考え、今回は少し小さな一辺1Mで直接ループに給電するタイプに作り直すことにしました。なるべく新規に部品を買わないで手持ちのジャンクで済ましました。

一辺1Mで1巻き4MのループだとBC帯や1.9Mで必要なCは1千数百PFほどになり以前作ったVCAP Dでは足りなくなります。巻き数を増やすと流用できますが、シールドループに最適な同軸ケーブルで構成すると支持部が大掛かりで重くなりますし、手持ちにあるケーブルは太すぎ(8DFB、10DFB)なのでどうせ重いなら構造を簡単に出来る銅管シールドで内部に2muビニールより線を巻き込むタイプを採用しました。

VCAP部 給電部


支持部は全てVP40でクロスマウントはアルミ鋳造製です。昨シーズン風雪に耐えたので強度は大丈夫だと思いますが、できればグラ研のポールなどを使いたいです(高い!) そこに1Mに切った銅管を周囲に配してタイラップとテープで固定しますが、調整が終わるまで仮止めにしておきます。銅管同士の接続は直角エルボーを使います。中にビニール線を通すので片側だけ半田で溶接しました。シールドループは頂部が短絡した形なので一箇所だけ接続しないようにスペースを支持できるように固定しなければいけません。今回は間違えて頂部のVCAPケースをステンレスタッパ(というのも売っている)を使って導通してしまったので、下部のバランケースをポリタッパにしました。強度面と加工のしやすさではこの配分の方が良いかもしれません(一応使えるので) 

先ず銅管にビニール線を巻き込みます。最初ためしに3回巻いてみました。VCAPは2回巻き目の頂部に接続します。受信機で同調範囲を調べると900KHz〜2.5MHzで、目標は1.6M〜4MなのでLが多いです。2回巻き(1巻き減らす)だと2.8M〜9.2Mでした。今度はトップバンドに合いません!巻き数を半端に出来ないので3回巻いて抵抗値を減らしインダクタンスが少なくなるようにVCAPに接続していない2巻きを下側で並行接続したところ1.4M〜4Mに同調しました。もし作る方がいらっしゃるのでしたら、なるべく太い線を少なく巻いて容量差の大きいバリキャップを使った方が同調範囲が大きくなり良いでしょう。

実装したトランス


給電部は非常にインピーダンスが低いのでバランとトランスで整合します。予想Zを1Ω付近とみて最初1:36で試しましたが、予想以上にZが高い(測定器の精度が悪いので判らず、多分4〜8Ω位)ので1:9にしました。これでVSWR<2.5 Z:35〜80±jxになりました。3.5MではVSWRが1.3なので受信では合格ラインですね?バランは最初1:1強制バラン(トリファラ巻き)を使いましたが、1Ω付近でのチェックが上手く出来ず妥協してフロートバラン(2線巻きチョーク)にしました。同調範囲内ではそれほど問題なく使用できるみたいです。テストではFT114、実装ではFT82(共に#77)を使いました。どちらも手持ちの物を使ったので#43や#75では実験していませんが#43の方がいいかと思います。

実験したトランス+おまけ


バランの線はテストでは1mmφUEW、実装では0.4mmφを使いました。ビニールラッピング線は柔らかく巻きやすいですが解れ易く太いのであまり巻き込めません。バランでは線を2本ないし3本撚って使用しますが、銅単線を手できれいに撚るのは大変です。ハンドドリル(電動ドライバー)とバイスを使えば楽にきめ細やかに仕上がります。曲がった太い線を真っ直ぐにするのにも同じ方法で出来るのでFBです。

現在シャックのある2階部屋と廊下の間に立てかけて使っていますが、LWと比べても遜色なく受信できています。ノイズ特性は明らかにループの方が良く1.5Mや0.9Mの相互変調や混変調は極めて弱くなりました。外来のノイズもかなり抑えられているようです。外に設置しないとわかりませんが、室内の(電力、電話)線のすぐ傍に置いてもこちらの方がNFが良いです。

今後野外設置してノイズ特性が良ければ、給電部にゲインの軽い直下プリアンプを増設してみたいと思っています。



其の七 お手軽マルチバンドアンテナ

1/4λ釣竿ホイップ


普段、移動運用ではINV-Vや八木アンテナを使っていますが、比較的広い所でないと設営できないので移動場所が制限されます。特に1.9Mや3.5Mは最低80m幅が必要なので移動運用したくても出られない(物理的に無理だったり、人目につきすぎて諦めた)場所が結構ありました。ローバンドでもモービルホイップで運用して成果を上げている人も多いのですが、私の場合走りながらQSOすることはほとんど無いので7MHzまでは短縮せずに1/4λホイップ、3.5Mと1.9Mはベースローディングか延長エレメントで運用できるものを作ろうと思いました。

「ローコストで設営が楽、飛びはそこそこ良くバンド切り替えは簡単」を目指しつつ取り合えず行き当たりバッタリで作ってみました。

移動中はこのようにして運搬できる


必要なもの
モービル基台 ボディーにアースされている必要があります。
基台とエレメントをつなぐMコネクタ 中央導体だけを接続するので何でも良いです。
エレメント これも何でも良いがなるべく丈夫で重くない物がベター。私は1.25muビニール線を使いました。
圧着接続端子 ギボシ端子と言われてますが、今回は平型接続子を使用しました。
碍子or代用品 なるべく軽くて丈夫なものが良いです。私は樹脂製の自在(タープやテントのステーの長さ調整に使う小物)を使用しました。
コイルボビン 雨どいパイプを使用。ペットボトルなどでも可
釣竿 PG ANT 100を使用。とりあえず手持ちの竿やDIYで売っている安いもので十分です。なるべく長い方が良いです。今回は7Mバーチカルを想定していたので竿+FSPポールにしていました。
釣竿を支えるもの タイヤベースを使用しました。倒れなければ何でも良いです。車やガードレールなどに括り付けたりいろいろ考えられます。
その他 ステーワイヤー、ヒートン、ビニールテープ


アンテナの基本的な動作は1/4λホイップなので75÷周波数(MHz)で必要な長さ(m)が計算できます。
最初は50MHZのエレメントを作ります。75÷50=1.5mです。実際は設営状態や線の短縮効果があるので少し長めに切ってから少しずつ詰めていきます。調整が終わったら碍子にエレメントを通して固定します。先端に圧着子をかしめて次のバンドのエレメントを碍子のもう一つの穴に通して固定し、圧着子を付けて接続できるようにします。次のバンドは28MHZなので75÷28=2.678mで先ほどのエレメント分を引いて2.678-1.5=1.178m必要になります。これも50M同様カット&トライで希望周波数に合わせます。これを3.5Mまで繰り返せばマルチバンドホイップが出来ます。

これだけで1.9M〜50Mに出られる


今回は1.9Mもフルサイズで作る事を想定していましたが、結構全長が長くなる(39m位)のでコイルを巻いて短縮することにしました。行き当たりバッタリなので現地にて製作しました。とりあえず延長分の線(15m位だったと思う)を雨どいパイプに密巻きして、両端に接続子を付けて50M−28M接続部に挿入したところ少し低い周波数になったのでカットして1.9Mに調整しました。

50M-28M接続部に1.9Mコイルを取り付けた 給電部


普通このアンテナはオープンスタブやトランスでマッチングを取るのですが、つけなくても実用上問題無かったので追加作業はありませんでした。

上の図のように設営するとステーで軽く引っ張っているので逆Vのような形になっています。
運用時はQRVするバンドのエレメントの先端の接続子を外してその周波数の1/4λのホイップとして使用します。エレメントは手が届かないほど高く上がっていますが、釣竿を縮めなくてもエレメントを下から手繰り寄せると竿がしなって接続子に手が届きます。竿の長さや調子によっては先端部に手が届かない場合もありうるので各自調整されてください。出来るだけ高く揚げればそれだけ性能が良くなりますが、QSYのたびに竿を出し入れするのは面倒です。竿の先端に7M-3.5M接続部が無ければいけないという事は無く10M-7M部や7Mの途中でも良いわけです(適当でOKです)

このアンテナはただの1/4λ単一型アンテナなのでいろんなバリエーションで設営が可能です。垂直型、傾斜型、逆V型、逆L型など手持ちの竿の長さや交信ターゲットに応じて設営方法を考えてください。但し設営の仕方によってエレメント長は若干違うので注意が必要です。リグにATUが付いていれば全く問題なく動作しますがATUが無くても接続部に延長エレメントを付加することが出来るので微調整可能だと思います。

コイルを挿入して短縮すればそれだけ損失が多くなりますが、たとえば7Mエレメントまでにして3.5Mと1.9Mをコイルにして運用する事も可能だと思います。バンド別にしたりタップつきコイルを作って50M−28M部に接続すれば簡単にQSYできると思います。

1.9Mコイル 適当に巻いた・・・

ご覧の通りいい加減に作った割にはよく飛んでくれました。7MではK5からも呼ばれましたし、1.9Mでは6エリアとの交信もできたのでFBでした。

追加事項:使い始めて数回は釣竿を縮めずに快適にQSY出来ましたが、勢い引っ張りすぎて釣竿が折れてしまいました・・・新しい竿(PGANT100)を入荷したのですが見るからに肉厚が薄く少したわんだだけで折れてしまいました。他の竿では試していませんがこのような事態は多分にあるので面倒でもQSYの時は竿を縮めた方が安全だと思いました。

大曲花火大会でQRV 7M〜50Mベントホイップ
大曲花火大会の駐車場でQRVした時の写真です。エレメントは7Mまででしたがちょっと竿の長さが足りず(折れた竿を補修したので短くなった)トップがベントしています。こんなANTでも国内外と交信できました HI !

其の八 1.9MHZミニループアンテナ

1.9Mで送信できるミニループを作ってみました。家の屋根に上げられるサイズで形も他で紹介されているのとはちょっと違いますが、一応九州まで届きました。マッチングは取れてませんが1.8MのEUも聞こえましたので同調を取ればDXにも使えるかもしれませんね。


まだ仮設で実験中です。

続く・・・