タイヤ空気圧 自転車 探険!

空気タイヤ タイヤ圧力 タイヤ推奨空気圧 タイヤ最小空気圧 高圧と低圧の比較 圧力と面積の関係
タイヤ変位 最適空気圧 チューブの気体透過 空気圧の低下 空気圧低下日数 タイヤ圧力計

空気タイヤ

概要
  チューブがあって空気を入れて初めて機能するタイヤ。ソリッドタイヤまたはエアレスタイヤには空気がない。
歴史
  ソリッドタイヤしかなかった頃、獣医で発明家のダンロップ(スコットランド人)は、空気で膨らましたゴムチューブ(動物の腸からの発想と言われる)にゴムを塗布した帆布を かぶせ、自転車のリムに取り付けると乗りやすく速度を出せることが分かり、1888年に空気入りタイヤとして特許を取った。
翌年、自転車競技で、空気タイヤを付けた選手が 優勝したので、英国中で評判となった。1889年に空気入りタイヤ製造会社を設立し、欧州最大のタイヤ会社に発展した。
自転車タイヤは1960年代に生産中止した。 ダンロップが発明した空気入りタイヤは、自転車の乗り心地を向上させる画期的な発明だったが、よくパンクした。
ミシュラン(フランス人)は修理可能なタイヤを作ったので、またたく間に普及した。その後、ミシュランは初めて自動車用空気タイヤに進出した。

タイヤ圧力

  タイヤ圧力は、タイヤ(チューブ)の中の空気圧力。標準(推奨)圧力はタイヤの側面に刻印されている。圧力はタイヤ圧力計によって測定できる。
ただし、シティ車に付いている英式バルブは測定できないが空気入れで空気を入れているときの圧力は出る。許容最高圧力は標準圧力の1.1〜1.5倍であることが多い。
  各タイヤメーカーの700Cタイヤの空気圧を打点したグラフを右に示す。黒点は標準空気圧、赤点は最高空気圧そして緑点はJIS D9112(タイヤ諸元)の標準空気圧を示している。 タイヤメーカー間にばらつきが見られる。タイヤ幅が大きくなると、空気圧が低くなる傾向が見られる。
タイヤのビード部に働く力(リムからタイヤを外そうと方向の力)は、タイヤ幅に比例して大きくなるから幅の広いタイヤの空気圧は低く設定する。
幅の狭いタイヤは高圧にできるため転がり抵抗が小さくなる上、質量が小さくかつ空気抵抗も小さいので、競技車に使われる。乗り心地はよくない。

タイヤ推奨空気圧

  推奨圧力はタイヤメーカーが推奨するタイヤの空気圧力。米国の消費者製品安全委員会(CPSC)は、推奨圧力をタイヤの側面に表示しなければならないとしている。
また、タイヤに200kgfの側荷重を加え、推奨圧力の110%に加圧したときタイヤはリムから離れてはならないとしている。
推奨圧力の110%を最大圧力としているメーカーがある。
  「JIS K6302 自転車用タイヤ」によれば、タイヤには容易に消えない方法で標準空気圧を表示しなければならない。
「JIS D9112 自転車用タイヤ−諸元」によれば、標準空気圧とは、「タイヤの性能を有効に発揮させるのに適した空気圧」。

タイヤ最小空気圧

  タイヤ最小空気圧 計算器  
走行場所
  舗装路
  未舗装路
  オフロード
 タイヤ幅   mm 
 体重   kg
 自転車質量   kg
 前輪荷重割合   %
タイヤ
最小
 空気圧 
 前輪    kPa
 後輪    kPa
 
      
  タイヤ最小空気圧はタイヤの性能を発揮させるために必要な最低限の空気圧力です。
  タイヤが細いと空気圧は高くする必要がある。またタイヤにかかる荷重が大きいと、
それに対抗するために空気圧を高くする必要がある。
  左の計算器でタイヤ最小空気圧が計算できます。
前輪荷重割合は、後記のように体重計で前輪タイヤ荷重を測れば全荷重に対する割合として次式で計算できる。
                前輪荷重割合=100 x 前輪タイヤ荷重/(自転車質量 + 体重)
  例えば、前輪タイヤ荷重33kg、自転車質量12kgそして体重65kgの場合は、前輪荷重割合=100 x 33/(12 + 65)= 40%

  走行場所を選定後、タイヤ幅、体重および自転車の質量を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい
      タイヤの最小空気圧が出ます。荷物のある場合は、その質量を自転車質量に加えて下さい。



  [ 計算例 ]
  走行場所は舗装路、タイヤ幅 28mm、体重 65kg、自転車質量 12kgそして前輪荷重割合 40%の場合

      タイヤ最小空気圧は、前輪が260 kPa(キロパスカル)そして後輪が400 kPaとなる。
        前輪と後輪で最小空気圧が異なっているのは、タイヤに加わる荷重が異なるため。
   参考資料 タイヤ寸法」  タイヤ幅
   参考資料  「タイヤ諸元(JIS) JISのタイヤ標準空気圧

高圧と低圧の比較

表1  高圧と低圧の相対的な比較
 タイヤ圧力   乗り心地   転がり抵抗  パンク 磨耗  コーナリング   雪道での滑り   雨道での滑り 
高圧 悪い 起し難い 起し難い 行い難い  滑り易い   滑り易い 
低圧 良い  起し易い   起し易い   行い易い   滑り難い   滑り難い 
  タイヤ圧力の高圧と低圧の相対的な比較を表1に示す。
  高圧が良い点は、転がり抵抗が小さく、パンク及び磨耗を起こしにくいこと。 タイヤ圧力と転がり抵抗の関係を示すグラフを右図に示す。 低圧が良い点は、乗り心地が良く、コーナリングが行いやすく、雪道で滑りにくいこと。

圧力と面積の関係

  力、圧力および面積の間には、次の関係がある。
力 = 圧力 x 面積             
  この式は次のことを示している。
  面積が大きければ、圧力が小さくとも、大きな力を支持できる。
  圧力が大きければ、面積が小さくとも、大きな力を支持できる。
  この関係式をタイヤに適用すると、力は人体および自転車の荷重(単位はニュートン)、圧力はタイヤの空気圧力そして面積はタイヤと路面の接地面積となる。
細幅タイヤは接地面積が小さいため(これは、ころがり抵抗が小さく、軽く走れることを意味する)、 同じ重さを支持するには、タイヤの空気圧力を高くする必要がある。
もし、空気圧力が低いと、その圧力で重さが支持できるまで、接地面積が広がる(上式を参照)。
つまり、タイヤはへこみ、転がり抵抗が大きくなる。

タイヤ変位

  自転車及び乗車人の重さによってタイヤが変形して、車輪軸又はリムなどが低くなる垂直距離はタイヤ変位(タイヤドロップ)と言い、タイヤ幅に対する割合として表す。 例えば、幅28cmのタイヤが5mm下がったとすれば、 タイヤ変位(ドロップ) = 5/28 x 100% = 17.9% となる。
  タイヤ変位が大きいと乗り心地は良いが、転がり抵抗は大きくなり早く走れない。タイヤ変位が15%となる空気圧が適切。 空気圧を大きくしてタイヤ変位を15%よりも小さくしても、転がり抵抗はそれほど小さくならない。 タイヤ変位15%は、舗装路走行における転がり抵抗、快適さ及び操作性(ハンドリング)の最適な妥協点となる。オフロードではこれより空気圧を下げるのがよい。

最適空気圧

  • タイヤ荷重、圧力及び幅の関係
      タイヤ変位(タイヤドロップ)が15%となる、タイヤ幅、タイヤ圧力及びタイヤ荷重の関係を右図のグラフに示す。
      縦軸はタイヤ空気圧そして横軸は前輪又は後輪の1輪当たりのタイヤ荷重。赤色の右上がりのタイヤ幅線は、タイヤ幅20〜37mmに対応している。 タイヤ荷重とタイヤ幅線の交点の縦座標は、タイヤ空気圧となる。
  • タイヤ荷重の測定法
      タイヤ荷重は、次のようにして計測できる。前輪のタイヤ荷重は、前輪下に体重計を置き、後輪の下に体重計と同じ高さの台を置く。友人などに自転車が倒れないように持ってもらい、 自転車に乗り乗車姿勢とする(右図)。体重計の目盛は、前輪タイヤ荷重を表している。 後輪のタイヤ荷重は、自転車向きを180°変えて、後輪を体重計に載せ、前輪を体重計と同じ高さの台に置く。友人などに自転車が倒れないように持ってもらい、 自転車に乗り乗車姿勢とする。体重計の目盛は、後輪タイヤ荷重を表している。前輪タイヤ荷重と後輪タイヤ荷重の合計は、自転車質量と体重の合計と等しい。
  • タイヤ荷重の推測
      タイヤ荷重を実測しない場合は、前輪にかかる荷重割合を推測して計算する。
    体重、自転車質量及び車種(フレーム寸法)等にもよるが、前輪と後輪の荷重割合は、
    前輪35%〜45%そして後輪65%〜55%であることが多い。
      計算例として、自転車質量と体重の合計が80kgそして前輪の荷重割合が40%とすると、
    前輪のタイヤ荷重は 80kgx0.4 = 32kg そして後輪のタイヤ荷重は 80kgx0.6 = 48kg。
  • タイヤ空気圧
      一例として、タイヤ幅28mmそして前輪のタイヤ荷重は32kg、後輪のタイヤ荷重は48kgの場合のタイヤ変位15%となるタイヤ空気圧は、
    グラフにおいてタイヤ荷重32kg及び48kgとタイヤ幅線28mmとの交点の縦座標より、前輪は360kPaそして後輪は550kPa。
  • 坂における空気圧
      上り坂及び下り坂では、坂の勾配に応じて前輪と後輪の荷重割合が水平路と較べて変わるが、坂において空気圧を変えるのは現実的でない。

チューブの気体透過

  チューブの気体透過は、ゴムの中を気体が拡散することによって行われる。気体透過によってチューブの空気が抜け、タイヤ空気圧は低下する。
チューブの気体透過に影響する要因は次の通り。
1.チューブ材質
   天然ゴムはブチルゴムより透過率が大きい。従って、天然ゴムチューブは、空気抜けが速い。ただし、転がり抵抗が小さいので競技用に使われる。
  (注) 天然ゴムはラテックスと呼ばれることもある。ラテックスはゴムの木の乳液(樹液)。 ゴムの木の樹皮を斜め下方に削ると、白い樹液(ラテックス)が出てくる。
ラテックスは天然ゴムの原料となる。ブチルゴムなどの合成ゴムの原料液もラテックスと呼ばれる。
2.チューブ厚さ
   透過率はチューブ厚さによって変わらないが、透過量はチューブが厚くなると少なくなる。
3.気体の種類
   窒素の透過率は空気より小さい。炭酸ガスの透過率は空気より大きい。従って、CO2インフレーターで加圧したタイヤは、圧力低下が相対的に早い。
4.気体圧力
  透過率は圧力によって変わらないが、圧力が高いほど気体透過量は多い。 厳密にはタイヤ(チューブ)内外の圧力差が大きいほど透過量は多い。 従って、タイヤ外の圧力である大気圧が小さいほど透過量は多くなるが、タイヤ圧力 に比べれば高気圧と低気圧の圧力差は小さいので無視できる。
5.温度
   温度が高くなると透過率が大きくなる(右図のグラフ)ので、透過量は多くなる。夏は冬よりも透過量が多くなる。

空気圧の低下

  時間の経過によってタイヤ空気圧は低下するので、定期的に空気入れで空気を補充する必要がある。
空気を補充するときのタイヤ空気圧は、最小空気圧(空気圧の下限)より高いことが望ましい。
言い換えると、最小空気圧以下になる前にタイヤに空気を入れることが望ましい。
最適空気圧まで空気を入れるとよい。いつも最適空気圧にしようとすると空気を入れる回数が増える。
  タイヤの容積が小さいほど、空気圧の低下は早い。タイヤ圧力は時間の経過につれて、右図のように指数関数的に減少する。

空気圧低下日数

  次はタイヤの空気圧が低下するおよその日数を知るための計算器です。
チューブの材質は純粋なゴムではなく、添加剤が加えられているためにメーカー形式によって空気の透過率が異なります。
これらの要因をすべて考慮しているわけでないので、計算結果は大雑把な目安であり正確ではありません。傾向を知るために利用ください。
入力するチューブ厚さは、0.6、 0.9、 1.2 又は 2.0mmなど。タイヤ幅及びリム径は、タイヤの空気容積を求めるための入力です。
空気圧の「始め」は例えば、空気を入れたときの圧力そして「終り」は例えば、空気圧が低下したときの圧力又は空気を入れる前の圧力。
 空気圧
 低下日数 
計算器
チューブ材質
 ブチルゴム
  天然ゴム   
チューブ厚さタイヤ幅リム径空気圧  空気圧
低下日数 

始め終り
  mm    mm    mm    kPa    kPa    日 
  [ 計算例 ]
  チューブ材質はブチルゴム、チューブ厚さ1.2mm、タイヤ幅28mm、リム径622mm、空気圧は初めが550kPaそして終りが450kPaの場合

        空気圧が550 kPaから450 kPaまで下がる日数はおよそ7日。

タイヤ圧力計

  タイヤの空気圧はタイヤ圧力計で測定できる。圧力計には仏式バルブ用および米式バルブ用がある。
指示方式はアナログ(ダイアル)およびデジタルがある。圧力単位は kPa および psi (規格外)がある。
  1psi = 6.9kPa
   参考資料  「空気入れ