スポーク 自転車 探険!

構造 形式および材質 寸法・破断力 スポーク張力 空気抵抗 スポークの強度
スポーク応力の繰返し数 ニップル ねじの寸法 ゲージ スポークプロテクター スポークワッシャー
材質 工具 スポーク張力計 補修紐スポーク スポークねじ切り機  

  スポークはハブのフランジ(つば)とリムを結んで、車輪を作る重要な部品。
 
  構造

エルボ       胴    ねじ
  • 概要
      スポークは頭、エルボ、胴およびねじで構成されている。


  •   頭(ヘッド)はスポーク外径よりも大きく、ハブのスポーク穴から抜けないようにする機能がある。

  • エルボ
      エルボ(ひじ)はひじのように曲がり、スポークをリムの方へ向ける。 その曲げ角(エルボ角)は、直角(90°)よりやや大きく 95°〜100° となっている。


  •   胴はハブとリムの間にくる部分で、形状はずん胴(ストレートまたはプレーン)の他、次の項で示す各種のものがある。

  • ねじ
      胴端のねじには、ニップル(乳首)と呼ばれる内ねじを切った専用ナットをねじ込んで、スポークをリムに固定すると同時に初期張力を設定する。
      スポークのねじは一般に、切削ねじでなく転造ねじとして作られる。転造ねじは、 外周にねじ山の形状を持ち、同方向に回転する2個または3個の転造ダイスを線材に押しつけ(線材はダイスと逆回転する)、塑性変形させて作ったねじ。 転造の転はダイスを回転させるという意味。 ねじ山は盛り上がるので、ねじの外形は線材の直径より大きくなる。金属組織が切断されないので強度が大きい。
 
  種類

ずん胴スポーク 段付きスポーク 空力スポーク 楕円スポーク 扁平スポーク 真直ぐスポーク カラースポーク PBOスポーク

ずん胴スポーク

ずん胴スポーク
  全長に渡って同一直径の円形断面となっている最も一般的なスポーク。


段付きスポーク

段付スポーク
  スポークの中間部は円形断面で細くしたもの。スポークはくさび効果が働き最大応力の生じるハブおよびリムへの取り付け部で破損することが多いため、取り付け部の太さは変えず、中間部を細くして軽量化すると同時に空気抵抗も減らしたもの。 例えば、2/1.8/2とか2/1.5/2(又は省略して2/1.8とか2/1.5)の様に表されている。これは両端の直径が2mmで、中間部の直径がそれぞれ1.8mmと1.5mmと言う意味。
  段付きスポークは片端(シングル)段付きスポーク、両端(ダブル)段付スポーク及び3段(トリプル)段付きスポークがある。

  • 片端段付きスポーク
      エルボ部以外はずん胴スポークと同じ直径(例えば2.0mm)であるが、応力の大きいエルボ部を太くして(例えば2.3mm)強度を上げたスポーク。 タンデム車、丘下りのマウンテンバイク、タンデム(2人乗り)車および荷物を積む旅行車の後輪の右スポークなどとして使われることがある。

  • 両端段付きスポーク
      一般的な段付きスポーク。単に段付きスポークと言えば、両端段付きスポークを指す。 エルボ部およびねじ部はずん胴スポークと同じ直径(例えば2.0mm)であるが、中間部は細くして(例えば1.5mmまたは1.8mm)軽くしたスポーク。競技用車などに使われる。

  • 3段段付きスポーク
      スポークのエルボ部/中間部/ねじ部の外径が例えば、2.34/1.8/2.0mmのように異なるスポーク。強さと軽さを兼ね備えており、タンデム(2人乗り)車、荷物を積む旅行車および丘下り(ダウンヒル)のマウンテンバイクなどに使われる。

空力スポーク

空力スポーク
  車輪の回転および走行による空気抵抗を減らすために、中間部を断面形状を楕円(楕円スポーク)または板状(扁平スポーク)にしたもの。ただし、横風があると空力効果は減殺される。 ハブのスポーク穴は、一般のスポークと共通のものと、空力スポーク用に加工しなければならないものがある。 空気抵抗に対しては空力スポークよりもリムの影響がはるかに大きいので、空力スポークを使う場合はリムも空力(エアロ)リムであることが望ましい。

楕円スポーク

  空力スポークの一種であり、スポークの胴の断面形状が楕円になっているスポーク。空気抵抗を減らす効果がある。 長方形断面のスポークより横風の影響が少ない。一般に空力(エアロ)リムと組み合わせて使う。

扁平スポーク

   中間部の断面形状を板状(扁平)にしたスポーク。ブレードスポークとも言う。かどには丸み(アール)が付いている。
中間部に働くのは張力のみで曲げ力は働かないので、薄くしても断面積が変わらなければ強度は変わらない。
扁平部の幅を a[mm]そして厚さを b[mm]とすると、断面寸法はメーカーによって a x b または a/b で表されている。
具体的なサイズとしては、 2.8x1.3 、 2.3x0.9 、 2.0x1.0 、 1.8x1.2 または 1.8x1.0 などがある。

真直ぐスポーク

  エルボのない真っすぐなスポーク。ストレートプルスポーク又はエルボレススポークとも呼ばれる。一端には鍛造で作った頭があり、他端にはニップルを付けるねじを切る。専用の特殊ハブが必要。 ニップルを回すと頭も回るものは、車輪組みに手間がかかる。頭の下の首の部分に最大応力が働く。 歴史的には、昔々は真っすぐなスポークしかなく、その後エルボの付いたスポークが出現しそれが一般的となった。

カラースポーク

  着色したスポーク。
材質はステンレス鋼及び炭素鋼など。
着色は陽極酸化などで行う。



PBOスポーク

  PBO繊維を3万本束ねて作った特殊スポーク。繊維束は防水およびUV遮断のためのコンポジットチューブで覆っている。外装チューブの色は白、黒、黄、青および赤。 専用のニップルを使ってPBOホイールのみに使うことができる。 ステンレス鋼に比べて強度は3倍、質量は
1/2そしてし衝撃吸収性は25%大きい。外径は3mm及び4mm。
この繊維は金属ほどに弾性がないので、何らかの原因で初期張力が失われやすく、そのときは車輪の強度が弱くなる。
 
  寸法・破断力

表1  スポークの寸法  (JIS D9420)  単位 [mm]
種類 呼び径  線径 d  細径  エルボ高さ h   エルボアール   ねじ長さ l   エルボ角α  ねじの呼び 破断力[kN]
 鋼製   ステンレス製 
 ずん胴スポーク   1.8   1.8  6   1.8   9   95° BC1.8  2.1   2.0 
2.0 2.0 6   1.8   9   95° BC2.01.8 2.6 2.4
2.3 2.3 7   1.9   9   95°  BC2.0又は2.3  3.3 3.0
2.6 2.6   7.5 2.1 10 100° BC2.6 4.0 3.6
段付きスポーク  1.8/1.6  1.8  1.6  6   1.8   9   95° BC1.8 2.1 2.0
2.0/1.8 2.0 1.8 6   1.8   9   95° BC1.8 2.6 2.4
  「JIS D9420 自転車−スポーク及びニップル」に規定するスポークの寸法及び破断力を表1に示す。
  呼び径は2mmが一般的。ただし、これ以外の寸法(規格外寸法)のものも市販されている。エルボ高さはハブフランジの厚さに適合していることが望ましい。
 
  スポーク張力

概要 初期張力 最小張力 最大張力 張力の変化 張力の低下 座屈 車輪の変形 張力測定

概要

表2  スポーク張力  (JIS D9301)
車輪径 スポーク張力
  22型を超える 平均400N 以上  
  22型以下 平均300N 以上  
表3 オフセット組スポーク張力 (JIS D9301)
スポーク張力
  フリーホイール側 平均400N 以上  
  反対側 平均300N 以上  
一般には、スポーク張力とは、スポークに与える初期張力のこと。ニップルを回すと、スポークが引っ張られて張力が与えられる。



初期張力

スポークは引っ張り力(張力)には強いが、圧縮(座屈を起こす)や曲げには弱い。
そのため、初期張力を与えるためにハブとリムからスポークに加わる力は、圧縮や曲げでなく、張力となるように工夫されている。
所定の初期張力(400〜1500N)を均等に与えることが重要。均等でないと、リムが振れる原因となる。
車輪の横剛性を均一にするため、またリムを真円に保つために、スポーク張力は均一であることが望ましい。

最小張力

張力が小さいとスポークは座屈を起こす。また張力が小さいとニップルが緩みやすい。JISのスポーク張力の最小値を表2および表3に示す。

最大張力

スポークの本数が少ないほど、大きな張力を必要とする。張力が大きすぎるとリムのスポーク穴に亀裂が生じることがある。はとめは張力を分散する働きがあり、亀裂が入りにくい。 スポークが許容できる最大張力は、表5のスポークの切断強度以下とする。張力が大きすぎてもスポークが切れることはまずなく、異常はリムのスポーク穴の周りのしわまたは亀裂として現れることがある。

張力の変化

車輪の回転によって、それぞれのスポークの張力は周期的に変化する。スポークが上方に回ってきたとき、そのスポークの張力は最大となる。 走っているとき、車輪の上部に来ているスポークには張力が働き荷重を支持している(車輪の上部に来ているスポークとその前後の計3本のスポークで荷重の大部分を支持している)。

張力の低下

車輪組み後のスポーク張力の低下は、次の原因で起こる。

      ニップルがリムのスポーク穴(ニップル穴)へ沈むこと。
      エルボがハブフランジのスポーク穴に沈むこと。

座屈

車輪の下部に来ているスポークには圧縮力が働くはずだが、実際はスポークに初期張力が与えられているため、それが緩むだけで、 圧縮力が働くまでには行かないようにしてある。そのためスポークは座屈しない。

車輪の変形

何らかの衝撃により車輪が変形したとすれば、それは衝撃によってスポーク張力が無くなったため。初期張力が大きいほど、衝撃に対して強い車輪となる。

張力測定

張力はスポーク張力計で測る。スポークを楽器の弦のように弾いて、その音から張力を判定する人もいる。 ただ単に感覚的にスポーク張力を見るには、スポーク軸と垂直方向に親指でスポークを押してそのたわみ量を見る(これはスポーク張力計の原理)。張力が大きいほど、たわみ量は小さい。
   参考資料  「スポーク張力の例
 
  空気抵抗

  スポークの断面形状(楕円、扁平および円)によって空気抵抗がどのように変わるかを右図に示す。 楕円は抵抗が小さい。
空気抵抗 = 0.5 ρ Cd A v2
  ここに、ρ (ロー)は空気密度[kg/m3]、Cd は形状係数[−]、A は投影面積[m2]そしてv は空気速度[m/s]。
空気抵抗は、空気密度、形状係数、投影面積および空気速度の二乗に比例することを示している。
この例の場合は、円は扁平および楕円よりも形状係数および投影面積が大きい。
 
  スポークの強度

  「JIS D9420 自転車−スポーク及びニップル」に規定する、
スポークに引張荷重を加えたときの切断強度の最小値を表4に示す。
表4  スポークの引張強度  (JIS D9420)
種類  スポーク径 [mm]  破断力 [kN]
 硬鋼製スポーク   ステンレス製スポーク 
 ずん胴スポーク    1.8 2.1 2.0
  2.0 2.6 2.4
  2.3 3.3 3.0
  2.6 4.0 3.6
 段付きスポーク    1.8/1.6   2.1 2.0
  2.0/1.8 2.6 2.4
 
  スポーク応力の繰返し数

  タイヤ外径および走行距離を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい。
 スポーク応力の繰返し数が出ます。
  スポーク応力繰返し数  
計算器
 タイヤ外径   走行距離   応力の繰返し数 
 mm   km  回

[ 計算例 ] タイヤ外径が672mmそして走行距離が3800kmの場合
 応力の繰返し数は約180万回 (1.8x106 回)。

  スポーク応力の繰返し数を計算する計算器を右に示す。
  車輪1回転毎に、スポークには張力が加わってそれが緩むという、繰返し荷重による繰返し応力が働く。
ハハブの上に来たスポークには大きな張力(初期張力プラス荷重等に基づく張力)が働き、ハブの下に来たスポークは張力(初期張力マイナス荷重等に基づく張力)が緩む。 繰返し数は疲労に影響する。

   参考資料  「金属疲労
 
  ニップル

概要 寸法 種類 長さ ねじ 振れ取り 材質 質量

概要

  リムのスポーク穴(ニップル穴)に入れて、スポークをリムに固定するための貫通した内ねじを切った専用ナットをニップル(乳首)と呼ぶ。
組立時にニップルドライバーでも回せるように、頭に溝がついている。 ナット断面形状は四角が一般的であるが、六角もある(JISにはなし)。
緩み防止のために、ねじに2液の粘着剤を塗布したものもある。 ただし、適切なスポーク張力がかかっていれば緩むことはない。

寸法

ニップルの断面及び「JIS D9420 自転車−スポーク及びニップル」に規定するニップルの寸法を表5に示す。

表5  ニップルの寸法  (JIS D9420)  単位 [mm]
スポーク ニップル
種類 線径  外径d   四角ナット部幅s   頭部外径D   頭部高さT   マイナス溝幅   全長L   ねじの呼び 
 ずん胴スポーク  1.8  4.0  3.4 6.5 2.5 1.2 12 BC1.8
2.0 4.0 3.4 6.5 2.5 1.2 12 BC2.0
2.3 4.0 3.4 6.5 2.5 1.2 12  BC2.0又は2.3 
2.3 4.3 3.6 7.0 2.7 1.2 13 BC2.3
2.6 4.6 3.9 7.5 2.7 1.2 13 BC2.6
段付きスポーク  1.8/1.6  4.0 3.4 6.5 2.5 1.2 12 BC1.8
2.0/1.8 4.0 3.4 6.5 2.5 1.2 12 BC2.0












種類

  • 丸頭ニップル
      頭が丸い一般的なニップル。

  • 六角頭ニップル
      ソケットレンチが使えるように六角頭としたニップル。一般のニップル回しも使えるように、頭に溝も付いている。
    自動機械はホイールの全ての六角頭ニップルに同時にソケットレンチを付け、 センサーで検知しながら振れ取り及び張力設定を自動で行う。

  • ヒドゥン(隠れ)ニップル
      リムの外へ出ないようにしたニップル。リムより外に出たニップルによる空気抵抗をなくすことを意図している。
    一般のニップルでもディープリムにおいては空気抵抗は小さい。問題点は、車輪組みが容易でなく、ニップルが外に出ていないので、タイヤを付けた状態で保全ができないこと。 ヒドゥンニップルは、それ用のニップル回し(右図は一例)が必要。

長さ

  ニップル長さは、リム厚さに対応して各種の長さがある。ニップル回しで回すことのできる長さが必要。

ねじ

  ニップル長にかかわらず、頭側からねじ外径の4〜5倍の長さの右ねじが切ってある。残りはねじ外径より少し大きい穴となっている。ニップルの丸い頭の部分はリムに入っているので外から見えない。 リムのチューブ側にはニップルの頭が出ているので、チューブを保護するためにリムにリムテープを貼る。

振れ取り

  ニップルをニップル回しで回して、横方向の振れ(横振れ)および半径方向の振れ(たて振れ)を調整して振れを無くすことにより、 軸に対する車輪の真円度および垂直度を出すと同時に、スポーク張力を設定する。右ねじが切られているので、タイヤ側から見て右にそしてハブ側から見て左に回すと締まる。

材質

  ニップルの材質は低炭素鋼、黄銅、銅、快削鋼およびアルミ合金など。
銅製はニッケルメッキされていることが多い。
アルミ合金製は、陽極酸化(アノダイズ)処理により、赤色、銀色または黒色などに着色されているものがある(右図)。
アルミ合金製は軽いがねじが弱いので銅製が使われることが多い。




質量

  1個の質量は銅製が約1g。アルミ合金製が約0.3gと軽いが強度は弱い。36本スポークの場合、アルミ合金製のニップルは1輪あたり20g強ホイールが軽くなる。

 
  ねじの寸法

表6  ねじの寸法  (JIS B0225)  単位 [mm]
呼び  ねじ山数 
[/25.4]
 ピッチ   おねじ   めねじ   スポーク外径 
 外径   谷径   谷径   内径 
 BC1.8   56   0.45   2.06   1.58   2.06   1.66   1.8 
BC2.0 56 0.45 2.27 1.79 2.27 1.87 2.0
BC2.3 56 0.45 2.57 2.09 2.57 2.17 2.3
BC2.6 56 0.45 2.87 2.39 2.87 2.47 2.6
  • 寸法
      「JIS B0225 自転車ねじ」に規定するスポークおよびニップルのねじの寸法を表6に示す。
      英国の自転車技術協会が定めた規格がJISに採用されている。表の呼びにあるBCという記号は自転車ねじという意味。BCの後の数字はスポークの外径を表している。
      おねじ外径はスポーク外径より大きく、谷径はスポーク外径より小さい。
    有効径(表には出ていない)はスポーク外径にほぼ等しい。

  • 転造ねじ
      一般に、スポークのねじは切削ねじでなく転造ねじとして作られる。 転造ねじは、外周にねじ山の形状を持ち、同方向に回転する2個または3個の転造ダイスを線材に押しつけ(線材はダイスと逆回転する)、塑性変形させて作ったねじ。転造の転はダイスを回転させるという意味。 ねじ山は盛り上がるので、おねじ外径は線材の直径より大きくなる。金属組織が切断されないので強度が大きい。
 
  ゲージ

  スポークの直径はmmで表わすが、過去にはゲージで表すこともあった。
その換算表を表7に示す。
英米系(インチ系)ではゲージNo.が大きくなると、直径は小さくなっている。
仏系(メートル系)ではゲージNo.が大きくなると、直径も大きくなっている。
英米系の13番は仏系の14番に近い。英米系の14番は仏系の13番に等しい。
日本では英米系のゲージNo.が使われている。
表7  スポークのゲージと直径[mm]
 ゲージ1011121314151617
 英米系 [mm]   2.62.32.01.81.61.5
 仏系    [mm]1.51.61.82.02.22.42.7 
 
  スポークプロテクター

スポーク保護版のと。外径200mm前後、質量20g前後(樹脂製の場合)の、樹脂製または金属製の薄い円盤。樹脂製は透明および不透明がある。 ハブに固定する形およびスポークに固定する形がある。スプロケットの最大歯数およびスポーク本数に対応するものを選ぶ。プロテクターを外すには、車輪を外してからカセットスプロケットを外す。
  保護板は後輪ハブの右側そしてカセットスプロケットの左側に付けて、後ディレイラーの何らかの故障またはオフロードなどでの事故によって、 後ディレイラーまたは外れたチェーンがスポークとぶつかってスポークを破損すること又はチェーンの噛み込みによる急激な停止に基づく転倒を防止する。 米国の消費者製品安全委員会(CPSC)は取り付けを義務付けている。
 
  スポークワッシャー

  スポーク頭とハブフランジの間に入れるワッシャー。材質は真鍮など。
内径は、2.2mm、2.5mm及び2.55mmなど。外径は、4.8mmなど。
厚さは、0.5mmなど。 スポークエルボ長に対してハブフランジの厚さが薄い場合などに、1〜3枚/頭を使う。
  使用例は、スポークが破損し、新しいスポークに対してハブフランジが薄い場合にワッシャーを入れる。
エルボ長がハブフランジ厚さに比べて長くガタがあると、走行で変形してエルボ部で破損する可能性がある。
 
  材質

  スポークの材質は、メッキした硬鋼線(SWRH42A、42B、62A又は62B)、ステンレス鋼(SUS304又は430)、アルミ合金、びチタン合金又はCFRPなど。
スポークメーカーは素材である針金(ワイヤー)は作っておらず、使用する素材の品質がスポークの品質に大きく影響する。

 
  工具

ニップル回し

  スポークのニップルをリムの内側(ハブ側)から回して、車輪の振れ取り、中心出し及びスポークの張力設定に使う。 ニップルの四角ナット幅(多くは3.4mm幅)に合うものを使う。3種類のニップルサイズに対応できるものもあるが、多くのニップルを回す必要のある車輪組みには向かない。

ニップルドライバー

  ニップル回しの一種で、先端ががマイナス形のクランク脚が柄の中で回転するようになっており、ニップルのマイナス溝にいれてクランクを回すように回す。 仮組みでスポークに張力がかかり始めるまで使うと能率が良い。脚の長さによって、標準リム用および深リム用がある。

スポーク尺

  これは工具ではなく、計測器。
スポークの頭を左端左右のV形の穴に入れて、引っ掛けてスポークを吊るして長さを読み取るスケール。 左右はそれぞれmm目盛りとinch(インチ)目盛りで、最長310mm。
コッター外径を測るコッター穴及び軸受の玉の直径を測る穴が付属している。

ブレードスポークホルダー








  ニップル回しでニップルを回すとき、ブレードスポークが捩れないように保持しておく工具。
エアロスポークホルダー又はスポークホルダーとも言う。
異なるプレート厚さに対応したプレート溝が2種類又は4種類付いている。 材質は金属製及びプラスチック製がある。
 
  スポーク張力計

  • 概要
      スポーク張力計は、ハブとリム(のニップル)によってスポークが引っ張られている力(スポーク張力)を、間接的に測定する計器。

  • 実例
      写真の4例の張力計はいずれもスポークを定距離で支持する2個の固定柱、その中央をばね力で押す可動柱および張力指示器で構成されている。 写真の左から4例番目のの張力計も、左右の2つの固定柱でスポークを支持し、取っ手(左右の黒い部分)を握って離すと、内部のばねでその中央を可動柱で垂直に押して下部の指示器の目盛で変位を指示するようになっている。 空力スポークは平たい面を押す。張力が大きいと、変位は小さい。換算表が付属しており、変位に対応した張力を読み取る。

  • スポーク張力
      左右の測定張力をそれぞれ合計して、片側のスポーク数で割ると、左右それぞれの平均張力が出る。各スポーク張力が平均張力の±20%以内にあれば、相対張力はよしとする。 一般に、前輪は左右のスポーク張力が等しい。ディスクブレーキが付いている場合は、ディスク側の張力が大きい。後輪はスプロケットの付いている側の張力が大きい。
   参考資料  「スポーク張力計
 
  補修紐スポーク

  スポークが折れたときに使う、ケブラー(アラミド繊維)紐で作った応急用の補修スポーク。ケブラーは鋼より強度が大きい。商品名はファイバーフィックススポーク。
取付け手順は次の通り。折れたスポークを外す。リムに残したニップルに補修スポークを3〜4回転ねじ込む。紐をハブフランジのスポーク穴に通してからカムに引き返し、図に示すように紐をカムに通す。 カム部を回してニップルにねじ込み、紐に張力を与える。張力の大きを適切にして、リムに横方向のたわみをなくする。
  予備のスポークを携帯する場合は、前輪用、後輪右用および後輪左用の3種類を必要とする。
スポーク数が36本の車輪は1本のスポークが折れても何とか走ることができるが、スポーク数の少ない車輪は1本でもスポークが折れるとリムが変形して致命的となり走行できない。




 
  スポークねじ切り機

  スポークにねじを切る装置。手回しハンドルで回転させて転造ねじを切るようになっている。所定スポーク長に切断後にねじを切る。
適用できるスポーク外径は、1.8mmおよび2.0mm。 スポーク外径を変えるときは、ダイスを調整するか又はダイスを交換する。価格帯から見ると、個人用および業務用(自転車店用)がある。業務用はスポーク切断機が付属している。1.8mmおよび2.0mm用のダイスは切換えできる。ねじ切り時間は短い。
   参考資料  「スポークねじ切り機