ケイデンス一定で走るのが一般的なので、変速する(ギア比を変える)と走行速度が変わる。
次の計算器で、クランクスプロケット(前スプロケット)と後輪スプロケット(後スプロケット)の全ての組み合わせに対応した走行速度が一度に計算できます。
クランクおよび後輪のスプロケットの全ての組合せに対応した走行速度を一度に計算します。
タイヤ外径、ケイデンス(ペダル毎分回転数)、クランク スプロケット歯数および後輪スプロケット歯数を半角数字で入れて(無い段の歯数は空白のままとする)、
[計算]を押して下さい。 歯数の組合せに対応した走行速度が出ます。
[計算例]
タイヤ外径678mm、ケイデンス70rpm、クランクスプロケット歯数 30−39−53T
そして後輪スプロケット歯数 12−13−14−15−16−17−19−21−23Tの場合。
[計算結果]
表において、左欄から右欄へ速度が増すように、後輪スプロケット歯数は1段は大そして9段は小とあえて逆順にして入力した。
下図のように、小スプロケット使用時の速度は11.7〜22.4km/h、中間スプロケット使用時の速度は15.2〜29.1km/h
そして大スプロケット使用時の速度は20.6〜39.5km/h。
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- たすき掛け
たすき掛けとは、チェーンが前最小スプロケットと後最小スプロケット(小−小スプロケット)に掛かっているか、または前最大スプロケットと後最大スプロケット(大−大スプロケット)に掛かっている状態(右図)。
これらの状態では、チェーンは最大角度の斜め掛けとなり、伝動効率が悪い。
上の計算結果図において、赤線枠で囲った速度はチェーンの大−大スプロケット掛け(53_23T)および小−小スプロケット掛け(30_12T)、すなわち、たすき掛けによるものであるから使わないことが望ましい。
たすき掛けをしなくとも、53_23Tの速度は例えば39_17Tで得られ30_12Tの速度は53_21Tで得られる。
黄線枠で囲った速度はたすき掛けに次いでチェーンが大きな斜め掛けとなるから、長時間に渡って使わないことが望ましい。
同等の速度は他のスプロケットの組み合わせで得られる。
- ギア比重なり
ギア比重なり(ギア比オーバーラップ)とは、クランクスプロケットが中間スプロケットのときのギア比と大スプロケットまたは小スプロケットのときギア比が等しくなるか又は近似となること、すなわちギア比が重なること。
クランクスプロケットの歯数を選ぶことにより重なりをなくすことはできるが、その歯数の組合せで速度(ギア比)を順番に変えていこうとすると、クランクスプロケットおよび後輪スプロケットも同時に変えなければならず操作は複雑な上に覚えられないので実用的でない。
電気変速としてコンピューターが変速するのなら理屈上はできるかも知れない。
青線枠で囲った速度(A〜D)はギア比重なり(ギア比オーバーラップ)によるものであり、それぞれほぼ等しい速度(ギア比)となっている。
例えば、1段(小)のAの15.8km/hと2段(中)のAの15.2km/hは3.9%の差しかなく、ほぼ同一の速度であり、ギア比重なりである。また、2段(中)のCと3段(大)のCは、共に24.9km/hであり、
完全に重なっている。ギア比重なりの速度差を計算すると、A(3.9%)、B(1.2%)、C(0%)そしてD(1.7%)である。
- 切換え順序(A案)
上図([計算結果]の図)の水平および斜めの赤線は低速11.7km/hから高速39.5km/hまでのスプロケットの切換え順序の一例を示している。
この例が示しているように、前ディレイラーは速度レンジ(範囲)を変える(シフトする)ために使われる。ケイデンス70rpmにおける速度レンジは、小スプロケットが11.7〜17.9km/h、中間スプロケットが18.4〜26.8km/hそして大スプロケットが27.9〜39.5km/hとなっている。
切換え順序は、シフトパターンという。
- 切換え順序(B案)
切換え順序の代案(B案)を右図の緑線で示す。
小スプロケットが11.7〜14.1km/h、中間スプロケットが15.2〜29.1km/hそして大スプロケットが31.6〜39.5km/hとなっている。
中間スプロケット使用時には、カセットスプロケットは大から小まで全て使っている。A案に比べて覚えやすく、かつ変速操作も行いやすい。
ただし、有効段数は、1段(小)においては3段、2段(中)においては9段そして3段(大)においては4段の合計16段である。
スプロケットの切換えによる速度変化が視覚的に分かるようにしたグラフを右上に示す。グラフの縦軸は走行速度[km/h]そして横軸は後輪スプロケットの段を表している。クランクスプロケットの段は色の違いで表している。
- 有効段数
ギア比の重なりのために、実質的な段数は見かけの段数(クランクスプロケット段数 x 後輪スプロケット段数)よりも少なくなる。
A案例では、クランクスプロケット1段(小)、2段(中)および3段(大)において使われている後輪スプロケットは何れも6枚だけなので実質的な有効段数は3x6=18段である。見かけ上は3x9=27段であるから、有効スプロケット割合は100%x18段/27段=67%である。残りの33%の組合せは使われない。
B案での有効スプロケット割合は、100%x16段/27段=59%である。41%の組合せは使われない。
- 常用速度
クランクスプロケット3枚構成の場合の常用速度は、チェーンラインがほぼ真直ぐとなる(右図)、前スプロケットの中間スプロケットおよび後輪スプロケット(カセットスプロケット)の中間部で得られることが望ましい。
この計算例では、常用速度は22km/h前後となる。これは経済速度に近い。
ツール・ド・フランスの競技者の多くは、長距離をペダル回転数80〜90rpmそして平均速度50km/h強で走っている。
- 経済速度
任意の距離を走るのに対し、区間エネルギー消費量が最小となる速度は経速度と呼ばれる。体力などの個人差や自転車の種類にもよるが、自転車走行の経済速度は25〜30km/h。
区間エネルギー消費量は低速でも高速でも大きい。 船および航空機などの経済速度(燃料を最も節約できる速度)は巡航速度とも呼ばれる。
- 最高速度
計算例の最高速度(39.5km/h)が出せるかどうかは、その人が出せる動力による。次の計算器で、速度を出すのに必要な動力が計算できる。
参考資料 「必要動力計算器」
- コンパクト駆動
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| コンパクト駆動 |
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| 標準駆動 |
34Tなどの歯数の少ない(小さい)スプロケットが装着できるよう、固定するボルト穴のピッチ円直径(PCD)を110mm以下にしたクランクまたはそのクランクとスプロケットとの組合せはコンパクトクランクと呼ばれる。
そして、このような駆動方式はコンパクトドライブ(駆動)と呼ばれる。
スプロケット穴のピッチ円直径は130mmまたは135mmが現在は主流であるが、昔は110mm以下であった。
コンパクトクランクの利点は質量が幾分小さくなること、かつ左右のペダル間距離が短くなること。
Qファクターを短くしてもスプロケットが小さいのでチェーステイとの隙間が確保できる利点もある。欠点は歯数が少ないため磨耗が幾分早いこと及び互換性に乏しいこと。
標準的なランクスプロケットの歯数は39_53Tであるのに対して、コンパクトクランクのスプロケット歯数は34_50Tに少なくしている(上の写真)。
後輪スプロケット(カセットスプロケット)は、標準的な12_25Tに対してコンパクト駆動では11_23Tであることが多い。
Hamiltonは2002年のツール・ド・フランスにおいて、52_36Tのコンパクトクランクで走った。
- コンパクト駆動と標準駆動の比較
コンパクト駆動と標準駆動の比較を試みた。結果は図に示す。最低速度および最高速度が、それぞれほぼ等しいからギア比もほぼ等しくなっている。
赤線枠はチェーンのたすき掛け、黄線枠はたすき掛けに次いでチェーンの大きな斜め掛けそして青線枠はギア比重なりを表している。
この例の有効段数はコンパクト駆動が75%そして標準駆動が70%となっている。ケイデンス70rpmにおける低速はコンパクトが13.2km/hそして標準が13.9km/hでコンパクトがやや遅い。
高速はコンパクトが40.6km/hそして標準が39.5km/hでコンパクトがやや早い。これらはコンパクトの特徴というよりも、単に歯数の違いによるもの。
前ディレイラーの必要キャパシティは、コンパクト駆動は12Tそして標準駆動は13Tとなっている。後ディレイラーの必要キャパシティは、コンパクト駆動は28Tそして標準駆動は27Tとなっている。
参考資料 「ディレイラーのキャパシティ」
ケイデンスを変えなければ、変速によってギア比が変わり走行速度が変わる。どの程度、速度が変わるか計算する計算器を次に示す。
「多段走行速度 計算器」で得られた、最低速度、最高速度および有効段数を入力すると、平均の速度変化が計算できます。
[計算例]
最低速度11.7km/h、最高速度39.5km/hそして有効段数18段の場合の平均の走行速度変化は、1.6km/hである。
すなわち、任意のギア比から変速すると速度が増加するか又は減少するが、その速度変化の平均値は1.6km/hである。
なお、個々の段(ギア比)に対応した速度変化は、「多段走行速度 計算器」による計算結果を見て、前の段又は後の段との速度差を暗算で計算すれば分かります。
速度変化の小さいカセットはクロウスレシオそして速度変化の大きいカセットはワイドレシオと呼ばれる。
参考資料 「スプロケット群のレシオ」
普通の走行においては、中間スプロケットを使い、後ディレイラーで後輪スプロケットを変えて変速するのが一般的。中間スプロケットで対応できない場合に、1段または3段のスプロケットを使う。そのため、走行時間の90%前後は、中間スプロケットが使われる。
次の理由により、クランクスプロケットは主要な変速を行うのに使い、後輪スプロケットは細かな変速を行うのに使う。
- クランクスプロケットは歯数差が大きいため(歯数差9T〜14T、平均12T)、歯数差が小さい後輪スプロケットほど変速(チェーン移動)が迅速かつ容易でないこと。
- 後輪スプロケットは歯数差が小さいため(歯数差1T〜4T、ほとんど1T)、歯数比(速度)の微調整が出来ること。
- 後ディレイラーはチェーンのたるみ側で変速するのに対し、前ディレイラーはチェーンの張り側で変速するのでチェーンの移動に力がいること。
- クランクの大スプロケットまたは小スプロケットを使うと、チェーンのたすき掛けとなる可能性があること。
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