
賠償責任者
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損害賠償責任があるのは、法的に運行供用者(運行を支配している者)とされている。
自家用車は、その所有者が運行供用者となる。タクシー、営業車または運搬車などの会社の車と事故を起こしたときは、会社(雇用主)が運行供用者となる。

損害請求額
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自転車に乗っていて、車と衝突事故にあった場合、請求できる損害額は、積極損害、消極損害及び慰謝料の合計に加害者の過失割合を掛けた額。式にすると、
請求額 = (積極損害+消極損害+慰謝料)x相手の過失割合
(1)
例えば、積極損害が130万円、消極損害が420万円、慰謝料が410万円、相手の過失割合が80%の場合:
請求額(損害賠償額) = (130万円+420万円+410万円)x0.8 = 768万円
注) 自転車(軽車両)搭乗中に、歩行者に傷害を与えたときの被害者に対する損害賠償額は、傷害が同じなら上記の請求額に等しい。
参考資料 「自転車保険」

積極損害
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積極損害とは、事故によって被害者が支払うこととなった費用で、次の費用の合計額。
1) 治療費
診療報酬明細書または領収書で立証する。
2) 通院交通費
3) 付添看護費
付添人の必要性は医師の指示で決まるので、その必要性を記した診療明細書が必要。
職業看護人は実費そして家族が付添った場合の費用は一日当たり6〜7千円(入院)又は3〜4千円(通院)。
4) 入院雑費
1日当たり1,500円程度。
5) 器具等の購入費
車椅子、盲導犬、義足、義歯、義眼などの購入費。
6) 将来の手術費及び治療費
将来確実に行われる、手術及び治療の費用は、現時点で請求出来る。
7) 家屋等の改造費
障害や後遺症の程度により、浴場、便所、出入口、自動車などの改造費。
8) 葬祭費
不幸にも被害者が死亡した場合の葬祭費。領収書がない場合は130〜170万円。
9) 弁護士費
交通事故のような不法行為による損害の訴訟に限って、弁護士費の敗訴者負担の制度がある。被害者が勝訴すれば、弁護士費も加害者が支払わなければならない。
一般の民事訴訟では、勝訴しても敗訴しても、自分で頼んだ弁護士費は自分で負担しなければならない。

消極損害
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消極損害とは、交通事故がなければ将来得られたであろう利益で、次を含む。
1) 休業損害
治療のため休業したことによる減収分(後記)。
2) 後遺症による逸失利益
治療後に残る機能障害などは後遺症と呼ばれる。後遺症による労力等の能力低下による減収分で式(2)で計算する。
専業主婦は年収として賃金構造基本統計調査結果(後記のリンクを参照)の同年齢の大卒女性の賃金を使う。
年金受給者は年収として年金を使い、労働能力喪失期間として日本人の平均余命(後記のリンクを参照)を使う。
逸失利益 = 年収 x 労働能力喪失率 x 労働能力喪失期間 x ライプニッツ係数又はホフマン係数
(2)
労働能力喪失率は 「後遺障害等級表 」より求める。労働能力喪失期間 = 67歳(就労可能年限) − 事故年齢。ライプニッツ係数は後記。
例えば、年収620万円、後遺障害等級第5級(労働能力喪失率=0.79)そして年齢38歳の場合、労働能力喪失期間=67歳−38歳=29年間に対する
ライプニッツ係数=15.141(後記に計算器あり)より、
逸失利益 = 620万円 x 0.79 x 29年間 x 15.141 = 7,416万円
3) 死亡による逸失利益
将来の所得など(後記)。

慰謝料 |
慰謝料は、病院に通院または入院した場合(障害慰謝料)、後遺症が残った場合(後遺症慰謝料)及び死亡した場合(死亡慰謝料)に限られる。
障害慰謝料
通院または入院の慰謝料の目安は、通院1か月につき10〜30万円そして入院1か月につき20〜60万円。期間が短いほど1か月当たりの金額は大きくなる。
後遺症慰謝料
後遺症に対する慰謝料は後遺障害等級に応じて異なり、第1級では2,600〜3,000万円そして第14級では90〜120万円。
死亡慰謝料
死亡事故の慰謝料の目安は、一家の支柱にに対して2,600〜3,000万円、これに準ずる者に対して2,300〜2,600万円そしてそれ以外の者に対して2,000〜2,400万円。
参考資料 「後遺障害等級表」

休業損害 |
休業損害の請求額は、事故前3ヶ月の平均収入及び事故前年間賞与額より計算する。例えば、平均収入が30万円/月そして年間賞与が120万円の人が5ヶ月間休業した場合:
休業損害 = (30万円/月+120万円/12ヶ月)x5ヶ月 = 200万円
証明書類として、納税証明書または源泉徴収票を用意する。休業期間は医師の診断書で決まる。

死亡による逸失利益 |
死亡による逸失利益は、式(3)で計算する。 死亡すると生活費がかからなくなるので、それを生活費控除率として控除する。
逸失利益 = 年収 x (1−生活費控除率) x ライプニッツ係数又はホフマン係数
(3)
生活費控除率は:
- 一家の支柱 : 0.3〜0.4
- 女子(主婦、独身、幼児含む): 0.3〜0.4
- 男子(独身、幼児含む) : 0.5
ライプニッツ係数は、就労可能年限の67歳と死亡年令の差(労働能力喪失期間)に対して求める。すなわち、労働能力喪失期間=67歳−死亡年齢。
例えば、年収400万円の人が35歳で死亡した場合、労働能力喪失期間=67歳−35歳=32年。期間32年そして年利5%に対するライプニッツ係数は15.8026(次のライプニッツ係数計算器を参照)。生活費控除率=0.3とすると、
逸失利益 = 400万円 x(1−0.3)x15.8026 = 4,425万円
幼児、生徒及び専業主婦の年収は、全年齢平均賃金又は学歴別平均賃金を使う。
年金受給者が死亡した場合は、年収として年金を使い、労働能力喪失期間として日本人の平均余命を使う。
例えば、年金が230万円の人が65歳で死亡した場合、65歳に対する平均余命は18年であり、期間18年そして年利5%に対するライプニッツ係数は11.6895であるから、
逸失利益 = 230万円 x(1−0.3)x11.6895 = 1,882万円
本人が死亡した場合は、親族(相続人)に損害賠償の請求権がある。
第1順位は死亡者の配偶者(1/2)および子(1/2)。
第2順位(子がいないとき)は配偶者(2/3)および死亡者の親(1/3)。
第3順位(子も親もいないとき)は配偶者(3/4)および死亡者の兄弟姉妹(1/4)。
逸失利益は一度に得られるので、それに対する現在から将来までの中間利息は控除することとなっている。中間利息の計算方法としては、ライプニッツ方式(複利計算)及びホフマン方式(単利計算)がある。いずれも民事の法定利率である年利5%で算出する。ただし、安定成長となった日本において年利5%の利率はないとして、年利を2〜4%とする判決も出ている。年利が小さいほど被害者には有利となる。
関東地区の裁判所はライプニッツ式、そして大阪地区、中部地区および東北地区の裁判所はホフマン式を使ってきたが、ライプニッツ式で統一されつつある。
ライプニッツ方式は複利のため控除額が大きくなり、被害者には不利である。
労働能力喪失期間および年利を半角数字で入れて、[計算]を押して下さい
⇒ ライプニッツ(Leibniz)係数が出ます。 |
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物損事故 |
自転車などに損害の生じた交通事故は物損事故とよばれる。物損には自動車賠償責任保険(自賠責保険)の適用がないので、加害者の任意保険または/及び加害者の自己負担で支払ってもらう。
原則として、修理費が損害賠償額となる。自転車店が取りに来た費用およびめがね、衣服等の着衣損害にに対しても請求できる。
損害保険会社が全額を負担しない場合は、加害者が残額を負担するよう示談することとなる。

加害者の過失割合 |
被害者の側にも過失があった場合、損害賠償の金額を定めるについて、この過失を考慮して減額することを過失相殺という。
ただし、自賠責保険においては、被害者の過失割合が 60%以下なら過失相殺をしない。
[事例1:自転車直進]
信号のない交差点で、直進している自転車に左折または右折する車が衝突した場合、車の過失割合は90%(自転車が子供、老人以外) 〜100%(自転車が子供、老人)。交通事故においては、おおむね65才以上の人を老人という。
[事例2:自転車右折]
青信号で自転車が右折している時に、前方から来た車と衝突した場合、車の過失割合は50%(自転車が子供、老人以外)〜60%(自転車が子供、老人)。自転車は青信号で直進して停止し、右折する側の信号が青に変わってから、再び直進することによって右折しなければならない。この規則に従っていないので、自転車の過失は50%(子供または老人は40%)となる。過失相殺により、車の過失割合は100%−50%(40%)=50%〜60%となる。

加害者の素性の確認 |
後日の示談交渉や裁判のため、加害者の素性を確認し記録するか又はデジタルカメラで撮影する。事故とは関係なく、筆記具および手帳またはメモ用紙は常時携帯していると役立つ。
- 運転者の氏名、住所
免許証を見せてもらう。
- 車両所有者の氏名、住所
車検証(車に備付義務)を見せてもらう。ナンバープレートを記録する(陸運局で登録事項証明書を入手する)。
- 運転者の勤務先
名刺をもらう。状況によっては、雇主や所有者にも賠償義務が発生する。
- 保険会社
保険証書(車に備付義務)を見せてもらう。
参考資料 「示談、調停、訴訟」
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警察への届出 |
保険金の請求および事故発生証明に必要な「交通事故証明書」(どんな軽い事故でも必要)を入手するために、警察へ届出をする。加害者には警察への報告・届出義務があるが、届出をしないことがあるので、被害者は権利として届出をする。
警察に連絡すると、警察官が現場に来て調書を作成する。調書の写しは自動車安全運転センターに送られる。交通事故証明書は自動車安全運転センターでもらう。
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時効 |
一定の期間が過ぎたため権利が消滅することを時効という。被害者が加害者に対して持つ損害賠償請求権は、事故のときから3年で時効になる。ただし、損害保険会社に対する保険金請求権は2年で時効になる。
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リンク |
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