宮古緊急座談会 もくじ
第3弾 しょっぺー塩鮭
第2弾 宮古はタコか!?
第1弾 宮古はイカだ!

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宮古緊急座談会  第3弾
しょっぺー塩鮭
■ その秘密が いま明かされる! ■
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出席者(50音順)
occoちゃん・けむぼーさん・shiratoriさん・hajimeさん・やすさん
 
塩鮭の塩抜き
 
じん きのう、晩のおかずは、塩鮭にしました。
 冷凍庫にあった、今シーズン最後の新巻(荒巻)の切り身です。
 解凍するついでに、水につけて塩抜きしました。
 ふと思いました。
 新巻を焼く前に、塩抜きする人は多いだろうか。
 あるいは、水で塩抜きするなんていうのは、新巻に対する冒涜だろうかと。
shiratori 新巻の塩抜きというと、家の両親は酒粕に漬けて塩抜きして食べてますよ。
じん あぁ、酒粕で塩抜きというのはいいですね。
 水に漬けるより風味が増して、うまそうです。
 水につけて塩抜きするときは、真水より薄い塩水のほうが効果的なんだそうです。
 へぇ〜? とか思っちゃいましたけど。。。
hajime 私も塩抜きしますよ。
 いま食べているものは、そうでもないんですが、ヘタクソに作った新巻は、しょっぱいです。
けむぼー しょっぱい新巻ですか。
じん そうです。
 しょっぱい塩鮭を、どうするかですね。
 
新巻を作る過程で
 
けむぼー 実家の場合ですが、新巻は製造の過程で塩抜きします。
 1週間ばかり塩漬けにした鮭を、水槽にしばらくつけ置きして、塩抜きします。
 それからエラや、ヒレの付け根、腹のなかをタワシでゴシゴシと洗います。
 塩やヌルヌルそのほかをこすり落として、身奇麗にするわけです。
 それから干して仕上げます。
 だから、塩漬けしただけのキツイ塩辛さはなく、逆に身からでる美味さが甘く感じられるぐらいです。
 じんさんのそれって、宮古の新巻とは違う、ただの鮭の塩蔵品なんじゃないでしょうか。
 塩抜きしたあと、軽く干してから食べるといけるのでは……
じん なるほど。
 けむぼーさんの実家では、新巻を作る過程で、ちゃんと塩抜きをするわけですね。
 いっぽう、単に塩漬けにしただけの塩蔵品のような塩鮭もあると。
 新巻も産地により、あるいは作っている魚屋さんによって違う――
 そうすると、やはり「しょっぺー塩鮭」とひとからげには言えないということになりますね。
けむぼー  一軒の魚屋でも、新巻の作り方はいろいろです。
 さまざまな味、さまざまな塩加減の新巻がありますね。
 ただ、最初から薄塩だと、あれだけ身の厚い鮭を干し魚にするのは至難の技でしょう。
じん なるほど、薄塩だと鮭の厚い身に行き渡らないということがあるわけですね。
 逆に言うと、腹身とか尾に近いほうの、身の薄いところは塩分が濃くなるということもありそうですね。
hajime 塩蔵は保存方法のひとつです。
 「短期間で食べるならば、塩分は控えめに」
 「長期保存するなら、塩分は多めに」
 これは鮭に限らず、たとえば、イカの塩辛も長期保存する場合は、しょっぱく、ですよね。
 じんさんのいうように、鮭全体に同じ割合で塩を使ったら、肉の薄いところは、しょっぱくなります。
 脂分の多いところ、たとえば頭・目玉・背肉には多めに使うのがコツです。
 
気温によって
 
hajime あと、もうひとつ。
 おととしの秋は気温が高く、加工屋さんでも新巻作りには苦労したようです。
 気温が高くなると、腐りやすいですから、ここでも塩を余計に使わなければなりません。
 このへんの塩の使い方は、けっこう難しいと思います。
 自分でやってみて、それを感じます。
じん 塩加減は、新巻を作るときの気温とも関係するんですね。
 そのへんのことはあまり考えてみませんでした。
 宮古あたりの季候だと、秋に新巻を作るときは腐らないように、冬に作るときよりも塩を多く使わざるをえないということもあるわけですね。
 じつは、「まったく塩を使わずに鮭を天日干しにしたら、どうなるんだろうか?」とも考えていたんです。
 宮古あたりでは無理なんでしょうか。
 つまり乾燥する前に腐ってしまうと。
けむぼー 新巻は、塩抜きしてから干すんですが、寒すぎると鮭が凍みて、うまく干せないようです。
 ことしの1月は寒すぎて、新巻鮭がうまく干せなくて目に遭ったと実家では言っていました。
 塩を使わずに天日で乾燥させるならば、ビーフジャーキーのような干し肉と同じように、薄切りにして一枚一枚干すことで可能だと思います。
 ただし、サケ科は条虫症の恐れがあるので、いちど凍結処理するか乾燥後に加熱してから食べる必要があると思います。
hajime 寒すぎてもダメなんですねえ。
 初めて聞きました。
 私の家では、正月前にほとんど新巻作りは終わってしまうので、わかりませんでした。
けむぼー やはり正月前に新巻作りは終わるべきもののようです。
 
鮭ジャーキー = トバ
 
hajime 鮭ジャーキーは、もしかして、トバというヤツかなあ。
けむぼー トバは本来ホッチャレから作るようですが、ハラコを採ったメスとかを使うようです。
 脂の乗った鮭のトバも道内では土産で売ってます。
 こっちのほうが風味があって美味しいです。
じん トバっていうと北海道というイメージが強いですね。
 アイヌ語で「鮭の群れ」というような意味だと聞いたことがあります。
 宮古あたりでも作ってるんでしょうか。
hajime 昨年の春のことですが、魚菜市場で、カクダイさんだったかなあ、自信がありませんが売っていました。
 青森県のある漁協で作ったやつを食べたことがあったんですが、うまく味付けしていたのを覚えています。
 ところが、たくさんの化学調味料が袋に書かれてました。
 一方、魚菜にあったものには、自然のままとか書いてあったと思います。
 味は鮭の生臭さが残った、まるで新巻をバラしたようなトバでしたね。
 でも、気にいってました。
けむぼー トバの作り方を見ると、単純に塩加減だけでなく、味醂・醤油・焼酎とかで味付けをするようですね。
 化学調味料ですか……
 妙に甘ったるくて後味がきづーのがそんな感じですね。
 いままで気にしないで酒のつまみにしてました。
 これからは気ぃつけます。
じん トバも変に味付けしてない素朴なものがいいですね。
 宮古のトバでネット検索してみると、ひっかかってくるのは「水産宮古を考える会」というところが売っているトバスティック。
 これは加工業者さんの団体かなにかでしょう。
 寒干し鮭というのが商品のメインのようです。
 
好みの違い
 
やす 自分的には、新巻でもハラスのあたりが食べられるぐらいのほうが好きですね。
 こしょっぺーのが好みです。
 熱々のおまんまに、こしょっぺー新巻を載せで、ほうじ茶をかけで食ったり、水茶漬げにしたり、おにぎりにして、ご飯さ塩っけが染み出たどぎどが、たまんねぇがねぇ。
 なんだかんだ喋っても、ただしょっぺーだげの、スーパーなんかの塩蔵シャゲでは、新巻さは勝でねぇ。
 仙台では塩蔵シャゲを塩引きというどもね。
けむぼー やすさん、うちの実家の新巻は、基本的には塩抜きをきつくするので、甘塩に仕上げます。
 ただ、お客さんによっては、塩抜きを控えめにして、しょっぱく仕上げてくれという注文もあるようです。
OCCO 三陸の新巻は、北海道のと製法そのものがまったく違います。
 新潟の村上のものが近いし味も似ています。
 うちでは、しょっぺー新巻は夏まで取っておいてカラカラにし、薄く切ってあぶり、お茶漬けにしたり、おにぎりに入れたり。
 最近は、すべて甘塩甘塩になって、特にしょっぺー塩マスを見なくなりました。
 一切れでごはん3膳食べられるような、しょっぺー塩マスも、あれはあれで、またうんめー。
 体には悪いけれど。
じん しょっぺー新巻が好ぎだぁっつう人も多いどもす――
 と、なぜか急に宮古弁になってしまいますが、近頃の子どもは、しょっぺーど箸もつけねぇ。
 せっかぐ焼いで出しても、あれでは困ったぁもんだ。
 
塩辛の場合は
 
OCCO しょっぺーというと塩辛ですね。
 でも、イカの塩辛なら、4日ぐらいで変質するような塩加減のものが最高だと思うんです。
 常温でいつまでも腐らないM社のものなんか、化学記号オンパレードで、しょっぱいのなんの。
hajime 塩辛は、OCCOさんの意見に賛成。
 味が変わんねーよーに唐辛子をなんぼか入れれば、いぐらがもづ。
じん なるほど、薄塩の塩辛に唐辛子を入れる――
 初めて聞きましたが良さそうですね。
けむぼー いままでいちばん塩辛かったのは、長崎に行ったときに買った、シオマネキを原料としたガニ漬けでした。
 箸の先にちょっとつけた量で、茶碗一杯のご飯が食べられます。
 普通の塩のかたまりを舐めるより、しょっぱく感じられるのも不思議です。
じん ほほぉ、ガニ漬けですか。
 ガニ漬けというと、シオマネキという蟹をまるごとつぶして塩漬けにした、塩辛のようなものらしいですね。
 有明海のほうの名物らしいですが、食べてみたいですねぇ。
 ちょっと話が塩鮭から離れてきましたが……
 
自分で作る
 
hajime おらぁ塩鮭は、しょっぱぐねえのがいいど思う。
 おらんどこでは、サゲ(鮭)はフィレにして、薄塩で2日ぐらい干して焼いで食う。
 サゲの塩焼ぎは、これがいぢばんうんめーど、おらあ思う。
 あぐまで生がうんめー。
 できれば、みやごさ来て、生の味を食ってければ、最高。
じん 生を3枚に下ろしてから薄塩をし、2日ぐらい干す――
 生に近くてうんまそうです。
 塩鮭も、できたら自分で作ってみたほうがいいですよね。
 けむぼーさんが、さっき実家の新巻の作り方を披露してくれましたけど、おさらいすると、
 @ 1週間ほど塩漬け
 A 水槽にしばらく漬け置きして塩抜き
 B エラやヒレの付け根、腹の中をタワシでごしごし洗い、塩やヌルヌルをこすり落とす
 C 天日干し
 こうすると、ただの塩漬けのようなキツイ塩辛さはなく、逆に身から出る美味さが甘く感じられる新巻ができる――
 どうでしょう、こんな感じで自分で作ってみるのもいいかもしれませんね。
 
                     2006.8.31掲載
 
                              宮古 on web へ
 
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宮古緊急座談会  第2弾
宮古タコか!?
■ タコを宮古の名物に! ■
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 出席者(50音順)
うららさん・OCCOちゃん・きっちゃん
けむぼーさん・公平2さん・HALさん・やすさん
 
宮古はタコだ!
 
OCCO 宮古はタコだ。
 こんど帰省してみてわかった。
 宮古はタコです、たこ! 蛸!
じん おぉ!
 いきなり、まさに唐突に、緊急座談会第2弾「宮古はタコだ!」の開幕がOCCOちゃんによって高らかに宣言されたようです!
OCCO イカは全国いろいろなところで獲れ、それぞれ威張っている。
 でも、タコはそうじゃない。
 明石のタコは有名だけれど真ダコ。
 宮古のタコは無名だけれど水ダコや石ダコだ。
 “真”がつくと偉そうだが、味はぜったい“水”だ。
 私が言うから正しい。
 とにかく、ちゃんと調理された宮古のタコは、やわらかくて、うまい。
 じわーっと海のおいしさが感じとれる。
 50年生きてきて、その実力を初めて知った。
 タコにうろこはないけど、目からうろこが落ちっぱなしになる。
 「宮古の専業漁師でしっかり生活できるのはタコ漁師しかない」
 と青年漁師も言っていた。
 年間で安定した漁もあるらしい。
 宮古の料理屋では、いまドンコで気合いを入れている。
 年間を通してやるなら、キーワードは絶対“タコ”。
 宮古はタコだ。
 スーパーで売っているモロッコあたりのタコを食べてタコを語ってはいけない。
 みんなで宮古のタコを食べよう!
 宮古のタコを語ろう!
じん さぁ皆さん集まってくださいね。
 緊急座談会第2弾のテーマは“宮古はタコだ!”です。
 いや、「宮古はタコか!?」がいいかな?
 サブタイトルは“明石の真ダコがなんだ!”です。
 いやいや、明石の名を出すのもなんですから、「タコを宮古の名物に!」にしましょう。
 ここで、ちょっとウンチクを披露しておきますと、宮古で獲れるタコは水ダコ・石ダコ・真ダコの3種類。
 このうち真ダコは少ない。
 宮古でタコといえば水ダコや石ダコ。
 そして、水ダコというのは正式名称がヤナギダコ。
 石ダコというのは正式名称がミズダコなんだそうです。
 ややこしくて頭が混乱します。
 現物を見てもぼくには区別がつきそうにもありません。
 とにかく水ダコや石ダコは真ダコよりやわらかいというのがポイントですね。
 宮古のタコは、やわらかくて、子どもから年寄りまで食べられる。
 ――しかし子どものころはタコって苦手だったなぁ。
 いやいや、好きですよ、いまは。
 オトナになって好きになりました。
 いいですね、タコ!
 あぁ、茹でたての刺身、食いたいなぁ。
 なにはともあれ、この緊急座談会をきっかけに、タコを宮古の新しい名物にできたらいいなと思います。
 宮古はタコ。
 蛸ノ浜もあることですし……
 
蛸ノ浜もある! タコ焼きはない
 
やす 蛸ノ浜と言えば、蛸ノ浜が本家だったオバーヤンは、
 「人食いオオダコがいだったっけぇに蛸ノ浜ってしゃべんだぁが」
 って、おらんどう、わらすさはしゃべってだったぁども、本当の由来は、なんだったんだぁべぇね。
けむぼー 蛸ノ浜の独特の景観、自然にできた岩の穴もタコ穴のイメージですね。
 「夜になっつーど、タゴがどうが、そごらへんの畑さ上がってきて、スイカだーの野菜だーの取りに来んだーよ」
 と、もっともらしく年寄りたちが言うのを、わらすんどぎは信じてました。
じん 「デエゴ泥棒」という畑の大根を盗みにくるタコの民話も蛸ノ浜に残っているようです。
 人食いオオダコかどうかはわかりませんが、蛸ノ浜という名前は、浜の主のオオダコが棲むタコ穴があるという伝承からついたというような話も聞いています。
 タコがいっぱい獲れたんでしょうか。
 浄土ヶ浜の北隣りにある海水浴場・漁港ですね、蛸ノ浜は。
 浄土ヶ浜とは細くて長いトンネルでつながっている。
 浄土ヶ浜の白い岩とは対照的に黒っぽい岩肌で、浄土ヶ浜が石浜なのに対して蛸ノ浜は砂浜です。
OCCO そうだ、宮古には蛸ノ浜まである。
 タコは年じゅう獲れるし、しみじみおいしい。
 漁師もがんばっている。
 やっぱ「宮古はタコだ」。
 浄土ヶ浜につづく蛸ノ浜も入れて、観光PRまでできるではないか。
じん そうだ!
 蛸ノ浜もある!
 タコ焼きはない!
 輸入もののタコのほとんどはタコ焼き用だと聞いたおぼえがありますが、そういえば宮古にタコ焼きってなかったですね。
 もともと関西系の食べ物だけど、いまは宮古でもあるんだろうか?
HAL タコ焼きはわかりませんが、お好み焼きならあります。
 
宮古はタコのみ焼き!?
 
やす みやごのお好み焼き屋といえば、“あずさ”と“あかね”が二大勢力です。
けむぼー 二幹線の郵便局の前にあるのが“あかね”で、花の木通りにあるのが“あずさ”でしたっけ?
 お好み焼きのうまさは東京に行ってから知りました。
 関西にいたときは、関西風のお好み焼きに嵌まりました。
 広島に出張で行って広島風のお好み焼きの美味しさを知りました。
 ついでに明石に運転免許をとりに行って“明石焼き”はお好み焼きのバリエーションではないことを知りました。
 北海道に来て初めて入ったお好み焼き屋で“もんじゃ焼き”を初めて食べました。
 富山に行って食べたお好み焼きチェーン店で二度とお好み焼きは食べまいと思いました。
じん 明石焼きというと、明石のタコを使ったタコ焼きの元祖のようなものらしいですね。
 昔は宮古にタコ焼き屋もお好み焼き屋もなかった。
 あったかもしれないけど知りませんでした。
きっちゃん やすさんとは世代が近そうですね。
 おいらにとっても、お好み焼きといえば“あずさ”と“あかね”の二大勢力ですよ。
 んで、おらぁ文句なく、あずさ派でごぜんす。
 あかねにはマヨネーズがなかった。
 なので、だれかが“まるしん”まで使いっ走りになるのです。
     (後注=スーパーマーケットまるしん、2004年12月閉店)
 が、それに加えてひと悶着あるのが、マヨネーズはキユーピーか味の素かということ。
 あずさはマヨネーズ標準装備。
 無駄な争いは起こらず、平和にお好み焼きを堪能できるというわけです。
 学生のときからミックスが好きだったのですが、いまはコーンが入るようになって、以来「ミックス。コーン抜きで」とわがままオーダーをしてしまうようになりました。
 お好み焼きにコーンは邪道と思っているのです。
 数年に一度のことなので、おばちゃん許してね。
やす そーすかぁ、マヨネーズって論点もあるんですね。
 おらんどうのどぎは、キャベツの切り方が論点でした。
 ちなみに、私は、両店とも好きです。
 あずさは、みじん切り+繊細?――ゆえに彼女と行ぐ。
 あかねは、千切り+ボリューム――だから、おどごんどうど行ぐ。
 そんなイメージがありました。
じん マヨネーズはキユーピーです!
 というかキユーピーしか売ってなかったです、昔は。
 それはともかく、お好み焼き文化は、いつのまにか宮古にも定着してたんですね。
 宮古ならではのメニュー、「これぞ宮古のお好み焼き!」みたいなものがあるといいなぁ。
 そうだ、タコ、タコ!
 宮古のお好み焼きは、タコを具のメインに据えた“タコのみ焼き”にすると、ここで決めましょう!
 
タコのミミ
 
けむぼー タゴはうんめぇがねぇ。
 タゴの口とか、イカの口とか、カラストンビつぅんでしたっけ、よく使う筋肉はうんめんだーがねんす。
やす むがし――サッパ乗りのオジーヤンがどうは、タゴを獲っど、すぐ大鍋で煮でだったぁ。
 おらがどうが見でっと、「ほら食ぇー」って。
 口だぁの、ミミだぁの、もらって食ったったーなぁ。
 うんめがったーなぁ。
けむぼー やすさんやすさん、タゴのミミっづぅのは、どごらへんだーべ?
じん イカのミミの間違いじゃあないですか?
やす タゴのミミとは、たぶん白子ではないかと思います。
 その形状が耳のようだったからでしょう。
 むがしから漁師の間ではミミと言ってました。
 一般に流通しているのは見たことありません。
 なんたって鍬ヶ崎のわらすのおやつですから(笑)。
 町場の人が知らなくても仕方ないと思います。
 食感は、タゴの身とは異なり、ちょっと硬めになったタラキクって感じです。
 たぶん、漁師の方だったらわかるはずです。
けむぼー そうでしたか。
 タゴのミミは精巣ですか。
 子どものころは家でも釜でタゴを炊いったんで、よく「こら、蛸炊き手伝え!」って親父に言われったんで、耳にタゴはでぎったんだーども、タゴのミミは知らなかったぁがねんす。
 
タコの頭に毛?
 
HAL あのぉ、友達に聞いた話なんですけど……
 「タコの頭に毛があるの知ってる?」
 と言っていました。
 えっ? と思ったけど、よく考えると、丸こままの生のタコを見たことないような気がする。
 宮古人失格ですね。
じん タコの頭に毛?
 なんでしょう??
 オバQを連想しちゃいますね。
うらら タコの頭の毛……
 わたしも記憶にないですね。
HAL 表面に生えているのではなくて、頭の部分をしごくと、人間の毛と同じような毛が出てくるんだそうです。
 話をしてくれた人は、その毛を見てから頭の部分は食べられなくなって、いまは絶対に足しか食べないと言っていました。
 これは崎山方面の方からの情報です。
じん ちょっとゾクッときますね。
うらら タコの毛……
 そんな不思議なものだったら、いちど見てみたいですネ。
 
タコ踏んじゃった♪
 
うらら 私の家でもタコを大きな釜で炊いていました。
 「石川五右衛門みたいで熱くて可哀そうだから、手を合わせてナムアミダブツとお祈りしてね」
 と母から言われ、かまどの横で何度も、
 「イシカワゴエモン、ナムアミダブツ……」
 とお祈りしていました。
 土間にあった、薪をくべる大きなかまどでした。
じん かまどの大鍋でタコを炊くっていうのはすごいなぁ。
 タコも大きいんでしょうねぇ。
 炊き方によって、味とか、硬い・柔らかいとか、ずいぶん違うんだろうし、難しいんでしょうね。
 宮古でも、ふつうの家では店で炊いて切ったやつを買ってくるだけで、一匹丸ごとどうこうするもんじゃないですし。
けむぼー 子どものころよく手伝わされましたが、タコ炊きの前には“タコ踏み”という大事な仕事がありました。
 さて、ここでタコQです。
 タコ踏みはなんのためにするんでしょう?
OCCO タコQのアンサー。
 タコ踏み――かつて宮古ではタコを食べることが禁じられていた。
 しかし、そのおいしさにどうしても食べたい人たちがいて、法に逆らい、こっそり食べていた。
 これを“隠れタコシタン”という。
 為政者は隠れタコシタンを見つけるためにタコを足で踏みつけるタコ踏みをさせ、できなかった者を打ち首にした。
 そうした悪政に対し、鍬ヶ崎を中心に反乱が起こった。
 いまに語り継がれる“蛸ノ浜の乱”である。
 タコ踏みは、悪政への抵抗の意味をこめ、タコを敬うために、こだわりの魚屋にいまでも伝承されている。
じん あははは。。。おもしろい説ですねぇ。
 しかしほんとは、タコの息の根をとめて大釜から逃げ出すのを防ぐためでは?
 ♪タコ踏んじゃった、タコ踏んじゃった、タコ踏んづけちゃったら死んじゃった――という歌もありますから。
タコ ないない!
 そんな歌はないっ!
じん あっ、タコさん!
 炊いてる最中に釜から出て這いずっちゃだめです。
 戻って戻って!
公平2 友達が釣りに行ったらタコが釣れて、帰りの車のなかで入れ物から抜け出して這いずりまわっていたそうですよ。
 
タコ踏みの真実
 
HAL 洗濯機でガラガラしてから炊くと、やわらかくなるとか聞いたことがあります。
 宮古のやわらかいタコには、タコ踏みという隠し技が存在するのでは?
 それとも、墨を吐かせてしまうのかなぁ。
うらら 私はHALちゃんの答えのあとのほうの、「踏んで墨を吐かせる」だと思います。
 私の家で炊いたとき踏んだ記憶はないのですが……
公平2 タコは生の状態だとヌメリがあって、塩でもんでヌメリを取るような話を聞いだごどがあっともねんす。
 そんどぎに、踏んずびってんでねーべーが?
じん HALさんの洗濯機でガラガラという話は聞いたことありますね。
 そうすると、タコ踏みは公平2さんの言うヌメリを取る説あたりが当たりっぽいなぁ。
けむぼー 公平2さん、ピンポ〜ンです。
 基本的には、塩を入れて踏むことでヌメリが取れるようです。
 踏むことで身もやわらかくなるんでしょう。
 タコ墨は、踏むまえに抜くんだそうです。
 そうしないと、入れ墨ダコになって――体に墨がついて汚くなってしまい、きれいな体にもどすのがたいへんなようです。
じん なるほど、知らない話ばかりで勉強になりました。
 ということで、この緊急座談会は唐突に終わります。
 始まりが唐突なもんで……
 そのうち機会をみつけて続きをやりましょう。
 今回も急に集まっていただき、みなさんありがとうございました。
 タコが宮古の新しい名物になることを祈りつつ、ではでは。
                           (拍手)
 
                    2006.2.22掲載
 
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宮古緊急座談会  第1弾
宮古イカだ!
■ 宮古のイカ・スルメ ―― その深奥に迫る!■
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 出席者(50音順)
うららさん・きっちゃん・珊瑚さん・JANさん
 
なんたってイカの刺身! さて薬味は?
 
じん え〜、唐突ですが、宮古といえばイカです!
 烏賊!
 スルメです!
 というわけで、緊急座談会を開くべく、きょうはみなさんに急遽、集まっていただきました。
 まだ息を切らしてる方もいるようですが、かまわずに進めましょう。
 宮古では生のイカをスルメとも呼びます。
 干したスルメ、生のスルメ、どっちもおいしいけど、やはり新鮮なイカ刺し、スルメの刺身は最高ですね。
 上京してびっくりしたのは、イカの刺身のまずさでした。
 とくにスーパーで買うイカ刺しにはがっかり。
 カルチャーショックというか、「こんなもんをイカ刺しと呼ぶな!」っていう感じ。
 詐欺じゃないのかと。
 モンゴウイカの刺身というのも上京して初めて食べましたが、あれもだめでした。
 やはりイカは宮古じゃなくちゃと思いましたね。
 ワサビをピリッと利かせ、アツアツのご飯に載せて食べる宮古のイカ刺し!
 あぁ、たまりませんねぇ。。。
うらら 私も上京してからはほとんど野菜、お肉、卵、お豆腐の日々でした。
 東京の魚はみんな古くなって痛んでいるように感じたので、ほとんど食べられませんでした。
 宮古のスルメのお刺身は、本当においしいですよね。
 できるだけ細く切ってショウガで食べるのが好きでした。
じん ちょっと太めに切ってワシワシ食べるのもいいですが、イカソーメンもいいですね。
 ところで、薬味はショウガ?
 ワサビじゃあないんですねぇ。
JAN 薬味は絶対の下ろしショウガ派。
 そして酢醤油です。
 それ以外は認めません。
 山ほど食べます。
きっちゃん それ以外は認めませんってJANさん、そんなケチなこと(笑)言っとがんすんな。
 ショウガでもワサビでも酢醤油でも、いろいろ楽しむべし。
じん す、酢醤油ですか!?
 酢醤油では食べたことがないなぁ。
珊瑚 鍬ヶ崎でも酢醤油で食べましたよ。
 イカの刺身は朝のおかずでした。
 朝、リヤカーで売りに来るおばさんから買って、母がすぐに刺身に。
 私はあまり好きではなかったのですが……
 その頃は、一夜干しの焼いたのや、天ぷら、佃煮が好きでした。
じん やはりスルメの刺身には酢醤油ですか。
 宮古あたりは酢醤油が基本なのかなぁ。
 こんど試してみましょう。
 でも自分でさばくのは皮を剥くのが面倒で。
 うまく剥くコツってあるんでしょうか?
JAN 鮮度がいいイカは、耳から縦に引っ張ると、スルリと剥けます。
 失敗したら、乾いた布、あるいはキッチンペーパーで剥くと簡単です。
 
フとシロッコ
 
JAN 皮を剥かずに包丁でニュルニュル削りとり、塩で水気を出したフを混ぜると、なんとも変わったおいしさが楽しめます。
 フの先っぽの白いのがシロッコ。
 これも集めて食べましょう。
うらら シロッコっておいしいの?
 捨てていました。
 フは混ぜていたけれど。
 次からは食べてみますね。
きっちゃん スロッコを集めるのは無理っすよ。
 加工場でもないかぎり、そんなにイカだけをさばくなんてありえません。
 宮古近辺ではスロッコを集めた冷凍モノが商品化されてますから、それを買ってみるのがスロッコへの近道と思われます。
じん シロッコ、スロッコというのは白子、オスの精巣ですね。
 スロッコ汁っていうのもうまいそうです。
 
イカの塩辛
 
きっちゃん 以前JANさんから聞きましたが、塩辛に柚子コショウを少し入れるのは良かったですよ。
 一度やってみて気に入りました。
じん 塩辛をつくるときは針ショウガを入れるとおいしい。
 身の本体は刺身にして、耳やゲソを塩辛にします。
 フやスロッコ、あと食べられそうなところはみな適当に切って塩辛に混ぜてしまいます。
 去年の秋に大きな瓶につくったのがまだあって、1回つくると長持ちして楽しめますね。
JAN ぼくは塩辛はかなり甘塩でつくるので、熟成が早く、冷蔵だと1週間ほどでまずくなってしまいます。
 だから、いっぺー作ると小分けにして冷凍。
 少っつずつ食べています。
 じんさん、かなりしょっぱくするんでしょうね。
 かつて“陸の孤島”だった重茂(おもえ)では、塩の量を変えて浅い順に秋・冬・春と食べついでいったのだそうです。
じん 塩辛は名前のとおり「塩っ辛っ!」という感じにつくります。
 宮古弁だと「しょっぺー!」ですね。
 カビも生えず、冷蔵でいつまでももちます。
 そのかわり塩鮭のように水にさらして塩抜きしたりするわけにはいかないので、しょっぱすぎると感じたときはお酒をたらして塩分を薄めるぐらい。
 でも、だいたいそのままちびちび食べたり、ご飯にちびちびのっけたりして食べてます。
 ご飯にのっけて熱いお湯をそそぐと、ふわっと潮の香りがただよいます。
 
塩辛づくりの秘伝
 
JAN それではこのへんで、イカのメッカ宮古の塩辛を、より旨くするコツを伝授いたしましょう。
 材 料
 @ 宮古の新鮮なイカ
 A おいしい塩(精製塩はNG)
 B 柚子
  以上。
 作り方
 @ ふつうにおろし、皮を剥く。
 A フをザルに取り、ふり塩(ちょっとしょっぱいぐらいが適量)。
 冷蔵庫で半日置く。
 余計な水分が出て旨みがぎゅっと。
 B Aと同時に身を2時間ほど風干しに。
 同様に余計な水分が出て旨みがぎゅっと。
 C 身を短冊に切り、フを絞って、柚子を刻み入れる。
 これで、料亭の味になります。
 水分を取るのを「する・しない」で、味が一変。
 日持ちもします。
珊瑚 塩辛は父がよく作っていました。
 自分が食べないので自分で作ったことはないですけど、料亭の味に挑戦してみたくなりました。
じん 塩辛にするイカを干すなんて、考えもしなかったなぁ。
 こんど新鮮なイカが手に入ったらやってみます。
 
スルメ伸ばし
 
珊瑚 9歳上の姉の話ですが、二中(宮古第二中学校)でスルメ伸ばしをしたそうです。
 男子生徒はお昼になると家に帰り、そのまま家の仕事――浜を手伝うので戻って来なかったそうです。
 残った生徒は午後の授業にスルメ伸ばしをさせられたことがあるそうで、「あのときの手間賃は学校で貰ったのかな?」と姉が言っていました。
 二中が佐原に移転する前、戦後数年しか経っていない時代のことですね。
 スルメには、なぜかたくさんの思い出があるような気がします。
じん スルメ伸ばしというのはイカを開くんですね?
珊瑚 う〜ん、というか、スルメの形を整えて束ねやすくするんじゃないかと。
じん なるほど。
 きれいに伸ばさないとカサばりますもんね、スルメって。
 浜っ子は家の仕事をずいぶん手伝ったみたいですね。
 最近読んだ田村一平という人の「三陸の海から」という本でも、山田町で中学時代にイカ釣りを手伝っていたという話がありました。
 二中は佐原というか日の出町ですよね。
 その前はどこにあったんでしたっけ。
珊瑚 はっきりとした記憶ではないのですが、二中はいまの鍬小(鍬ヶ崎小学校)のところにあったと思います。
 向かって右側の校舎――おくまん様(熊野神社)寄りの裏が「さくら町」になります。
 私たちのときは家の仕事、浜の仕事を手伝うために学校を休む生徒は、ほとんどいなかったような気がします。
 鍬ヶ崎の場合は、カゼ、ワカメ、アワビの口開けのとき、午前中だけ休む男子がいたような気もしますが。
じん カゼはウニですね。
 口開けっていうのは解禁日、漁をしてもいい日のことですね。
 
ノシイカ
 
珊瑚 母は家で干したスルメを、どこかでノシイカにしてもらっていました。
 焼きノシイカ?は何倍もの大きさになり、すごい量になります。
 甘いノシイカと違い、スルメだけの味で、醤油をちょっとつけておやつとして食べました。
うらら 珊瑚さんのおっしゃったノシイカと同じようなのものだと思いますが、末広町の“べにや”の左隣りにあるお土産物屋さんの店頭でも作って売っていました。
 イカをプレス機のようなものに通すと、あっという間にノシイカになって出てきました。
 香ばしい匂いと、手品みたいに出来るのが楽しくて、よく立ち止まっては眺めていました。
 添加物の入っていない素朴なノシイカ、おいしかったですョ。
じん べにやの左隣りというと山康(やまやす)商店ですね。
 しかし知らなかったです、そんなノシイカが売られていたとは。
 駄菓子でも味のついた出来合いのノシイカってよくありましたが、素朴なというか、これぞ本物! という感じですね。
 干した半生の、焼いたの、両方あるんですね。
 う〜ん、イカ・スルメは奥が深い!
 ――ということで、きょうはおしまい。
 ちょっと物足りない気もしますが、またやりましょう。
 急に集まっていただき、ありがとうございました。
                 (パチパチパチと盛大な拍手)
                     2005.5.1掲載
 
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