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2004年ドラフトニュース    メジャー球団

2004.7.22    ダルビッシュ獲りマリナーズ本気
イチロー外野手(30)が所属する米大リーグ・マリナーズが、東北(宮城)・ダルビッシュ有投手(3年)獲得に乗り出していることが21日、分かった。この日、チーム関係者2人が東北・伊具戦(宮城球場)を視察。球場では無言を貫いたが、関係者によると、既に本格調査に乗りだしている。決勝戦が行われた鹿児島では、鹿児島実が逆転で鹿屋中央を下し、6年ぶり15度目の優勝を決めた。22日には北北海道で決勝が行われる。“みちのくの怪物”獲得へ、世界が動いた。米マリナーズだ。この日、ネット裏にはダルビッシュ視察のため、日本ハム、ヤクルト、近鉄、米ドジャースのスカウトが集結していた。その中に見慣れぬ2人のスカウトの姿があった。日本人と米国人のペアが、長身右腕の投球練習を真剣なまなざしで追っている。2人は取材に対し「シアトルです」とキッパリ。「それ以外は何も言えません」タンパリング(事前交渉)に抵触する恐れがあるため、名前、役職、視察ポイントについては一切、無言を貫いた。だが、ある球界関係者は「どうやらマリナーズは、本気でダルビッシュ獲得を狙っているようだ」と証言した。その身体能力について、調査を着実に進めている模様だ。現時点で、ドラフト1巡目指名を公言しているのが日本ハムだけという状況も、マ軍側には獲得に向け“脈あり”と認識されているという。マ軍では現在、イチローが中心打者として活躍。東北高のOB、佐々木(現横浜)が昨年まで在籍し、任天堂が親会社になるなど、米メジャーの中でも日本とは縁が深い。実力だけでなく人気面でも、超高校級右腕は欲しい逸材と目されている様子だ。渦中のダルビッシュはこの日温存されて、試合への出場はなし。マ軍の視察は“空振り”に終わった。試合後、19日に秋田商・佐藤剛士が自己最速と同じ150キロを記録したことに「目立たれたら困るので、ほどほどにして欲しいです」と“ダルビ節”で、報道陣の爆笑を誘った。「調子は上がってきています」心身ともに絶好調の右腕。その剛球に、世界の視線が注がれていく。


2004.6.17    日大・那須野獲りメッツも参戦
優勝を逃した日大・那須野(中)は東北福祉大のトロフィーを悔しそうに見つめた(カメラ・越川 亘)  巨人が争奪戦に参戦した日大・那須野巧投手(21)について、米大リーグのメッツも獲得に乗り出すことが16日、分かった。 大学NO1左腕をメジャーが見逃すわけはなかった。メッツ関係者が「十分メジャーでも通用する素材。興味深く見つめています。これから本人がメジャーに挑戦する意思があるかどうかも含めて、調査していきたい」と意思を表明した。すでに大慈彌功極東担当本部長が東都リーグ、大学選手権でも視察済み。ネット裏から熱視線を送っていた。 那須野にはロッテ、オリックス、横浜、中日、阪神、ダイエーが自由獲得枠で、巨人も4巡目での獲得に乗り出しており、さらに西武も高い関心を寄せ、8球団での争奪戦となっていたが、これにメッツが加わる。 この日、那須野は大学選手権決勝、東北福祉大戦に先発。初回に42イニングぶりの失点となる3点を献上した。立ち直り、5安打9奪三振で完投したが、チームは敗れ準優勝。「やっぱり日本一になりたかった。初回がすべてですね」と唇をかんだ。 メジャーという選択肢も増えた進路に関しては「(メジャーが)興味を持ってくれていることは、ありがたいです。大学選手権も終わったし、これからじっくり監督と相談しながら考えたい」と話した。 


2004.4.13    日大・那須野に日米スカウト熱視線
点を取られる気配がなかった。日大・那須野が192センチの長身から繰り出す直球で押す。8回2死二塁でも代打・新岡に4球すべて内角直球で見逃し三振。打線の援護は1点だが、三塁も踏ませぬ投球で6安打完封。「先に点をやらないことだけ考えていました」と涼しい顔を見せた。 この冬、1日10キロの走り込みで体重は4キロ増加。下半身強化により「フォームもより大きく投げられるようになった」この日は最速145キロ。「中盤以降は少し抑えた」というが常時140キロをマークし続けた。ネット裏には日米12球団のスカウトが大挙。自由獲得枠で狙うロッテ・永野スカウトが「あの内角の直球はプロでもなかなか手が出ないよ」と絶賛。8人が集結したオリックス・小林スカウト部長も「安定感がぐっと増した」と目を細めた。だが今、欲しいのは東都制覇。「僕に勝ちがつかなくてもいいんで、トータルで勝ちたい」と言い切った那須野がこの上ないスタートを切った。


2004.3.27    ダルビッシュにメジャー7球団マジ視線
巨人の吉田孝司編成部長が26日、ダルビッシュを「高校生としてトップクラス」と絶賛した。ネット裏観客席でノーヒットノーランを見た吉田部長は「去年より投球術がうまくなった。力の入れどころがよく分かっている。いい意味で相手を見下していた」と、これまでの素質に“頭脳”が加わったことを評価した。シダックス・野間口貴彦投手(20)、明大・一場靖弘投手(21)と並び今秋ドラフト注目の「ビッグ3」に挙げられている。野間口、一場の獲得を目指す巨人は、基本的に自由獲得枠を使う戦略を立てているが、超高校級右腕の将来性にも注目している。メッツ、マリナーズなど米メジャー7球団も熱視線を送った。米国でも高評価されており「あとは本人が米国へ来るか、日本でやるかだけですね」(メッツ・大慈彌スカウト)とダルビッシュのメジャー決断を望む声もあった。また、近鉄の足高圭亮・球団代表兼編成部長が大阪ドームで「高井のころから関心を持っている。今後も調査を続けたい」と、ヤクルト・高井雄平投手(19)=東北出身=がドラフトの目玉だった2002年から関心を持っていたことを明かし、獲得に名乗りを上げた。 1巡目指名候補に挙げている日本ハムのほか、中日、オリックス、ダイエーなどが争奪戦を繰り広げそうだ。 

今秋ドラフト 最大8球団の争奪戦も
ノーヒットノーランを演じたダルビッシュの成長で、今秋の自由獲得枠とドラフトで12球団の戦略が大きく変わる可能性が出てきた。現在、ダルビッシュの1巡目指名を公言しているのは日本ハムだけだが、中日、ダイエー、近鉄、ロッテも1巡目の最有力候補としてリストアップ。シダックス・野間口と明大・一場を自由獲得枠で狙う巨人と阪神をはじめ、西武、横浜など自由獲得枠を使うことを想定している球団が、争奪戦から撤退し早い時期にダルビッシュのドラフト指名に切り替えることも予想される。 ダルビッシュを密着マークする巨人・大森スカウトが「野間口、一場も決まったわけではないから。ドラフトは何が起こるか分からない」と話す通り、争奪戦は最大で8球団。ここに日本球界が最も警戒するメジャーが加わる。この日はメジャー6球団が視察。メッツの大慈彌環太平洋担当本部長は「精神的に大人になった。あとは本人(の意思)次第だね」と言った。記録は日米争奪戦激化の合図でもあった。

ダルビッシュ(東北) ドラ有利 獲得は6球団の争いか
甲子園に球場にいた誰もが驚きの声をあげた。とても高校生のピッチングではない。ネット裏に並んでいたスカウトたちでさえダルビッシュの快投に「決して全力投球ではないのに余力を残して投げて無安打に抑えるのだから」と顔を合わせたぐらいだ。今秋、ドラフト1巡目での獲得を目指している中日の中田スカウト部長は「トリプルAだね。甲子園が生んだ歴代のスーパースターに肩を並べる男。運動選手としての天性のバランスの良さを持っている」と褒めちぎった。父親がイラン人のダルビッシュは194センチと長身。大柄な投手は粗削りで自らの体をうまく使えない例が多い中で驚くほど器用。この日の序盤は右打者にシンカーで攻め後半はスライダーがさえた。フォーク、チェンジアップなど多彩な球種を操る。「変化球がまずいい。速球は抑え気味(この日の最速147キロ)だったが、潜在力があるからプロに入ったら155キロは出せる」と中田スカウト部長は言い切った。 ダルビッシュ獲得戦に名乗りを上げているのは中日のほかダイエー、日本ハム、オリックスの計4球団。シダックス・野間口貴彦投手(20)にアタックしている西武、明治大・一場靖弘投手(20)が本命の横浜も自由枠バトルに”敗退”した時点で参戦する見込みで計6球団の争いになりそうだ。セの人気球団である巨人と阪神がの野間口、一場のダブル獲得に動いているのは中日にとって有利だといわれる。そこで学校のある仙台に駐在している山本将スカウトが密着マークしている。その一方でダルビッシュはドラフト会議まで希望球団を口にできそうにない。現役を含むプロ経験者が母校の野球部員に対して直接指導できるようにしようとかプロ・アマが歩み寄って規制緩和しようという動きがある。その条件として日本高野連がプロ側に「逆指名を絶対させないでくれ」と強く要望しているからだ。仮の話だがダルビッシュが「行きたい球団は中日」と口にしたらペナルティーが科せられ中日入りの可能性は消える。熱烈アタックはできないというから厄介だ。


2004.3.25    剛腕 秋田商・佐藤剛 8回11K 広島の1巡目候補が赤丸急上昇
降りしきる雨さえ楽しむように、剛腕がマウンドで躍った。7回1死まで無安打ピッチングを続けた秋田商・佐藤剛士投手(3年)だ。ダイナミックに投げ込む姿に、プロのスカウトの目が輝いた。「力強いね。高校生でこれだけ体の軸がしっかりしているとは・・・。まだまだ伸びる」と中日・中田スカウト部長。阪神・伊藤菊スカウト顧問は「ダルビッシュ(東北)と双へきじゃないか。将来は先発ローテーションを狙える素材」と超高校級の実力を認めた。185a、82`の長身から投げ下ろす速球は角度十分。高校入学時は、体重が70`に満たず、”ハリ金”型の長身投手だったが、その体は急速に大きくなった。雨で足もとは緩んでいたにもかかわらず、140`をコンスタントに記録し、この日の最速は142`。「スピードにこだわらず、自分の力を出し切ることだけ考えて投げた」と佐藤剛。23人目の打者だった鳴門工・猪森にスライダーを左前に運ばれて、ノーヒットノーランは逃したが、「気持ちよく投げることができただけで十分」と試合後は満足そうな顔だ。大差がついたため、9回はマウンドを譲ったが、8イニングで1安打、11奪三振の零封だ。広島が年明け早々にドラフト1巡目で佐藤剛を獲得する方針を公表している。秋田商・小野平監督(54)が能代商監督を務めていた時代の教え子が、広島・近藤スカウト。この師弟という太いパイプに加え、同スカウトは秋田県駐在で密着マークという地の利もある。現時点では広島が圧倒的に有利な立場にいるが、甲子園で快投を続ければ、巨人など他球団が指をくわえているわけがない。

佐藤“剛”速145`!1安打11K
第76回選抜高校野球大会第2日は24日、甲子園球場で1回戦3試合を行い、第1試合は今秋のドラフト上位候補の秋田商(秋田)の佐藤剛投手が、対鳴門工(徳島)で8回を投げ1安打11奪三振と好投。第2試合では福岡工大城東(福岡)が、斑鳩(奈良)の拙守などで5点を奪い快勝。第3試合は拓大紅陵(千葉)の伊能英孝投手が一関一(岩手)に5安打完封勝利。千葉県勢では95年の銚子商以来、9年ぶりの勝ち星を挙げた。みちのくからまた新たなスターが生まれた。185センチの長身、秋田商の佐藤剛が無安打無得点を期待させる快投を演じた。大勝のため八回までで降板したが、8回を被安打1、11奪三振と完ぺきな内容。「ノーヒット?別に意識なかった。自分の力が出せてよかった」とうれしそうに笑った。雨でぬかるむマウンドにもかかわらず、球威は衰えなかった。直球は常時140キロ前後をマークし、MAXはスカウトのスピードガンで145キロ。さらに鋭いスライダーで三振の山を築き、七回一死まで無安打の投球を演じた。4強に終わった昨秋の東北大会後に取り組んだのがスタミナづくりだ。長靴を履き、約1時間積雪のグラウンドで短中距離を走り込んだ。「秋はなかったスタミナがついた」。同じ東北地方のダルビッシュ(東北)と比較されるが「意識しない」と言う。力では負けない自信がある。スカウト陣はその素材にくぎ付けだ。すでに今秋のドラフトで1巡目指名を決めている広島・近藤スカウトは「(獲得)競争にならないように願っている」とうれしい悲鳴。大リーグ・ブレーブスの大屋国際スカウトも「球威、体格と申し分ない」と絶賛した。昨年から導入された希望枠での出場校としては、初白星。秋田商としても春は24年ぶりの勝利だ。大型右腕が甲子園に旋風を巻き起こす。

秋田商・佐藤剛にスカウト集結
秋田商の佐藤剛士投手(3年)が8回1安打11奪三振の快投を見せ、鳴門工(徳島)に快勝した。7回1死までノーヒットノーランで、初回にはこの日の最速144キロを計測。東北(宮城)のダルビッシュ有投手(3年)が注目される中、居並ぶスカウト陣に「東北に佐藤あり」を印象づけた。秋田県勢センバツ初戦9連敗で止め、希望枠初勝利ももたらした。降りしきる雨を自慢の速球が切り裂いた。今大会からバックスクリーンに球速が表示される。1球ごとに日米15球団のスカウト、観衆1万1000人の目が表示を追った。初回。いきなりこの日最速の142キロを記録した。大会初の140キロ超えに球場がどよめく。スカウト陣のスピードガンは144キロを計測していた。佐藤剛の過去最速は昨年5月の練習試合で記録した147キロ。それでも試合前、小野平監督(54)に「スピードは見るな」と言われた。最後まで目の前の打者だけに集中した。132球。鳴門工打線を8回1安打に封じた。マウンドの堂々とした態度とは違い、試合後「球速は気にしませんでした。甲子園のマウンドは気持ちよかった」と、はにかむように話した。同じ東北勢のダルビッシュが大会NO・1投手として注目されている。佐藤剛は「意識していないし、話したこともありません」という。だがダルビッシュは同じ速球派として、佐藤剛のセンバツ出場を喜んだ。東北でNO・1を「意識」させるほどの存在だった力を甲子園で証明した。甲子園には忘れられない思いもある。02年夏。1年生だった佐藤剛はボールボーイとして先輩たちの試合を見つめた。結果は1−17で尽誠学園(香川)に大敗。夢の舞台を、三塁側のベンチ脇という一番近くから眺め、悔し涙を流した。「いつかはこのマウンドに立ちたい」。募る思いを胸に、練習を続けてきた。冬場は雪でグラウンドが使えない。そのハンディもあって秋田県勢は89年以来センバツ初戦9連敗中だった。佐藤剛は雪のグラウンドを長靴を履いて連日走り込んだ。下半身を強化し、昨秋に比べ体重は3キロ増えた。ユニホームの太もも部分がきつくなり、センバツ用はOからXOにサイズアップして臨んでいる。佐藤剛は次戦の甲府工(山梨)戦にも「いつも通り、自分の力を出し切るだけです」と闘志を燃やした。

○…秋田商・佐藤剛の好投にネット裏のマリナーズ、ブレーブス、メッツを含む日米15球団スカウト陣も絶賛した。すでに広島は今秋ドラフトで1位指名を表明しており、担当の近藤スカウトは「昨秋より下半身が安定して、ボールが低めに決まるようになった。まだ成長過程でこれからが楽しみ。黒田タイプ」とあらためて高評価した。巨人吉田編成部長は「直球もさることながら、大きく割れるカーブもいい。球をフィニッシュまで持っていられる」。阪神菊地スカウトは「体のバランス、腕の振りとも高校生トップクラス」。オリックス熊野スカウトは「広島と競合してもいいくらいの素材」と、一躍ドラフト上位候補に躍り出た。

秋田商・佐藤剛が8回1安打11奪K
1回戦3試合を行い、第1試合では「希望枠」で出場した秋田商が、一昨年準優勝の鳴門工(徳島)に10−0で快勝発進。ドラフト候補の佐藤剛士(つよし)投手(3年)が七回一死まで無安打投球し、秋田県勢として18年ぶりのセンバツ白星を挙げた。衝撃の全国デビューだった。秋田商のMAX147キロ右腕・佐藤剛が仁王立ち。8回を1安打、11奪三振の無失点。二塁も踏ませなかった。「ノーヒットは気づきませんでした。いつも通り自分の力を出せました。満点に近い投球でしたが、なによりチームが勝ててよかったです」打線が一回に6得点。余裕ができたらエンジン全開で、2番・井上聡の初球に141キロを計測。今大会からスピード表示を始めた電光掲示板に、初めて140キロ台を灯した。その3球後、この試合最速の142キロ。小雨の悪条件をものともせず、三振の山を築いた。「監督からスピード表示は見るなといわれていたので、打者に集中しました。球速にこだわりはありません」七回一死、甘く入ったスライダーを5番・猪森に左前に運ばれた。104球目で許した初安打。大記録こそ逃したが、後続をピシャリと抑えて、九回のマウンドを2番手左腕・佐々木洋樹投手(3年)に譲った。もちろん、プロのスカウト陣は絶賛の嵐。「この悪天候下で、この投球はすごい。現状では東北のダルビッシュ君が上ですが、将来的には佐藤君が優るかも。それほどの潜在能力を感じます」(近鉄・後関スカウト)入学時は1メートル83で80キロ。練習がキツくて夕食がとれず、球速は130キロ台だった。昨秋から雪中・長靴ランニングなど、北国ならではの雪上トレを2時間重ね、その後に室内で筋トレを1時間。いまや夕食はドンブリ飯で、焼き肉大好き。1メートル85、85キロと成長し、球威と制球力も増している。しかも、試合前夜も大いびきで熟睡したほどの強心臓。次の甲府工(山梨)戦も力でねじ伏せ、ダルビッシュから今大会の“主役”を奪い取るつもりだ。

■佐藤 剛士(さとう・つよし) 
1986(昭和61)年5月16日、秋田市生まれの17歳。上新城小4年で野球を始め、投手一筋。上新城中3年のとき、エースとして県大会準優勝。家族は父・徳司さん(46)=会社員、母・庸子さん(40)、妹・育子さん(15)、瞳さん(11)。遠投98メートル、50メートル走7秒00。1メートル85、85キロ。右投げ右打ち。

【スカウト陣大絶賛】
◆広島・白武スカウト           「非常に面白い素材。体も柔軟性がありそうだし、プロでもすぐ一軍に出てこれるだろう」

◆ダイエー・永山チーフスカウト    「上位指名の24人の中に間違いなく入ってくる。球が速いし、角度もある」

◆メッツ・大慈彌極東担当本部長   「右ひじの使い方がいい。故障も少ないだろうし、久々にこういう投手を見た」


2004.3.18    ドジャース・小島圭市日本担当スカウトが熱視線
今でこそ“怪物”と言われるダルビッシュだが、幼いころはそれほど、野球が好きではなかった。軟式の少年野球「ブラックイーグルス」に所属していた羽曳ケ丘小時代。母・郁代さん(45)は「練習日は始まる前から空を見上げて雨を待ったり、ここが痛いと言って何とか練習を休もうとしてました」と振り返る。卒業後、野球を続けるか迷っていた。実家の近所の駄菓子屋で、ボーイズ・全羽曳野に研修生として参加していた友人の今井幹(もとき)と、偶然出会った。「一緒にやろうよ。一度練習を見に来てよ」頼まれて見に行くと、友達も多く楽しそうだった。全羽曳野・山田朝生監督(56)も「ただ友達と楽しんで運動したいという感じでした」と話す。山田監督は冬場はあえてサッカーなどで体力づくりをし、ボールに一切触れさせなかった。おかげでダルビッシュはボールへの欲求から、自然に野球が好きになっていった。怪物は仙台へ。今井は京都へ。高校進学で2人の進路はいったん分かれた。1年の夏。練習の水が合わず、今井は転校を考えた。どこから聞いたのか、ダルビッシュから電話が入った。「お前、転校するんだったら東北へ来いよ」今度は怪物が誘ってくれた。「あいつが頑張るから僕も頑張れる。僕はそう思ってますけど」高校入学後、今井は投手から外野手に転向。センバツ遠征メンバーから漏れたが、今も仙台で黙々と練習に励んでいる。「あのとき今井と会ってなかったら、今は野球をやってないかも。陰の恩師かもしれないですね」自らの才能だけで、今の自分があるわけではない。ダルビッシュの胸には、常に感謝がある。東北・ダルビッシュ有投手(3年)が17日、大阪・泉南郡の大体大浪商グラウンドで、同校今季初の練習試合となる大体大浪商戦に登板。1点をリードした8回から2イニングを被安打1、2三振で無失点。最速145キロを記録するなど、上々の試運転を済ませた。エースは「制球や変化球の精度などは全然良くなかったですね」と辛口の自己採点だったが、ネット裏ではドジャース・小島圭市日本担当スカウトが熱視線を送っていた。


2004.3.16    野間口、阪神2軍を3Kピシャリ
今秋ドラフト自由獲得枠の超目玉、シダックスの野間口貴彦投手(20)が16日、阪神2軍とのプロアマ交流戦に登板。9回1イニングを1安打無失点、3奪三振の快投を演じた。 カミソリの切れ味だ。昨年ファーム日本一に輝いた若トラのバットが、内角を突く速球に次々と空を切っていく。昨年5月に兵庫・鳴尾浜で行われたプロアマ交流戦での7回1安打無失点の快投劇に続き、またもや阪神をねじふせた。全16球中12球を140キロ台中盤のストレートで組み立てながらも、最後の打者・早川には得意のフォークで仕留めてみせた。 格が違う。ネット裏では巨人、メッツに加え、阪神は6人ものスカウトが集結。「梶原、喜田ら一軍キャンプでやっていた選手に対しても、狙ったところに投げている。真っすぐで三振が取れているしね」と阪神・黒田編成部長。「とにかく欲しいということ。今後も密着マークします」自慢の若トラ打線を手玉に取った快速右腕に、あらためて高い評価を下した。 過熱する争奪戦にも、野間口に慢心はない。「もっと変化球の精度を増していかないと…」心にあるのは、投手としての純粋な上昇志向だけ。若きエースはただ進化を目指して、突き進む。


2004.3.14    明大剛腕:一場、視察ツインズスカウト絶賛
今秋ドラフトの目玉、明大・一場靖弘投手(21)が13日、快投を演じた。奈良・生駒市の近大グラウンドでの、近大とのオープン戦で7連続を含む13三振を奪う完封ショー。視察した米大リーグ、ツインズのスカウトも絶賛した。今季初登板だった12日の日本生命戦で1イニングを投げた一場には、2日連続のマウンド。「テンポとバランスを重視した」という投球で、関西学生野球の優勝候補・近大打線を手玉にとった。初回2死、藤田を空振り三振に打ち取ると、3回まで7者連続三振。149キロの直球、スライダー、カットボール、今オフに覚えたフォークを低めに集め、4安打完封した。 巨人、横浜、中日、ダイエー、オリックス、阪神の6球団がこの日もスカウトを派遣。阪神は黒田編成部長を筆頭に最多の6人が並んだ。さらに、ツインズ・高橋幸次スカウト(39)が初めて姿を見せた。メジャーの一場視察が公になったのはドジャースに次ぎ2球団目だが「球種が多く、どれも低めに集まっていた。馬力もあるし(米国でも)先発ローテーションに入るのでは」と評価した。一場自身は「まだ国内でもプレーしていないんですから」と国内球団を視野に入れているが、パドレスも大きな関心を寄せている、という。「9回にも148キロが出て、スタミナを保てたのはよかった。反省点は走者を出した6回に、ボールが高めに浮いたことです」と冷静に振り返った東京六大学の剛腕エース。4月10日の開幕戦では最高のパフォーマンスを見せる。


2004.2.17    メッツ・大慈弥部長が野間口獲得の真剣参戦を示唆
今秋のドラフト自由獲得枠の目玉、シダックス・野間口貴彦投手(20)が16日、静岡・中伊豆町の志太スタジアムで行われた紅白戦で今季実戦初登板。先発で3回をパーフェクトに抑えた。視察した米大リーグ・メッツの大慈弥(おおじみ)功環太平洋担当部長(47)をはじめ、密着マークの巨人、阪神のスカウトをうならせた。黄金右腕が全開だ。先頭・宮崎の3球目にこの日最速の144キロを計測。空振り三振にとると、勢いを持続して3回をパーフェクト。3三振をすべて空振りで奪い、外野への飛球は中飛1本におさえ込んだ。 「本人もびっくりです。やってしまいましたという感じ」と野間口。それ以上に、スカウトは衝撃を受けていた。1月の自主トレに続いて視察したメッツ・大慈弥部長は「19日に渡米しますが、早速トップに報告します」と、真剣参戦を示唆。松井稼の大ファンでメッツに興味を抱く野間口が、リトル松井の後を追う可能性もある。


2004.1.25    シダックス・野間口がメッツにグラリ!?
野間口、メッツにグラリ!? メッツの大慈弥功極東担当スカウト(47)が24日、東京・調布市のシダックス・グラウンドを尋ね、今秋ドラフトの目玉、野間口貴彦投手(20)=写真=の練習を視察した。野間口はメッツ・松井稼頭央内野手(28)の大ファンで「接触できる期間がきたら自分のためにもいろいろ話を聞いてみたい」と注目発言した。 巨人、阪神などの争奪戦の渦中にいる野間口の心が音を立てて揺れ出した。午前9時過ぎ、メッツの大慈弥スカウトがシダックスのグラウンドを電撃訪問。それを伝え聞くと、その表情から自然と笑みがあふれた。 「うれしいですね。ボク、稼頭央さんの大ファンなんです!!」 野間口を巡っては、国内球団に加え、16日にはドジャースの小島圭市日本担当スカウト(35)が訪れるなど争奪戦は海を越えて拡大してきたが、ここにきて松井のおかげでメッツがが然、存在感を示す事態となった。 「稼頭央さんは投手から見ても野手の理想像。走攻守揃いながらスイッチヒッターになった努力家でもあるという部分も見習いたいと思っているんです。何と言っても見た目も最高にカッコいいですよね!」 リトル松井にゾッコンの野間口。同じ大阪出身で松井のレガースの縁取りや、皮手袋がピンク色だったことから、それをマネしてピンク色の糸でグラブに刺繍を入れているほど。この日は、知人を通じて『自分の道を信じて』とメッセージが入れられたリトル松井のサイン色紙が届き「宝物にします!」と大感激。もはやニューヨークのカズオマニア顔負けだ。 大慈弥スカウトは「高校時代(関西創価)から見ています。キャンプにもいきます」と参戦を公言。国内球団に最強ライバル出現。野間口争奪戦が、早くも佳境を迎えている。


【ルール上は問題なし】
野間口の来季メジャー入りはルール上、支障はない。日本プロ野球機構と大リーグ機構が結ぶ「日米選手契約協定」によると、日本のプロ球団に在籍経験のないアマ選手も、大リーグ球団が日本側のコミッショナーに身分照会するなどの手続きさえ踏めば接触、契約が可能だ。 その選手が日本のドラフト会議で指名された場合も日本側に拘束力はなく、指名を拒否して大リーグ入りしても問題はない。ただこれまで、日米間の“紳士協定”として、双方とも相手側の有望新人の青田買いについては控えてきた。 


野村監督が“再会”を懐かしむ
シダックス・野村克也監督(68)はメッツ・大慈弥スカウトの来訪を受けると「野間口獲得か?」。同スカウトは「本人次第でしょう、よろしくお願いします」とあいさつした。2人は昭和55年に1年間、西武でともに同じ捕手としてキャッチボールをしていた旧知の間柄。野村監督は「どんどんいい日本の選手を持っていくなよ。日本野球をつぶす気か」と冗談を交えながら“再会”を懐かしんでいた。 


野間口争奪戦に今度はメッツ
米大リーグ・メッツの大慈彌極東担当本部長(47)が24日、東京・調布市内のグラウンドを訪れ、シダックスの野間口を視察した。 松井稼だけでは終わらない。日本のアマ球界NO.1投手獲得に再びメッツが動いた。大慈彌本部長は「野間口君は(関西創価3年春に)甲子園に出たときから見ている。昨年もずっと見てますよ」と猛アピール。野村克也監督からは「野間口獲りか。オレじゃないの?メジャーでは70歳でも監督やっとるやろ」とメッツの監督を熱望?され困惑する場面もあった。 野間口は松井稼の大ファンで「松井さんからいろいろ話を聞いて参考にしたい」と喜びを隠しきれない様子。国内では巨人、阪神、西武、メジャーでもドジャースが参戦しており、これで5球団目。今後も野間口を巡る日米争奪戦が激化しそうだ。


◆メッツも獲得に名乗り!争奪戦さらにヒートアップ◆
“虎の恋人”が激怒した。今秋ドラフト自由獲得枠の超目玉、シダックス・野間口貴彦投手(20)が24日、カツノリ捕手(30)の巨人移籍でシダックス・野村克也GM兼監督(68)と巨人が太いパイプづくりに着手したことに強烈に不快感を示した。「今回のこととぼくのことは全く関係ない。影響はゼロ」とバッサリ。一方で、この日、米大リーグ・メッツも獲得に名乗りを上げ、151キロ右腕をめぐる日米争奪戦は、さらにヒートアップしそうだ。


◆「進路に影響することはハッキリ言ってゼロ」◆
大人の勝手な都合で自分の人生は決めさせない。阪神が今秋、自由獲得枠での獲得を目指すシダックス・野間口が、前日の23日に電撃的にカツノリ捕手が巨人へトレードされたことによって、野村監督と巨人が太いパイプづくりを始めたとも考えられることに対し、不快感を示した。 「今回のこととぼくのことは全く関係ない。進路に影響することは、ハッキリ言ってゼロです」 怒りをあらわにするとともに、MAX151キロ右腕にとっては、ショックだったのかもしれない。カツノリのトレードに野村GM兼監督も「勘ぐられるのはしゃあない」と存在の有無を肯定も否定もしなかった。創価大を中退し、野球を一度は断念しかけたとこで声をかけてもらい、ここまで育ててくれた”恩人”の思わぬ発言に対して、野間口が思い錯そうさせていても不思議ではない。さらに昨年の都市対抗で準優勝し「アマチュアはプロみたいにお金が絡まなくていい」と話していただけに、なおさらだろう。 一方でこの日、米大リーグ・メッツの大慈弥功極東担当本部長(47)が東京・調布市のグラウンドを訪れ、野間口を視察。「野間口君は(01年春の)甲子園に出た時から見ているし、去年もずっと見ていますよ」と事実上の参戦を表明。さらに一般論とした上で「実力があって、本人がメジャーを希望するのであれば即、行ったほうがいい」とメジャー行きをすすめた。 メジャーでは16日のドジャースに続く2球団目。阪神には新たなライバルの登場ともなった。国内にも巨人、西武も獲得を表明しており、阪神も寸分のスキも見せられない状況が続く。さまざまな思惑が入り乱れ、”虎の恋人”争奪戦は、日米を巻き込み、さらにヒートアップしていきそうだ。


2004.1.20    ドジャースが一場も視察  将来性を高評価
米大リーグ・ドジャースの小島圭市日本担当スカウト(35)が20日、東京・調布市内の明大グラウンドを訪れ、一場靖弘投手(21)を視察した。同スカウトは16日にシダックス・野間口を視察しており、今秋ドラフトの目玉投手に大きな関心を寄せている。一場がここ数日、右足甲に違和感を訴え別メニュー調整を続けていることもあり、小島スカウトの“収穫”は少なかったようだが、別府総監督、川口監督ら首脳陣へのあいさつは済ませた。 メジャーではドジャース、パドレスなどが一場に関心を持ち、関係者によると、特にパドレスは球団幹部が昨年来日して直接視察するなど、一場の将来性を高く評価しているという。一場はメジャーについて「興味というか、やりたいなという願望だけ。でも日本(のプロ野球)でもやってないので」と話した。 グラウンドには巨人、阪神、横浜のスカウトが連日詰めかけ、火花を散らしている。学校側はスカウト陣に20日、球場ネット裏の「OBルーム」を開放。寒さをしのいでもらおうという意図だが、それとは対照的に今後は日米のスカウト合戦がヒートアップしそうだ。


2004.1.18    ダルビッシュ日米争奪戦  ドジャース、メッツ、エンゼルス参戦へ
米大リーグの複数球団が、高校球界ナンバーワン投手の東北高・ダルビッシュ有投手(17)獲得を目指していることが18日、明らかになった。関係者によると、強い関心を示しているのはエンゼルス、メッツ、ドジャース。今秋ドラフトで日本球団の競合指名が確実だが、ダルビッシュが卒業と同時に海を渡る可能性も出てきた。ダルビッシュはまさに超高校級の逸材だった。この日、争奪戦にメジャー勢力も参戦していることが分かった。ある米球界関係者が「体格があり、素材としてもまだまだ伸びる。磨けば光るダイヤモンド。エンゼルスとメッツが関心を持っており、取り合いになるでしょうね」と194センチ右腕の将来性が買われていることを明かした。メジャーの触手は以前から伸びていた。ボーイズリーグの「全羽曳野」で投げていた中学時代、ブレーブスとエンゼルスが調査に乗り出した。東北高に進学し1年秋からエースとして活躍。甲子園で経験を積んだことで、その評価は高まった。エ軍、メ軍だけではない。2月にはドジャースの小島圭市日本担当スカウトが視察する予定だ。3球団とも、日本から“輸入”した選手の持つ実力、スター性に早くから着目してきた。ド軍には石井一、野茂らがおり、メ軍は西武からFA宣言した松井稼を獲得。エ軍も昨年、最後まで松井稼争奪戦を繰り広げていた。「アナハイム(エンゼルスの本拠)などは、アジア系の人が多い。営業的にも期待できるようです」(同)と、イラン人を父に持つダルビッシュのサクセス・ストーリーと、多国籍な街の活性化をリンクしてとらえているようだ。シダックスの野間口、明大の一場とともに今秋ドラフトの“ビッグ3”に名を連ねるダルビッシュ。ダイエー、日本ハム、中日、オリックス、広島の5球団がすでに関心を示している。タンパリング(事前交渉)を避けるため、表立った動きは少ないが、メジャー人気球団の“参戦”で争奪戦は激化しそうだ。ダルビッシュは、エースとして昨夏の甲子園大会でチームを準優勝に導いた。8強以上に進出したのは、佐々木主浩を擁した1985年以来の快挙だった。マリナーズの抑えとして地位を確立した偉大な大先輩の道をたどるのか。ダルビッシュの決断に、世界の視線が集まる。

ダルビッシュ 有(だるびっしゅ・ゆう)
1986年8月16日、大阪・松原市生まれ。17歳。小学2年に野球を始めた時は4番で捕手。中学ではボーイズリーグの「全羽曳野」でプレーし、3年夏に日本代表で世界大会3位に貢献。東北高では1年秋からエース。昨年夏の甲子園大会で準優勝。家族は両親と弟2人。194センチ、78キロ。右投右打。 


2004.1.17    ドジャースの小島スカウトが野間口を獲得へ意欲
シダックスの野村克也GM兼監督(68)が17日、巨人も獲得を狙っているドラフト自由獲得枠の目玉、野間口貴彦投手(20)のメジャー挑戦に、「時期尚早」の判断を下した。16日に米大リーグ・ドジャースの小島スカウトが東京・調布市のグラウンドで野間口を視察。獲得へ意欲を見せたが、野村監督は自身のメジャー観を語りつつ、右腕にさらなる進化を求めた。 若き日の野村監督にとっても、大リーグはあこがれだった。「自費で教育リーグに参加したこともある。いろいろ回ったよ」現役当時は来日した大リーグ球団との対戦に、心を躍らせた。「金田さんも江夏もひと回りは抑えられるんだよ。でも、2巡目は打たれちゃう。格の違いを見せつけられた」野球少年のような目で、思い出を語った。 日本の人気選手が次々とメジャーに挑戦していく時代になったが、「メジャーのレベルが下がったのと、日本が上がったのと、両方だろう」こう分析しながらも、野間口のメジャー挑戦については「そんな甘くないやろ」と、慎重な姿勢を示した。もっと成長して欲しいという親心でもある。「通用する条件は、コントロールとフォークがあること」アマNO1投手とはいえ、野間口はまだ20歳。発展途上にある。「まだまだですよ、まだまだ」アマNO1投手から日本一のエースへと、さらなる進化を信じて。今季も名将は、右腕に厳しい要求を課していく。


2004.1.16    野間口獲りにドジャースも名乗り
野間口争奪戦にドジャースも参戦! 米大リーグ・ドジャースの小島圭市日本担当スカウト(35)が16日、東京・調布市のシダックスグラウンドを訪れ、今秋ドラフト自由獲得枠の目玉、野間口貴彦投手(20)を視察した。巨人、阪神、西武が獲得に名乗りを上げている右腕に、ドジャースも高い関心を寄せたことで、争奪戦の過熱は必至。巨人にとっては思わぬ大敵が現れた。激化の一途をたどる野間口争奪戦に、“黒船”が襲来した。6日の練習始め以来、巨人、阪神のスカウトによるグラウンドへの“野間口詣で”は、毎朝の恒例になっている。練習を見守ることで、獲得への熱意を示そうとする両球団の姿がこの日もあったが、早朝、見慣れない顔が1人、ネット裏に陣取った。米メジャー・ドジャースのスカウトだ。日本担当を務める小島スカウトは、キャッチボール、長距離走を行う野間口を念入りに観察。寒風吹き荒れる中、巨人、阪神のスカウト陣とともに、約3時間の練習を見届けた。タンパリング(事前交渉)に抵触する恐れがあるため、小島スカウトは野間口獲りに対して一切ノーコメントを貫いた。だが“恋人”を見つめる視線は真剣そのものだ。この日、野村克也GM兼監督(68)は所用のため不在だったが、すでに昨年末にはあいさつを済ませた模様。2月からのシダックスの中伊豆キャンプも視察し、その後のオープン戦、公式戦をマークして、快速右腕の実力をじっくりと見定めるつもりだ。 野間口は練習後、メジャーからの視察を受けたことについて「大リーグは夢の世界。見ていただいたことで、夢が大きくなったのは事実ですね」と素直に喜びを表した。昨年キューバで行われたワールド杯では2勝を挙げ、国内の枠にとらわれない野球の面白さを知ったという。「選択肢は広がるかもしれませんが…。今はすべてをフラットにして考えるようにしてますから」と慎重に言葉を選ぶにとどまった。野間口に熱視線を送ったドジャースの小島スカウト  MAX151キロ右腕の進路については、昨年末から巨人、阪神が相次いで獲得の意思を表明。GTの一騎打ちになるかと思いきや、14日には西武の楠城スカウト部長、岡村スカウトが獲得のあいさつのため野村監督を訪問。「即ローテーション入りできる投手」と語るなど、三つどもえの展開へと激化していた。そして、この日のド軍スカウト視察。本人はあくまで国内志向と言われるが、アスリートとして、心の奥底には純粋なメジャーへのあこがれがあるのも事実のようだ。アマ球界NO1投手をめぐり、日米4球団による争奪戦のさらなるヒートアップは避けられそうにない。

◆野間口 貴彦(のまぐち・たかひこ)
1983年5月31日、兵庫・尼崎市生まれ。20歳。園田小1年から軟式野球を始め、ボーイズリーグ「伊丹シニア」では日本代表で世界大会5位。関西創価高では3年のセンバツで4強入りを果たした。2002年4月、創価大に進学。1年春にリーグ戦登板も9月に退部、退学。11月にシダックスに入社し、昨夏の都市対抗では決勝を含む3試合に登板、準Vに貢献。若獅子賞を受賞した。10月にキューバで行われたW杯で日本代表入りし2勝。03年社会人ベストナインに選出された。183センチ、85キロ。右投右打。

◆アマからメジャー昇格はマック鈴木だけ 
日本プロ野球を経験せずに米球界に飛び込んだ日本人は、独立リーグを含めると30人以上。メジャーまで上り詰めたのはマック鈴木だけで、1992年に滝川二高を中退し渡米。96年にマリナーズで昇格するなど16勝31敗の成績を残し、昨年帰国しオリックス入りした。3Aまで上がった選手も根鈴雄次外野手(法大→エクスポズ傘下)、竹岡和宏投手(中山硬式野球クラブ→ブレーブス傘下)と、現役の多田野数人投手(立大→インディアンス傘下)くらいしかいない。竹岡は、今年からダイエーでプレーするが、大リーグ昇格の夢が破れて日本のプロ野球に入った選手は93年にダイエー入りした大越基外野手(早大中退→1Aサリナス)ら、近年多くなってきた。