≪Jimny倶楽部の山登りレポート≫

上の小屋谷遡行・脊梁山地の谷


沢登りの楽しさに目覚めてきた頃、私の頭にいつかは行きたい沢としてインプットされた二つの谷。
黒部「上の廊下」と、九州・脊梁山地の「上の小屋谷」・・・・・・・
今回メンバーに恵まれ、念願の「上の小屋谷」を遡行することができた。
そのスケールこそ黒部にはかなわないものの、沢を旅する喜びでは決して劣るものではなかった。
九州脊梁山地の懐に抱かれた2日間、タップリ沢の中での時間を楽しんで来ました。
                                             

*遡行タイムの記録・・・・ひふみん

*レポート・・・・・・・・・・みみずまる

【遡行した谷】・・・・・・・上の小屋谷・脊梁山地耳川水系
【山 行 日】・・・・・・・・・2002年9月15日(日)〜16日(月)
【天   候】・・・・・・・・・曇り時々晴れ
【コ ー ス】・ ・・・・・・・・「一日目」上の小屋谷出合い→上の小屋林道→上の小屋→入渓→幕営地
              「二日目」幕営地→長谷→角割林道→登山道→国見岳→五勇山→萱野
【メンバー】・・・・・・・・・遊さん、ひふみんさん、みみずまる、mimimama、Jimny


沢登りの楽しみは、なんだろう・・・?
人それぞれ楽しみ方は千差万別。

九州の谷は、中央に較べるとスケールが小さく
一日で遡行して下山できる谷がほとんどだ。
谷のスケールそのものを楽しむような沢登りは
あまり期待できない。

結果的に違う楽しみを見出す事になるが、
それは、滝登りなどのように登攀的なものに
向かうことが多いようだ。

何日間か時間をかけて稜線を目指す。
谷の中で過ごすその時間そのものが楽しみであり喜びであり・・・・

そんな沢登りが私は好きだ。
 
今回の「上の小屋谷」は、
まさにそんな沢登りを楽しむことができる
九州では珍しい谷と言う事ができるかもしれない。

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前日、長崎を出て、大村で「みみずまる」を拾う。
鳥栖で「ひふみんちゃん」を拾う。
*私たちはゴミじゃないぞ〜〜ゴメン!

椎葉ダムの女神の像公園で遊さんと合流し、
テントを張る。

このあたりの谷に入る釣り師と思われる人たちが
大勢テン泊している。
翌朝、下山予定地の萱野に遊さんの車をデポし、
耳川を上流へと向かう。
広くなった路肩に車を停め、遡行準備をする。

今日の行程は長いので時間稼ぎと、
砂防ダムをパスするため上の小屋林道を歩く。

1時間ほどの林道歩きで、上の小屋に到着する。
いよいよここから上の小屋谷の遡行が始まる。

水と緑がきれいだ。

河原歩きから始まり、ゴーロの谷となる。
2〜4m程度の滝は数え切れないほど出てくる。
それぞれ直登したり、へつったり、小高巻きしたり、
どんなにでも登ることができる。
シュリンゲやロープもまめに出し、安全を期す。
なにしろこんな深い谷でだれか動けなくなったらアウトだ。

いくつかの支流の出会いを過ぎ、岩中谷が右から出合う。
谷はゴルジュとなる。
ゴルジュの中の滝の直登を楽しみながら遡行は続く。

2段15mの滝が現れるが、ここは右を巻く。
ここまで巻き道には赤い布の印があったが
ここより上流にはなかったので、釣り師の人たちの印だろう。

左から支流が出合う。
ここで釣り師の人と会う。
今回唯一出会った人だ。
釣り師の人もここから上流にはあまり入らないらしい。

この先、上の小屋谷で人の気配を感じる事はなかった。
我々は上流へと進む。

と、目の前に堂々たる大滝が姿を見せる。
豊富な水量が20mの高さから落ちてくる様は
まさに圧巻だ。

いきなり現れるその突然さに、歓声が上がる。
しばらく、全員滝の前で立ちすくんでしまう。

誰かが言う・・・・・
「今この滝を見てるのは、ここまでやってきた私たちだけよね〜〜」

そう、車道から見る大滝ではなく、
自分の足と体で苦労してここまでやって来たからこそ
この滝を素晴らしいものと感じることができるのだ。

そんなピュアな自分にさせてくれるこの自然・・・・
大きな滝、小さな草、水の流れ、仲間、そして自分、

なんでも、素晴らしい存在にしてくれる自然がある。
なんにでも純粋な気持ちで感動をする自分がいる。

これが沢登り・・・・・・・・・・・

 
「隊長、この先は右ですかね〜〜?」と、声がする。
みみずまるが、私をリーダーとしての現実に引き戻す・・・

「ハイ、任せます・・・」と、権威のないリーダーは言う。

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進んでいくと、左から「小国見谷」と思われる谷が出合う。
その先には12mの滝がある。
ここは、滝の右手の岩を登るとガイド本にある。

ホールドは豊富そうだが、中間支点はなさそうだ。
空身でハーケンとバイルを持って取り付く。

途中にハーケンを一枚打つ。
残置したがリスが浅く、効きは甘い。
後で使用する人は注意してください。

難易度的には、なんと言うことはない岩登りだが
落ちればアウトです。
用心用心・・・・・・
この滝を登り、小滝をいくつかクリヤーすると
今日のテン場に到着。

先客の焚き火の跡があるのですぐにわかる。
5人用テントを張れるスペースは充分あります。

さて、なにはさておき、沢の水にビールを冷やしましょう!!
そして、テントを張って、着替えを済ませたら
今日の夕食を作りましょう・・・!

今日は、みみずちゃんのハッピーバースデーなのです。
*ちょっと遅れたけど・・・・

ご飯を炊きながら、焼肉パーティーが始まるのです。

*ここのところの詳しいディナータイムのレポートは
 ひふみんちゃんが担当となっております。
酒を飲んだらすぐ寝る人がいて、・・・私Jimnyです(^_^;)
いまいち盛り上がりにかけたまま谷の夜は更けたのでした・・・

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朝で〜〜〜す!!!

Jimny倶楽部の一日の始まりは、
たくあん切りから始まる事をダレも知らなかったのでした。
目が開いてない「みみず」も、おしゃべりを忘れてる
「ひふみんちゃん」も,目をこすりながらたくあんを切ったのでした。

味噌汁とご飯とたくあんの朝食を済ませ、いざ、出発!

ここで「みみずまる」の的確な地図読みで
あやうく違う谷に入りそうなところを、救われたのでした。

う〜〜ん、眠そうにしてる割に頭は起きてるのね〜〜感心、感心、

さて、5m、8mといきなり滝を越えていくと
最後の大滝がじゃ〜んと登場する。

きれいな滝だ・・・・・・
ここは右を巻いたが、かなり微妙な大高巻きだった。
ガイド本には左を巻くとあるので、左が正解だろう。

巻いても巻いても、岩壁が終わらず、
大高巻きとなり、そのままスズタケのヤブを漕いで
角割林道へ飛び出した。

ここで、靴を履き替え、登山道から国見岳へ。

国見岳で大休憩を取り、五勇山まで懐かしい縦走路を辿る。
五勇山からは萱野へと下山した。

こうして、九州最奥「上の小屋谷」・・・・・と、ガイド本にある
上の小屋谷の沢登りが無事終わった。

あこがれ続けていた上の小屋谷、
その憧れを裏切る事のない大きな懐を感じさせてくれた。

母の胸に抱かれるような、このおおきな谷が
いつまでもそのままあり続けてくれる事を願います・・・・・

【後 記】

*今回の沢登りは、このメンバーだからこそ成しえたものと思います。
 体力、技術、経験、はもちろんですが、私が常日頃から一番大切にしたいと思っている 
 同じ感動を共有できる感性、同じ幸せ感を共感できる心、まちがいなくそんなメンバーでした。

 九州の谷では、難易度の高い方に入るこの「上の小屋谷」ですが、それほど厳しい登攀を強いられるわけではありません。
 沢中一泊の荷物と長丁場の体力、地図読みとルートファインディング、高巻きのルート判断と安全確保、
 奥深い谷ということで、万一の時のレスキューの心構えと下界での救援体制、
 山登りの総合的な意味での難易度の高さなのだろうと思います。

 今回、特に記しておきたい事は、決して生易しい山行ではない事はわかっていながら
 こころよく留守本部を引き受けてくれた友人の心意気です。
 
 はっきり言って、私と彼とはそれほど深い付き合いではありません。
 というより、ほとんど顔を合わせての付き合いはありません。
 ネット上でのやりとりがほとんどです。

 そんな彼が二つ返事で留守本部を引き受けてくれました。
 なぜなんだろう・・・?と思います。
 なぜ彼は二つ返事で引き受けたんだろう・・・・?
 なぜそれほど付き合いもない彼に頼んだんだろう・・・・?
 
 それは、今回のメンバーと同じです。

 彼と私は、同じ感性でと会話していると言う確信があるのです。
 2度ほどしか、一緒に山には行ってませんが、その気持ちは多分ではなく、私の中では確信なのです。

 山の友達・・・
 あなたにはそんな友達がいますか・・・・?
 
 私、Jimnyにはそんな山の友達がいます。