糞尿害編

●放置糞の影響

生活環境への影響
@悪臭や蝿の発生源となる。
Aグリーンモール等の植木の枯死。
B踏糞による不快感。
C街の景観やイメージを損ねる。
等、汚損による住民への迷惑行為と公共性の不利益になります。

生命への影響
吸入感染や経口感染による
D犬どうしの伝染病(イヌパルボ等)や寄生虫の感染源となる。
E人への動物由来感染症(エキノコックス症等)の感染源となる。
等が保健所や獣医師により指摘されています。

*「動物の愛護及び管理に関する法律」第5条2に於いて、飼い主は、その責務として動物由来感染症の正しい知識を持つよう求められています。

*糞を持ち帰るメリット
・生活環境保全への配慮(マナー)
・伝染病、寄生虫、動物由来感染症からの影響回避
・糞から健康状態を逸早く把握できる点、犬の健康管理と寿命に大きな影響を与えます。

●糞放置は罰せられるか

飼主の遵守事項を定めた法律は「動物の愛護と管理に関する法律」「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」及びこれらを基準に都道府県各市町村で定めた「条例」等があります。(リンクの動物愛護管理法参照)

その他に「軽犯罪法」の第1条第27号に「汚廃物投棄の罪」というものがあり、「公共の利益に反してみだりにごみ、鳥獣の死体その他の汚物又は廃物を棄てた者」という法律があります。
軽犯罪法(刑罰制裁を伴う道徳律)は罪と罰(30日未満の拘留、1万円未満の科料)を定めていますから広い意味の刑法に属し、常習性があり悪質と立件されると罰則の対象になります。
市作成の新啓発看板の中に「違反すると罰せられることがあります」というものがこれに当ります。(啓発看板所管窓口参照)

*刑事罰と行政罰
罰則には刑法上の刑事罰と市町村条例上の行政罰があります。
糞放置の場合、軽犯罪法で処分されると科料以上は前科になりますが、市町村条例で過料されても前科にはなりません。

●飼主が故意にその場所を汚損したと見なされる場合とは

散歩時に一定の場所に犬を連れて行き、排泄が済むまでその場所に留まる行為を毎回繰り返している飼主をよく見かけます。この行為は、散歩途上で行われる犬の自然なマーキング行為とは異なり、飼主の故意による汚損と見なされる場合があります。

●糞尿をさせてもよい場所とは

「埼玉県動物の愛護及び管理に関する条例」第7条七で「公共の場所又は他人の土地、建物を汚損させないこと」とあり、文章上は義務規定となっています。
土地の所有権管理権者は@他人A公共地B飼主本人の3種類だけですから、糞尿をさせても汚損に当らない場所とは、飼主本人の土地だけという事になります。

従って、糞尿をさせるために散歩に出かけるという飼い方は問題という事になり、自宅で糞尿を済ませた後、散歩に出かけるのが正しい飼い方という解釈になります。(警察犬や盲人誘導犬などは、外出直前に糞尿を行うよう訓練されています)

一方、上記県条例に沿った啓発看板の正しい本来の記述は、「ここで糞尿をさせてはいけません」という事になるのですが、行政は、「糞は持ち帰りましょう」等と指示している事から、散歩時の排泄を認めている事になります。
これは、「持ち帰れば汚損に当らない」との見解を示している事に他ならず、県条例と啓発看板との整合性に疑問が生じています。

●愛犬家に求められる愛犬をコントロールする姿勢

糞を持ち帰る飼主の中に、数年間に渡り、毎回、歩道の同じ場所で糞をさせる中年の女性がいました。この飼主の言い訳は次の通りです。
@公共地で糞をさせる理由
個人の土地では糞をさせられないから。
A歩道(煉瓦敷き)でさせる理由。
草の上では糞を取りにくいから。

「飼主のマナー」とは、具体的には、動愛法県条例に記述された「動物の飼主の遵守事項」に相当し、行政の統一見解です。
上記の様な主張は、客観性のない個人的見解と見なされ、公に相手にされません。

この愛犬家に欠如している飼主としての姿勢は、
@糞を片付ける事をテーブルマナーの型の様に捉えており、そこには本来あるべき人への気配りがありません。従って、場所を選ぶという配慮に至らない訳です。人への気配りが伴ってはじめて大人のマナーといえるでしょう。
A更に、犬が、歩道のその場所をトイレと認識している事が既に明白であるにも関わらず、その場所を通過する際、犬の好きな様にさせている事が問題です。飼主として取るべきは、歩道での排泄を避けるために、犬をコントロールしリードする事と躾けを徹底する心掛けです。

片付ければ排泄場所はどこでもよいというのでは模範的な飼主とはいえないでしょう。臭いの着いた同じ場所に再び糞尿を繰返したり、他犬のマーキングを誘う等の犬の習性を考慮し、排泄する場所が、他人宅前であったり、多くの人が利用する道路や歩道である場合には、犬に「いけない!」と声をかけ、人通りが少ない土のある場所まで犬を誘導するとか散歩コースを変更するなどの対応に努めるべきでしょう。

マナーは、自己判断ではなく、客観的判断によるものでなければなりません。人への心遣いが伴ってはじめてマナーといえます。

●糞放置常習者の見解

また、シャベルとビニール袋を携帯しながら、チャイルドシートに子を乗せ自転車牽きを行い、入間川沿い市道で糞放置を繰返してきた20代母親は、
「他人宅前では取ってるんですけど、河川敷だからいいと思った。」
等と言い訳しています。

一般的に、公共地でなら糞放置が許されると誤認識している飼主が多い様です。
公共地の糞公害で最も問題になるのが道路上の糞放置です。アスファルト上の糞は分解されず、臭いが他犬を誘発し、道路に面した個人宅住人に迷惑が繰返し及ぶからです。

動愛法に関する正しい認識と対策が必要です。
行政は、適正な飼養の普及啓発義務の立場から更なる徹底した啓発活動と道路の所有権管理権者の立場から公共地の糞の清掃等を検討する必要があるでしょう。

●マーキングで飼い主のレベルが分る


マーキングは、悪臭ばかりでなく、染みや金属腐食を生じさせる等、看板、道路、橋等の公共物汚損の原因となっています。

特に犬の散歩道途上にある植込みでは、外枠の植木が集中的に根腐れし、葉が黄色く変色後枯れる実害が報告されています。
マーキングに関しては、場所を配慮せず、犬の好き放題にさせている愛犬家が多い様ですが、植込みでマーキングをさせぬよう、犬をリードしコントロールする心掛けが必要です。

園芸相談センター

マーキングを避ける方法は、臭いを嗅がせない事です。
犬は、マーキングを行なう直前は必ず臭いを嗅ぐ本能がある事から、他人宅の塀や植込みで臭いを嗅ぎ出したら「いけない!」と制止し、止まらず犬をリードして歩き続け、別の場所に誘導する事です。

臭いを嗅いでいる間中、じっと待っている飼い主は模範的な飼い主ではありません。

犬の本能・習性を充分理解している警察犬訓練士やベテランの飼い主は、犬が臭いを嗅ぎ出しても止まらずに無視し歩き続けます。
つまり、犬の好き勝手にはさせずに、飽く迄も飼い主がボスであり飼い主の意向に従って行動する様リードしコントロールする姿勢を怠りません。結果、犬は我慢しなければならない事を学習するのです。

臭いを嗅ぐからマーキングをしたくなる訳ですから、飼い主はその都度愛犬をリードしコントロールする事を怠ってはなりません。

放飼い編

●犬を「放して遊ばせる」ことは「放飼い」に当たるか

放飼いの定義ですが、「リードの有無に関わらず、自分の犬をコントロールできない状態の総称」ということです。従って、「放飼い」と「放して遊ばせること」は同義であり、リードを着けたままであろうとなかろうと、河川敷や公園内で運動のために放して遊ばせる行為も放飼いとなり「埼玉県動物の愛護及び管理に関する条例第8条一」「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準第5」により禁止された違法行為となります。

阿須運動公園、岩沢運動公園、最近では飯能大橋下グランド、美杉台公園脇山道等で「愛犬家による放飼いが糞公害を誘発している」実態があり、自治連からも行政に要望が出される等、「放飼い」が問題になっています。

飼主同士でも、放飼いになっている犬が近づいてくると自分の犬と喧嘩になりはしないかと心配の余り、瞬間的に身構えねばなりません。他人に気を使わせる事自体が迷惑行為といえます。

*動愛法県条例第8条一のハ
散歩時の飼い主の遵守事項については
○「移動」又は「運動」させる場合は綱若しくは鎖で「確実に保持」する事
と、放飼いが禁止である旨説明されている。

NO! Off Lead

●自分勝手な飼主の心理

自分勝手な飼主は、他人の犬に対しては噛まれるかも知れないとの恐怖心から触れようとしませんが、自分の犬が咬傷事件を起す可能性があるなどとは思っていないため、平気で放飼いをしたりします。
散歩で放飼いをさせている際中に人や犬に遭遇したとき飼主は、直ちに自らが動き自分の犬を係留しなければなりません。監視能力の欠如した飼主は、自分が動かず招呼で対応しようとしますが、飼主に集中していない愛犬に無視され、憮然とした人の態度に情けない思いをするのが落ちです。

飼主は、自分が抱く他人の犬への恐怖心と同じ思いが、他人にもある事を忘れてはなりません。

●放飼いは糞公害を誘発する。

普段挨拶をしない見知らぬどうしでも、散歩時に犬を介すと、愛犬家どうしは警戒心がなくなり妙に親しく挨拶したり話しをする心理傾向が働きます。
1人が河川敷や公園等で放飼いをしていると、上記の心理が働き、次第に「集団化」していきます。最近では糞を持ち帰る飼主が増えましたが、中には放置していく人もまだいます。放飼いをする愛犬家どうしは人間関係の崩壊を懸念して、糞放置を啓発しようとはしません。また、犬は自分の臭いの付いた同じ場所で糞尿を繰り返す習性があり、数ヶ月後にはその場所から糞公害が発生する事になります。(阿須運動公園、岩沢運動公園、飯能大橋下グランド周辺等でその実態が報告され問題になっている)

放飼いを行う愛犬家が理解しなければならない事は、自分は糞を持ち帰っていても、無意識の内に「放飼いを助長させ、結果として糞公害の誘発に一役買っている」という事に気付くべきです。

●逆転現象

犬は自分より小さい犬や猫の走り回る動きに反応します。
走り回る幼児は、急に近づいてきた犬にビックリし、倒れた調子に怪我をしたりします。犬に襲うつもりがなくても、親は犬に襲われたと思い、トラブルになります。

放飼いに利用される河川敷や公園は、子供にとって危険との懸念から、親はそこを利用しなくなります。飼主は、誰もいないので放飼いをしても問題がないと考えます。
いつのまにか、そこが放飼い常習者達により占拠化され、糞公害も発生する事となります。

この様に、利用目的に逆転現象が起きています。

*東京都の対応
公園内の犬の入場を区レベルで禁止しています。

●放飼いに慣れた犬は左脚側行進ができない

引っ張りもせず、遅れる事もなく、飼主の左側に寄り添って歩いている犬を見ると、躾が行き届いているという印象を受け、模範的飼主としてのレベルを感じます。飼主自身も歩きやすく、散歩を楽しむ事ができます。
散歩時の放飼いに慣らされた犬を係留すると、飼主を無視して勝手な方向に進むため、飼主は歩き難く、再び放飼いを行う事となり、通行人への迷惑を繰返す事となります。
犬との親和を保つためにも、左脚側行進に充分慣れさせておく必要があります。

●ロングリードは迷惑

ロングリードは元来輸入商品であり、躾のできた仔用です。
係留すれば放飼いに当らないとの判断から、ロングリードで散歩を行う飼主が増えています。ロングリードを使用する飼主の多くは、放飼い感覚で散歩を行うため犬の動きを制御しません。犬の嫌いな方や子供連れの母親、そして小型犬を散歩させる愛犬家等から、近づいてくる犬にヒヤッとさせられるとの事で、大いに迷惑との声が挙がっています。

飯能市では平成15年度には咬傷事件が10件発生しています。犬が見知らぬ人や他犬に近づく場合は、飼主はリードを手繰り寄せねばなりません。

●条例違反でテレビコマーシャル中止

鳴き声編

●犬の鳴き声は騒音規制法の規定をはるかに超えている

ペットトラブルの代表格である「犬の吠える声」に関して、環境省が始めて調査を実施しました。
同省は「イヌの鳴き声は騒音レベルが高く、飼い主側の対応が求められる」と話しています。

調査対象は計11種類の26頭。イヌから5メートル離れた場所で、ほえた時の騒音レベルを測定した。

ラブラドルレトリバーとアメリカンコッカースパニエルの鳴き声は92デシベルで、金属プレス機から5メートル離れた場所で測定した騒音(90デシベル)を上回った。シェパードやゴールデンレトリバー、ミニチュアダックスフンドの鳴き声も、5メートル離れた場所で聞く大型自動車の走行音(86デシベル)よりうるさかった。

家の外1メートルでほえたイヌの声は室内で聞いても15〜20デシベルしか下がらず、多くのイヌの鳴き声は昼間のテレビの音(67デシベル)をかき消してしまうことが分かった。

因みに騒音規制法で規定された限度は85デシベルです。(行政サービスの向上コーナー参照)

02年度に東京都、横浜市、大阪市に寄せられた飼い犬に関する苦情は計2万1420件。そのうち10%は、「鳴き声がうるさい!」という内容だった。

環境省動物愛護管理室は「飼い主にはうるさくなくても、イヌの鳴き声は近隣の迷惑になる。飼い主は、無駄ぼえしないようにしつけたり防音の工夫をした犬小屋を使うことが求められる」との事。

環境省動物愛護管理室
2004/3/18
犬の種類声の大きさ
ラブラドルレトリバー92デシベル
アメリカンコッカースパニエル
シェパード91デシベル
ゴールデンレトリバー
ビーグル89デシベル
ミニチュアダックスフンド
ホワイトテリア86デシベル
柴犬
シェルティ85デシベル
ボーダーコリー84デシベル
ポメラニアン76〜80デシベル

●無駄吠えに関する行政の指導

行政が担当する飼い犬に関する苦情に対する飼い主への啓発指導業務は、当然ながら「動物の愛護及び管理に関する条例」の理念に基き行われます。
従って、糞放置や放飼い等、飼い主の故意による迷惑行為に関しては、適正飼養(管理面)の視点から強く指導できますが、鳴き声等、飼い主の故意による迷惑行為とは限らず、高年齢による呆け、発情期等の理由から発生する無駄吠えに対しては、飼い主自身が困っている場合も多く、行政は強く指導できません。

一方、一般的な無駄吠えの対応に関しては、
・犬が吠えたらその瞬間に「いけない!!」と叱り体罰(口吻を強く叩く)を与える
・空き缶などの音のする物を投げ、犬の意識を飼い主側へ向かせる
等があります。
・口輪をする
・声帯手術を行う
等の方法もありますが、動物愛護の視点から強要する事ができません。
その他、
・室内で飼う。
・鳴かない様な訓練(「吠えろ」を飼い主の命令で行う様訓練すれば、逆に、命令がなければ吠えてはいけない事が犬にも分かる様になります)は素人には困難でしょう。

いずれにしても、無駄吠え自体を止めさせる緊急な方法はありませんが、普段から犬をコントロールする姿勢が重要である事を飼い主に理解させるべき行政指導は原則必要でしょう。。

●小さなペットに関する大きな問題

動物法務に詳しい行政書士が発行しているメルマガ「ペットの法律知恵袋」を御紹介致します。

○VOL.11
最近のペットブームを背景に、育成しやすい環境のために公園が増加してきているようです。
また、ドッグランなども各地に増えてきており、遊ばせる場所、散歩のできるところが増えてきており、動物好きにはうれしい限りですね (-^_^-)

しかし、飼育環境が良くなってきていることに比例して、マナーの悪い方も増えているようです(;_;)。
最近の小型犬ブームには、「かわいらしさ」のほかに「大型犬より手間がかからなそう」という、根拠のない理由も背景にあるようですが、特にこの小型犬の飼主の一部には、いまだに散歩中に他人のウチの前でフンをさせ、そのまま立ち去る方がいます。
また、小型犬ならば人間に傷害を負わせることも少ないだろうという、これもまた根拠のない理由から、リードをつけずに遊ばせて、子供に怪我を負わせた、なんてことがあります。
注意すると「犬を自由に遊ばせて何がわるい!」と逆ギレする始末。。。。
犬を公共の場(誰もが出入りできる場所)で遊ばせる自由は、それに付随して発生する責任もあることを知らないんですね。
それ以前に、ほとんどの自治体で、条例によって放し飼い禁止となっているはずです。
公園はせっかく増えてきたのに、一部のマナーのないブームにのっただけの飼主のおかげで、「自転車、スケートボード、犬猫等を連れた公園内の立ち入りは禁止する」なんて張り紙がされてしまうかも!!
ペットとの共存がしやすい社会は、誰かが与えてくれるものではなく、自分自身でつくりあげていくことだと思います。
その第一歩として、マナーのない方を排除していきましょう。
目に付いたら声をかけるだけでいいんですよ!「落し物ですよ〜(^^)」って!

小型犬に限った話ではありませんけど、最近目に付くのが小型犬が多いんです(;_;)。
べつに小型犬が嫌いなわけじゃないですよ!

なお、公園を管理する自治体では、こうしたフンの始末や、捨て犬捨て猫の防止のために、職員を監視させているところも増えているようです。
砂場にネットをかぶせたり、ゴミ袋を配ったり、いろいろな手段を講じているようですね。
自治体だけにまかせずに、できることはできるところから手をつけていきましょうね。
このメルマガの読者さんのお便りを拝見すると、自発的に何かを行っているような、行動的な方が多いような気がします。
がんばって、ペットと住みやすい社会を作りましょう!