虹色妝字旗女裝革命主義者宣言虹色妝字旗

偉大なる革命の太陽にして人民のお姉さま麻沙理大元帥同志の演説

\偉大なる革命の太陽にして人民のお姉さま麻沙理大元帥同志萬歳!/(拍手)

(萌え系電波ソング風の音樂の鳴り響く中、女裝革命黨旗を背に、偉大なる革命の太陽にして人民のお姉さま麻沙理大元帥同志登壇)

\キャーカワイー/

\「大」元帥つていふ割に大きくないー/

こほん。

日本には妖怪が現れてゐる――男の娘といふ妖怪が。舊日本のあらゆる權力が、この妖怪を退治するための同盟を結んでゐる。戀愛資本主義者、異性愛帝國主義者、彼らである。

權力の座にある徒黨から女裝革命主義的であると非難されなかつた反對派がどこにあらうか。この事實から二つのことが歸結する:

第一に、女裝革命主義は既に日本のあらゆる權力から、一つの力として認められてゐること。

第二に、女裝革命主義者が男の娘の萌え萌えさを全國の前に公表し、嵐を卷き起こすときであるといふことである!

\マンセー/(拍手)

我々に仇なす敵對者たちは、男の娘が自然の攝理に反すると誹謗する! 本當か!

\否ー!/

珊瑚礁の熱帶魚さへ、雄が多くなれば雄が雌に變化する。これはまさに自然の攝理ではないか! 男の娘に對する彈壓により、今日この日、どれだけの男たちがチョコレートを得られなくて抑壓され、慘めで苦々しい日を送ることになるか!

今日は二月十四日、血のバレンタインである! 純女がリア充男にチョコレートなる菓子を贈るといふ戀愛資本主義と異性愛帝國主義の祝祭日である! 本當はただのウァレンティヌスとかいふをつさんの命日に過ぎないこの日、我々は戀愛資本主義と異性愛帝國主義を撃滅し、男の娘千年帝國を樹立しようではないか!

\マンセー/(拍手)

第一回女裝革命主義者全國大會が、會場一杯に溢れんばかりの男の娘に滿たされ、このやうな盛況となつたことを嬉しく思ふ。

立て、男の娘たちよ! 作戰を開始せよ!

\オオォォオー/\マンセー/(拍手)


\日本武尊の昔より♪悠久の時を超え♪/

\つづく我らの男の娘♪あとついでにお姉さま♪/

\麻沙理大元帥♪萬々歳♪萬歳萬々歳♪/

\人民は挨拶を申し上げる♪榮光を捧ぐ♪/

その日、ぼろアパートの一室で

非リア少年太郎はリア充爆破爆彈を完成せしめてゐた。

太郎
フヒヒ、今年も一個もチョコレートをもらへないからこのリア充爆破爆彈でリア充アベックカップルどもを爆破するのだフヒヒヒヒ! ……む、外が賑やかだな。なんだこの歌は。

\いざ立て男の娘よ♪み旗につづけ♪/

\可愛く進みて♪後るな仇に♪/

\う・た・ひ・て・す・す・めよ♪/

\歌聲あはせて♪潮の如くに♪/

\正義のみ神は♪我らの護り♪/

ノック音
ドンドンドン
太郎
むッ、警察か!? リア充爆破爆彈のありかを嗅ぎつけられたか……ッ!

太郎、爆彈を押し入れに押し込み、恐る恐るドアを開ける。

そこにゐたのはロリ服とメイド服の美少女二人。

ロリ兼瑠(かねる)大佐
太郎さんですね?
太郎
そ、さうだが、なんだお前たちは。
ロリ兼瑠大佐
ふふふ。我らが何者か氣になるのですね。
太郎
まあいきなり訪問されればな。
メイド瑠邸音(るてね)大尉
我らは偉大なる革命の太陽にして人民のお姉さま麻沙理大元帥同志のご意志によりあなたのもとにチョコレートを運ぶために遣はされた女裝人民軍軍人!
ロリ兼瑠大佐
兼瑠(かねる)大佐!(決めポーズ)
メイド瑠邸音大尉
瑠邸音(るてね)大尉!(決めポーズ)
太郎
ぢょ、女裝人民軍だと! ってことは、お前ら、男なのか!?
ロリ兼瑠大佐
こんな可愛い子が!
メイド瑠邸音大尉
女の子なわけないぢやない!
太郎
その男の娘がなんの用だ!
ロリ兼瑠大佐
バレンタインだけどチョコレートがもらへなくてさみしいと思つて、偉大なる大元帥同志と私たちから、心をこめて。

ロリ兼瑠大佐、太郎にチョコレートを渡す。

太郎
(か、かはいい……いや、しかしこいつらは男……そしてなんかよくわかんない謎の女裝人民軍の軍人……)

そのとき、部屋の奧からメイド瑠邸音大尉の聲。

メイド瑠邸音大尉
大佐ッ! 押し入れの中からこんなものが!

手にリア充爆破爆彈。

ロリ兼瑠大佐
そッ、それはリア充爆破爆彈!
太郎
な、なに勝手に人の部屋を漁つてるんだ!

ロリ兼瑠大佐、太郎に拳銃をつきつける。

ロリ兼瑠大佐
この爆彈でリア充の爆破を企んでゐたのか!
太郎
そ、さうさ。戀愛資本主義者どもを爆破するのだ! 女裝人民軍も戀愛資本主義者の撃滅を目的としてるんだろ、だつたら俺と協力して……
ロリ兼瑠大佐
バカモーン!!

ロリ兼瑠大佐、太郎を毆る。

效果音
デュクシ!!
太郎
ぐはァッ! 見た目は女だけど本當は男だから強い! 痛い!
ロリ兼瑠大佐
大元帥同志がなんのために女裝人民軍を結成なさつたと思つてゐる! 日本中、世界中に男の娘の愛を廣め、平和裡に革命を達成する(そして世界を征服する)ためだ! 暴力革命は許されない! ましてやただの怨念ルサンチマンテロリズムなど、許されるものではないのだ!
太郎
くッ、そのとほりだ。俺が間違つてた……。

メイド瑠邸音大尉、太郎を後ろから抱きしめる。

メイド瑠邸音大尉
もうこんなこと企んぢや駄目よ。
太郎
はい……。
ロリ兼瑠大佐
それでは我々は失禮する。
太郎
待つてくれ!
ロリ兼瑠大佐
む?
太郎
君たちはなぜそんなに可愛いんだ! 俺にも君たちのやうになれるのか!?

きよとんと見つめあふロリ兼瑠大佐とメイド瑠邸音大尉。少しの後、互ひに頷くと、メイド瑠邸音大尉はドアを開け、外の人に呼びかける。

メイド瑠邸音大尉
化粧兵! 衣裳兵!

二人組の少女(もちろん男である)が闖入し、太郎を確保すると、化粧兵は化粧を施し、衣裳兵は服を著せ替へる。

化粧兵・衣裳兵
できた!

化粧兵、鏡を見せる。セーラー服の少女がそこにゐた。

太郎
こ……これが俺……!?
ロリ兼瑠大佐
こ、これは……!?
メイド瑠邸音大尉
史上稀に見る似合ひ方であります!
ロリ兼瑠大佐
うむ、磨けば更に光るだらう。君には小鳩(こばと)の女裝名と上等兵の階級、そして戰鬪員資格を與へよう。

ロリ兼瑠大佐、太郎改めセーラー小鳩上等兵に階級章を渡す。

ロリ兼瑠大佐
これから次の地點への進撃に一緒に從軍してもらはう。
メイド瑠邸音大尉
しかし大佐! 訓練を經てゐない兵士は作戰に參加することができない規定であります!
ロリ兼瑠大佐
今日は非リアが多すぎて作戰のための人員が足りない。さあ、次の非リアにチョコレートを渡すのは君の役目だ!
セーラー小鳩上等兵
ラジャー!

セーラー小鳩上等兵、敬禮。

そして彼女たち五人は次の地點に向けて進撃を始めた。


\男の娘よ♪化粧道具を取れ♪/

\部隊を組織せよ♪/

\進め! 進め!/

\敵を一人殘らず萌やし殺すまで♪/