スペシャル・チーム


はじめに

 スペシャルチームとひとくちにいっても、色々ある。アメフトを少し
でも見たことがある人ならご存じだろう。見たことがない方も、これを
見れば少しは理解が深まると思います。以下にスペシャルチームについ
て述べます。

 以前ある方からご指摘をいただきました。私はこのHPの作戦・戦術
のところで日本のチームがNFLのチームに勝つには、作戦が必要で、
その逆には必要ないと書きました。そこである方は以下のようにご指摘
下さいました。
   NFL選手には作戦はいらないとあったが、決してそうとは思い
  ません。もし、NFL選手が戦術を待たずにキックオフですべてT
  Dをあげられたら勝てません。
   フットボールはキッキングゲームが最大の鍵です。オフェンスと
  ディフェンスはその次に来るものです。
   オフェンスで50分以上ボールを支配してもキックゲームで勝てる
  可能性は大きいのです。
 つまり、この方のいいたいことは、スペシャルチームも重要だという
ことです。私もそう思います。


1.Punt

2.Punt Return

3.Feild Goal

4.Feild Goal Defence

5.Try For Point

6.Try For Point Defence

7.Kick Off

8.Kick Off Return


1.Punt

 陣地回復のために行う攻撃のことである。主に4thダウンでパント
が選択される。なぜならば4thダウンの攻撃で1stダウンを更新で
きなければ、デッドした地点から相手側の攻撃になってしまうからであ
る(これは相手によいフィールドポジションからの攻撃を与えることを
意味する)。
 そのためパントを蹴り、敵陣奥深くまで相手を押し込めることを第1
の目的としている。つまりパントとは自軍の攻撃権を捨て、相手に攻撃
権を渡すことといえる。ただし相手側の攻撃開始地点はパントをリター
ンしデッドしたところからの攻撃となるため、守備をしやすくなる。
この第1の目的を達成するためにはパンターにパントを蹴らせる時間を
与えなければならない。そのためにはしっかりブロックをしなければな
らない。
 第2の目的、パントをリターンさせないこと。パントをリターンさせ
ないために、パンターをタックルする。タックルするためにウエッジ
(リターナーを守るバリアー)を破る。因みにこのウエッジを破る人を
ウエッジバスターといいます。そしてリターナーをタックルします。ハ
ードタックルを決め、ファンブルなんてさせれば、またもや攻撃権を得
ることも可能である。

「フォーメーション(一例)」
  スナッパー(通常Cが兼任していることが多い)を中心にLOS上に
 7人の選手を配置する。5人はCを含めてLineの役割を持っている。
 Eの2人はSEのような位置から飛び出しリターナーを囲い込む役割を
 持っている。パンター(P)はパント(正確にはスクリメージキック)
 を蹴る。残りの3人は第1戦から漏れてくる選手をピックアップする
 (Pに寄せ付けさせない)役割を持っています。

//あきぼんさんのご指摘の通り、pantではなくpuntですね。
//あきぼんさんありがとう。皆さんも間違いをみつけたらご指摘ください。

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2.Punt Return

 パントをリターンすることが仕事である。パントをリターンすること、
それは攻撃の開始である。攻撃といえばオフェンスチームを考えがちだ
が、パントをリターンすることから攻撃は始まっているのだ。
 まずスクリメージを組む。第1の仕事、パントを蹴らせない(完璧に
蹴らせる時間を与えない)ことである。つまりパンターにプレッシャー
をかけることである。プレッシャーがかかればパンターがミスをする可
能性が増えてくる。ここでいうミスとは、あまり遠くに飛ばないパント
のことである。遠くに飛ばなければリターンがさほどうまくいかなくと
も、いいフィールドポジションからの攻撃権を得ることとなるのである。
また、うまくいけばパントブロックという超ファインプレーも起こる。
パントブロックでボールを確保できれば、そのままTDになることもま
まある。まさに攻撃の始まりである。
 第2の仕事、パントをリターンすること。パントをリターンするため
にリターナーの周囲にバリアーを作る。リターナーはこのバリアーをう
まく使って、リターンしていきます。当然ウエッジを作っている選手以
外の人もちゃんと仕事をしています。リターナーを守り、1ヤードでも
前に進ませるための仕事である。リターンがうまくいけば、パントリタ
ーンTDなんてこれまた超ファインプレーも起こる。

「フォーメーション(一例)」
  効率的に人数を配置するため、ラインの外側に足の速い選手を集め、
 パンターにラッシュする。リターナーとそれを守る人はLOS後方に
 下がる。残りの選手は壁を作る。

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3.Field Goal

成功すると3点が加算される攻撃。通常フィールドゴール(以下FG)は
4th Downで選択されることが多い。ただしフィールドゴールレンジ(FG
を蹴ったら決まる可能性があるゾーン)に入らないとFGを選択せず、パ
ントを選択する。フィードゴールレンジとは確たるものが決まっているわ
けではない。チームのキッカー(以下K)の力によるところが多いからで
ある。最も遠くまで蹴れるはずのプロのKでも55ヤード位が最高であろう。
因みにエンドゾーンの後方にゴールポストがあるためBall On + Endzone
ということを考えなくてはならない。そのためハーフラインから蹴ったら
60ヤード蹴ることになる。そのためゲームで使用されるのはBall On 40-
yard以内であることが多い。ゴールポストから遠ざかれば遠ざかるほどF
Gが成功する確率は下がるからである。
 これまでの説明だけではFGのすばらしさを表現できていないことにな
る。上記の説明では攻撃がうまくいかなくて、しょうがなくFGを選択し
たかのような表現になっている。以下に本当のFGの大切さを述べてみた
い。
 FGのチームはものすごいプレッシャーの中で登場してこなくてはなら
ない場面がある。それが試合終了間際のFGである。勝っている場合は、
だめ押しの意味のFG。負けている場合は、逆転のFG。特に後者の場合
のプレッシャーは相当なものだ。
 FGはキッカーとホルダーそして彼らを守るLineの面々によって構
成される。キッカーはホルダーの置いたボールを蹴るのが仕事。ホルダー
はスナップされたボールをキッカーが蹴りやすい位置へセットするのが仕
事である。その他の人はキッカーを守ることが仕事である。

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4.Feild Goal Defence

 相手は3点を確実に取ろうと必死になっている。それに対して彼らの仕
事は相手を打ち負かし、キッカーにプレッシャーをかけることである。更
にベストはキックをブロックすることである。
 しかも事態を更に難しくさせている「フェイク」にも対応しておかなけ
ればならない。全てのものがキッカーに集中しているとフェイクにより、
ゲインされかねないからだ。従ってラインの最も外側に位置するものは、
このフェイクに対応するためコンテインしておかなければならない。

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5.Try For Point

 TDの後に与えられる攻撃権である。キックでtryを行い成功すれば、
1点を追加。プレーを選択し成功すれば2点が追加される。別名ポイント
アフタータッチダウン(PAT)。以下キックの場合のみ。
 最優先とされることは、確実に1点を追加することである。そのために
ラインは相手の進入を許さないように守ることが、重要である。またライ
ンの中でもスナッパーはホルダーに対してストライクのボールを投げなけ
ればならない、ボールが高すぎても、低すぎてもだめである。ホルダーは
ボールを受け取ると、キッカーの蹴りやすい位置・角度・ボールの向きな
どをセットしなければならない。キッカーはプレッシャーを考慮しなけれ
ば、最も楽なポジションかもしれない。ただ蹴るだけだから。しかしこと
は、そんなに簡単には行かない。実際にはボールを蹴るまでの歩幅、風の
強さ、ボールonされている位置などを考慮して、ボールを蹴っているの
だ。更に忘れてはいけないことがある「プレッシャー」だ。これに打ち勝
つ集中力もキックを決めるための重要なファクターといえるのである。
 つまり個々の役割を確実に果たすことが成功の鍵であるといえる。

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6.Try For Point Defence

 これも難しいディフェンスの1つだ。なぜならば相手がキックを蹴ると
は限らないからだ。
 相手がキックを選択すれば、キックに対する守り方をするのだが、この
場合にもキックを蹴るとは限らないため、フェイクに対する用意をしてお
く必要がある。
 相手がプレーを選択すれば、ゴールラインディフェンスをする。しかし
この守り方も結構難しいのである。状況的にはランプレーorパスプレー
のどちらかしかない。更にランプレーはインサイドラン、アウトサイドラ
ンに2分される。インサイドランはスピードを使ってラインを飛び問えて
いくようなランプレー、パワーでごり押ししていくようなパワープレー。
パスプレーはタイミングの早いタイミングパス、レシーバーを探して投げ
るパスプレーに分けられる。さらにプラスしてオプションプレーがある。
この場合のオプションとはトリプルオプションやリードオプションといっ
たものではなく、QBがランとパスを状況で判断するといったものである。
例えばダイブフェイクからQBのブーツレッグ、ここでレシーバーがフリ
ーならばパス、フリーでなければQBがランをするといったものである。
 ディフェンスは受け身になってはいけないが、相手のプレーを決めつけ
てもならない。まったくもって奥の深い世界だ。

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7.Kick Off

 これをはじめに書けばよかったとちょっと後悔。いやかなり後悔。
 このKickoffからアメフトのゲームは始まります。まず審判からボ
ールを受け取り、ティー(=キッキングティー)にボールを立てる。そして
ボールを蹴る。これで試合開始。
 ここで注意しておくことがある。プロとNCAAでは大きくルールが違う
点があるのだ。プロではキッカー以外の選手はどこにアラインしてもかまわ
ないが、NCAAではキッカーを挟んで片側に最低4人並べなくてはならな
いのだ。これは重大なルールの違いである。この違いを実感するのは、オン
サイドキックが選択されたときである。プロではオンサイドキックの時には
キッカーに関係なくサイドライン際に10人がアラインし、成功率を上げる
ことができる。しかしNCAAでは片側に最低4人が必要なため、オンサイ
ドキックを選択しても、キッカーを挟んで片側に4人、その反対側に6人を
アラインさせることになる。以上のルールの違いは、このようにプレーの幅
をも変えてしまうのだ。
 さて、キッカーばかりに注目が集まりがちだが、他のメンバーにも注目し
て貰いたい。まず、アラインしたとき最も外側に位置しているものは、コン
テインの役割がある。つまりリターナーを囲い込む役割である。他にもリタ
ーン側が構成するウエッジ(リターナーを守る壁)を撃ち破る役割を与えら
れている、ウエッジバスター。最も後ろでもしもの時に備えているセイフテ
ィーなど様々なものがある。知れば知るほど奥深い世界だ!
 なにはともあれ、ボールを蹴り、相手をタックルしボールデッドになるま
でが、キックオフだ。更にタックルした際、リターナーがファンブルし、こ
ちら側がボールを押さえることができれば、攻撃権は直ちに変わり、こちら
からの攻撃が始まる。

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8.Kick Off Return

 このキックオフリターンから攻撃が始まる。いいリターンをすれば、次の
1stダウンからの攻撃では、様々な攻撃を行うことができる。しかしリタ
ーンが悪いと安全を最優先に考え、消極的な攻撃に頼らなければならなくな
る。 ここでいう、いいリターンとは、ボールをキャッチしてからリターン
をし、ボールデッドの位置がレッドゾーンを脱していることをいう。
 リターナーの仕事は、まずリターンするべきかタッチバックするかを判断
することである。その前に飛んできたボールはフリーボールであるため、相
手にボールを獲らせては駄目である。次の仕事は、確実にボールを確保する
ことである。後はボールを落とさないように持って、ブロッカーを使いつつ
少しでも前進することが重要である。
 その他の人はリターナーがリターンできるように道を確保することが仕事
となる。ウエッジを作りリターナーを守る人、リターナーに近づけないよう
にする人などである。
 次にオンサイドキックの場合も考慮しておく必要がある。この場合は全て
の人がリターナーのつもりでなければならない。飛んできたボールは確実に
獲らなければならない。相手は続けて攻撃権を確保したいために、オンサイ
ドキックを選択しているのである。

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