とらじろうの おもろな「愛猫ロン」 へようこそ
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~~~ 愛猫「ロン」のおもいで ~ ~~
    ◆はじめて見た「ロン」
     家内が知人に「もらって欲しい」と頼まれ、断りきれずに当家に養子入りした二匹。隠しきれるはずがないのに私に発覚するとうるさいので隅のほうに隠してあった兄妹(姉弟?)。一方は黒と灰の縞で胸と腹が白くシッポの短いオス。そして、ロンは三毛で不規則な柄、顔のぴったり中心から左が黒で口の周りが白くシッポは長いメス。どちらもお世辞にも可愛いとはいえない、特にロンの柄模様は醜いとさえ思った。尻尾の長さで前者を「タン」(短)、後者を「ロン」(ロング)と命名した。「ノン」という犬もいたので2文字目を「ン」にしたかっただけのこと。以降2文字で「○ン」とすることにして「ゴン」「ギン」「ミン」など。ただし、「トラ」は当家に来る前からそう呼んでいたのでそのままにしたが、実は初代の「トラ」もいたので正式には「2代目トラ」だ。そして、このトラと見違えるほどよく似たのが家の周りをよくうろつくことがあるが、これを「外トラ」と呼んでいるので2代目トラは「内トラ」ということにもなる。

    ◆風邪の後遺症?
     色柄で醜いと思ったのは、先にいる「ミー」と「ナツ」が共に純白の美男子?だったからなのかもしれない。見慣れるうちに可愛くなってきて醜さを感じなくなったあるとき、長老のミーが風邪をもって帰りロンとタンに感染させてしまった。目が充血して涙を出し鼻水を垂らしくしゃみで鼻水を飛ばす。特にロンはおしっこの色も悪く、よく嘔吐もした。なんども医者通いをしたが完治せず涙、水鼻、嘔吐はロンの持病になってしまった。慢性蓄膿症とか腎臓病といわれ、事ある毎に通院して注射、点滴、検尿、血液検査、投薬そしてキャットフードまでも獣医指定のものにしていた。お陰で薬を飲むのは、ほかの猫よりいちばん上手だった。

    ◆おとなしい女の子
     当家のペットで女の子はノンに次いで2匹目。バタバタせずじっとしていることが多く、ストーブの前や直射日光の当たる窓際の熱々が好きなようだった。おとなしくて近所の人にも撫でてもらったり、ロンを知っている子供が前を通るたびに「ロンちゃんは?」と声をかけてくれるほどの人気者。来客の誰にも脅えることなく、近くでじっと寝ているか猫好きの人には抱っこしてもらっていい気分。ときには、対談をしているテーブルの上のものを跨いで横切ったり、そこでノビノビをしたりの行儀の悪いところを見せる。でもたまに、雀や鼠や蝉をくわえて帰って遊ぶこともある。こののんびりやが…と疑うがやはり猫の本能なのだろう。

    ◆路上で出迎え
     5、60メートル離れた四つ辻へごみ出しに行くとき、門前の路上で黙って見送っているのだろう。帰りには遠くの私を見て座ったままニャーンと呼びかけてくる。20メートルほどまで近づき、しゃがんで呼んでやれば一目散で駆けてくる。その走り方はいつもじっとしているロンとは違った勇ましさを感じる姿である。ブロック塀の上でじっと待っているときもあったが、近づくと必ず迎えの挨拶をしてくれた。

    ◆活性炭の薬
     腎臓が悪いといわれて、毎日ずっと飲ませなくてはいけないといわれた薬の中に活性炭があった。0.3mmほどの球状の粒、これが毒素を吸収して便と共に排泄されるという。薬飲みの上手なさすがのロンも砂のようにジャリジャリしたこればかりは飲みにくそうだった。でも、水に溶かして(溶解はしない)1日1回空腹時に飲ませていた。3、4ヶ月が経ったころには体調もよくなったようなのと経済的な理由も含めて服用を中止した。ずっと飲ませていたらもっと長生きできたのかな、と反省したりもする。

    ◆魚嫌いの「ロン」
     魚の嫌いな猫というのは今までに聞いたことがない。他の子たちは魚のにおいがするとじっとはしていない、箸で悠長に皿から口に運んでいようものなら横からすばやくチョンと失敬されてしまうのに。 だが、ロンは刺身であろうが焼き魚、煮魚であろうが見向きもせず、キャットフードのみ。キャットフードを食べた後では必ず水を飲んだ。そのあと様子がおかしいなと思ったとたん今食べたものをみんな戻してしまう。これもお腹の毒素を排出する一手段かと思いつつ後始末をする。魚嫌いの栄養の偏りが病弱になる原因でもあったのだろうか。

    ◆きれいな水飲みが好き
     魚は嫌いだがきれいな水が好きだった。水道の蛇口から出る水の音を聴くと跳んでくる。台所、洗濯水槽、風呂場、屋外の流し場、トイレの水洗タンクとどこでも水の流れる音を聞くとじっとはしていられなかったようだった。止めてしまうのは可哀相だとチョロチョロ出したままにしてやると、しばらくは楽しんでいる。獣医に話すと、飲んでいるのではなく口を冷やしているのではないかという。

    ◆痩せて突き出す背骨
     平成17年12月初めから、食欲がなく痩せて背骨がとんがってきた。「猫背」の象徴というよりも可哀相なほどとんがっている。通院で点滴、鼻水吸引、注射、投薬を1ヶ月ほど続けた。年末年始に帰省していた孫親子4人と我々の総勢6人の付き添いで病院通いをしたこともある。さぞ、獣医の皆さんもびっくりされたかも知れない。年は無事に越したものの次第に衰弱がひどく横寝の状態からあまり起きようとはしなくなっていった。

    ◆返事をするロンに涙
     1日置きの医者通い、しばらく走るといやがって泣く。ある日獣医へ行く途中、ロンを抱いている助手席の家内に「もう、ワオーンとも泣かなくなったな」と話してしばらくすると、会話を聞いていたかのように か弱い声で「ワオーン」と返事をした。「しんどいのに無理するな!」と思いつつ涙。寝込んでいる側へ長老で仲良しのボス「ナツ」が近づくと、小声で短く「ニャン」と話しかける姿にまた涙。

    ◆発作痙攣を起こす
     病院で手当てをして帰ったが、衰弱はますますひどく呼吸も微かになる。寝返りもできない。横に寝ている向きがしんどいかと反対に向けたり、手足を下にしてみたり。たまに手を動かす程度でほとんど動かない。呼吸をしているか時々お腹の動きを見ては安心する。吐こうとしても吐くものもなく吐く力も尽きている。そうこうしているうちに発作を起こした、瞳孔が開き呼吸が止まっている、家内が「ロンちゃん」と叫びながら胸を撫でる、息を吹き返した。瞳孔も戻った。1月8日の晩には数回発作痙攣を起こし、2人して徹夜で見守った。

    ◆3日2晩の甲斐なく…
     夜明けを迎えて9日昼間にも発作を繰り返したが、夜にはいちども発作もなく2日目の徹夜が過ぎた 。10日は朝から再び発作を繰り返しその周期は次第に縮まってくる。あるときの発作では、ほとんど動かなかった体が横に寝たままで一生懸命歩いたのには驚いた。衰えた体力を全て出し切るかのように苦しみ悶えて「早く苦しくないところへ行きたい」との訴えにも見えた。数回の発作を胸のマッサージと名前の呼びかけで甦生していたが、これ以上苦しめてやっては可哀相だと思うようになったのを察知したのか遂に甦ることなく、午前11時13分家内の腕の中で息を引き取った。

    ◆火葬と喉仏と埋葬
     11日9時30分に家内が火葬場へ行った。動物用の火葬が別に定められており、10kg未満は1500円、骨上げを希望すると3000円追加となっている。骨上げの後「これが喉仏です、仏様が座禅を組んで手を合わせている形をしているでしょう」と丁寧に説明をうけたという。私もそれを見てなるほどと思った。この歳になるまで何度か骨上げには立ち会ったが実にきれいな仏様だと今回初めて見た。なんでも、喉仏がはっきりしているのは生前によい行いをしていた証拠だとか。49日を過ぎたらシロ・ノン・ミー・ヨソの眠る庭に仲間入りさせてやる。
「ロン」の後姿


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悲しい話に最後までお付き合いいただきありがとうございました。