ZLスペシャルアンテナのコーナー

(最終更新 1998.04.29)


 21MHZ用2ELZLスペシャルアンテナは、1988年にQRPトランシーバーNO1号機と一緒に作りました。しばらくは2ELの状態で使用していましたが、サイクル22のコンディションダウンとともに2ELでは力不足を感じ、1993年頃ゲインアップのため3ELへの改造を行いました。

 製作当初は、アンテナハンドブックのデータ通りに作っていましたが、1994年に松田氏(JA1WXB)作成のアンテナ計算ソフトMMPCを入手しましたので、それ以降はこのソフトで計算させたデータをもとに製作や改造をしています。

 尚、このコーナーで使用しているペイント画面は、菊地OM(JA1HWO)に作っていただいたものを使用しています。


ZLスペシャルアンテナの製作(21MHZ用)

 ここでは、2ELZLスペシャルの製作および3ELへの改造方法についてご紹介します。


2EL             3EL

2elZLスペシャル jpg 4kb 3elZLスペシャル jpg 5kb



エレメントの寸法(2EL)

2el寸法図 gif 3kb 2el外観 jpg 5kb

 2ELZLスペシャルの各部の寸法は上図のとおりです。全部のエレメントに300Ωのテレビフィダーを使用します。

 簡単な構造ですが、約4dbのフロントゲインがえられます。動作的にはHB9CVと同じく位相差給電タイプのアンテナで、通常の2EL八木アンテナよりも若干ゲインが大きくとれます。


エレメント作り方

 最初にエレメントになる部分を作ります。通常のアンテナではエレメントをアルミパイプで作りますが、ZLスペシャルではこの部分に300Ωのテレビフィダーを使用します。

 具体的には300Ωのテレビフィダーを下図のように加工します。この場合、長さをいい加減に作ると所定の性能が得られません。正確に測って作ってもらえば特に調整する箇所はありません。

2elエレメント寸法図 gif 7kb

エレメント支持パイプの作り方

 次に、内径25mmの塩化ビニールパイプを下図の寸法で切り出し、H形に組み立てます。パイプの接続部分には、塩ビパイプ用の接着剤を使用し抜けないようしっかり固定します。

 H形の塩ビパイプの4本の先端にグラスファイバー製の釣り竿を差込ます。この時少し隙間ができますので、釣り竿の根元部分にビニールテープを数回巻き、塩ビパイプにピッタリ入るよう調整します。

 釣り竿を差し込んだあと、段差部分にビニールテープを巻き抜けないよう固定します。釣り竿は長さ4.5m(縮めた時の長さが約60cm位のものがベター)の物を使用し先端の細い部分は切り捨てます。

 組立終わったパイプや釣り竿に、前項で作ったエレメントをビニールテープで固定していきます。固定用のビニールテープは約20cm間隔くらいで十分です。

2elパイプ寸法図 gif 7kb

完成した2EL ZLスペシャルアンテナ

完成したアンテナ Jpg  8kb  



バランの役目とその製作方法について


 ZLスペシャルアンテナは左右対称のバランス型のアンテナです。一方、接続する同軸ケーブルは構造的にアンバランスになっています。この両者の間を取り持つのがバランの役目です。

 また、2ELZLスペシャルの給電点インピーダンスは約90Ωです。これに接続するフィダーは一般的に50Ωのフイーダーを使用しますので、そのまま接続するとミスマッチング(SWRが高い状態)になります。このインピーダンスのずれを補正するのがマッチング回路(下図右側)になります。

 この項ではバランとマッチング回路について説明します。具体的作成方法は下図の通りです。それぞれの使用方法は、2ELでフイーダーに75Ωの同軸ケーブルを使用する時はバランだけを使用します。また同軸ケーブルに50Ωのものを使用する場合は、バランのすぐ後にマッチング回路を更に接続して使用します。

バラン構造図 gif 5kb マッチングトランス構造図 gif 5kb



マストへの取り付け側面図

   出来上がったアンテナをマストに取り付ける場合、ブーム部分が塩ビパイプですので、補強のため下図のようにナイロンロープで吊り下げて使用します。

 移動運用で使用する場合は、アンテナ自体が軽量なためナイロンロープで吊り下げず、マストに直接設置して使用しても問題なく使用できます。

 以前ZLスペシャルアンテナのデータを送ったアマチュア局から、移動用として作ったら非常にFBであったという製作リポートをもらっています。

マストへの取り付け側面図 gif 4kb


2ELから3ELへの改造方法について

 2ELZLスペシャルにエレメント(導波器)を1本追加することにより、3ELのZLスペシャルに改造できます。

 フロントゲインは、2ELに比べ計算上約3dbのゲインアップになります。ゲインアップと同時に、ビームパターンがフロント方向に狭くなり、ビームアンテナとしての性能が大幅に改善されます。

 難点はアンテナ自体が大きくなることですが、設置スペースに余裕があれば是非3ELに改造することをおすすめします。

 改造は、前項で製作した2ELをそのまま活用して作ります。ただし3EL化に伴い、2ELのエレメントのうち、反射器Re(長いほうエレメント)を若干切り縮める必要があります。具体的切り縮めの寸法などは以下の図面で確認して下さい。


エレメントの寸法(3EL)

 3ELZLスペシャルの各部の寸法は下図のとおりです。フロントゲインを大きくとるためには、導波器と輻射器の間隔を広くする(0.2λ)ワイドスペースタイプになります。下図の寸法はワイドスペースのものを記入しています。

 2EL部分はそのまま流用しますが、反射器(Re)の寸法を6.85mから6.61mに切り縮める改造が必要です。

 フロントゲインおよびFB比は、いずれも松田氏(JA1WXB)作成のアンテナ計算ソフトMMPCによる計算結果です。

3el寸法図 gif 4kb

導波器(De)の取り付け位置と全体組立側面図

 下の図は3ELZLスペシャルを側面から見た図です。ブームになる部分は配線工事用の30mm径の金属管を使用しています。

 このブームに2ELのZLスペシャルを吊り下げる感じでクランプを使用し固定します。固定された状態は、次の項の写真でも見ることができます。

 導波器(De)は、長さ50cmの塩化ビニールパイプに釣り竿を2本差込、それに長さ6.15mの300Ωのフィダー線(両端をショートしたもの)で作ったエレメントを、ビニールテープで釣り竿に約20cm間隔で固定していきます。

 出来上がった導波器(De)を、2ELZLスペシャルから2.8m離れた位置に取り付ければ、3ELZLスペシャルアンテナになります。

3el全体組立図 gif 5kb



バランとマッチングトランスの取り付け状況

 下の写真はバランおよびマッチングトランスの配置状況です。2ELZLスペシャルを、金属管のブームにクランプで取り付けている様子も見ることができます。

バランおよびマッチングトランス設置状況 jpg 9kb



アンテナの諸特性(パソコンの計算結果)

 できあがったアンテナの諸特性は下記のようになっていると思われます。左側が2ELのビームパターン、右側が3ELのビームパターンです。この2つは松田氏(JA1WXB)のアンテナ計算ソフトMMPCが計算して出力したものです。

 計算ではアンテナ計算ソフトMMPCのHB9CVを使用し、実測した300ΩTVフイーダーの短縮率を乗じた長さで計算させています。

       2ELビームパターン   3ELビームパターン        

2elビームパターン図 gif 3kb   3elビームパターン図 gif 3kb



アンテナの諸特性(実測結果)

 下図のSWR特性およびパターンは、わたしの作った3ELZLスペシャルのものです。SWR測定はアメリカ製の測定器 RF−1 を使用して実測しました。

 2ELのSWR特性については、測定中に思わぬアクシデントに見舞われ、結果的に現在も未測定のままになっています。

  RF1でSWRを測定中    SWR実測特性

SWR測定写真 jpg 6kb 3elSWR特性図 gif 2kb

実測パターン図を見る(gif 20kb)(左をクリックすると実測パターン図が見れます)



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