シリンダーヘッド開けました

もうヘッドだけではなくエンジンフルオーバーホールとなりました


●トップページでは一足先に書きましたが、とうとう私のJA22のK6Aエンジンもパワーの限界を

むかえたのか、おそらくK6Aではもっともポピュラーなトラブルであるヘッドガスケット抜けという

事態になりました。

症状としては、高速などでの全開加速でフルブーストかかった状態でのみクーラントが吹き出して、

通常の街乗りではまったく正常という感じです。エンジン内部に冷却水が入るほどではありません。

よくあるノッキングやデトネーションによってガスケットそのものが溶損したり破壊されたというの

とは異なり、燃焼はあくまでも正常燃焼で、純粋にその爆発圧力に対してガスケットのビード部の

シーリングが負けて冷却水側に燃焼時の圧力が漏れたということになると思います。

ですのでパワーに対して「ガスケットが負けた」という表現が合っているのではないかと。 まあ、

K6Aのようにオープンデッキ&ウェットライナーという構造では剛性に不安があるため、このへんの

強度の限界というのはそうそう高くはないと思いますので、ある程度は仕方ないことなのでしょう。

よくK6Aは「アルミブロックだから弱い」と言われることがありますが、そんなことを言ったら

本格的なレーシングエンジンはみなアルミブロックです。 問題はやはりオープンデッキであるという

構造上の剛性不足にあるのではないかと思います。これがパワーを上げていくと負けてしまうのです。

また、このガスケットトラブルは私のようにチューニングしていなくても、ノーマルのK6Aでも多発

していたとのことで、とくに初期型のK6Aでは多いとの話も聞きます。 この理由には、K6Aはスズキ

では初のメタルガスケット採用で、製造ラインでまだメタルガスケットに対応した締めつけのノウハウ

が不足していたためとも言われています。ですので現在のK6Aではおそらく改善されていると思います。


●とりあえずヘッド開けてみての現状です。 ただ、K6Aというエンジンはヘッド開けるだけでも

フロントカバーからオイルパンからすべて外さないとならないので、結局残るのはショートブロック

状態となりますので、ほとんどフルオーバーホールに近いかたちになってしまいます。

このことから、ヘッド開けるのも結局エンジンを降ろしての作業となりました。

 

●ヘッドガスケット

↑このように見事に3番シリンダーのガスケットが抜けていました。 これではクーラントも吹く

はずです。 K6Aは純正でもメタルガスケットですが、ガスケット本体のステンレススチールの

部分は問題なくても、両面をシールしているラバーコートの層がこのように破れてしまうのです。

 

●シリンダーヘッド

↑燃焼室、バルブ等には一切問題はないようです。 ピストン頭頂部も含めて燃焼室表面も正常

でノッキングやデトネーションの形跡もありませんでした。 つまり空燃比等のセッティング

には大きな問題はなかったと言えそうです。 その意味では少し安心しました。

また、K6Aではよく問題になる排気バルブの異常摩耗やクラック(ひび)の発生もないことから

燃焼温度にも問題はなかったと思われます。 ハイブーストではあったものの空燃比や点火時期

等のセッティング的にはまあまあ良い状態であったと言えそうです。

 

●シリンダーライナー(スリーブ)

↑今回開けてみてもっとも気になったのがこれ。 2番シリンダーのみ比較的当たりの強く出て

いる部分があります。 これは1番と3番には見られませんでした。

普通はピストンピンと直角方向ならサイドスラストの影響でこういう痕が出ることもありますが、

今回はピンボス方向の両側面にこの痕が出ています。 普通に考えればやや不自然ですが「3気筒

エンジンは真ん中(2番)が熱的に辛い」という特有の現象からくるものと思います。

つまり、3気筒エンジンの場合点火順序をどうしようが2番の両隣りのシリンダーの燃焼に挟まれ

ますのでどうしても2番に熱が集中しがちになります。 このことから1番と3番に比べ2番ピストン

がより温度が上がることになります。

ご存知のようにピストンというのは熱間時に真円に近くなるよう、より熱膨張の大きいピンボス方向

は冷間時は短径になるよう楕円になっています(オーバリティ)。 これがエンジンが暖まると適度

に膨脹して真円になるのですが、このとき、2番だけがより温度が上がることでピンボス方向がさらに

膨脹して真円を通り越し、ピンボス方向が長径になることでこのようにエンジンの長手方向により強く

当たりがついてしまうということです。 この痕はこうしたプロセスによる現象であると推測します。

これを防ぐためには、冷間時にはややブローバイの発生は多くなりますが、たとえば1番と3番に比べ

2番のシリンダーとピストンのクリアランスをやや大きめ(0.02〜0.03mm程度)にしておくなどで

対処できるのかもしれません。

話が長くなりましたが、とにかくこれをこのままにはしておけませんので、結局シリンダーブロックも

割って、軽くホーニング修正する必要があります。 なお、ピストンの状態はまだわかりませんが、

このシリンダー痕から考えても無事ではないことは明らかなので当然ながら新品に交換することになる

でしょう。 つまり結果として今回はヘッドOHだけでは済まずエンジンフルOHとなったわけです。

まぁ、これからもこのジムニーには長く乗るつもりですのでここでやれることはやってしまったほうが

いいと判断しました。


●というわけで今回はここまでです。

とりあえず今後の作業としては、ブロックはシリンダーホーニング、必要あれば最少面研。

ヘッドは最少面研および軽くポート修正研磨というところです。

この面研量はとにかく「最少」でおこない、できるだけ圧縮比への影響、燃焼室形状への影響

は最小限にします。 私はローコンプにすることは考えていませんのであくまでも純正と同じ

厚みのガスケット(0.7mm)を使用しますので。

あとはメタル、ピストン、リング等、必要と思われるものはすべて新品に交換となる感じです。

その他の交換部品は、モンスタースポーツのメタルガスケット、ワークスR純正カムシャフト、

スズキスポーツ強化水冷オイルクーラー、純正改耐クラック加工エキマニ等を準備しています。

これらの作業はゴールデンウィーク明けになりますので、復活にはまだ時間がかかりそうです。


えんいー! ヽ(´ー`)ノ~~~