東京V●0−2○蔚山現代 (ACLベスト16 1st leg

 

 

ACLのF組はこのような組み合わせ。

 

東京ヴェルディ (日本)

蔚山現代 (韓国)

アレマ・マラン (インドネシア)

タバコ・モノポリー (タイ)

 

しかし、アレマ・マランとタバコ・モノポリーが

最終期限までに選手登録を完了しなかったためにACL失格。

正式にはグループリーグ第1節なのだが、

事実上ベスト8をかけた決勝トーナメント一回戦なのでこんな表記に。

 

 

言うまでもなく、03年、04年、05年と

3年連続グループリーグで敗退、

アジアチャンピオンズリーグができてから

今まで一度もグループリーグを突破できてない戦績からすれば、

この蔚山との一騎打ちという状況は

史上最もベスト8が近いボーナスステージと言える。

 

いつも東アジアのチームに敗れ去ってきて

鬼のような強さを誇る中東勢と対戦する機会すらなかった。

しかし、ここを勝ち抜きさえすれば

サウジ、UAE、カタールなどのクラブと対戦できる。

 

しかもだ。

UAEのアル・アインにはケリーがいるんだよ!ケリーが!!!!

ACLにはケリーも登場するんだよ!

戦いたいじゃないか。

 

 

てなわけでかなり気持ち入れて国立まで観戦しに行った。

 

 

水曜日開催ということもあって客席はまばら。

でも、バックスタンドに来ていた人を見ると

いかにもサッカーヲタクだなという感じの人がちらほら。

なんとなく いでたちを見るとわかる。

また、赤いものを纏っている人たち −おそらくレッズサポ− もちらほら見られた。

来年度の下見という感じなのか?

 

そして、予想していたことだが蔚山のサポーターは恐ろしく少ない。

中心部で立って観戦しているサポーターなんて5人ぐらい。

ヴェルディのゴール裏は平日開催ながらよく集まっていた。

ギッシリとは言わないまでも、よく入っている。

 

 

 

ヴェルディのスタメンは1節、徳島戦から結構メンバーが変わっていた。

まず、2トップの一角に齋藤将基。

最初ピッチ上に現れたのをスタンドから見た時、

 

「あれ?森本・・・・なんかやたらゴツクなってね?

 しばらく見ないうちにヤンキー度が増したな」

 

と驚いた。

そのあと顔がオーロラビジョンにアップで映し出されて

 

「あれ?森本・・・・・精悍な顔立ちになったなぁ。

 “壊れかけのRadio”の

 思春期に、少年から大人に変わる ってやつか。」

 

と驚いた。

ようやく名前の表示みて齋藤将基というFWだと気づく。

 

そう、静岡FCから今季新加入のFWだ。ゴツイ。

プレー見てもよく体張ってるし、よく動きまわるしで中々良い選手。

 

 

そして、廣山。

セレッソから帰ってきた。

この廣山についてはこの後詳しく書く。

 

 

蔚山のスタメンにはFWのマチャド、DFのヴィニシウスという外国人に加えて

あのイ・チョンスがトップ下で出場。

 

02年W杯で活躍、その後Kリーグ・韓国代表での活躍により

0304シーズン、レアルソシエダに移籍。

ソシエダはその0203シーズンで大旋風を巻き起こし

レアルと最終節まで争い、

リーガエスパニョーラで準優勝に輝いたチームだ。

だが、そのレアルソシエダでは活躍できず、

その後移籍したヌマンシアでも活躍できず、

つい数年前に結局韓国に戻ったとは聞いていたが・・・・蔚山に戻ったのか!

まさかこのACLの舞台でイ・チョンス見られるとは。

 

 

 

ここで勝ちさえすればベスト8!

一人勝手に興奮・緊張しつついよいよキックオフ。

 

 

まず最初は蔚山が攻め立てる。

いきなりイ・チョンスが左サイドを突破してクロス。

これにマチャドが合わせ、そのシュートがポストに当たる。

危ない。

 

その後もガンガン攻めてくる蔚山。

見てて緊張のあまりキリキリしてくる。

なかなか前線にボールが送られないし、攻撃のリズムがつかめない。

ヴェルディがペースつかみ始めたのは試合開始から大分経ってからのことだった。

 

惜しかったのは柳沢のクロスから

バジーリオのヘッド。

この日、クロス精度最悪だった柳沢が

唯一美しいものをあげ、それにバジーリオが合わせたがクロスバーを越える。

ちゃんと叩きつけろ!

もっと!憎しみこめて思いっきり叩きつけて!憎らしく放て!

相手が韓国クラブだと普段以上にダークな気持ちがわく。

 

 

 

レフェリングは言うまでもなくACL仕様。

 

ちょっとやそっとの反則ではファールはとらない。

ちょっとやそっと血しぶきが飛んだくらいではイエローは出さない。

ちょっとやそっと骨が折れたくらいじゃレッドは出さない。

 

これがACL仕様。

 

ゴリゴリいったれ。

 

 

外国人のFWマチャドは背は高いが

運動量が少なくて別にそこまで怖くは無い。

むしろ2トップを組むチェ・サンクの方がちょこまか動き回ってスペースに飛び込み、危険。

 

・追記・

このチェ・サンク。

掲示板でAAさんから教えてもらったが

実は元レイソルの崔成国(チェ・ソングク)とのこと。

あの、リトルマラドーナというニックネームのあいつだ。

ドゥドゥの高額移籍が発表された直後、加入が発表されたあいつだ。

なんかやたら早くてうまい選手だと思ったら

チェ・ソングクだったのね。納得。

 

そして左サイドから攻め立てるヴィニシウス。

凄く変わった名前だ。響きからしてギリシャ人かと思ったが

黒人だし、いったいどこの国籍なんだろう?

まぁそれはいいとしてこのヴィニシウスがやたらゴツイ。

 

・追記・

これもAAさんからの情報だがブラジル人とのこと。

 

 

セレッソのゼ・カルロスを更にもう一回り分厚くさせた感じといえば

その異常さが伝わるだろうか。

 

この日、ヴェルディのMFアナイウソンがスタメン出場。

とにかくこの選手は小さい!

164センチ!そのうえ華奢な体つき。

このアナイウソンとこのヴィニシウスが競り合うとどんな感じかというと、

この写真だ

 

サイズ違いすぎ。

 

 

 

前半はやや押され気味だったが、

ヴェルディもしっかりチャンス作れている。

J2のチーム vs Kリーグ優勝チーム

という不思議な対戦カードながらいい勝負だ。

 

これはもしかしたらいけるかも?

という期待が沸いたのだが後半12分、蔚山が先制ゴール。

柳沢の酷いミスだった。

 

キーパーにバックパス。手で取れるようにと胸でバックパスしたのだが

これがかなり不用意なパスで、

それを後ろから走りこんでいたチェ・サンクがまんまとかっさらってゴール。

腸が煮えくり返るようなゴール。

もの凄く悔しい。

 

 

しかし、このゴールの後ヴェルディが猛攻を見せる。

61分。バジーリオの右からのクロスに齋藤がヘッド!

完璧なタイミングで合わせたが惜しくも外れる。

惜しい。かなり惜しいヘッドだった。

いいよいいよ。この調子。

 

 

その直後、今度は廣山。

左サイドから切れ込んで中央まで持ち込み、シュート!

これも素晴らしい流れだったが惜しくも外れる。

惜しい。本当に惜しい。

もうこれだけで2点取れていたようなものだ。

あと少しだったのだが・・・・・。

 

この日の廣山は素晴らしかった。

04年途中、モンペリエからJリーグに復帰して以来、

ほとんどいいプレーを見なかった。

僕は廣山のジェフ在籍時のプレーを見たことがない。

だから04年以降、Jリーグ復帰後の廣山のプレーを見て、

「なんだ、廣山って全然大したことない選手だな」 と思った。

実際、ほとんど大した活躍もしなかったし、凡庸な動きに終始していた。

「なんでこの程度の選手がパラグアイで活躍できたんだ?」 とも思った。

 

しかしこの日の廣山は良かった。

なんせ、ただうまい。ただキレている。というだけじゃなく、

見ていてもの凄く頼りになるという安心感を感じ、

また同時に“オレは海外での経験を積んできた”というオーラを感じた。

パラグアイ時代、チームメイトに安全装置外れてるピストルを頭に突きつけられただけあって

蔚山相手に全く物怖じしていない。

 

それでも廣山なら・・・・廣山ならきっと何かしてくれる・・・・!

見ていてそう思わせる動き。

 

パラグアイのセロ・ポルテーニョ、

ポルトガルのブラガ、

フランスのモンペリエなど南米・欧州を渡り歩いてきた経験が、

今このACLというアジアの舞台で、Kリーグ蔚山との勝負で輝いている。

 

もう、この廣山のキレ具合を見ただけでも

「この試合見に来て良かった。」 そう思えるほどだった。

廣山に対する印象がガラッと変わってしまったので。

スタジアムでああいうオーラを感じたのは初めてである。

 

 

 

そんな猛攻をみせたヴェルディだったが、

ついに終焉が。

後半26分、ヴィニシウス・マチャドのコンビで切り崩され、

最後は豪快にマチャドが叩き込んで蔚山が2点目をあげる。

0−2。

 

柳沢、廣山アウト。藤田、飯尾が投入。

しかし結局このままスコアは動かず02で敗戦。

ホームで最悪の結果に終わった。

 

 

 

ただ、これだけは言える。

勝てる試合だった。

そして、蔚山はそこまで強くなかった。

 

 

あれだったら今のフロンターレ、レッズ、ガンバ、マリノスあたりが対戦したら

余裕とは言わないまでも普通に勝てるレベル。

それだけに悔しい。

 

個人的に試合前は

「KリーグはいっつもJクラブに対してはやたら強い。

だからこのゲームも相当苦戦を強いられるだろうな。」

と必要以上にビビッていたが

実際に観戦して

「なんだ、J2のヴェルディとはいえ勝てない相手じゃない。」

02で負けたくせにそう思える内容。

 

 

試合後、ヴェルディのゴール裏は選手を拍手で迎えた。

ホームでこの結果はブーイングがでてもおかしくはないと思うが、

やれるだけのことはやりつくし、必死に90分戦ったという姿勢が見られたので

拍手で出迎えるのもわかる。

(もちろん、ブーイングしている人も僅かながらいた。ちょっと揉めてたけど)

それに今年、本当にヴェルディが優先すべきはJ1昇格だからな・・・・・・。

 

 

そんな複雑な状況、そしてこの悔しい試合内容が

頭の中をグルグルめぐりながら家に帰った。

 

(UP日 06年3月15日)

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