04年ナビスコカップ決勝の

ジャーンと藤山

 

 

FC東京で誰が一番欠かせない存在?

そう聞かれてジャーンをあげる人も多いはずだ。

 

抜群の存在感を誇る空中戦の強さ。

判断力の高さを示す素晴らしいカット。

そしてセットプレーでの得点力。

ナビスコ準々決勝から2試合連続得点。

 

とても欠かすことのできない戦力であり、

FC東京を決勝まで導いた真の助っ人、真のプロ選手だ。

 

 

 

そんなジャーンが決勝戦前半29分で退場…。

 

 

退場の瞬間、ジャーンはピッチに突っ伏し、泣いていた。

見ている方も涙を流さずにはいられなかった。

 

ここまで奮闘し、守備陣を牽引し、リーダーであったジャーン。

彼自身もこの決勝の舞台を心待ちにしていただろう。

試合終了まで戦いたかっただろう。

なのに、わずか29分で退場……。

 

 

ここまで活躍し、貢献してきたジャーンを

もう少しだけでもこのピッチで戦わせてあげたい、

この男を最後までプレーさせてあげたい…。

 

そしてスタンドからの盛大なジャーンコール。

フジテレビ実況の青島アナは

「盛大な “ナオコール”が起きています」

と言っていたがそれは違う。

 

あれはジャーンへの励ましと同情を込めてのコールだった。

 

今思い出しても涙が出るシーン。

 

 

そんな危機に投入されたのがベテラン・藤山。

原監督から絶対に欠かせない戦力として重宝された

いぶし銀のDFがここで光り輝く。

 

小柄で空中戦にも強くないが抜群の読みが冴え渡り

浦和の中盤から送られるパスをことごとくカット。

ここでFWに渡ったら決定機。そんなシーンがいくつあっただろうか。

そこで足を出し、ギリギリではねかえしていたのは藤山である。

浦和攻撃陣を完全に封じ込めていた。

 

 

FC東京12年目、チーム最古参、アマラオと同期入社の藤山。

チームはキング・アマラオがいた時、タイトルがとれなかった。

もうアマラオはチームを去り、今FC東京を古くから知る選手は藤山のみ。

その藤山が決勝という大舞台で輝いていた。

 

 

そして120分間東FC東京は浦和を完封。

PK戦の末初タイトルを手にする。

 

 

たった一度の過ちで退場し、

もし負けていたなら戦犯となっていたかもしれないジャーン。

しかしそれによりチームは一つにまとまり、

交代で投入された最古参の藤山が大活躍。

 

 

アマラオになんとしてもとらせてあげたかったタイトル。

それを今、藤山が自分自身の活躍によって手にすることができた。

 

 

なんて感動的なドラマだろう。

きっと2人にとって素晴らしい決勝になったに違いない。

 

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