中国産のキムチについて
2002.12/6


 最近、日本にかなりの量の中国産キムチが入って来て、韓国産のシェアを食っているということで、韓国では危機感を持っているそうです。以前、輸入キムチに関する記事を書きましたので、今回は、この中国産のキムチについて考えたいと思います。

 正確を期すため、まずその記事を引用します('02.11/26)。


中国産キムチを「本家」警戒=日本でのシェア逆転も−韓国

 【ソウル26日時事】中国のキムチが「本家」韓国の地位を脅かしている。26日付 の韓国紙・東亜日報によると、日本では中国産キムチが韓国産のほぼ半額で販売されて おり、韓国の輸出業者は「2、3年後には、日本市場での占有率で中国産に追い抜かれ る可能性がある」と警告した。
 同紙は、中国産キムチが低価格を武器に攻勢をかけていると指摘。その結果、韓国か らの対日キムチ輸出額は、1999年の7700万ドル(約92億4000万円)から 2001年には6500万ドル(約78億円)に減少した。韓国の業界関係者は「わが 国のキムチの深い味を宣伝することが必要だ」と提唱している。
 中国のキムチはまた、韓国市場にも浸透している。中国からの輸入額は、01年は1 9万ドル(約2280万円)超と99年の6倍に増えた。東亜日報は「味は落ちるが、 比べ物にならないほど安い」と悔しそうだ。 (時事通信)


 さて、中国産のキムチが入って来たことで、現在日本で入手できるキムチは、主として国産、韓国産、中国産の3種類となったことになります。
 このうち、国産のものについては、在日韓国人の方々の作られるものも含め、一応韓国産とは別物と分類していいと思います。その最大の理由は、ほとんどの場合、消費者はそれを国産のキムチだと理解した上で購入しているからです。
 そもそもそれなりに国内市場では歴史のあるもので、むしろ韓国産のものの方が新参ですし、味についても、韓国産ほど辛くないもの、むしろ甘いといっていいもの、浅漬けといった感じのもの、本場同様の本格的なものなどいろいろバラエティに富んでいます(日本産キムチをキムチと呼ぶことに異義を唱える動きも、韓国であったようですが、これはまた別の問題です)。そして、どの商品も、一目で国産とわかるパッケージになっていて、概して高価です。国産を買うのは、こちらの方が輸入ものより口に合うという人達だと思います。

 これに対して、最近増えて来たという中国産のものについては、韓国産のものとの兼ね合いで、私個人としてはいくつかの問題点を感じます。

 まず、これら中国産のものは、外見はほとんど韓国産と見分けがつきません。キャップにもラベルにもでかでかとハングル文字が描いてあり、デザインも色合いもほとんど韓国産のコピーといっていい見かけです。わずかに異なるのは、ラベルの裏に、小さく『産地 中国』などと書かれている点だけです。
 一応産地が書いてあるので、韓国産と欺いて売ろうとしている、とまでいうといい過ぎでしょうが、私の回りで何人かに聞いてみたところ、そもそも中国産のキムチなるものが日本に入って来ているという事実を知っている人はほとんどいませんでした。ということは、中国産のキムチを買った人は、韓国産だと思って買っているケースが多いことになりますが、これは消費者から見て、正当と言えるでしょうか。

 次に、韓国産キムチの大きなメリットが、日本野菜にはほとんど含まれていない、ゲルマニウム(血清効果、抗酸化作用があるそうです)をふんだんにふくんでいるという点です。鉱物含有の多い韓国の土壌のためですが、これは非常に体に良いものでありながら、日本人はあまり摂取の機会のないものであり、これが韓国産のキムチを食べることで取り込めるのです。
 一方、中国産の場合は、おそらくこうしたものが含まれていることはないでしょうから、その点で、韓国産キムチを食べることで当然得られるはずのメリットが、享受できないことになります。

 さらに、中国産の農産物には、最近良く知られるようになって来たように、こうした問題があります。中国産の食品を食べないように気を配っている人は少なくないと思いますが、そうした人達にとっては、思いがけず、韓国産だと思って食べているキムチによってそれを食してしまうということになってしまいます。

 私は、私自身がどうであれ、中国産の食品は食べるべきではない、とみんなに訴える気はありませんし、現に日本に輸入されている以上、それぞれの判断で選択されたらいいと思います。ただ、上記のキムチのように、その判断を狂わされるようなものが入って来ているということについては、やはり注意喚起したいと思います。
 それに、もう一つ、中国産のものについては、日本人の間に誤解があるような気がします。
 薬物にしろ食品にしろ、死者まで出て、あれだけの騒ぎになったのだから、当然輸出側でもそれなりの改善がなされているだろう、というのは、私達の感覚としては当然のことです。しかし、中国当局の見解は、以下の通りです(2002.8/2)。


 日本国内で問題化している中国製ダイエット用健康食品による健康被害と中国産野菜の残留農薬汚染について、中国当局は「問題の責任はすべて日本側にある」との転嫁方針を一日までに固め、在日の中国機関へ通達した。

 中国政府は先月三十日にも、残留農薬をめぐる日本での報道ぶりが「中国産品のイメージを損なった」と非難する談話を発表していた。

 在京の日中関係筋によると、中国当局の説明は

(1)ダイエット用健康食品は、中国側の正規貿易ルートによるものでなく、日本人が勝手に購入したにすぎない

(2)冷凍ホウレンソウなど野菜類は、日本の商社が生産指導や対日輸出を手がけた−との内容だ。

 日本国内で対中非難や商品の不買が起きた場合には、この内容にそった説明で日本側に説得や反論を図るとしている。

 危険な健康食品や汚染野菜が中国国内でも問題となっている事実と切り離し、あくまで「日本の責任」を強調することが方針の核となっている。(産経)



 根拠もなく、「だれかがなんとかしてくれているだろう」と思い込んでいる方たちは、いろんな体制の国があるという事実に注意を払う必要があります。また、この危険な食品や薬品の問題自体は、当事国では何年も前からのことであり、また香港でもずっと問題視されて来たことです。ということは、何年たっても問題は改善していないということでしょう。
 なお、上記の時事通信の記事では、中国産は価格が半分、とありましたが、私の知っている中国産キムチは、韓国産と同等か、数十円安い程度でした。そもそもこちらではあまりみかけませんが、関東で多く流通しているのでしょうか。

 ところで、味はどうなのか、という点ですが、これは私は試してないため、わかりません(実は気づかずにすでに試していたりして^^;;)。最初の時事通信社の記事では、韓国側では、韓国製より味が落ちる、といっていますが、上記のような問題もあり、私はわざわざ試してみるつもりはありません。もし試された方がありましたら、教えてください。

 いずれにしても、まったくとんちゃくしない、という方はそれでいいのですが、韓国産か中国産かということが気になる方は、少なくない量の中国産キムチが、韓国産そっくりの姿で入って来ている、ということを知っておいて、ちゃんと意図した方の製品を購入されるように留意されるべきでしょう。

中国産のキムチについて・その2

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