毎年恒例のゴールデンウィークの飛島

毎年行ってるんだけど、
作成中というか写真整理中 m(_ _)m とりあえず1998年のヨーロッパコマドリみてね


left:ヨーロッパコマドリ Robin  (Erithacus rubecula) 1998-5-4 in 山形県酒田市飛島Tobishima-island
right:発見環境 スギ植林の林床アオキenviroment

ヨーロッパコマドリ Robin  (Erithacus rubecula) 1998-5-4 山形県酒田市飛島Tobishima-island
さてこれって下記の検討からすると、
春渡りで換羽中の個体と思われる。

さて、あっているでしょうか?
この写真に似た他種は考えられるか?
幼鳥から第1回夏羽への換羽中のヨーロッパコマドリやオジロビタキの
写真や絵が私の手持ちの図鑑に無いためヨーロッパコマドリとの決定がやや不安。
これら換羽中個体をご存じの方が居ましたら是非教えてください。

色以外の特長は小型のヒタキ類や小型ツグミ類は、多くの種が、
似た体型で生息環境も林床が多いためあまり同定の決め手にならない。
尾を上げる行動をする種も小型ツグミ類に多いし、同定の決め手にならない。

以下詳細検討
●大きさや体型
ルリビタキRed-flanked Bluetail (Tarsiger cyanurus)や
コマドリJapanese Robin (Erithacus akahige)と同程度。

●色color 写真参照
嘴の上から目先と目の下は橙色、
喉から胸は淡橙色で胸は鱗模様。
(推定)この鱗模様は幼羽がかなり残っていると思われる。
(推定)このため春渡りで換羽中の個体と思われる。
胸の脇(側胸)はやや橙色味が濃い。
腹は白色で、脇腹はやや淡褐色味がある。
頭頂部から尾までの上面は一様につやのない褐色であった。
嘴は上下とも黒一色。
目の虹彩は黒っぽいが正確な色は林床が暗くて判別不能。

●行動behavior
写真では褐色の尾をコマドリのように上げて胸を張っているポーズ。
hoppingで歩くことが多く、歩いては尾をコマドリのように上げて胸を張る。

●発見環境enviroment
スギ林床でアオキや笹が20cm程度の高さでまばらに生える。
林床は非常に湿っており、朝夕以外は一日中日陰で暗い。


●撮影確認データ
1998-5-4
山形県酒田市飛島のグランドのトイレの近くのアオキ生える湿った林床
目撃個体数 1羽
撮影者 伊豆川哲也
Canon EOS5 EF600mm/F4 , film RDP2
撮影枚数 1枚のみ

●地理的分布からの検討(文献より)
ヨーロッパに広く分布、ロシア西部にも分布、
しかし通常ロシア東部(バイカル湖以東)や
中央アジア、東南アジアには分布していない
(Stanley Cramp,et.al,(1988)より)。
つまり迷鳥として自然分布するにはかなりの距離があり疑問が残る。
しかし五百沢、他(2000)ではロシア東部も分布と記されている。


国内では
1.伊豆川の記録と同じ島の山形県飛島1995年5月の記録の他に、
2.千葉県市川市1990年11月での捕獲記録、
3.奈良県大台ヶ原1993年5月の記録等
がある(五百沢、他(2000)および真木、大西(2000)より)。

日本鳥学会2000日本鳥類目録改訂第6版では
目録に載せるかどうかを検討中と記されている。
検討中の理由は下記3つである。
  1.亜種が同定できない(ヨーロッパコマドリは2亜種以上ある)。
  2.自然分布とするには疑問がある。
  3.論文として公表されていない、または公表されたが最終原稿にまにあわなかった。

伊豆川が考えるに、亜種hannteiha は伊豆川の換羽中写真からは判定困難であろう。
しかし飛島の記録が今回1998年以前に1995年にもあったとすると、
定期的な渡りルートの可能性もある。

●発見に至る経緯
前日に島内では「ヨーロッパコマドリの換羽中または幼鳥を見た人がいる」というウワサが流れ、
宿(沢口旅館)にて「ヨーロッパコマドリの換羽中または幼鳥を
グランド近くの林床で見た」という鳥屋にあった。
このため当日は、何回もこの林床に足を運び探した。

●同定が遅れた理由
実は撮影当初、ヨーロッパコマドリを私は見たことがなかったし
図鑑が宿に無く、同定できなかった。
現像後は鳥が大きく写っていないのでルリビタキの♀や若♂かもしれないと思い、
ろくに検討をしなかった。
いちおう捨てずにフィルムは撮っておいたので、
たまたま2002年3月に写真整理をしていたらふとこの写真が目に付いた。
嘴の上から目先と目の下のオレンジ色が、
2000年と2001年でSwedenでたくさん見た見たヨーロッパコマドリにそくりで。びっくり、もしや!!

●同定未確定事項
通称ヨーロッパハンドブックStanley Cramp,et.al,(1988)や
ヨーロッパFieldgudeの一つLars Svensson,et.al(1999)なででも
幼鳥と成鳥の絵は何枚もあるのですが
換羽中個体の絵は掲載されていない。
換羽中の個体の写真や絵をご存じの方が居ましたら是非見せてください。
(ヨーロッパ在住ならすぐ判りそうだけど)
また亜種の検討について情報をお持ちの方もお教え頂けると幸いです。

●参考文献
・五百沢、他(2000)文一総合出版、日本の鳥550
・真木、大西(2000)平凡社、日本の野鳥590
・Stanley Cramp,et.al,(1988)OXFORD UNIVERSITY PRESS, Handbook of the
    Birds of Europe the Middle East and North Africa
・Lars Svensson,et.al(1999) Harper collins,Collins Bird Guide
・日本鳥学会(2000)日本鳥類目録改訂第6版