手締めについて


1.手締めとは


「お手を拝借、いよぉーっ、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱん」と参集者が揃って手を打つ「手締め(手打ち)」は、市(いち)・お祭り・祝宴・襲名披露など、おめでたい席で行われます。
一同が心を合わせて手を打ち、凛とした気分と和やかな気分を共有する。
こんな手軽で粋な祝儀はほかにはないでしょう。

手締めのルーツは神事の拍手(かしわで)と関係がありそうですが、原型は江戸時代の中期、大阪で芝居のひいき連が一定のリズムで手を打ち役者を応援したのがそれと考えられます。
文化は西から東へ伝わり、二拍子を基本とする上方の手締めが、江戸の水で洗われて威勢のいい三拍子に変わったものと思われます。


2.手締めの前のかけ声


「手締め」の前に、「いよぉーっ」というかけ声を掛けます。
これは、「祝おう」が転じたものであるとされており、「手締め」には欠かせません。
また、声を掛けることで、全員のタイミングを取る役割も果たします。


3.一本締め


江戸前の代表的な締め方です。
「一本締め」というと、「いよぉーっ、ぱん」と一回手を打って締める光景がよく見られますが、これは正しくは「一丁締め」といいます。

江戸前の「一本締め」は、「ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱん」と三・三・三・一と手を打つのが正しいやり方です。
三回の拍手を三回繰り返すと九回。「九」という字に一つ点を打つと「丸」という字になります。
最後の1回の拍手は、この「九」に点を打って丸くおさめましょう、という意味があるそうです。
ちなみに、お祭りでは、神輿を上げ始める時と下ろす時に、一本締めを行ないます。


4.三本締め


「一本締め」を三回繰り返すのが、「三本締め」です。
「鳶頭政五郎覚書 とんびの独言」に、「三本締め」の音頭の取り方についていい説明が載っていますので、引用させていただきます。
「本日の当事者に一本、本日ご来場のお客様に一本、それからここの席亭に一本」と、こじつけの注釈をつけて、「それではご一同様、お手を拝借」ということになると、参加者全員が納得してくれる。


5.一丁締め


一本締めと混同することの多い締め方ですが、これが「いよぉーっ、ぱん」と一度だけ手を打つやり方です。
このやり方で行きたい時は、ちゃんと、「それでは一丁締めでお願いします」と音頭を取る必要がありますが、「一丁締め」と言ってもまず参加者に説明しないといけません。
「一本締め」と「一丁締め」の違いを、普段から周りの人に教えておくと、本番の時に滞りなく手締めができます。


6.吉原締め


「一本締め」の後に、加えて七回手を打ちます。
つまり、手の打ち方は、「ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱん、ぱんぱんぱんぱんぱんぱんぱん」となります。
これも、普段はなかなかお目にかからない、珍しい締め方の一つです。


7.一つ目上がり


最初は人差し指だけ、次は人差し指と中指というように、指を1つずつ増やしていく締め方です。
手の打ち方は、「一本締め」と同じです。これを五回繰り返すことになります。つまり、


一回目   人差し指
二回目  人差し指・中指
三回目  人差し指・中指・薬指
四回目  人差し指・中指・薬指・小指
五回目  人差し指・中指・薬指・小指・親指

で、「ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱぱぱん、ぱん」と手を打つわけです。
少しずつ音が大きくなっていくところが面白いところです。


8.手締めの音頭


手締めの音頭は、その集まりなり行事の実行の中心となった責任者が取ります。
つまり、「本日も無事おさまりました」と、協力者へ感謝とお礼の気持ちを込めて行うのが、本来の姿です。
従いまして、「最後の締めを、来賓の○○様にお願い致します」というのは、「手締めの意味」から、はずれてしまうわけです。


9. 引用先


10年ぐらい前に、どなたかのホームページに記載されていたのを印刷して持っていたのですが、今はそのページが無くなっておりました。