採集の道具  Tool of collecting insects

ここでは、採集に必要な道具を紹介したいと思います。

たかだか虫を捕まえるだけのことですから、大げさな道具は何も必要ありません。
絶対にコレだけは要る、というものも たぶん無いと思います。

でもまあ、数多く採集に行く内に、あれば大変便利というモノから、あったほうがエエかな というモノまで、
なんとなく分かってきました。
ここでは、それらの便利なモノをご紹介しますので、参考にしてください。
登場するのは、概ね便利度の高い順だと思っていただいてかまいません。
他のページと同じく、初心者の方向けに書いていますので、ご自分で工夫されてオリジナルの道具を作ってみたりするのもいいかもしれません。



ライト
意外かも知れませんが、私は目が悪いこともあってコレの使用頻度が最も高いです。
とにかく樹液採集はコレがなければ、始まりません。
最近はLEDのものが主流となって出回っています。
明るくて、電池の消耗も少なく、ほぼ球切れの心配もないので、瞬く間に普及しました。
ライトは昼間の採集でも頻繁に使用します。
樹皮のメクレの中や、樹洞の中を照らすときに、必須の道具となります。
また、雑木林で木を見上げると、否が応でも逆光となり、見たい部分が暗くて見えない場合が多いです。
そんな、逆光で判別出来ないような時にも使います。

それに大事なことは、コイツを必要なときにすぐに取り出せるようにしておかないと、チャンスを失います。
私は、ザックのハーネスに携帯入れを取付け、それに入れています。
すぐに出せるのであれば、別にウエストバッグでもポケットでもよいのです。

頭に付けるヘッドセット式のものもあります。
両手が自由になり、良いのですが、その光に向かってくる蛾などが、顔面に激突し、閉口するので、お勧めではありません。

出来れば、1本で散光から集光まで操作出来るものの方が便利です。
集光状態でピンポイントで必要な部分を照らす時に使用し、散光状態は夜道を歩くときに使ったりします。
できたら、その焦点操作を片手でできるものが便利です。

夜間採集で、光の輪の中にクワガタのツヤのある姿が飛び込んできた瞬間は、心躍る一瞬です。



上から順に
1.今使っているLEDライト GENTOS ジェントス レッドレンザーP7.2 公称320ルーメン
  明るいし、使いやすくていいのですが、ちょっと大きい。もう少し小さいとありがたい。
      全長130㎜ 最大Φ36
2.TANK007 TK-737 赤色LED 公称40ルーメン
3.SiPiK SK68 CREE Q5 アルカリ電池で公称200ルーメン
  (実際はたぶんその1/3くらいと思われす)
  しかし、小さくて軽いので緊急用としていつも持ち歩いています。
4.GENTOS ジェントス SG-325 [閃] 公称150ルーメン
  こいつだけ外装が樹脂で、めちゃ軽い。(これは誰かにあげてしまった)
 
1と2は通販で、3と4はたぶんコーナンで買ったと思います。



これは、②がハズレだったときの保険。
赤色フィルターだけ別途購入。コこれだけだと安く、150円ぐらい。
初代は、「押しピンケース」に自分で赤いセロハンを張り、それを普通の電球式懐中電灯にをかぶせて使ってました。
とても暗くて重かったことを思い出します。

このようにフィルターを使うと格段に暗くなります。
現に①の前面に赤色フィルターを仮付けしてみると、②より暗くなります。


赤色ライト
ついでなのでこれも説明しておきます。これは夜間採集に行かなければ必要ありません。
(夜間採集で、あれば便利ていどに考えてください)

さて、目的の樹液の出ている木に到着したら、いきなり強烈な白色LEDの光を当てると、虫たちは驚いて逃げたり、死んだフリをしてぼとぼと下に落ちてしまいやすいので、先ずは赤い光で様子を確認します。 一旦地面に落ちてしまうと、夜は発見するのはまずムリです。
強烈な白色LEDの光をいきなり照射しても、びくともしないカブトムシのような剛の者(単にはらぺこでそれどころではないのかも)もいますが、クワガタたちは赤い光を感じにくいようです。
これは、家でクワガタを飼育しているとよくわかります。

以前は私も、広くもない玄関に飼育箱を置き、クワガタなどを飼っていました。夜仕事から帰ってると、その物音だけで朽ち木の下に隠れてしまいます。まして蛍光灯などを付けると、完全に姿を見ることは出来なくなってしまいます。
彼らを観察するために、部屋の照明を消して赤い光で照らしていると、しばらくするとモゾモゾ現れて、昆虫ゼリーをなめたりします。

上に書いたように、以前は懐中電灯に赤色セロハンでキャップ作り、そいつを被せて使っていましたが、最近は赤色LEDを使ったライトが市販されており、それを使用しています。この赤い光のライトは、手元のカメラの操作をするときなども重宝します。強烈な光に照らされた近い物体を見ると、視力がバカになりしばらく戻ってきません。それを防ぐことが出来るのです。天体観測用としても販売されていますので、そちらでも良いと思います。
もう少し詳しく言うと、昆虫の可視光域はヒトより波長の短い方へ寄っています。概ね550nmくらいまでと言われていて、赤色の光は620nm以上の波長であるため、関知できないと考えられています。

赤色フィルターだけ別途購入。これだけだと安く、150円ぐらい。
専門ショップでは波長を指定して買うことが出来ますが、フィルターを使うとガクンと暗くなりますので、そのつもりで。


ミラー
これもついでに書いておきます。
樹皮のメクレの中をLEDライトを当てて調べるワケですが、
調べやすい位置にあるのはごくわずか。
頭の上だったり、地上すれすれだったり、そんな時活躍するのがミラーです。



低い位置ではかがんだり寝転んだりという姿勢になりますが、これが結構つらいので
毎回そんなことはやってられません。写真のようにミラーを使って中を調べます。
光自体をライトに当てたりもします。
歯科医で見るような柄付きのミラーを使っておられる方もあります。
写真のは、ステンレス1.5t鏡面#700の板切れです。
仕事がらステンレス材は常時使用するので、こういった端材は豊富に入手できるので、幸いです。
ガラスの鏡だと衝撃で割れてしまうので危険です。


虫 か ご

さて『虫かご』です。

こいつも、結構必要ランキングでは高い位置にきます。
虫かごがなければ、せっかく掴まえた虫たちを、持って帰ることが出来ません。
子供さんでしたら、写真のような、どこでも買えるもので充分です。
持って帰るのは、1回に1ペアくらいで良いと思います。たくさん採れたら、帰り際に気に入った個体を残して、あとはリリースすればよいのです。
たくさん採ったからといって、子供がたくさんの虫たちを飼えるわけではありません。世話も結構大変です。昆虫ゼリー代もバカになりません。


コーナンで買った虫かご298円 子供さんらはこれで良いと思います。


ルアーケース式のパーツボックス
たくさん数を取る方は、こういったのを車に積んでおき、車に戻ったところで採集したのを入れ、携帯のケースを空にする。


でも、最近私は人から頼まれても1ペアか2ペアしか数を取らないので、
こういったパーツケースを使うようにしています。
これらは、中仕切りがあり、別々に入れられますので、争ってキズつけあったりするのを防ぐことが出来ます。



普段はこういうものをザックに入れてます。
ここ数年は、マイギネスを更新するような個体しかお持ち帰りしないので、
1頭入りの個別ケースを1、2コ。
標本にするときはこのまま冷凍室へ入れます。


グ ラ ブ
グラブは夏の暑い時でも、ほぼ毎回必ず使います。
遊歩道から外れて、雑木林に入り、ヤブをかき分けたりするときに使います。ヤブには時々いばらも混じっており、手を保護するためにはグラブが必要です。
最近はほとんどやりませんが、 木に登ったりして、不用意にムカデを掴んでしまったりしたときも、グラブさえしていれば被害は最小です。軍手でも充分かと思いますが、革製の方が滑らなくて良いでしょう。


右:ホームセンターで買った作業用の薄い革手袋 1000円位
左:バイク用グラブのお古


虫  網
雑木林の甲虫狙いの時、虫網は、以外と使いません。
8割方は手づかみなので、ほとんど出番がなく、むしろヤブにはいったりすると邪魔になったりします。
使うシーンとしては、高い位置にいる虫を捕獲するときや渓流や崖に張りだしている枝に付いている場合です。


しかし、カブクワ以外も狙うよ、というヒトには必須アイテムでしょう。
荷物にはなりますが、やはり持っていくべき道具でしょう。
なにより昆虫採集するぞ、という気にさせてくれるアイテムだと思います。


写真は自作の虫網です。
釣具屋で折り畳み式の玉網のフレームと伸縮式の柄を購入し、網はダイソーで洗濯ネットを手縫いして作りました。
一応頭上4mまで伸びますが、よっぽどのシーンでないと、あまり出番がありません。
フレームと柄を分解し、折り畳んだ状態で車の後で眠っています。
樹液採集だけなら、こんなにデカイ網は必要はありません。しかし、これがあるといざというときの安心感が違います。
そのために、いつも積みっぱなしにしています。
また、ヒメオオなどを狙ったり、本格的に昆虫採集をされる方は5~6段で7、8mもある補虫網を使われるようですが、こんなのは子供には使えませんし、本当の昆虫ショップでないと売っていません。


虫除けスプレー
場所にもよりますが、意外に雑木林にはヤブ蚊などは少ない印象です。
それでも1シーズンに3~4本は使い切ってしまいます。それはマダニ対策のためです。
これに含まれるディートというものの使用基準が明確でないことなどから、敬遠される傾向にあるようです。
実際に欧米では子供に対しては、使用基準が決められているようで、日本でもその動きがあります。
米軍がジャングル戦のために開発したもので、蚊やダニには非常に有効とされています。
しかし、これの80%溶液を皮革に吹きかけると表面が溶けるという報告もあり、使用には注意が必要です。
ただ、日本で一般に薬局で入手できるのは最高で12%のものです。
効果は60~90分程度なので、それ以上の活動には繰り返し塗布が必要です。
私は、直接肌に吹き付けるほかに、ズボンやシャツに塗布してダニの付着を防ぐようにしています。
ダニの恐ろしさについては、別ページで詳しく説明したいと思いますが、甘く見てはいけません。


これが現在市販で最高濃度のムヒ「ムシペールα」


高倍率ズームのデジカメ
もちろんカメラですから、お子さんの表情や記念の写真を撮影するのが、メインの用途になります。
しかし、他にも非常に有効な使い方が有ります。
それは、高い位置の樹液や斜面の上など、近づいて確認出来ないようなポイントを確認するのに使います。
前述のLEDライトも使いますが、それだけでは照度不足の時も併用したりします。
これは使ってみるとかなり利用価値があります。
特に逆光の枝などでは抜群の威力を発揮します。

こういう用途に使うのですから、できれば次のようなカメラが良いと思います。
1.高倍率ズーム できれば10倍以上がイイでしょう。30倍あれば最高です。
2.高感度に強い 夜景がキレイとか裏面照射型とか、ISOの感度数値が大きいとか表現されています。
3.手ぶれ補正がある 望遠にしてラフに構えてもピタっと画像が停まっているのがよい。
4.明るいレンズ F値の小さいのがベター。


SONY HX9V 35mm換算 28-384㎜ 16倍ズーム
裏面照射型のセンサーで強力な手ぶれ補正が付いています。
ただ、動作が滅茶苦茶遅く、使う度にイライラする。



一眼レフにつけたタムロン28-300㎜レンズ
APS-C機に付けると35㎜換算で42-450㎜となり申し分ない。
レンズが暗いのが難点だが、その分手ぶれ補正が最強!
一眼レフなので大きくて重いが、画質と操作性には代えられないので、いつも持って行く。


L棒

「エルぼう」と何気に呼んでますか、みんな何て呼んでいるのでしょうか。
特に決まった呼び方は無いようですが、いわゆる「掻き出し棒」のことです。
樹皮の隙間にいるクワガタを出すために使う道具です。
手作りで、3Φのステンレスの棒をテキトーに切断して、先を丸め15㎜ほど曲げただけのもです。
最近はショップでも売っているそうですが、私はショップには一切いかないのでよく分かりません。
色々経験されてご自分で使いやすいものを作られるのが一番だと思います。
子供が小さい頃は、ぶかぶかのグラブをした手で扱いやすいということで、先の細いラジペンやピンセットなどを使わせていましたが、より狭いところでは役に立たないため、大きくなるに従ってL棒だけ使うようになりました。現地で隙間に合わせて曲げたりできるのがいいみたいです。
しかし、このL棒は現地で落としたり、いつのまにか無くなっていることが多いです。
いろいろ携行方法を考えますが、決定的な良い方法がなく、相変わらずこのままウエストバッグに入れてます。
毎年シーズン前に2m分作ります。これを作るとああ今年もこの季節が来たか、という気持ちになります。


十徳ナイフ
なにかと便利な十徳ナイフです。
ナイフなどよりもはさみを使うことが多いです。


虫網の修理で細い針金を切ったり、といった程度の使い道なので、ぜひとも必要しいう程のことはありません。
あれば安心というくらいのものです。


ザック
20~30リットルくらいの、いわゆるデイバックで充分です。
上記の道具の他に、500ccのペットボトル2本と汗拭きタオルが基本的な荷物になります。
これらが入ればなんでも良いです。

ここに入れているのは、前に説明したとおりLEDライトです。
一番取り出しやすいところに入れます。



テープ(ビニールテープ、紙テープ)

道具の応急修理や、不意のケガやルートの目印用など色々と用途があり、
ザックの中に1コ転がしておくと何かと便利です。


ファーストエイドの薬品類/虫さされの薬

といってもたくさんは持っていけないので、消毒液と救急絆創膏程度です。
足りないものは予備のタオルや十徳ナイフが役に立ちます。
また、あまりないとはいえ野外のことなので時々ヤブ蚊虫などに刺されたりします。
オススメは「サリラベートPCジェル20g」
成分、効果は○ヒEXとほぼ同じで量が多く、安いです。特にかゆみの沈静化に抜群に利きます。


ポイズンリムーバー
もちろん「サリラベート」ではスズメバチ対策にはなりません。
写真のような「ポイズンリムーバー」と呼ばれる毒の吸い出し器が有効になります。
コレを使用したからといって当然刺されなかったことには出来ませんが、症状はかなり緩和出来るようです。
http://blog.canpan.info/morinoanzen/archive/53
実戦投入して3年です。幸いまだ私は使用する場面には至っておりませんが、
一人で行動することが多いので、万一のためにいつもザックには入っています。
念には念を入れたい方はお持ちください。






久しぶりに見直すと、子供が小さい頃に使っていた道具が入っていたり、
もう使っていないモノが混じっていたり、割合新旧入れ替えがありました。

別にたかが昆虫採集ですから、道具がないとできないということではありませんので、
参考にしていただき、お持ちになりたいモノだけ、使ってみてください。