<野蚕(ヤママユガ)図鑑>
野蚕とはいわゆる野生の蚕の総称で主にヤママユガ科(Saturniidae)をさす。
エゾヨツメは早春に羽化するが、他は種によって初夏から晩秋にかけて羽化する。
雄の触角は羽毛状で、雌の触角は櫛状。成虫は口が退化している。
大きくて気味悪がられることもあるが、毒のある種はいない。
カイコ同様に繭の繊維を糸に利用できる種も多い。
ヤママユガ科(Saturniidae)の他、カイコガ科(Bombycidae)イボタガ科(Brahmaeidae)オビガ科(Eupterotidae)も紹介する。

<ヤママユガ科(Saturniidae)>
全11種
ヨナクニサン(Attacus atlas ryukyuensis)♂
撮影協力:西表野生動物保護センター
沖縄県指定天然記念物
沖縄県レッドデータブック 絶滅危惧II類
ヨナクニサン(Attacus atlas ryukyuensis)♀
撮影協力:西表野生動物保護センター
♀はやはり巨大。
沖縄(主に与那国島、西表島)に分布。蛹越冬。
ヨナクニサン(Attacus atlas ryukyuensis)2齢幼虫
与那国産。主にアカギ(コミカンソウ科)等を食す。
ハイビスカス(アオイ科)を食す個体も見た。
ヨナクニサン(Attacus atlas ryukyuensis)♀
撮影協力:アヤミハビル館
天然記念物ゆえに死骸発見時も回収される。
シンジュサン(Samia cynthia pryeri)♂
(神奈川産)
前翅先端部が蛇に擬態していると言われる。
ヨナクニサンの翅紋は三角だが、シンジュサンは弓状。
シンジュサン(Samia cynthia pryeri)♂
(八重山産) 神奈川産より翅が大きい。
温暖地では年2化。寒冷地では年1化。蛹越冬。
多食性。北海道〜九州、沖縄まで分布。
シンジュサン(Samia cynthia pryeri)♂裏
(神奈川産)
シンジュサン(Samia cynthia pryeri)♂アップ
(八重山産)
エゾヨツメ(Aglia japonica microtau)♂
(神奈川産) 眼状紋は角度により青く輝く
エゾヨツメ(Aglia japonica microtau)♀
(神奈川産) ♀は大きい
エゾヨツメ(Aglia japonica microtau)♂アップ
(神奈川産)北海道〜九州に分布。
年1化。多食性。蛹越冬。
エゾヨツメ(Aglia japonica microtau)♂裏
(神奈川産)
唯一春に羽化するヤママユ科
   
 エゾヨツメ(Aglia japonica microtau)♀アップ
(神奈川産)
 エゾヨツメ(Aglia japonica microtau)♀裏
(神奈川産)
オオミズアオ(Actias aliena aliena)♂
(山梨産)北海道〜九州に分布。多食性。
年1〜2化。蛹越冬。
オオミズアオ(Actias aliena aliena)♀
(山梨産)♀は丸みがある。
オオミズアオ(Actias aliena aliena)♂アップ
(山梨産)
オオミズアオ(Actias aliena aliena)♀アップ
(山梨産)
オオミズアオ(Actias aliena aliena)産卵
オオミズアオ(Actias aliena aliena)卵
オオミズアオ(Actias aliena aliena)若齢幼虫
(神奈川産)

オオミズアオ(Actias aliena aliena)終齢幼虫
(神奈川産)
背中の突起の基部が褐色(オナガミズアオは基部が黒)
オナガミズアオ(Actias gnoma gnoma)♂
(山梨産) 北海道〜九州に分布。年1〜2化。
蛹越冬。オオミズアオに比べ前翅端が鋭角。
オナガミズアオ(Actias gnoma gnoma)♂
(山梨産)ハンノキ等のカバノキ科を食す。
オオミズアオに比べ触角が緑色。
オナガミズアオ(Actias gnoma gnoma)♂
(神奈川産)羽化間もない個体

上1頭がオナガミズアオ(Actias gnoma gnoma)♂、
下3頭はオオミズアオ(Actias aliena aliena)♂
止まり方も異なる
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)♂
(山梨産) 濃茶タイプ
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)♂
(神奈川産) 黄色タイプ
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)♀
(神奈川産) 茶タイプ
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)♂
(山梨産)淡茶タイプ
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)♂アップ
(山梨産)北海道〜沖縄に分布。年1科。卵越冬。
多食性。
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)♀アップ
(神奈川産)

ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)幼虫
(神奈川産)
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)幼虫
(神奈川産)
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)繭
(神奈川産)既に羽化して空の繭
ヤママユ(Antheraea yamamai yamamai)卵
(神奈川産)
クスサン(Saturnia japonica japonica)
(神奈川産)上が♂、下が♀
♀は大きく翅の輪郭に丸みがある。
北海道〜沖縄に分布。年1科。卵越冬。多食性。
クスサン(Saturnia japonica japonica)♂
(山梨産)
前翅を上げ、後翅の眼状紋を見せて威嚇している

クスサン♂(下)と、ヒメヤママユ♂(上)のサイズ比較
クスサン(Saturnia japonica japonica)♀産卵
クスサン(Saturnia japonica japonica)♂アップ
(神奈川産)
クスサン(Saturnia japonica japonica)♀アップ
(神奈川産)
クスサン(Saturnia japonica japonica)終齢幼虫
(山梨産)
俗称は白髪太郎
クスサン(Saturnia japonica japonica)繭
(山梨産)
俗称はスカシダワラ。この繭は生きた蛹が入っていた。
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)
(山梨産)上が♂、下が♀
北海道〜九州に分布。年1科。卵越冬。多食性。
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)
(山梨産)上が黒化型(クロヒメヤママユ)の♂、
下が普通の♂
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)♂アップ
(山梨産)
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)♀アップ
(山梨産)
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)♂裏
(山梨産)
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)♀産卵
(山梨産)
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)若齢幼虫
(神奈川産)
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)中齢幼虫
(神奈川産)
ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)幼虫の脱皮
(神奈川産)

ヒメヤママユ(Saturnia jonasii jonasii)終齢幼虫
(山梨産)
白い寄生卵らしきものが付いていた
ハグルマヤママユ(Loepa sakaei)♂
(沖縄本島産)
国の準絶滅危惧種。日本固有種。
沖縄本島、奄美大島等に分布する。
シマサルナシ(マタタビ科)を食うらしい。
ハグルマヤママユ(Loepa sakaei)♂アップ
(沖縄本島産)


ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)
(山梨産)上が♂、下が♀
北海道〜九州に分布。年1化。多食性。卵越冬。
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)♂
(山梨産)黄色いタイプの♂も見かける。

ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)
(山梨産)
茶が♂、黄が♀
クスサン(Saturnia japonica japonica)(上2頭)と、
ヒメヤママユ(Rhodinia fugax fugax)(右上から2番目)と、
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)(下3頭)の比較
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)♂アップ
(山梨産)
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)♀アップ
(山梨産)
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)
雌雄モザイク(gynandromorph)(埼玉産)
翅の色彩だけでなく、左右の翅の大きさ・形状も異なる。
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)
雌雄モザイク(gynandromorph)(埼玉産)左と同一個体。
向かって右の触角は♂だが、左は♂♀が混在している。
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)若齢幼虫
(神奈川産)
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)終齢幼虫
(神奈川産)
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)繭
(神奈川産)
俗称はヤマカマス。これは既に空。
ウスタビガ(Rhodinia fugax fugax)卵
(神奈川産)
繭に産み付けられていた
クロウスタビガ(Rhodinia jankowskii hattoriae)♂
(山梨産)
北海道〜九州。本州以南では山地性。
年1科。卵越冬。キハダ(ミカン科)を食す。
クロウスタビガ(Rhodinia jankowskii hattoriae)♂アップ
(山梨産)


クロウスタビガ(Rhodinia jankowskii hattoriae)♀
(埼玉産)
クロウスタビガ(Rhodinia jankowskii hattoriae)♀アップ
(埼玉産)
クロウスタビガ(Rhodinia jankowskii hattoriae)♂
とムラサキシタバのサイズ比較
クロウスタビガ♂とヒメヤママユ♂のサイズ比較

<カイコガ科(Bombycidae)> 全7種中5種を掲載。
クワコ(Bombyx mandarina)♀
(神奈川産)カイコの野生種。
北海道〜九州に分布。年2〜3化。卵越冬。
クワ科喰い。
クワコ(Bombyx mandarina)交尾
(神奈川産)上が♀、下が♂


クワコ(Bombyx mandarina)幼虫
(神奈川産)カイコにスタイルが似ている。
クワコ(Bombyx mandarina)繭
(神奈川産)
カギバモドキ(Pseudandraca gracilis)
(神奈川産)
本州中部〜九州。山地性。年2科。蛹越冬。
ナツツバキ等(ツバキ科)。あまり多くない。
イチジクカサン(Trilocha varians)
(石垣島)
沖縄(本島、石垣島、西表島)に分布。年化数不明。
食餌未詳。越冬態未詳。日本では少ない。
スカシサン(Prismosticta hyalinata)♂
(静岡産)
本州中部〜九州。山地性。年化数不明。
サワフタギ等(ハイノキ科)。越冬態未詳。
スカシサン(Prismosticta hyalinata)♀
(山梨産)
多くないが♀は特に希少。

オオクワゴモドキ(Oberthueria falcigera)
(山梨産)
北海道〜九州。年2化。蛹越冬。
オオクワゴモドキ(Oberthueria falcigera)幼虫
(神奈川産)
カエデ等(ムクロジ科)を食す。
<イボタガ科(Brahmaeidae)> 日本では1科1種
イボタガ(Brahmaea japonica)♂
(神奈川産)
北海道〜九州に分布。年1化。蛹越冬。
イボタノキ等(モクセイ科)を食す。
イボタガ(Brahmaea japonica)♂アップ
(神奈川産)


イボタガ(Brahmaea japonica)幼虫
(神奈川産) 終齢では黒い角は無くなる
イボタガ(Brahmaea japonica)裏
(神奈川産)
<オビガ科(Eupterotidae)> 日本では1科1種
オビガ(Apha aequalis)
(山梨産)
北海道〜九州に分布。年2化。
オビガ(Apha aequalis)
(山梨産)
オビガは日本固有種。
オビガ(Apha aequalis)アップ
(山梨産)

オビガ(Apha aequalis)幼虫
(山梨産)
スイカズラ、ハコネウツギ(スイカズラ科)等を食す。

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