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<フユシャク図鑑> チャバネフユエダシャク♀ フチグロトゲエダシャク交尾

冬に成虫が発生するシャクガ科の総称をフユシャク(冬尺蛾)という。
■特徴
 @年1化で、冬季(晩秋〜早春)に成虫が発生し、生殖行動を行い、産卵する。
  冬に成虫になるという戦略に至った理由は、冬は天敵が少ない為と推定できる。
 A雌は翅が欠けるか縮小していて飛べない。
  雄は普通の蛾として翅を持ち飛ぶことができるが、雌は翅を欠くか縮小していて飛ぶことはできない。
  フユシャクの雌は冬の寒さに対して、体温を奪う翅を縮めるという進化を経てきたのではないかと推定される。
  ※ 雌雄で形状が異なることを「性的二型(せいてきにけい)」という。
  フユシャクの雌は蛹の段階で一度は長翅が構成されるにもかかわらず、その後翅が縮まるという。
  この現象はフユシャクだけでなく、ドクガ科の一部(アカモンドクガ雌やヒメシロモンドクガ秋型雌)にもみられる。
  (ミノムシの親であるミノガも性的二型で、雌には翅が無いが、ミノガの雌の場合は蛹の段階から翅が無い。)
 B口吻が欠けるか縮小していて食餌を摂らない場合が多い。
  フユシャクの成虫の環境は氷点下になる場合も多く、凍結の原因となる食餌を摂らないと推定される。
  ヤママユやカイコの仲間も口を欠く。必然的にこれらの種の成虫は比較的短命で生殖・産卵に費やされる。
■分類
・日本のフユシャクは35種が知られている(2015年1月現在)。その内、32種の画像を下に掲載中。
・「フユシャク」というのは分類名ではなく、上記の特徴を持つシャクガ科の総称である。
・分類上、フユシャクは鱗翅目・シャクガ科(Geometridae:9亜科から構成される)の内、下の3亜科にまたがる。
   フユシャク亜科(Alsophilinae) 14種 (種名は〜フユシャク) 
                           ・かつてホシシャク亜科に含まれていたがフユシャク亜科が独立した。
                           ・フユシャク亜科は14種全てがフユシャク。
   ナミシャク亜科(Larentiinae)  6種 (種名は〜フユナミシャク)
                           ・ナミシャク亜科は300種以上いるが、その内の6種がフユシャク。
   エダシャク亜科(Ennominae) 15種 (種名は〜フユエダシャク、例外はトゲエダシャク4種とカバシタムクゲエダシャク)
                           ・エダシャク亜科は300種以上いるが、その内の15種がフユシャク。
                            (その中でもトゲエダシャクは複数種いるが、その内4種がフユシャク)
                           ・トゲエダシャクの「トゲ」とは幼虫の背の突起に由来するという。
■分布と発生時期
 種により分布は異なり、発生する標高が限られる種(山地性/平地性)や生息地域が限られる種も多い。
 また、種により晩秋・初冬・厳冬・初春と発生時期が異なる。
■分布の拡大
 フユシャクは雌に翅が無く、長距離の移動は出来ないが、孵化間もない幼虫が糸を使って風に乗って散ることで
 分布を拡大(バルーニング)する様だ。これはミノガやクモなど飛べない種の分布拡大と同様の戦略だ。
■生殖行動
 雌は飛べない為、フェロモンを放出して雄を呼び寄せる。この行為をコーリングという。
 雄はフェロモンに誘引されて飛んできて交尾に至る。
 生殖行動の時間帯は日没直後から数時間が多いが、種類によって時間が異なり、深夜や昼間に行う種もいる。
■フユシャクの探し方
 自己流の探し方をまとめた。
■参考文献
  「日本産フユシャクガ類(鱗翅目、シャクガ科)に関する分類学的、生態学的研究」(中島秀雄氏)
  「冬尺蛾」築地書館(中島秀雄氏)
  「昆虫発見」株式会社ハート
参考(画像を下に掲載)
   アキナミシャクの仲間 :「秋」の名を持つシャクガ科(Geometridae)ナミシャク亜科(Larentiinae)
   フユシャクモドキ    :かつてフユシャクモドキと呼ばれていたハマキガ科(Tortricidae) ハマキガ亜科(Tortricinae)
■リンク
   日本産フユシャク類WEB図鑑:蛾LOVEさんが新しく編集されたフユシャク図鑑 2010/12/23

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<フユシャク亜科(Alsophilinae)>
かつてホシシャク亜科の一部だった。
全14種中、12種を掲載
未見2種
サクフウフユシャク(Alsophila yanagitai)熊本
クジュウフユシャク(Inurois kyushuensis)九州

シロオビフユシャク シロオビフユシャク
シロオビフユシャク(Alsophila japonensis)♂
(2009/11山梨県)
北海道〜九州。11〜1月頃。広食性。普通種。
シロオビフユシャク(Alsophila japonensis)♀
(2010/1神奈川県)
尾端の毛が白い。
ユキムカエフユシャク
ユキムカエフユシャク(Alsophila inouei)♂
(2007/11山梨県)
北海道、本州(東北、関東、中部、東海)。山地性。
11月頃。ヤマハンノキ。
ユキムカエフユシャク(Alsophila inouei)♂
(2014/11長野県)
長野も山梨同様に標高1000m以上で短期間見かける。

ユキムカエフユシャク
ユキムカエフユシャク(Alsophila inouei)♀
(2011/12埼玉県)
埼玉では低地に局所的に生息し、ハンノキを食す。
低地の為か山地より発生時期が1ヶ月ほど遅い。
山地の個体とはどことなく雰囲気が異なる。
ユキムカエフユシャク(Alsophila inouei)♀
(2011/12埼玉県)
同地ではシロオビフユシャクとクロバネフユシャクも確認済。


クロバネフユシャク クロバネフユシャク
クロバネフユシャク(Alsophila foedata)♂
(2008/12神奈川県)
本州(東北、関東、東海)
平地性。12下旬〜2月頃。ブナ科。
シロオビフユシャクに似るが、前翅が黒く、縁が反る。
クロバネフユシャク(Alsophila foedata)♀
(2005/1神奈川県)
尾端の毛は黒っぽい。


 クロバネフユシャク(Alsophila foedata)交尾
(2013/2埼玉県)
22時頃、クヌギの幹で交尾していた。
 クロバネフユシャク(Alsophila foedata)♀産卵
(2013/1神奈川県)
尾端の毛を抜いて卵を隠している。
スジモンフユシャク スジモンフユシャク
スジモンフユシャク(Alsophiloides acroama)♂
(2007/2神奈川県)
本州・九州。2〜3月頃。モミ。神奈川県では希少種。
スジモンフユシャク(Alsophiloides acroama)♀
(2009/2神奈川県)

クロテンフユシャク クロテンフユシャク
クロテンフユシャク(Inurois membranaria)♂
(2006/11山梨県)
北海道〜九州。11〜2月頃と4月頃。広食性。普通種。
ウスバフユシャクに似るが外横線が「く」の字に折れる。
クロテンフユシャク(Inurois membranaria)♀
(2008/2神奈川県)
コーリング中。

クロテンフユシャク クロテンフユシャク
クロテンフユシャク(Inurois membranaria)交尾
(2008/2神奈川県)
フェロモンに惹かれた♂5頭が舞う中1頭が交尾に成功。
クロテンフユシャク(Inurois membranaria)交尾
(2008/2神奈川県)

ウスバフユシャク ウスバフユシャク
ウスバフユシャク(Inurois fletcheri)♂
(2006/12神奈川県)
北海道〜九州。11〜1月頃。広食性。極めて普通種。
羽の濃淡は多様で黒点が目立たない個体もいる。
ウスバフユシャク(Inurois fletcheri)♀
(2007/1神奈川県)
コーリング姿勢。

ウスバフユシャク ウスバフユシャク
ウスバフユシャク(Inurois fletcheri)交尾
(2006/1神奈川県)
翅の退化した♀が♂を引きずって歩き回っていた。
ウスバフユシャク(Inurois fletcheri)交尾
(2008/1神奈川県)

ヤマウスバフユシャク
ヤマウスバフユシャク(Inurois nikkoensis)♂
(2008/11栃木県)北海道、本州中部以北。
本州では山地性。11月頃。バラ科。
ウスバフユシャクより大きく、赤みが無い。
ヤマウスバフユシャク(Inurois nikkoensis)♂
(2006/11山梨県) 色調が濃い個体。
ヤマウスバフユシャク♂の触角節は49〜56節。
ウスバフユシャク♂の56〜62節より少ない。
ヤマウスバフユシャク(Inurois nikkoensis)♀
(2013/11長野県)
ヤマウスバフユシャク(Inurois nikkoensis)交尾
(2013/11長野県)粉雪が積もる中で交尾していた。
ヤマウスバフユシャク
アカウスバフユシャク(Inurois minutulus)♂
(2012/1東京都伊豆大島) 伊豆諸島。
12月中旬〜1月中旬頃。バラ科サクラ。
ウスバフユシャクより小さく、赤みが強い。
アカウスバフユシャク(Inurois minutulus)♂
(2012/1東京都伊豆大島)
人差指しとの比較。ウスバフユシャクより小さい。

ウスモンフユシャク ウスモンフユシャク
ウスモンフユシャク(Inurois fumosa)♂
(2007/1神奈川県)
北海道〜九州。11〜2月頃。広食性。普通種。

ウスモンフユシャク(Inurois fumosa)♂
(2009/1神奈川県)
ウスバフユシャクやクロテンフユシャクに似る。
点が無いが、稀に薄い点がある個体もいる。

ウスモンフユシャク ウスモンフユシャク
ウスモンフユシャク(Inurois fumosa)交尾
(2008/11栃木県)
ウスモンフユシャク(Inurois fumosa)♀
(2009/1神奈川県)
ホソウスバフユシャク ホソウスバフユシャク
ホソウスバフユシャク(Inurois tenuis)♂
(2007/3山梨県)
北海道〜九州。2〜4月頃。ブナ科。普通種。
ウスバフユシャクに似るが斑紋が薄く小柄で春に出現。
内横線が「3」の字を描く。
ホソウスバフユシャク(Inurois tenuis)交尾
(2008/3岐阜県)



フタスジフユシャク
フタスジフユシャク(Inurois asahinai)♂
(2006/11山梨県)
北海道〜九州。関東以西では山地性。11月頃。
バラ科、カエデ科。
外横線が前縁付近で曲がらずほぼ一直線。
フタスジフユシャク(Inurois asahinai)♀
(2012/11長野県)
Inuroisの♀は外見での同定は困難。
この♀は交尾にて確認した。

フタスジフユシャク(Inurois asahinai)交尾
(2012/11長野県)
氷点下の高標高地で、別種を探していて偶然出会った。
フタスジフユシャク(Inurois asahinai)交尾
(2012/11長野県)
左と同一ペア。
シュゼンジフユシャク
シュゼンジフユシャク(Inurois kobayashii)♂
(2007/1静岡県)
静岡。地域限定種。1月頃。バラ科ソメイヨシノ。

シュゼンジフユシャク(Inurois kobayashii)♂
(2014/1静岡県)
フタスジフユシャクによく似ている。
外横線が前縁付近で曲がる個体が多い。
シュゼンジフユシャク(Inurois kobayashii)交尾
(2014/1静岡県)
真神ゆさん撮影
シュゼンジフユシャク(Inurois kobayashii)♀
(2014/1静岡県)
左の交尾と同じ個体。真神ゆさん撮影
<ナミシャク亜科(Larentiinae)>
全6種を掲載
ナミスジフユナミシャク ナミスジフユナミシャク
ナミスジフユナミシャク(Operophtera brunnea)♀♂
(2007/1神奈川県)
北海道〜九州。12〜1月頃。ブナ科、ニレ科、バラ科等
普通種。
1991年にオオナミフユナミシャクとコナミフユナミシャクの2種
に分割されたが、2010年に再び従来のナミスジフユナミシャ
クの1種に統合された。
ナミスジフユナミシャク(Operophtera brunnea)♀
(2007/1神奈川県)





ナミスジフユナミシャク ナミスジフユナミシャク
ナミスジフユナミシャク(Operophtera brunnea)♂
(2011/1神奈川県)
ナミスジフユナミシャク(Operophtera brunnea)交尾
(2008/12神奈川県)
イチモジフユナミシャク イチモジフユナミシャク
イチモジフユナミシャク(Operophtera rectipostmediana)♂
(2006/12神奈川県)
北海道〜九州。11〜1月頃。広食性。普通種。
イチモジフユナミシャク(Operophtera rectipostmediana)♂
(2010/12埼玉県)
前翅の点が目立たない一方、帯の色が濃い個体。
イチモジフユナミシャク イチモジフユナミシャク
イチモジフユナミシャク(Operophtera rectipostmediana)♀
(2010/12埼玉県)
鳥糞や苔に擬態したのか青白い鱗粉で樹皮では目立つ。
イチモジフユナミシャク(Operophtera rectipostmediana)♀
(2010/12埼玉県)
黒い個体も見られる。
イチモジフユナミシャク イチモジフユナミシャク
イチモジフユナミシャク(Operophtera rectipostmediana)
交尾(2010/12埼玉県)


イチモジフユナミシャク(Operophtera rectipostmediana)♀
産卵(2010/12埼玉県)
♀の翅は色褪せているがエメラルド色の卵がいくつも見え
る。
サザナミフユナミシャク サザナミフユナミシャク
サザナミフユナミシャク(Operophtera japonaria)♂
(2006/12神奈川県)
本州(関東甲信越、岐阜、福井)。平地性。12月頃。ブナ科。
神奈川ではレッドデータ扱いとか。
サザナミフユナミシャク(Operophtera japonaria)♂
(2009/12埼玉県)


サザナミフユナミシャク(Operophtera japonaria)♀
(2012/12埼玉県)
サザナミフユナミシャク(Operophtera japonaria)交尾
(2012/12埼玉県)
ミヤマフユナミシャク ミヤマフユナミシャク
ミヤマフユナミシャク(Operophtera nana)♂
(2006/11山梨県)
本州(関東、中部、東海)。山地性。11月頃。マツ科。
ミヤマフユナミシャク(Operophtera nana)♂
(2007/11群馬県)

クロオビフユナミシャク クロオビフユナミシャク
クロオビフユナミシャク(Operophtera relegata)♂
(2010/12神奈川県)
北海道〜九州。11〜12月頃。広食性。普通種。
クロオビフユナミシャク(Operophtera relegata)♀
(2011/12神奈川県)

クロオビフユナミシャク(Operophtera relegata)交尾
(2012/12神奈川県)
クロオビフユナミシャク(Operophtera relegata)♀産卵
(2012/12神奈川県)
ヒメクロオビフユナミシャク ヒメクロオビフユナミシャク
ヒメクロオビフユナミシャク(Operophtera crispifascia)♂
(2007/12東京都)
北海道〜九州。11〜12月頃。ブナ科。
クロオビフユナミシャクに比べ前翅の内横線が内縁付近
で外側に湾曲する。
1982年にクロオビフユナミシャクから分離された。
ヒメクロオビフユナミシャク(Operophtera crispifascia)♀
(2007/12東京都)
ナミシャク亜科のフユシャクの♀では最も翅が大きい
が飛べない。


ヒメクロオビフユナミシャク(Operophtera crispifascia)交尾
(2013/12東京都)
 ヒメクロオビフユナミシャク(Operophtera crispifascia)交尾
(2013/12東京都)
<エダシャク亜科(Ennominae)>
全15種中、14種を掲載
未見1種
カバシタムクゲエダシャク(Sebastosema bubonarium)
♂は約40年間、♀も約20年間発見されていない幻の種
ヒロバフユエダシャク ヒロバフユエダシャク
ヒロバフユエダシャク(Larerannis miracula)♂
(2007/2神奈川県)
本州、九州。普通種。
2〜3月頃。カバノキ科、ブナ科、バラ科。
ヒロバフユエダシャク(Larerannis miracula)♀
(2007/3神奈川県)
後向きの長い翅が前翅。

ヒロバフユエダシャク(Larerannis miracula)交尾
(2013/2埼玉県)
交尾は日没後早い時間とされている。
今回は、深夜でも複数ペアが観察できた。
ヒロバフユエダシャク(Larerannis miracula)♀
(2013/2埼玉県)
黒っぽい個体は、樹齢の古いソメイヨシノの黒っぽい
樹皮にうまく溶け込んでいた。
ナカジマフユエダシャク
ナカジマフユエダシャク(Larerannis nakajimai)♂
(2007/12山梨県)
本州(関東、中部、東海、近畿)、九州。
山地性。11〜12月頃。ニレ科ケヤキ。
ナカジマフユエダシャク(Larerannis nakajimai)♀
(2014/11山梨県)


ナカジマフユエダシャク(Larerannis nakajimai)交尾
(2014/11山梨県)
ナカジマフユエダシャク(Larerannis nakajimai)交尾
(2014/11山梨県)
ウスオビフユエダシャク
ウスオビフユエダシャク(Larerannis orthogrammaria)♂
(2006/11山梨県)
北海道、本州(東北、関東、中部)
山地性。11月頃。カバノキ科、ブナ科。
ウスオビフユエダシャク(Larerannis orthogrammaria)♂
(2012/11長野県)


 ウスオビフユエダシャク(Larerannis orthogrammaria)交尾
(2014/11長野県) 同夜は複数ペア確認した。
  ウスオビフユエダシャク(Larerannis orthogrammaria)♀
(2013/11山梨県)
フタマタフユエダシャク
 フタマタフユエダシャク(Larerannis filipjevi)♂
(2007/4山梨県)
北海道、本州(東北、関東、中部)
本州中部では山地性。4月頃。広食性。
 フタマタフユエダシャク(Larerannis filipjevi)♂
(2014/4長野県)


フタマタフユエダシャク(Larerannis filipjevi)交尾
(2014/4長野県) 同夜は4ペア確認できた。
フタマタフユエダシャク(Larerannis filipjevi)♀
(2014/4長野県)
トギレフユエダシャク トギレフユエダシャク
トギレフユエダシャク(Protalcis concinnata)♂
(2007/3神奈川県)
北海道、本州(東北、関東、中部)、九州。3〜5月頃。
広食性。
2009年にトギレエダシャクからトギレフユエダシャクに改名
された。
トギレフユエダシャク(Protalcis concinnata)♀
(2008/3神奈川県)
♀の翅は途切れた様になっており飛べない。
エダシャク亜科のフユシャクの♀では翅が最大。
しかし、飛べない。
この翅を使って「観音隠れ」する。
トギレフユエダシャク トギレフユエダシャク
トギレフユエダシャク(Protalcis concinnata)交尾
(2008/3神奈川県)
♂の翅は黒っぽいものもいる。
トギレフユエダシャク(Protalcis concinnata)交尾
(2007/3神奈川県)

シロフフユエダシャク シロフフユエダシャク
シロフフユエダシャク(Agriopis dira)♂
(2009/1神奈川県)
北海道〜九州。平地性。1〜2月頃。ブナ科。普通種。
シロフフユエダシャク(Agriopis dira)♂
(2009/1埼玉県)
♂の翅は黒っぽいものもいる。
シロフフユエダシャク シロフフユエダシャク
シロフフユエダシャク(Agriopis dira)交尾
(2007/1神奈川県)
上(翅のある方)が♂。
シロフフユエダシャク(Agriopis dira)♀
(2007/1神奈川県)
♀にも小さな翅がある。
クロスジフユエダシャク クロスジフユエダシャク
クロスジフユエダシャク(Pachyerannis obliquaria)♂
(2006/12神奈川県)
北海道〜九州。平地性。11〜12月頃。ブナ科、モミジ科。
昼間に活動する。普通種。
クロスジフユエダシャク(Pachyerannis obliquaria)♀
(2009/12埼玉県)


クロスジフユエダシャク クロスジフユエダシャク
クロスジフユエダシャク(Pachyerannis obliquaria)交尾
(2010/12埼玉県)
クロスジフユエダシャク(Pachyerannis obliquaria)産卵
(2010/12埼玉県)
チャバネフユエダシャク チャバネフユエダシャク
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)♂
(2006/12神奈川県)
北海道〜九州。11〜1月頃。広食性。普通種。
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)♀
(2006/12神奈川県)
♂とは全く外見が異なる。鳥糞に擬態した斑紋をもつ。
チャバネフユエダシャク
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)♂
(2011/1神奈川県)
端紋の濃淡がはっきりした個体。
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)♀産卵
(2011/12神奈川県)
黄色い産卵管を出し、樹皮の隙間に丁寧に産卵していた。
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)交尾
(2012/12神奈川県)
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)交尾
(2012/12神奈川県)
チャバネフユエダシャク(Erannis golda)幼虫
(2006/5神奈川県)

オオチャバネフユエダシャク♂を思わせる斑紋の
チャバネフユエダシャク♂
(2013/12神奈川県)
オオチャバネフユエダシャク
オオチャバネフユエダシャク♂(左)と
チャバネフユエダシャク♂(右)の大きさ比較。
オオチャバネフユエダシャクが大きいとは限らない。
(2012/12山梨)
オオチャバネフユエダシャク(Erannis gigantea)♂
(2007/11長野県)
北海道、本州(関東、中部)四国。山地性。11月頃。マツ科。
2010年に系統が見直され学名が変わった。
オオチャバネフユエダシャク
オオチャバネフユエダシャク(Erannis gigantea)♂
(2012/11山梨県)
地味な色彩もいる。
オオチャバネフユエダシャク(Erannis gigantea)♀
(2007/11長野県)
チャバネフユエダシャクの♀に似ている。
チャオビフユエダシャク チャオビフユエダシャク
チャオビフユエダシャク(Phigaliohybernia fulvinfula)♂
(2008/3山梨県)
東海以西、山梨。2〜3月頃。ブナ科。


チャオビフユエダシャク(Phigaliohybernia fulvinfula)♂
(2008/4山梨県)
偶然に標高1000m以上の地点で新産地を発見した

2010年現在この個体が日本最北&最標高記録らしい。
チャオビフユエダシャク チャオビフユエダシャク
チャオビフユエダシャク(Phigaliohybernia fulvinfula)交尾
(2011/2山梨県)
チャオビフユエダシャク(Phigaliohybernia fulvinfula)♀
(2011/2山梨県)
シモフリトゲエダシャク シモフリトゲエダシャク
シモフリトゲエダシャク(Phigalia sinuosaria)♂
(2009/2神奈川県)北海道〜九州。
12〜4月頃。広食性。普通種。フユシャク最大級。
シモフリトゲエダシャク(Phigalia sinuosaria)♀
(2011/2神奈川県)

シモフリトゲエダシャク ウスシモフリトゲエダシャク
シモフリトゲエダシャク(Phigalia sinuosaria)交尾
(2011/2神奈川県)


ウスシモフリトゲエダシャク(Phigalia djakonovi)♂
(2007/4山梨県)
北海道、本州(東北、関東、中部)。山地性。4〜5月頃。
バラ科ソメイヨシノ。
シロトゲエダシャク シロトゲエダシャク
シロトゲエダシャク(Phigalia verecundaria)♂
(2007/3神奈川県)
北海道〜九州。2〜4月頃。広食性。
シロトゲエダシャク(Phigalia verecundaria)♀
(2007/3山梨県)

フチグロトゲエダシャク フチグロトゲエダシャク
フチグロトゲエダシャク(Nyssiodes lefuarius)♂
(2007/2神奈川県)
北海道〜九州。3月頃。広食性。主に草本を食す。
神奈川では希少種。昼間に活動する。
フチグロトゲエダシャク(Nyssiodes lefuarius)♀
(2007/2神奈川県)


フチグロトゲエダシャク フチグロトゲエダシャク
フチグロトゲエダシャク(Nyssiodes lefuarius)♀
(2008/3神奈川県)
コーリング中。
フチグロトゲエダシャク(Nyssiodes lefuarius)交尾
(2008/3神奈川県)

<参考 : アキナミシャクの仲間>
全3種を掲載

冬にフユシャクがあるのなら、他の季節名のつくものは?
シャクガ科(Geometridae)ナミシャク亜科(Larentiinae)に
アキナミシャクという仲間が3種いる。
普通のシャクガなので、もちろん♀にも翅がある。
アキナミシャク ミドリアキナミシャク
アキナミシャク(Epirrita autumnata autumna)
(2006/11山梨県)
ミドリアキナミシャク(Epirrita viridipurpurescens)
(2010/11山梨県)
ナカオビアキナミシャク
ナカオビアキナミシャク(Nothoporinia mediolineata)
(2006/11神奈川県)
アキナミシャク(左)とミドリアキナミシャク(右)のサイズ
(2011/10埼玉県)
<参考 : フユシャクモドキ>
全3種中、1種を掲載

かつて「フユシャクモドキ」と呼ばれていた蛾がいる。
ハマキガ科(Tortricidae) ハマキガ亜科(Tortricinae)の
フユハマキの仲間だ。この種も冬に発生する。
ハイイロフユハマキ ハイイロフユハマキ
ハイイロフユハマキ(Kawabeia razowskii)
(2008/3岐阜県)
ハイイロフユハマキ(Kawabeia razowskii)
(2008/2神奈川県)


◆◆◆ フユシャクの探し方 ◆◆◆
 自己流の探し方をまとめた。

1.種類
 特定種のフユシャクを狙う場合は、事前に生態を調査する。
 いない時期やいない場所を探しても会えない。彼を知り、己を知れば、百戦殆うからず。
 ・生息する地域や標高
 ・成虫が出現する時期、活動時間
 ・食餌

2.時期
 フユシャクの成虫の発生時期は、種と地域・標高によって異なる。
 同じ地域でも11月で発生が終わる種もいれば、4月にならないと出ない種もいる。
 同じ種でも、緯度や標高によって発生時期が1ヶ月以上ずれる場合もある。
 また、その年の気候傾向によって、発生時期が例年とずれることも多い。

 資料に「北海道〜九州、11〜12月」とある種は、北海道から九州のどこでも、11〜12月の全期間会えるとは限らない。北海道では11月上旬で終わり、九州では12月にならないと出現しない場合もある。

 結局は過去の発生時期と、その年の気候を合わせ読んで、何度も現地に出向いて確認するのが確実。
 特にフユシャクの場合は、出現後1週間程度で姿を消す種もいるのでかなりシビア。 
 フユシャクは年1化なので、発生時期に会えないとリベンジの機会は1年後になる。

 高地にも平地にも生息する晩秋型の種は、早く気温が下がる高地・寒地から晩秋に発生して、徐々に平地・暖地で発生する。桜前線とは逆パターン。
 逆に、高地にも平地にも生息する早春型の種は、早く気温が上がる低地・暖地から早春に発生して、徐々に高地・寒地で発生する。桜前線に似ている。
 従って、標高や緯度を「タイムマシン」の様に上手く使えば、時期を逸して出会い損ねた種も、その冬の内にリベンジできる可能性がある。

3.場所
 ・公園
  桜やクヌギなど食樹が複数ある公園が狙い目。夏に消毒していない公園がよい。
  夜間立入可能で、かつ治安がよく、適度に街灯があると安心。
 ・林
  食樹が多く、立入を許している林。
  林の奥よりも林縁の方が探し易く出会いも多い気がする。

4.探し方
  強風、雨、寒波等の日は探索に向いていない。フユシャクの姿も少なく、人間も辛い(笑)
  月が明るいと、普通の蛾と同様に♂は街灯に集まり難いが、♀は探し得る。
 ・♂
  夜行性の♂は、普通の蛾と同様に、林に近い街灯・電話ボックス等の灯りで生息を確認する。
  夜間に食樹の幹をルッキングすれば、羽化直後の個体や交尾も狙い得る。
  街灯や林で飛翔している♂がいれば、網や手ですくって種を確認する。
  出現時刻は種により異なるが、日の入り直後から2時間くらいが狙い目。
  昼行性の♂は飛翔している個体を探し、追う。
 ・♀
  飛翔中の♂や、付近の街灯の♂が複数見られれば、♀を探す価値あり。
  夜行性の♀は稀に街灯付近でも見られるが、基本的に食樹付近をルッキング。
  ♀は食樹を高く登る為、林縁の柵や手すり等の低いものに間違って登った個体を探すと楽。
  昼行性の♀は♂を追って交尾で狙う。 

5.必須事項
 ・防寒
  言うまでもないが、探索時期は冬なので防寒は必須。
  同じ夜でも、気温が下がる時刻から出てくる種もいる。
  虎穴に入らずんば虎児を得ず(笑)
 ・懐中電灯
  夜のルッキングに必需品。予備の電灯や電池があると安心。
 ・護身
  公園などでは犯罪に巻き込まれない配慮が必須。
  場合によっては野獣より人間の方がはるかに怖い存在。
  特に夜間の女性の1人歩きは避けるべき。男性を含む複数人での散策が安心。

  山林では獣との遭遇に注意し、かつ、ハンターから狩猟対象と誤認されない配慮も必要。
  熊鈴などがあるとお守りになる。
 ・品性
  法律順守は当たり前。不法侵入・不法投棄・器物破損に類する行為は論外。
  夜間は職質の可能性もある。申し開きは自己責任。

  ネット上に具体的なポイント情報は載せない配慮が欲しい。
  安易にポイント情報をネットに晒すと、そのフィールドは乱獲対象となって荒廃し、後悔することになる。

  また(採集禁止エリアでなければ)採集自体は否定しないが、乱獲は止めて欲しい。
  虫はモノではなく、人間と同じ「命」。
  フィールドや命を大切にすれば、未来も継続して楽しむことができる。

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