菊池良和氏の部屋           

菊池良和氏 略歴> 
1978年、山口県生まれ。
九州大学医学部卒。
九州大学病院耳鼻咽喉科頭頚部外科医師。
九州大学医学研究院臨床神経生理学博士課程大学院在学中。

NPO法人全国言友会連絡協議会理事、
福岡言友会会員・北九州言友会会員・
いしかわ吃改研協力会員。

*菊池良和氏よりメッセージと情報をいただきました。

 このたび、私の部屋を作っていただきありがとうございました。

 寺田さんには、 約10年もお世話になっています。私は医学的な根拠を基に、吃音の正しい知識を多くの人に

知っていただこうと考えています。「左利きを矯正すると吃音になる」 「吃音を意識させなければ、治る」「ゆ

っくりしゃべればどもらない」「吃音は精神的に未熟」「吃音は誤った育児方法が原因」など、色々ネット上には

噂があるものです。上記の噂はすべて間違いです。親に正確な知識を持っていただき、親が自信を持つ。

すると、子どもも自信を持ちます。吃音のある大人も自信を持ってください。1人の力は微々たるものですが、

グループになれば、大きな力になります。

 子どものみならず、大人の吃音のある人が悩みを深めるのは、社会の無理解です。吃音のある人は、

並々ならぬ努力をしているのです。それを理解していただき、そしてどもっても温かい目で見ていただける

ならば、吃音のある人の住みよい世の中になります。吃音のある人は絶対悪くない!

 下記の『吃音コラム』は、順次増やしていきます。          2012年2月22日 菊池

 


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・吃音のことがよくわかる本
・吃音ドクターが教える人と話すのが楽しくなる本
・子どもの吃音 ママ応援(共著)
・小児吃音臨床のエッセンス: 初回面接のテクニック
・吃音のリスクマネジメント:備えあれば憂いなし
・ボクは吃音ドクターです。
・エビデンスに基づいた吃音支援入門

吃音コラム集

吃音コラム(34)  吃音といじめ・からかい
日本の吃音臨床の場で、意外と軽視されているのは、吃音によるいじめ・からかいである。7〜15 歳での吃音のある子にアンケートを行い、いじめ・からかいを受けたことがある人の割合を調べる
と約60%だった。
吃音コラム(32)  吃音は意識させない方がいい?
「吃音を意識させなければ治りますよ」と、ことばの相談を受ける人たちが使っていると聞く。意識させなければ治る率が上がるエビデンスはない。そして、「意識させないように」と聞いた親には
真意が伝わっていないので、意識という曖昧な言葉を使用するよりは、具体的に伝えるべきである。
吃音コラム(30)  左利きを矯正すると吃音になる?
世界の吃音の専門家は、吃音になる原因に左利きを矯正したと思い込んでいる人はいない。日本だけではなく、世界のインターネット社会の情報では、まだ左利きを矯正すると吃音になると
いう誤解がある。
吃音コラム(28)  吃音のある人の聴覚2.
前回は、吃音者の左の聴覚ゲーティングに差があるという発見をしたことを書いた。今回は3種類の音をランダムに聞かせて、トノトピー地図の違いを調べた。トノトピー地図とは、
ピアノの鍵盤みたいに、周波数により反応する聴覚皮質が順番に並んでいることである。
吃音コラム(26) 吃音のある人の聴覚1.
吃音は話すという行為に問題があるのに、なぜ聴覚を調べるのだ?と思う人はいるだろう。それには、2 つ理由がある。1 つ目は、映画「英国王のスピーチ」でも場面があったが、
大音量の音楽を聴きながらしゃべる(マスキング)と、意外にもすらすらしゃべれるのだ。
吃音コラム(24)  大脳半球優位説
今回はようやく吃音の脳科学に入って行きたいと思います。19 世紀後半にフランスのブローカーとドイツのウェルニッケが左半球に言語中枢があることを発見して、左半球が障害されただけで、
言語に著しく障害を受けることを報告した。  
吃音コラム(22)  ボクは吃音ドクターです。
その中で、「たかが一冊の本で、悩みぬいて苦しんでいる人たちを治癒させようなんて大それたことは考えていません。それでもされど一冊なんです。ただただ、自己肯定力と希望や夢を与えて
ほしいのです。希望をもって自分を信じて、ということを吃音者として、そして医師として発信してほしいんです」とお誘いを受けました。
吃音コラム(20)  オペラント条件付け
今回は脳研究の話題でなく、吃音の軽減増悪に対し「オペラント条件付け」が最も支持されているという話である。吃音の発症は、これ以外の説がある。オペラント条件づけとは、
オペラント行動が自発された直後の環境の変化(周囲の反応)に応じ、その後の自発頻度が変化する「学習」をいう。
吃音コラム(18)  脳研究の進歩
私の発表はなぜ吃音研究をするようになったか?脳研究をする手法、そして私の研究の結果を紹介し、協力していただいた言友会に還元した。今月だけではすべて紹介できないので、
まず脳研究をする手法を紹介する。
吃音コラム(16)  利き手と言語中枢
音声言語機構は左半球が優位(主には使っている)である。人間は外見上ほぼ左右対称であり、脳も脳幹、小脳、大脳基底核や感覚・運動をつかさどる部位も左右対称である。
なぜか言語だけは左半球が優位であるが、一説には音声言語は時間的に連続して生じるものなので、一側化した方が効率が良いのではないかと言われている。
吃音コラム(14)  吃音中枢は存在するのか?
前回は脳の部位が違うと、機能が違うという大脳局在説の話を書きました。その具体例として、左半球の脳出血で右手が動かなくなったり、右足が動かなくなったりすることはよく知られている。
しかし、言葉(言語)についてはまだまだ十分に解明されていないことが多い。
吃音コラム(12)  大脳局在説
今年度は私と見上さん(福岡教育大学教授)と交代でコラムを書くこととなりました。私は耳鼻咽喉科医が専門で吃音の研究もしています。吃音者の脳科学の話をする前に、
まず基礎的な話をしましょう。