
(内容は陳夏生著「中國結的経緯」から一部抜粋翻訳しました。)
中国結びは,資料を調べると唐の時代にかつて一度流行したことがある。そのときは,1種類の結びだけで飾る形態が多かった。
清の時代は中国結びが発展したもうひとつのヤマの時代である。現在使われているほとんどの基本結びは,当時すでに利用されていた。清代末,内憂外患が絶えず,その上西洋のものが入ってきたため,中国結びはすたれ,失われそうになった。
それでも現在人々の日常生活の中に生きているのは,台湾の国民生活が豊かになり社会が安定したことのほかに,民間と政府の文化機関の協力があったからである。
民國69年(1980年)末 陳夏生著「中國結」が出版される。(「中國結」の名称が初
めて使われる。)
民國71年(1982年)10月 行政院文化建設委員会により第1回「伝統と創新」のイベ
ントが催される。(「中國結」の名称が正式に公文書中に使
われた。)
台湾においては,このように政府の文化機関と民間の有志の協力の下で,中国結びへの国民の関心が高まった。このことによって,失われつつあった中国の伝統工芸が再度復興してきたのである。
中国結びは,中国の伝統芸術の特徴である対称性,緻密さ,変化の美などの特徴を持ち合わせている。また,その無限とも言える変化は中華民族の深遠な文化の素晴らしさを代表するに足るものと考えられ,民國69年に「中國結」の書籍を出版するにあたり,「中国結び」の名称が用いられた。
その具体的な特徴としては,
(1)中国結びはきつく結べる結びである。
物をしばったとき,簡単には解けず実用的な働きが強い。
(2)中国結びは構造が複雑な結びである。
西洋結びの平結びや巻き結びは,作り方が簡単だが変化に乏しい。これに
対して中国結びは,線の方向はもとより,耳の部分の数や長短などを組み合
わせると無限の変化が可能である。
(3)中国結びの基本結びはほとんど完全に左右対称である。
(4)中国結びは雙銭結以外は立体的な結びである。
(5)中国結びの製作過程には,「編(編む)」「抽(引っぱる)」「修(整える)」の
3つのプロセスがある。
西洋結びは簡単で耳のない結びなので,「編む」「引っぱる」の作業が一つに
なっている。それに対して,中国結びは「編む」過程は最も機械的であり,「引
っぱる」過程で初めて中国結びの奥深さや製作者の力が現れる。そして,「整
える」段階は作品の最後の仕上げの作業と言える。
このような特徴を把握してこそ,中国結びの応用・発展ができるのである。