吐き気・悪心・嘔吐

吐き気がすることを悪心といいます。また声が出て物を吐かないことを嘔といい、声は出ず物を吐くものを吐といいます。同時に出現することが多いので、嘔吐といわれています。外から邪気が侵入したり、胃腸虚弱・水分の停滞・ストレスなどの原因により、胃の気が上逆することにより発症します。 養生は治療よりも大切です。

A分類
胃の気の「降」の作用が悪くなり、上に溢れると悪心・嘔吐が起こります。この胃の気を上にあふれさせる原因に基づき、悪心・嘔吐は次のように分かれます。
@外からの邪気侵入による場合・・・肺の気の流れは胃部より起こります。また肺は身体の表側を主っています。外邪を受け、それが表側から胃に侵入し、胃の気の下にいく作用が働かなくなり上にあふれると悪心・嘔吐が起こります。
A食物の停滞による場合・・・暴飲暴食により胃の気が停滞し、胃の気の下に行く作用が悪くなって上にあふれると悪心・嘔吐が起こります。
Bストレスによる場合・・・ストレスなどにより気が滞り、それが胃を攻撃し、そのために胃の気の下にいく作用が悪くなって上にあふれると悪心・嘔吐が起こります。
C水分の停滞による場合・・・暴飲暴食などにより胃を犯し、そのために水分が停滞し、それが胃部に停滞して上にあふれると悪心・嘔吐が起こります。
D胃腸虚弱による場合・・・普段から胃腸虚弱であったり、過労や運動不足により胃腸を損傷すると運搬機能が低下します。そのために胃の気が胃部に停滞し上にあふれると悪心・嘔吐が起こります。
E胃熱による場合・・・ストレスにより胃熱が発生すると胃の栄養が悪くなります。そのために胃の気の下に行く作用が悪くなり上にあふれると悪心・嘔吐が起こります。


C主な病症
A)胃腸の気の不足による例(胃腸虚弱による悪心・嘔吐)
(病態)
五臓六腑の衰えによる胃腸虚弱があらわれると食物を消化する機能が低下し、悪心・嘔吐が起こりやすくなります。特に甘いもの、冷飲食、脂肪過多のものは注意を要します。
(症状・所見)
@主要症状・・・少ししか食べられない、症状が何回も繰り返して起こる
A舌の色、手の脈・・・舌の色は淡い、舌の上の付着物は薄は白い、脈は弱い
B伴って現れる症状・・・顔色蒼白または黄色、手足がだるく寝たがる、食欲低下、腹部膨満感、軟便

**(鍼灸施術に使うツボ)
○中かん(ちゅうかん)・・・おへそと胸骨一番したの中間で、胃の真上に取ります。
○脾兪(ひゆ)・・・肩甲骨一番下と腰骨の中間で、背骨の外側指2本分の所(左右2箇所)に取ります
○足三里(あしさんり)(膝を立て、向うずねをすりあげて止まるところの外側の凹んだ所に取ります)
○内関(ないかん)・・・手関節前面中央から、肩に向けて指3本分の場所に取ります


B)痰湿中阻による例(食物停滞による悪心・嘔吐)
(病態)
五臓六腑の衰えによる食の停滞が起こると、胃の気が上にあふれて悪心・嘔吐が起こります。すっぱい吐しゃ物を嘔吐する場合があります。またゲップ、腹部膨満感、食欲低下、軟便、湿気を嫌うなどの症状を伴いやすくなります。
(症状・所見)
@主要症状・・・吐き気、酸っぱい物を吐しゃ、ゲップ
A舌の色、手の脈・・・舌の上の付着物は厚い、脈は太い
B伴って現れる症状・・・お腹が張る、食欲低下、口が臭い、便秘または軟便

**(鍼灸施術に使うツボ)
○天枢(てんすう)・・・おへその指3本分外側に取ります(左右2箇所)
○内庭(ないてい)・・・足の甲にあり、第2指と第3指の間、指の生え際に取ります
○中かん(ちゅうかん)・・・おへそと胸骨一番したの中間で、胃の真上
○足三里(あしさんり)・・・膝を立て、向うずねをすりあげて止まるところの外側の凹んだ所に取ります
○内関(ないかん)・・・手関節前面中央から、肩に向けて指3本分の場所に取ります


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