耳鳴・難聴


A分類
@肝火による・・・情志失調により気機がうっ結し、それが化火すると、火には炎上性があり、清窮に影響すると起こります。また激怒して肝を損傷し、逆気して清窮に影響して起こるものもあります。
A痰火による・・・飲食不節や思慮過度、労倦などにより脾胃を損傷し、運化機能が低下すると水湿が停滞して痰が生じます。痰うつとなり長期にわたって改善されないと化火し、痰火となって清窮を閉塞すると起こります。
B脾胃虚弱による・・・労倦や飲食不節により脾胃を損傷して脾胃虚弱になると、気血の生成が悪くなり、そのために経脈が空虚となり清窮がうまく栄養されないとが起こります。また脾陽不振のために清陽が清窮にうまく昇らず、耳鳴、難聴となることもあります。
C腎精不足・・・腎精不足には、先天的に不足しているもの、栄養の吸収不良によるもの、高齢や慢性疾患によるもの、房事過多によるものなどがあります。これらにより髄海(脳)が空虚になると起こります。
B鑑別
肝火と痰火は実証であり、音が大きくまたは聴力の低下が突然起こるという特徴があります。脾胃虚弱と腎虚は虚証であり、次第に発症し、音は細く、聴力も次第に低下するという特徴があります。また耳を按じると実証では症状が増強し、虚証では症状が軽減または消失するという特徴があります。治療を必要としない身体は養生で手に入れましょう。

C主な病証
A)虚証例(腎精不足による耳鳴・難聴)
(病態)
耳は腎の外窮であり、腎虚となり精血が不足して髄海が空虚になると起こります。また腰は腎の府であり、腎は封蔵を司っていますが、腎虚にんるとこれらの関係から腰だるさ、遺精、帯下などが起こります。
(症状・所見)
@主要症状・・・次第に発症します。疲労時に増強、按じると軽減、夜間に増強
A舌脈所見・・・舌質紅、舌苔少、脈細弱または細数
B随伴症状・・めまい、腰のだるさ、遺精、帯下、不眠
(治療方針)
主として腎精を補い、さらに局所の気血が流れの改善を図ります。主として足少陰経穴、任脈穴を取穴し、鍼にて補法を施します。さらに局所の改善を図るために手足少陽経穴を取穴します。局所には灸も可。
**鍼灸施術に使うツボ
○聴会(ちょうえ)・・・耳の穴の顔より斜め下、口を開けば凹みのできる所に取ります
○えい風(えいふう)・・・耳たぶの後方で下の部分、あごの骨との境目に取ります
○太けい(たいけい)・・・内くるぶしの最も尖った所の高さで、内くるぶしとアキレス腱の間の窪んだ所に取ります
○関元・・・おへその下指3本分の所に取ります
○腎愈(腰の10センチくらい上、背骨の外側指2本分の押すと痛い所に取ります)



B)実証例(肝火による耳鳴・難聴)
(病態)
不良な精神的刺激を受けて気持ちが塞いだり、あるいは怒ったりして肝火が生じて上炎したり、肝陽が亢進して頭顔面部に上衝すると、このタイプが起こります。さらにこのために頭痛、顔面の紅潮、口苦などを伴いやすいのです。
(症状・所見)
@主要症状・・・突然の発症、耳が張って痛む、絶えず耳鳴があります
A舌脈所見・・・舌質紅、舌苔黄、脈弦数
B随伴症状・・・頭痛・顔面紅潮、口苦、咽頭部の乾き、心煩、怒りっぽい、便秘
(治療方針)
肝火の清熱を図り、さらに局所の気血の流れの改善を図ります。主として足蕨陰、手足少陽経穴を取穴し、鍼にて寫法を図ります。
**鍼灸施術に使うツボ
○侠けい(きょうけい)・・・足の第4指の外側爪の生え際に取ります
○中渚(ちゅうしょ)・・・手の甲にあり、薬指と小指の間のこぶしの上に取ります
○太衝(足の第1指と第2指の間を足首側にすりあげて、止まる所に取ります)
○聴会(ちょうえ)・・・耳の穴の顔より斜め下、口を開けば凹みのできる所に取ります
○えい風(えいふう)・・・耳たぶの後方で下の部分、あごの骨との境目に取ります


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